2016年04月23日
大盛は冲しきが若し
以前見逃していたNHK「伊藤若冲 神の手を持つ絵師」を週末の再々放送?でやっと見れた。2時間にも及ぶ大作。若冲の人となりから、その作品の秘密(技法、絵具)、若冲最大のコレクターであるアメリカ人Joe Priceのことまで余すところなく描かれている。
この番組で若冲の名前が、「大盛(たいえい)は冲(むな)しきが若(ごと)し」という老子の言葉から来ていることを知った。名付けたのは、元は高名な禅僧でありながら、60歳を過ぎてから京都各地を放浪しながら煎茶を淹れて売るようになった「売茶翁」であるということ。
それにしても、これだけ魅力のある絵が明治以降100年間に渡り日本でほとんど忘れられていたというのは信じがたい。ブームに踊らされやすい日本人の特性発揮というところか。明治になり、西洋趣味がブームになると、日本画は二束三文で海外に売られていったという。
若冲を再発見し、熱心に紹介したのが若冲コレクターであるアメリカ人富豪Joe Price氏。24歳の時、家族で親交のあった建築家Frank Lloyd Wrightが趣味の日本の浮世絵を見るのに付き合っていて、NYの古美術店で若冲の絵に惹かれたのだという。それまで絵の趣味は全くなかったそうだ。