2014年07月18日
Lifting Your Dreams

売上高1817億円、経常利益216億円、従業員3227人(2014/3)を誇る現在香川県で最も好調な企業がタダノである。自走式のクレーン車で世界最大手。その主力工場をJICA研修生と見学した。
何もかもが大きい。写真は、最新の100t釣りAll Terrain車で、一番小さな部類。これまで100tクラスでも車軸重量が国内基準を超過するため、一般道の走行が出来なかった。 従って、ブーム(荷物を釣る腕)と、車体を分解して運び、作業現場で組み立てなければならなかった。本機では、荷重部分でのより高張力な鉄骨採用と、荷重がかからない部分でのアルミの多用で軽量化に成功し、分解せずに自走できるようになった。
タダノの歴史を見ると、戦後すぐに当時最新の油圧技術に注目し、これをクレーンに採用したところが大きい。名著『イノベーションのジレンマ』にも掘削機業界における「破壊的イノベーション」の例として油圧技術が出てくる。それまで主流であったケーブル式で大手であったメーカーは、当初は限定的な利用しかできなかった油圧技術を無視したため、その後油圧技術が進歩し主流となった時に、淘汰されてしまった。
「最新のイノベーションは何か」と聞いたところ、「ブームの形状」だという。ブームの断面形状は当初加工のしやすい四角形から始まり、強度の出る6角形、8角形と進化してきて、現在はなめらかな円筒形に近づいている。しかし、これは加工が難しく、世界でも円筒形のブームを作れるのは限られたメーカーらしい。
四国は長らく交通の便が悪く、大市場への運搬費にハンデがあったため、付加価値の高いモノづくりを目指した。このため、ニッチ市場で高いシェアを誇るいわゆる「ニッチトップ」企業が多いのが特徴である。