2017年11月28日
アメリカ海兵隊の組織論的研究
日本的組織論の名著『失敗の本質』(1984)著者による、アメリカ海兵隊の組織論的研究。『失敗の本質』では、第二次世界大戦で「なぜ日本は負けたのか」の組織的分析を行った。その結論は、米軍は「未来の環境に対して自らの目標と構造を主体的に変えることのできる組織」となっていたのに対し、日本軍は過去の成功体験に過剰適応し「自己革新組織」たりえなかった、というものであった。
「未来の環境に対して自らの目標と構造を主体的に変えることのできる組織的能力」のことを著者は、「知的機動力」と呼び、それが本書の表題となっている。アメリカ海兵隊はこれからの組織のあり方を示唆しており、その組織の特徴は、日本企業に共通する点が多いという。
では、その暗黙知をどうやって共有しているかというと、まず第一に適性のある新兵をリクルートすること(採用担当には各隊から選ばれたエースが当たり、採用実績は高く評価される)から始まり、過酷なブートキャンプ(新兵訓練)、そして世界中での作戦活動を通じて実現されている。
これは給与水準の高い投資銀行やコンサルティング会社などでも同じ。どうりで、GSなど海兵隊出身の役員が多いわけだ。
はじめに:・戦争を直視し、研究し、それに備えることは世界の常識・わが国は戦後、現実を直視しない「非武装中立」という、戦争忌避イデオロギーとポピュリズムの下に、戦争と軍隊の理論的研究を怠ってきた・アメリカ海兵隊ほど興味深い組織に出遭ったことがない・デジタル革命のただ中で、人間中心主義のデジタル化海兵隊員は、そのような潜在能力としての暗黙知を入隊後のブート・キャンプや常時世界を回遊し、リアルな戦闘、災害・人道支援、自国民救出作戦を行う海兵遠征隊を通じて体得すると同時に、徹底的に知的対話と実験を通じて形式化し、組織的に共有・蓄積し、卓越性を無限に追及する専門的職業意識を極めようとしている。

