2016年04月16日

Lincoln



2012年のスピルバーグ映画。BSでやっていたのを先週末に見た。

時は1865年のアメリカ。南北戦争は当初誰もが想像しなかったほど長く続き、60万人近い戦死者とおびただしいい数の負傷者を出した。犠牲者の数はアメリカが欧州と太平洋両方で戦った第二次世界大戦よりも多く、未だにアメリカが経験した最悪の戦争である。

この戦いは産業革命が起こり工業化を進める北部州と、奴隷労働を使ったプランテーションによる農作物の輸出で成り立つ南部州の対立によっておこる。4年続いた戦争は工業力が高く、また黒人も軍人として取り入れた北軍優勢となり、リンカーンは大統領再選を果たす。

ここで、リンカーンは勝負に出る。奴隷解放のため憲法改正案第13号と通そうとするのだ。

しかし、これには大きな壁があった。上院は与党共和党が優勢ですんなり通ったが、下院は与野党の勢力が均衡している。しかも、共和党内部でもいきなり400万人にも上る奴隷を解放したら社会に大混乱が起こると反対する議員がいた。

リンカーンは党内の反対派を粘り強く説得する。ロビイストを雇い、民主党で次の選挙で落選しそうな議員に連邦政府のポストを約束して寝返りを図る。おカネで買収したら法律違反だが、これならあからさまな買収ではない。

リンカーンが言う。

「ひょっとしたら50年後、100年後には黒人も投票しているかもしれない。いや、女性だって投票できるようになっているかもしれない。」

アメリカで実際に黒人に投票権が与えられたのは1965年。南北戦争による奴隷解放から100年経っていた。実質的に黒人全員が投票できるようになったのは1971年に「文盲テスト」が廃止されてからの事である。女性参政権はそれより早く、1919年の憲法修正を受け1920年代に各州で実施された(一部州はそれ以前に実施)。 

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