2015年01月23日

ダブルスタンダード

身代金の回答期限が今日なので、うかつな事も言えないが、昨日の朝日新聞オピニオン欄から。

欧米のダブルスタンダードは今に始まったことではなく、古くは十字軍の遠征、近代では欧米の都合による植民地化と中東地域の分割にある。

一昨年ベストセラーになった『海賊とよばれた男』のモデルである出光佐三は、戦後まもなく、英海軍によって海上封鎖されたイランから原油を運びだした(日章丸事件)。日本には独自外交をしてほしいが、軍事力を持たないから無理か。

アラブ社会の怒り、日本にも責任 野中章弘 早稲田大学教授、アジアプレス・インターナショナル代表

「イスラム国」アルカイダは、100%われわれの理解を超えたテロリストにしか見えません。なぜ欧米や日本がターゲットにされるのか。安倍晋三首相は今回の中東訪問で、地域全体に新たに約2940億円相当の支援を表明しました。

 しかし、例えば昨年パレスチナイスラエルから受けた攻撃で、2千人以上が死亡し、このうち約500人は子どもでした。明らかに戦争犯罪ですが、イスラエルの責任は国際社会で問われません。

 今回のような事件では大きな騒ぎになるのに、パレスチナで多くの市民が殺されても日本政府が問題視しているようには見えない。多くの市民、子どもたちが殺されたパレスチナからすれば非常に不条理なことですが、国際社会はイスラエルの責任をまったく追及しようとしない。このようなダブル・スタンダードに対するアラブ社会の怒りを我々は知ろうとしません。

 アフガンで私が取材した高校の先生は、米国の攻撃で子どもを殺されて、生き残ったいちばん下の子に「お前が生きている限り、アメリカに報復しなさい」と言いました。このアフガンの家族からすれば米国の攻撃は国家テロです。このようなイスラム社会にある反発を生み出した責任の一端は、欧米、そして日本にもあるのです。

 「イスラム国」のやり方には激しい怒りを感じますが、軍事力でたたいても対症療法に終わるだけです。事件の背景を根源的に考える必要があります。



shikoku88 at 09:02│Comments(0)TrackBack(0)政治 | 早稲田

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