2016年10月01日
引きこもりの星
2011年下半期の芥川賞受賞作品『共喰い』を遅ればせながら読んでみる。作品の性格上、仕事関係の話題を主にしているここではなかなか感想も書きにくいので、著者である田中慎弥のことを調べてみることにする。
2012年1月に行われた受賞会見が話題になった。曰く、
・貰って当然(2007年に初めて芥川賞候補に。その後も何度か候補になっていた)
・断ったりして(中略)都政が混乱するので、都知事閣下と東京都民各位のために貰っといてやる(選考委員の一人が当時都知事だった石原慎太郎)
・(会見を)とっとと終わりましょう
だった。どうやら、酔っていたらしい(笑)。
PCや携帯電話を持たず、執筆は「無地の紙に2Bの鉛筆で」というから、執筆スタイルも小説の内容も「昭和」なのだ。
生まれてこの方下関から出ず、工業高校卒業以来、他の仕事もせずに家に引きこもって小説だけを書いてきたことが当時も話題になった。「引きこもりの星」と取り上げる人もいた。その田中氏が昨夏に東京に引っ越したのだという。一体、何があったのか?
4歳の時に父が34歳で亡くなった体験を映し、「家」に象徴される地縁血縁への抵抗を父と息子の葛藤という形で書いてきた。「でも、父より10年長く生きました。もう少し作品を外に開いていきたい」。上京のきっかけのひとつだ。
とのこと。うちの父の場合は43歳だったが、私も今年で父より10年長く生きたことになる。やはり、誰もが意識するものなのか。