2017年06月14日

八十日間世界一周



昨日BSでやっていた映画「八十日間世界一周」を夜録画で見た。この長編映画(169分)を見るのは初めて。往年の名TV番組「兼高かおる世界の旅」に使われていた「Around the World」が、元々はこの映画の主題テーマ曲であったことも初めて知った。

あれ!と思うような有名人や大俳優がチョイ役で出演している。バーでピアノを弾いているのがフランク・シナトラであったり、大陸横断列車の車掌がバスター・キートンであったり。こうした「カメオ出演」はこの映画から始まったらしい。

ところで、主人公のFOGは1872年に「世界一周を80日間で出来る」という賭けに出てロンドンを出発するのだが、その時の掛け金は£20,000。FOGは言う。

"I have a deposit at Barings Bank the sum of £20,000."

その時の2万ポンドとはいくらの価値だったのか?「英国メイドとヴィクトリア朝研究」によれば、当時の1ポンドは現在の6.5-8万円に相当するということ。1ポンド7万円とすると、2万ポンドは14億円ということになる。これは確かに大金だ。FOGはこの賭け金以外に、同額を旅行費用に充てる

途中、いろいろと問題が持ち上がるが大抵はこの資金で解決する。例えば、開通していると思っていたボンベイ〜カルカッタ間の鉄道の工事が途中で止まっている。この時は、ゾウを2千ポンドで調達している。1.4億円だから破格だ。NYからイギリスに帰る客船がなくて小型蒸気船を買うのだが、この時は旅の最後で有り金を全てはたいたと思う。それまでの旅行で象以外にもあちこちで億単位の出費をしているので、10億円位払ったのかもしれない。予定通りイギリスに到着したFOGは、ボーナスとして船は船主にそのまま返してしまう。

驚くのは、その後のポンド価値の下落だ。現在の1ポンドは140円。大英帝国の最盛期であった当時から比べると、実に1/500。2度の世界大戦で勝利したものの、領土を得られたわけでなく、植民地は独立し、経済はガタガタになった。戦後、労働党政権が続いて社会主義的政策を取ったことで財政も悪化した。The Beatlesが「全部税金で持っていかれる」とTaxmanを歌ったのはこの頃だ。最大の原因は「ゆりかごから墓場まで」と謳われた福祉政策にある。それを嫌って多くの才能が大西洋を渡った。稼げる人がアメリカに行ってしまったので、税収がさらに落ち込んだ。

その間英国民は貧しくなる一方で、再び経済成長が始まるのは1990年代。サッチャー政権(1979-1990)による構造改革のおかげだった。日本も政策を誤れば国も国民もその位貧しくなる可能性があることを認識する必要がある。

shikoku88 at 19:32│Comments(0)TrackBack(0)映画・TV | 経済

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