2014年12月03日

アントレプレナーシップ教育

日本ベンチャー学会 第17回全国大会が終了。大学に入る前から会員になっている私がメインとしている学会だ。

学会の一貫した研究対象の一つが「アントレプレナーシップ教育」。様々な大学の色んな先生が多様な試みをしており、その熱意と貢献に頭が下がる思いだ。私も、大学に入ってから、ファミリービジネスのシンポジウムを開催したり、大学初のビジネスプランコンテストを行ったりしてきたから、それがどれだけ大変か理解できる。しかも、論文を中心に評価される研究者にとってそれは「実績」にならない。

今回聴いていて思ったのは、「高度な教育システムを作ることに固執するあまり、逆に成果が出にくくなっているのではないか」ということ。良かれと思って、「あれもこれも」と盛り込むのだが、そもそもそれだけの関心と理解がない学生にとっては消化不良になる。

学部と専門職大学院で、まず明確に目的を分けるべきで、前者は、「事業・商売そのものが社会に役立つことで、それが楽しい」ということを体験させることに絞る方が良いと思う。これまで沢山の起業家に会ってきたが、一つの共通項として、「商売の原体験」ともいえる経験がある。大抵は家が商売をやっていたりで、小さいころから商売の厳しさと楽しみを見て育っている。小さな商売で、企画、仕入れから販売、回収まで一連の流れを見ることは経営者としてのとても良いトレーニングになる。

問題は分業化、サラリーマン化でこうした自営業者、中小企業経営者の家庭で育つ子供たちが減っていること。それを補うのに、本blogでも何度か紹介しているNTVPの「起業体験プログラム」はとても有効だ。小学生から大学生まで適用できる。

ビジネスプランコンテストを実施したのだが、入賞したプランで実行されたものがまだない。今の学生は、情報の扱いに慣れ、プレゼンの機会が増えたことで、もっともらしいプランを作る学生がそこそこいるのだが、結局実行しない。よいプランを作る人がよい起業家であるかどうかは関係がないので、そのまま起業するのも危険だが、損失が自分で始末がつけられる範囲でコントロールできるなら、実行して体験することが将来への大きな糧になる。

そういった経験をして、「起業も面白い」と考えながら、一旦は就職して大企業に就職、「大企業とはこういう論理で動いているのだ」ということを理解し、その後「これは!」というものがあれば独立して起業するのが成功確率の高い王道だと思う。その間にMBAとベンチャー企業での管理職を経験できればさらにいい。なぜなら、B2Bなら大企業を顧客にする方がいいし、B2Cでも大企業の持つリソースを利用できるアライアンスを組んだ方がいい場合もある。そうした時に、相手を知っておいた方がやはり有利だ。 

shikoku88 at 06:56│Comments(0)TrackBack(0)仕事 | 教育

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