2016年01月26日

イギリスはときとして異端を生む

徳大寺有恒 ベストエッセイ
徳大寺 有恒
草思社
2015-10-16


Golf GTIに続いて、今度は徳大寺有恒によるミニの話。(初出『ダンディー・トーク』1992)

「ミニはエイリアンである」

と書き始める。

一般的に、ロールス/ベントリィは上流階級のクルマ。ミニは大衆のクルマといったイメージがあるが、この隔たりというのは、そんなもんじゃない。もっと根本的な差異だ。そこには明確に設計思想の『哲学』としての差異がある。そういった意味で、どちらに優劣があるというのではなく、両者は対等に、同じ地平に立った場所で、明確に異なる”世界”を提示しているのである。

だから、ミニには「クラスレスの風格」があるという。ハードとしてのクルマそのものだけでなく、その使われ方や誕生した背景にある「文化」までキッチリと書けることが徳大寺有恒の魅力であり、あれだけ長く自動車評論家として第一線で書き続けられた理由だろう。

イギリスはおもしろい国で、メカでも意匠でも非常にオーソドックスなものを重視するにもかかわらず、ときとして世界をあっといわせる異端的なものを登場させることがある。そしてそれ以降、世界の流れを変えるほどの影響力を持ってしまうのである。

私が留学していた1989-1991当時、イギリスにおいてミニは既に過去の車だった。昨日書いたGolfや、安いFiatなどに市場を奪われ、イギリスの自動車産業は青色吐息。日本メーカーも進出を始めていた。ところが、なぜか、1990年代に入っても日本でだけはミニ人気が続く。1990年代のミニはほとんど日本への輸出用だったらしい。

今でもClassic MINI(BMCミニ)は国内で高値で取引されている。程度の良いものは100万円を軽く超えているので、下手をすると評判のいいBMW MINIより高い。クルマを実用ではなく、ファッションと考える人がそれだけ多い国ということか。

 

shikoku88 at 08:56コメント(0)トラックバック(0) |  | 仕事 

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