2014年09月11日

創造的過疎

数えてみたら、2.5年前に四国に戻って以来、神山のことを書くのはこれで4回目になる。それだけ、注目されているのが徳島県神山町。かってブームとなった「葉っぱの町上勝町」に続き、「神山バブル」と呼ぶ人も居る。実は、上勝と神山は山を隔てた隣町だ。

今や全国が注目する「神山プロジェクト」を率いてきたのは、NPOグリーンバレーの大南理事長。本業の土建業の傍ら、20年間無休で頑張っている。

その大南さんがいつも言っているのが、「創造的過疎」。1955年に周囲の村が合併してできた神山町の人口は21000人であった。その時がピークで、以降減り続け、現在は6200名。高齢化率46%というから「限界集落」一歩手前だ。

しかし、2011年、神山町は合併以来初めての「社会増」(転入者が転出者を上回る)を記録する。その後は再び、し「社会減」になっているそうだが、かって毎年数十人〜100人が減少した数に比べ、大幅に減っている。特筆すべきは、その転入者が、他地域に見られるように、退職者ではないこと。2010-13年度の移住者58世帯105名(子供27名)の平均年齢は30歳前後だという。

これは自然にそうなったのではなく、神山町の委託を受けてグリーンバレーが運営している「移住センター」が移住者を「指名」しているから。希望者の登録用紙には、家族構成や住宅物件の希望以外に、「希望の理由」と「生活設計」欄がある。ここを評価し、最終的には面談して、移住センターが町の将来にとって必要と思われる「働き手」や「起業家」を逆指名している。そうして、徳島市内からわざわざ買いに来るような評判のパン屋さんが出来、Web関係の専門家を集めることで、一連のWeb関連の仕事が神山でこなせるようになり、仕事と生活の水準が上がったので、勝手に移住希望者が増えたのだ。

「サテライトオフィスで稼ぐ若者が増える→カフェや飲食店が欲しい→Work in Residence(指名による飲食店誘致)→生活環境の向上→移住希望者増」という好循環が生まれている。

他の地域にあるような優遇策は全くないという。自治体が優遇策で移住者を釣ろうとしても、ダメなのだ。モノを売るにも、「安くします」は下の下。「地域の魅力」に惚れた人が向こうから来る仕組みが大事なのだ。

シリコンバレーも、何か特別な土地であったわけではない。かっては砂漠を灌漑した果樹園が広がるカリフォルニアの一地方に過ぎなかった。そこに、スタンフォード大学が出来、そこの卒業生がHPを創業し、地域の魅力が高まって、創造的な人が集積するようになった。

大南さんが強調するのは、「過疎化の現状を受け入れる」、
人口構成の健全化
働き方の多様化
だ。 

shikoku88 at 06:42│Comments(0)TrackBack(0)四国 | 提言

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