2017年11月02日
第11章 逮捕ー私は闘う
最終的にグローバル・カンパニー横尾社長と羽田取締役は、接見禁止のまま966日間(2年8カ月)も勾留される。総務担当で詐欺罪の付かなかった小野取締役も接見禁止のまま820日(2年3か月)という異常に長い期間に及んだ。一方、「主犯」であるオリンパス財務部の3人と中川氏は40日以内の勾留で終わった。最初に証券法・金商法違反容疑を認めたからだ。
東京拘置所で刑務官に「良くしてもらった」というのが面白い。東京拘置所には常時3000人の被告がいる。日々被告に接し、検事の取り調べに付き添っていれば冤罪かどうかは刑務官に分かってくるのだろう。横尾氏は何度も刑務官に励まされたという。本を書くように勧めたのも刑務官だったそうだ。
「まだ気持ちは壊れていない?あなたは絶対に冤罪だよ。われわれは裁判に同行するし、あなたの毎日の生活態度を見ているから分かる。裁判官よりはるかにね」(ある刑務官)
379:吉開検事は、証券取引法が07年10月に金融商品取引法に名称変更されたことや、それに伴って「有価証券報告書の虚偽記載」の公訴時効が5年から7年に延長されたことも知らない。私に指摘され、大慌てで30分以上も調べる始末だった。394:ある刑務官「この経験を本にしてもらいたい」「いま東拘にいる3000人の被告の中で、おそらく1割は冤罪でしょう。小さな事件の裁判で勝っても意味はない。オリンパス事件という日本中を騒がせた大事件の裁判で、あなたが勝てば日本の司法制度も少しは変わるかもしれない。そのためにも絶対に本を出版して、自分の無罪を主張してください」395:「リクルートの江副浩正さんは気の毒だった。取り調べ中もずっと立たされ続けて、見ている方がつらかった。あんなの、人間のすることじゃない」397:オリンパス巨額粉飾決算事件の最大の元凶は山田氏山田氏は自分一人で損失を拡大させ、上層部が「こんなもの表に出せない」と判断せざるを得ないレベルにまで膨らませた。そうなると上層部は、損失の中身に最も詳しい山田氏に、決算対策を一任するしか手がない。このため山田氏は責任を追及されることなく、彼のために設けられたと言われる副社長のポストにまで上り詰めた。巨額損失を作り出したお陰で、山田氏は20年間のバラ色の人生を送ったのだ。

