2015年03月03日

ブラジル人起業家の憂鬱

INSENT


































いつも通り、まずはLBSの同窓生に会う。130カ国に同窓生が居るので、世界中どこへ行っても、大都市である限り、誰かいる。同級生の数は180人と限られているので、ほとんどの場合は、一度も会ったことのない同窓生に「今度行くから」とアポを取って会う。その同窓会ネットワークが言ってみればLBSの最大の財産で、その財産の恩恵を受けるにはお互い協力し合う必要があるので、大抵会ってくれる。

今回のサンパウロ訪問では、2日目に2人、3日目に2人の同窓生に会った。内訳は、ビジネスオーナーが2人、バンカーが2人。今後もまだ数名に会う予定。これまで聞いた話を総合すると、

想像を絶する官僚主義
 貧困層が多く、伝統的に社会主義政党が強い。「平等」が合言葉らしい。常に「効率<平等」なので経済が発展しない。経済が発展しないので、貧困から脱出できない。この構造は最近までのインドによく似ている。
 新しく事業を始めようとすると、許認可に恐ろしく時間がかかる。一方、一端従業員を雇うと解雇が困難なので、なるべく人を雇いたくない。過去4年間の平均成長率は1.3%である。今年はマイナス成長を予想している。
 過去10年間で、GDPは10%しか伸びてないのに、公務員は平均賃金が50%伸びている。(図)

・汚職の悪化
汚職はブラジルにとって常に問題であったが、現在の「労働党」になってから最悪になっている。昨年は、ブラジル最大の企業であるペトロブラス(国営)を舞台とする大規模な汚職が発覚。汚職期間中の同社の会長は現大統領のジルマ・ルセフで、数千億円のお金が労働党に流れていた。それでも、昨年秋の選挙で大統領は再選されている。国の中枢が汚職をするから、下も皆倣えになっている。

・治安の悪化
汚職が横行する社会では、順法精神が廃れるから、治安も悪化する。毎週どこかでATMが爆破され現金強奪が起こる。ほとんど捕まらない。住宅街の家はどこも3mを超す塀に囲まれ、有刺鉄線や高圧電流を流している。ショッピングセンター入り口にはピストルを持った警備員が立っている。「殺人の相場」は10万円らしい。

・高金利
中小企業向け銀行貸出金利は年率50%を超える。インフレ率6-7%に対して異常に高い。銀行は儲かるが、ビジネス、特に資本蓄積のないスタートアップに取っては厳しい。

と言う状況で、結論としては、「現政府が変わらない限り状況は好転しない」であった。ビジネスオーナーの一人は昨年の大統領選挙でルセフ大統領が再選されたことに失望し、会社を売ってオーストリアに移住していた。

聞けば、労働党は1980年代の軍政下、政治資金を銀行強盗など犯罪行為で調達していたという。そんな党が政権を持って12年になるというのだからスゴイ。労働党は貧困層にお金を配る政策で実質的に票を買っている。いわば、貧困層を貧困のままにしておくことが党の生命線になっており、難問である。 

shikoku88 at 20:00│Comments(0)TrackBack(0)仕事 | LBS同窓会

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