2016年04月15日
日本人はなぜ中国のステレオタイプをつくりだすのか
昨日の本は『歴史とプロパガンダ』だったが、今度は『革命とパンダ』🐼。どちらも昨年発表されたメディア論を扱った本。著者は南京出身、北京師範大学卒業後、東大で修士号を取得し、現在はTV朝日報道局で働くという。修士論文がこの本の元になっているということ。
こうしてみると、逆に、尖閣問題などで中国イメージが悪くなるまでの日本での「中国イメージの美化」に驚く。やはり、人民による共産革命への憧れがあったのか。その間に、共産中国はチベットに侵攻し、「大躍進」で数千万人の人民を餓死させたが、毛沢東は一切責任を取らなかった。流石に、政治の第一線からは退いたが、カムバックを狙って仕掛けたのが「文化大革命」で、洗脳した紅衛兵に自分の政敵を攻撃させる。
これら一連の動きは国交がなくとも漏れ伝わってきていたが(日本のマスコミも何度も取材に行っている)、日本人は共産主義中国にあこがれ続けた。それも、高学歴のインテリ程そうであったというのだから、日本の高等教育は知識を教えていても、何が真実で何がプロパガンダなのか、自分で判断できる能力を教えることには完全に失敗していた。
作家の高橋和巳は1967年に「朝日ジャーナル」誌上で『中国報告 新しき長城』と題し、「一見異様にみえる、しかし方法や範疇を異にする別な論理、別な合理性が確かにありうる」と書いているが、本当にあったのは「合理性」ではなく、集団暴力と恐怖による支配だった。共産党一党支配である中国は、建国以来一貫して、海外に対しても自国民に対してもプロパガンダを行っている。それを見抜けないのでは「インテリ」と言えないだろう。それとも、日本語のインテリとは英語の意味と違うのか
内閣府による「外交に関する世論調査」で親近感推移をみると、かって米国と並ぶ好印象を持たれていた中国支持が激減している。もともと、戦後同盟国となった米国と同レベルであったというのがすごいことなのだが、「(人民)革命の国」→かわいい「パンダの国」というステレオタイプから、交流が深まるにつれ、実態が分かってきたということなのだろう。

48:戦後の日本における中国観・1950年代半ばから中国に関する書籍雑誌が大量発行・共産主義的文芸書の売れ行きも東京・京都で極めて盛ん・共産党の宣伝機関である「中国研究所」が学究部門で大きな勢力『新中国』49:朝日系列の媒体で中国文化大革命を支持・1967高橋和巳『中国報告 新しき長城』(朝日ジャーナル)「一見異様にみえる、しかし方法や範疇を異にする別な論理、別な合理性が確かにありうる」51:文化大革命への疑問(朝日新聞1966/8/25社説)「党内民主主義が円滑に動いていないことが、ほぼまちがいなく推測される」57:1971藤子不二雄A『劇画 毛沢東伝』「ぼくが毛沢東にひかれるようになったのは、エドガー・スノーの『中国の赤い星』を読んでからだ」60:東京大学中国研究会1968/10/1「ここで私たちが確認しなければならない事は、中国革命の全過程を通じて、『人民、ただ人民のみが世界の歴史を動かす原動力である』という毛沢東の言葉を私たちが確信できること」113:1972日中国交正常化・8日間連続衛星中継!116:「パンダの国」・11/5-30にパンダを見た人は15万人(展示時間1000-1200のみ)!・パンダ新居建設工事(床面積153m2、運動場面積243m2、笹倉庫12m2、寝室冷暖房完備)
