2017年12月11日
ホンダの不思議力?
ホンダジェットの成功(開発の成功であって、ビジネスとしてはこれからだが)を主題にするも、ホンダの社風や技術系譜もひも解く本。90年代まではホンダとソニーといえば、戦後ベンチャー企業の成功例として必ず引き合いに出された。ソニーの今期最高益更新(予想)は実に20年ぶりで、その間、長い低迷にあえいでいたことになる。その間にAppleは1997年に復帰したJobsの元最高益を更新し続け、売上高でもソニーを抜いた。
ホンダの業績はその間、ソニーほど悪化しなかったものの、行ったり来たりしながら同水準を続けている。この20年間で自動車業界は合従連衡が進み、ほとんどのメーカーはどこかの大手グループに入った。日本では、ダイハツとSUBARUがトヨタグループに入り、日産がルノー傘下に、そこに三菱自動車が最近加わった。そんな中、ホンダだけが孤高ともいえる独自路線を続けている。
ホンダが独自路線を取れるのは、実は、二輪事業があるからだと私は考えている。過去4年間の平均値を取ると、二輪事業の営業利益率が10%あるのに対し、四輪事業は3%。つまり、売上が四輪の1/6ほどの二輪事業と利益の絶対額はそう変わらないのだ。
これは市場シェアを考えれば当然のことで、ホンダは二輪の世界シェア35%で堂々の1位、2位のヒーロー(インド)14%の倍以上で、ランチェスター戦略でいうところの「強者」である。だから、利益率が高い。四輪では競争の激しい世界市場の中で中堅の7位に過ぎない。むしろ、スポーツカーというニッチ市場に特化したポルシェ(VWグループだが)のようなメーカーのほうが圧倒的に利益率が高い(営業利益率17%)。
というわけで、このような「ホンダ神話」がいまさら通じるのか?と思ってしまう。


