2016年12月02日

この国のために死ねるか?



2001年3月、海上自衛隊に「特別警備隊」として設立された自衛隊初の「特殊部隊」の創設者による書。『日経ビジネスオンライン』での成毛眞さんとの対談も面白かった。

手塩にかけて育てた部隊にも関わらず、5年後転勤を命じられたことを機に、「日本は本気で特殊部隊を使う気がない」と確信し、退職する。その二日後にミンダナオ島に飛び、その理由が、「知り合いもいない治安の悪い場所で、腕だめし、運だめしをしたくて」というのだから筋金入りだ。そのミンダナオ島で弟子に取った海洋民族の娘からこう言われたことが本書を書く問題意識のきっかけとなったという。

「あなたの国は、おかしい。なぜ先祖が子孫のために残した掟を捨てて、他人が作ったものを大切にしているのか?その地に生きる子孫のために先祖が必死で伝承してきた掟を捨ててしまうような国家、国民の何をいったいどうして守りたいのか?」

北朝鮮による拉致問題はいまだに解決できていない。「自国の領土内から自国民が連れ去られ、誰の手によって、どこに監禁されているのかも知っていながら、日本という国は、最終手段として残されているはずの武を使うことを避けるために、状況を放置している」のだ。

著者でなくても問いたくなる。この国に命を賭してでも守り抜くべきものはあるのか、と。


51:特殊部隊員に必要なのは、覚悟でも犠牲的精神でもない。任務完遂に己の命より大切なものを感じ、そこに喜びを見出せる人生観だ。

75:同期の中に「国のためなら命を失ってもいい」と思っているものは、一人もいなかった

142:拉致被害者を奪還できるか→YES
海上自衛隊と陸上自衛隊の特殊部隊を投入すれば可能
だが、犠牲者は当然出る。

144:問題はいまだ解決しておらず、いたずらに耐え忍ぶことを、拉致被害者とその家族に強要し続けているのが現状だ。自国の領土内から自国民が連れ去られ、誰の手によって、どこに監禁されているのかも知っていながら、日本という国は、最終手段として残されているはずの武を使うことを避けるために、状況を放置している。

147:正論が通じる島ミンダナオ島

186:正しいと思っていることを実行できない奴は、敵より怖い

193:防衛大学校には、その習慣をかなぐり捨てることの重要性も、そのための訓練の必要性も、認識している者はいなかった。そして、それは、防衛庁全体を覆っている雰囲気でもあった。

200:天皇「こいねがう」→部族長であってエンペラーではない(ミンダナオ島の二十歳の娘)

205:「祖先の残してくれた掟を捨てて、他人が作った掟を大切にするような人を、あなたは、なぜ助けたいの?そんな人たちが住んでいる国の何がいいの?」(同)
236:「日本人は騙しやすい。同じ手口で何度でも騙せる。でも、いい気になって騙していると、ある日突然、見境なく殺しに来るから絶対に騙してはいけない」(ラオスのお爺さん)


shikoku88 at 19:35│Comments(0)TrackBack(0) | 政治

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