2016年05月11日
velib
2005年にリヨンで始まった自転車のシェアリングシステムに次いで、2007年にパリで始まった大規模な自転車シェアリングがvelib。フランス語の自転車(velo)と自由(liberte)を組み合わせた造語である。この後、ロンドンにも類似の仕組みが出来た。
この仕組みが出来てから初めてパリに来たので、朝食の後2時間ほど市内を自転車散歩。時差ボケを治すには、日中に適当な運動をするのがいい。市内1230か所のステーションに、14500台が備えてある。1日に10万人が利用するという。
感想
・自転車は日本のママチャリを頑丈にした感じ。重量は22kgで、フランス企業がハンガリーで製造しているという。シマノの内蔵3段変速付き。
・しっかり作ってあるにもかかわらず、どこか不具合のある自転車が1/3位ある。一時使用には前払いで(他に会員制度がある)自転車を指定するので、借りる前にしっかり点検しておかないと危ない。
・パリ市内はvelib以外の自転車は少ない。クルマの次に多いのはスクーターも含めたバイク。道路が混んでいるので、自転車の優位性はあるのだが、日本と違って歩道が走れない。
調べてみると、やはり、自転車の盗難と破壊行為が後を絶たず、仕組みの維持に多大なコストが掛かっているということ。盗まれた自転車は北アフリカ辺りに売り飛ばされてしまうらしい。クレジットカードで登録する必要があるので、カード自体も犯罪組織によって偽造や盗難されたものなのかもしれない。
サービスが始まってから2年間の間に2万台が投入され、実に、その40%が盗まれ、他に40%破壊されて使えなくなったという。盗難対策のせいもあってか、盗難は次第に減少したが、手荒な扱いによる故障車は相変わらず多い様だ。
これを、「velibの主な利用者である都市中間層に対する、郊外に住む下層移民層の不満の表れ」と分析する学者もいる。何でも政治と結びつけるのはフランス人らしい。
フランス第三の都市であるリヨンでは、それほど破損はないらしい。これはパリ都市圏として1000万人を擁する国際都市であるパリと、50万人の地方都市であるリヨンとの違いなのだろう。同じコミュニティに住む者として、他人の迷惑になることを避けるリヨンと、同じパリ住民であっても「違うグループ」として対立意識がありそうだ。
パリっ子のフランス人の同窓生によれば、「歴代の政権が、移民受け入れを外交の取引材料にした結果」だという。フランスの社会保障制度は手厚いので、職の見つけにくい移民や教育水準の低い移民の子供たちは頑張って働くよりも、生活保護に頼りがちだ。もともと帰属意識が低いので、制度の悪用に歯止めが利かず、犯罪にも手を染めることになる。
私は日本はもっと移民を受け入れればいいと思っているのだが、受け入れ条件と、社会に溶け込んでもらうための仕組みはしっかり考える必要がある。