2017年07月31日
市場のミスプライシング
第26章は「市場は足し算と引き算ができない」

長期で見れば効率的に動いている資本市場だが、短期的には、あるいは中期的にもおかしな値段が付くことがある。大抵は、投資家が熱狂にとりつかれている時なのだが、本書に出てくる例は、インターネットバブル期のアメリカでの話。
3COMはコンピューターネットワーク機器の会社だが、.COMバブルの中で株価は蚊帳の外であった。しかし、3COMは合併を通じて傘下に収めた携帯情報端末Palm Pilotの製造会社Palmがあった。Palmの価値が株価に反映されていないと感じた3COMはPalmをカーブアウト(子会社の株式公開)することにする。
1999年12月13日に、Palmの分割を発表したところ、3COMの株価は$40→$100に上昇する。発表前と発表後で事業自体は何も変わっていないから、これだけで効率的市場仮説に反する。さらに、2000年3月2日、実際に3COMがPalmの持ち株のうち約4%をIPOで売り出し(+1%を企業連合に売却)たところ、IPO価格$38から、初日のうちに$95まで上昇する。このカーブアウトでは、数か月後に3COM株主はPalm株1.5株が割り当てられることになっていた。Palm IPO後の3COM株価は値下がりして$82であった。
3COM $82 = Palm $95 x 1.5 − $61(3COMの残存価値)
この結果、引き続き黒字で安定していた3COMの残存事業の価値は一株当たり-$61で、会社全体でマイナス230億ドルということになった。これはあり得ない事態だったので、大衆紙までが大きく報じた。それでも、3COMの残存価値は数カ月間マイナスが続いた。Palm株を買わずに、3COM株を買えば大儲けだ
(実際、そうした人は儲けられた)
歴史上、同様の例は他にもあって、本書では、1923年のDuPontとGMの例が紹介されている。バフェットの師匠として知られるベンジャミン・グレアムは、DuPontがGMの株式を大量に保有しているのに、DuPontの時価総額がGMの持ち分の時価総額とほぼ同じであることに気づいた。DuPontは非常に収益力が強い企業なのに、GM持ち株分を引いた残存価値はほぼゼロであった。グレアムはDuPont株を買って、GM株を空売りし、DuPontの株価が上がると大金を手にしたそうだ。
この結果、引き続き黒字で安定していた3COMの残存事業の価値は一株当たり-$61で、会社全体でマイナス230億ドルということになった。これはあり得ない事態だったので、大衆紙までが大きく報じた。それでも、3COMの残存価値は数カ月間マイナスが続いた。Palm株を買わずに、3COM株を買えば大儲けだ
(実際、そうした人は儲けられた)歴史上、同様の例は他にもあって、本書では、1923年のDuPontとGMの例が紹介されている。バフェットの師匠として知られるベンジャミン・グレアムは、DuPontがGMの株式を大量に保有しているのに、DuPontの時価総額がGMの持ち分の時価総額とほぼ同じであることに気づいた。DuPontは非常に収益力が強い企業なのに、GM持ち株分を引いた残存価値はほぼゼロであった。グレアムはDuPont株を買って、GM株を空売りし、DuPontの株価が上がると大金を手にしたそうだ。

