2016年03月13日
東日本大震災復興事業26兆円

昨晩放映されたNHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 ”26兆円” 復興はどこまで進んだか」を見る。改めて「26兆円」という巨額の予算に驚くとともに、復興に伴う通常ではありえない大規模な自然破壊に心が痛む。
「里海」という言葉があるが、豊かな水産資源を育むには里山の維持が大事だ。それを、里山を切り崩して復興住宅建設を進めている。大規模工事になるので、進捗ははかばかしくなく、震災から5年経った今でも計画の半分しか進んでないという。結果的には、被災者が完成を待てず、人口減少に繋がっている。この方式を取った女川町や陸前高田での人口減少は震災前の3割を超え、最も激しい。
人口減少が少なかったのは元々中規模都市であったところと、「差し込み方式」と言われるやり方で、安価にかつ迅速に復興住宅を建設できたところ。これは、莫大な費用をかけて山を崩し、10mもの土を盛り、なおかつ、巨大防潮堤を作るのではなく、もともとある山手の住宅地の「すき間」に復興住宅を建設するもの。田舎なので、住宅と住宅の間には十分なスペースがある。そこに、地権者と交渉して新たに住宅を建てていく。道路や水道などのインフラを新たに作る必要がないので、瞬く間に建設は終わり、被災者は新たな生活を近くで始めることが出来た。
番組では、被災地の人口減少が強調されていたが、被災地のほとんどは元々人口減少の進んでいたところである。番組でクローズアップされていた女川町を例にとると、震災までの過去40年間で人口は半減している。女川町では「絶対に安心安全な街」を選択して、復興住宅が未だ完成しないために、3割の住民が街を去った。今後、復興住宅が完成しても戻る人は少ないだろうと思われる。造成費が高いので、一戸当たりの建設費は5000万円~1億円にも上るらしい。
では、どうすればよかったのか?復興住宅の建設に兆円単位の予算をかけるなら(復興予算26兆円の半分が建設関連)、被災者の数で被災市町村に渡す方がいいのではないか。例えば、女川町の被災前人口は約1万人だ。仮に、被災者一人当たり1000万円の予算を付けても1000億円である。巨額に思えるが、町が現在国の予算で実施している復興計画よりよほど安い。東日本大震災の被災者が10万人とすると、1兆円である。
この資金でどう復興を図るかは、市町村が中心になって県や国と一緒に決めればいい。場合によっては、住民が望めば、1000万円を直接被災者に配って、それをどう使うかは被災者に任せてもいいと思う。5人家族なら5000万円になる。おカネがあれば、民間企業が自然とサービスは供給する。国が頭でっかちに考えて大げさな組織で行うより、よほど早く、よほど効率よく、よほど良いものが提供できる。
