2014年12月13日
日はまた昇るのか?

岡山にある就実大学が学園創立110周年になった。記念行事に何をするのかと思っていたら、なんと、ビル・エモット氏が客員教授に就任した。英エコノミスト誌の元編集長で、1990年日本のバブル経済の真っただ中で『日はまた沈む』を出版し、バブル崩壊を予言して日本でも有名になった。私も時々Facebookに同誌の記事をシェアしているが、世界で本当のクオリティ経済誌といえるのはThe Economistだけだ。
その後、2006年に『日はまた昇る』で日本経済復活を予言したのだが、こちらは当たらなかった。しかし、この本には復活の条件が付けられていて、
・労働市場改革(保護されてすぎている正社員と、未保護の非正規労働者の二層化)
・サービス産業活性化(金融やITなど先進国GDPの7割を占めるサービス産業で日本の生産性が最悪)
・政治的リーダーシップ(首相が変わりすぎる)
のどれもほとんど進まなかったのだから、これは仕方ない。
そして、今回エモット氏は何を語ったか。一言で言えば、「既得権益を破壊しない限り、日本経済は復活しない」ということであった。具体的には、農業、医師会、製薬会社を上げていた。これらの団体は「食」とか「医療」の「安心・安全」という誰もが表立って反対しづらい「大義名分」を掲げているだけに、綿々として既得権益を守ってきた。しかも、政権政党である自民党の支持母体である。
10年かかる構造改革を進めるには政治的安定が必要だが、組織票を集めてくれるのはこれら支持母体だ。本来であれば、既得権のために割を食っている一般国民が改革を推し進める政党を応援しなければならない。ところが、例えば、保護され過ぎている正社員の解雇をしやすくする改革をしようとすれば、サラリーマンである一般国民が反対する。この点において、大企業の正社員は既得権者なのだ。
まずは、「一票の格差」是正のため、今週末の選挙で「一人一票に反対する最高裁判官」に不信任を表明することからか。浮動票が増えなければ、組織票が薄まらない。
