2017年12月23日
メスアイナク遺跡

先週末に初めて出席した丸亀高校同窓会総会。東京丸高会には四半世紀に渡って毎年出ているが、丸亀で行われる総会には、東京でいることが多いこともあってこれまで出席してなかった。
東京丸高会でもそうだが、卒業生の一人が講演する。今回の講師は、東京藝術大学の井上隆史特任教授。元NHKプロデューサーで、「私は日本のスパイだった」「四大文明」「新シルクロード」などを手掛けてきたという。シルクロードには平山郁夫画伯と何度も出かけ、「もっともアフガニスタンに足を運んでいる日本人」と言われているそうだ。先日私が見た「クローン文化財」制作にも関わられている。
アフガニスタンは仏教美術の宝庫。そこで内戦状態が20年以上続き、その間に、多くの国宝が国外に流出したり、破壊された。国外流出した美術品は巨大な闇市場があるロンドンに流れ着くことが多いという。そこで、世界の富豪たちがこっそり買い求める。井上先輩は平山画伯と一緒に、こうした盗難美術品を買い求め、日本経由でアフガニスタンに戻す運動をしている。
講演で井上先輩が最後に訴えたのは、アフガニスタンの「メスアイナク遺跡」保存。ここは、アフガニスタンで発見された最大の仏教遺跡群だが、世界最大級の銅鉱床が発見され(推定埋蔵量1140万t)、中国企業が採掘権を落札して開発しようとしている。おまけに、この一帯は今もタリバン支配地域で、この仏教遺跡群(=銅鉱床)だけを1700人の武装警察が24時間体制で守っている。
銅鉱山開発は来年にも本格化する予定で、その前に遺跡の発掘と記録、また可能なら保存しようと世界から研究者が集まっているが、日本政府はアフガニスタン全土に退避勧告を出していて、日本人の渡航を認めていない。そんなわけで、日本からの調査隊は入れずにいる。
世界最大級の仏教遺跡群を調査しているのは、危険をいとわない欧米の調査隊で、そこを攻撃しているのはイスラム原理主義派。そして、遺跡を壊して資源開発しようとしているのは中国企業。日本を含め、仏教国が集まってなんとか遺跡を守れないものかと思う。
