2017年09月02日
韓国 老人宅配便
録画しておいたNHK BS1スペシャル「韓国 老人宅配便」が面白かった。一人当たり平均所得では完全に日本に並んだ韓国だが、財閥系大企業と中小企業の所得格差は日本以上だし、社会保障制度の点でもまだ日本に劣る。年金の平均額は月3万円ほどだという。
そのため、定年退職しても年金だけでは暮らしていけない人が多く、高齢者貧困率はOECD最悪の49%である(下図)。そこで、生活費を補うために、そして働くことに生きがいを感じて、韓国の高齢者は働く。
首都ソウル独特の高齢者ビジネスが、「老人地下鉄宅配便」。65歳以上は地下鉄料金が無料になる制度を利用した宅配便だ。その分配達料を安く設定できるので、15年前にNPOが貧困老人に職を与えるために始まったビジネスは、今では200社が参入しているという。
番組に登場したのは、2002年に創業したという老舗業者。社長は飲食店を経営していたが、1997年のIMF危機(アジア通貨危機をきっかけに韓国がIMF管理下に陥る)で倒産。妻とは離婚。奥さんは長女を連れて米国に移住。次女はお父さん子だったというが、就職した職場が合わなかったのか自殺(韓国の自殺率は日本より高い)。就職しようにも高齢者を雇ってくれる職場はない。自分のような高齢者は沢山いるはずだと気づき、「誰でもできる」と始めたのが、老人地下鉄宅配便だったという。
1回の配達基本料金は1万ウォン(約千円)。3割を会社が取り、7割が配達人の収入になる。1日働いて3-4件の配達をこなして2-3千円の収入。月に20日間働いて、4-6万円。番組はその会社に登録している中で最も稼いでいるという人に同行取材するのだが、どこでどう乗り換えれば最も効率的かが頭に入っているのはもちろんの事、集荷から配達まで全行程を走っていた。こうして1日平均5件の配達をこなしているという。
そのスター社員(歩合)の悩みは長男。就職難の時代にやっと就職したと思ったらすぐ辞めてしまい、以来、自宅に引きこもっているという。もう38歳になるという働こうとしてない息子と、70歳を超えて、1件700円を稼ぐのに街中を全力疾走する父親。
他にも、「韓国に未来はない」と言って、ロシア人妻とロシアに移民した長男一家を持つ男性。妻は死に自分ひとり食べていくために地下鉄宅配で働く。年に一回、孫娘が顔を見に来てくれるのを楽しみにしている。その孫娘も小学校高学年。もう何年来てくれるのだろうか、と思わずにいられなかった。
韓国は、両親や老人を大切にする儒教国家というイメージだったが、所得水準が上がるのと比例して世代間・家族間の断絶は進んでいるようだ。

そのため、定年退職しても年金だけでは暮らしていけない人が多く、高齢者貧困率はOECD最悪の49%である(下図)。そこで、生活費を補うために、そして働くことに生きがいを感じて、韓国の高齢者は働く。
首都ソウル独特の高齢者ビジネスが、「老人地下鉄宅配便」。65歳以上は地下鉄料金が無料になる制度を利用した宅配便だ。その分配達料を安く設定できるので、15年前にNPOが貧困老人に職を与えるために始まったビジネスは、今では200社が参入しているという。
番組に登場したのは、2002年に創業したという老舗業者。社長は飲食店を経営していたが、1997年のIMF危機(アジア通貨危機をきっかけに韓国がIMF管理下に陥る)で倒産。妻とは離婚。奥さんは長女を連れて米国に移住。次女はお父さん子だったというが、就職した職場が合わなかったのか自殺(韓国の自殺率は日本より高い)。就職しようにも高齢者を雇ってくれる職場はない。自分のような高齢者は沢山いるはずだと気づき、「誰でもできる」と始めたのが、老人地下鉄宅配便だったという。
1回の配達基本料金は1万ウォン(約千円)。3割を会社が取り、7割が配達人の収入になる。1日働いて3-4件の配達をこなして2-3千円の収入。月に20日間働いて、4-6万円。番組はその会社に登録している中で最も稼いでいるという人に同行取材するのだが、どこでどう乗り換えれば最も効率的かが頭に入っているのはもちろんの事、集荷から配達まで全行程を走っていた。こうして1日平均5件の配達をこなしているという。
そのスター社員(歩合)の悩みは長男。就職難の時代にやっと就職したと思ったらすぐ辞めてしまい、以来、自宅に引きこもっているという。もう38歳になるという働こうとしてない息子と、70歳を超えて、1件700円を稼ぐのに街中を全力疾走する父親。
他にも、「韓国に未来はない」と言って、ロシア人妻とロシアに移民した長男一家を持つ男性。妻は死に自分ひとり食べていくために地下鉄宅配で働く。年に一回、孫娘が顔を見に来てくれるのを楽しみにしている。その孫娘も小学校高学年。もう何年来てくれるのだろうか、と思わずにいられなかった。
韓国は、両親や老人を大切にする儒教国家というイメージだったが、所得水準が上がるのと比例して世代間・家族間の断絶は進んでいるようだ。

いまソウルの地下鉄を舞台に新商売が飛躍的に広がっている。高齢者向けの地下鉄無料パスを利用した宅配便だ。手に持てる物なら何でも運ぶ。次々に参入する会社が増え、現在2百社以上。配達員として集まるのは65歳以上の年配の男性が多く、1日の手取りは数千円。年金とあわせようやく一人が暮らせる収入だ。どんな人がどんな事情で働きに来るのか。高齢者の貧困率が5割に迫る韓国で、格差社会の断面に迫る。
