2015年03月20日
ブラジル総括

到着後の第一印象は、「何をするにも時間がかかる」だった。
空港の手続き、果てしなく続く渋滞、ちょっと変わったことを頼むと途端に凍りつくホテル受付などなど。日本で瞬間に済むことに10分、20分と掛かるのだ。3日経ってパラグアイに出るときには諦めの境地に居た。イライラしても事態は変わらない。説明しようにも、英語が通じない。
ところが、本当の発展途上国のパラグアイに行くと、道路はガタガタ、その道を長距離バスで5時間も延々と走る。人口1100万人の南米最大の都市サンパウロに帰ってくると、地下鉄はあるし、ビルが連なっており、「ああ、やはりブラジルは南米の雄だ」と実感した。
ブラジルは米国に似ている。共に巨大な大陸国家であり、移民国家であり、大統領制の連邦国家で、天然資源が豊富で、車社会。貧富の格差は激しく、人口は増え続けている。ブラジルも米国位発展してもよさそうなものだし、実際、1973年の石油ショックまではブラジルの方に未来があると信じ、日本だけからでなく世界中から多くの移民が海を渡った。
石油ショックは世界中を襲ったが、先進国はこれを克服し、ブラジルはその後遺症が長く残った。大企業が強くて、経営資源がそこに集中し、閉塞感が強いという意味では日本に似ている。構造改革の必要性が認識されているが、既得権者の政治力が強くて改革が遅々として進まない点もそっくり。
独自技術を持つ意外な企業があるが、国際展開があまり進んでいないという点でも似ているかもしれない。航空技術、銀行、ファッションはブラジル人の創造性を活かしている。
異国の厳しい環境の中で、「日系人なら信用できる」という名声を確保してきた一世、二世の努力には頭が下がる。今後、世代的に中心となる30代の三世たちがこれまで通り日本人としての独自性を保つのか、それとも一世代早く移民した米国の日系人のように、完全に現地化してしまうのか、興味深い。何れにしても、ブラジルの150万人に上る日系人コミュニティは、日本にとって、重要な同胞だ。相互交流を続けていきたい。
インタビューを終えての感想:「もっと日本人も頑張らないと」
ブラジルの複雑かつ不明確なルールの中であれだけのことを成し遂げている日系人起業家が居る。経営資源が何でも揃って、信頼できる公平な社会システムがあり、勤勉な労働者が居る日本は、彼らからしたら「天国」。現地の日系人が誇れる「本家」でありたい。