2016年10月29日

自分の財布からお金を出すのと同じ感覚



この本は今年の夏に一度紹介したが、先日来の「もんじゅ廃炉」にまつわる国と福井県の間の騒動を見ていて、本に書かれていたエピソードを思い出した。西川知事が国の廃炉方針を「裏切り」だとして批判しているのだが、つまるところ、「廃炉で補助金や雇用が無くなるのは困る」という地元エゴだ。

スイスのある村に核廃棄物処理場を造るという話が持ち上がった。住民のアンケート調査が行われたところ賛成が51%であった。これに気を良くして、さらに賛成派を多くしようと「住民一人当たり年間80万円の補助金を付ける」という特典を付けて2回目のアンケート調査が行われた。ところが、結果は賛成が25%と激減。補助金が出るなら、処理場は受け入れないという住民の判断だったという。(97:「補助金嫌い」)

1回目:「原子力発電はみんなで利用しているものだ。廃棄物処理は誰かが受け入れないといけない。我々は貧しい田舎の村人だけど、みなさんのお役に立てるなら、ぜひ引き受けたい」 

2回目:「お金が欲しくて賛成したわけではない。年間80万円で、国に買収されたくない」 

という住民感情だったらしい。人口800万人のスイスでは、「自分の国は自分たちで運営する」という意識が強い。国から補助金が出るのも、「自分の財布からお金を出すのと同じ感覚」なのだという。

こうして、強固な軍事力と財政力を築いてきたわけだ。人口127百万人の日本がこの感覚を取り戻すには、「廃県置藩」しないと無理だろう。連邦制のスイスは、さらに26の州に分かれて、外交・国防・国家財政以外は全部州で決めている。つまり、州の人口は数十万人くらいなのだ。

探検バクモン 

shikoku88 at 21:23│Comments(0)TrackBack(0) | 政治

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