2014年06月21日

法人税率の最重要論点

法人税率























東京の家に戻ったら、『週刊ダイヤモンド』がテーブルの上に。何かと思ったら、大学3年になる長女が「就活」のために取り始めたのだという。「企業が求めているのはそうした時事的な知識ではなく、『考える力』だ!」と出掛ったが、また疎まれるだけなので、止めておく。

実際のところ、ダイヤモンドにも考えさせる記事はあるのだから、折角、経済活動に興味を持った長女に水を差すことはない。私はダイヤモンド誌を購読したことはないが、図書館などで読むときに楽しみにしているのは野口悠紀雄さんの「超整理日記」である。

本blogでも何度か野口悠紀雄さんの記事を引用したことがある。実は、日本の経済学者として私が最も信頼しているのが野口さんである。野口さんは大蔵省出身でその主張は(現)財務省の主張に重なることが多く、勇ましいところはない。そのためか以前ほどメディア露出もないが、常に主張の根拠がしっかりしていると感じる。

5/31号のテーマは「法人税率に関する最重要論点」。この記事はDiamond on lineにはまだ上がっていないので、ほぼ同じ内容を扱った同Webにリンクを張った。その主張は以下のとおりである。

1.「法人税のパラドックス」は日本では成立しない
 「法人税のパラドックス」とは、EU諸国で法人税率を下げたにもかかわらず、法人税収が余り減少しなかったことを指す。「日本では、1980年代から法人税率が引き下げられ、同時に法人税収も減少した」法人税率は1980年代には40%を超えていたが、90年代には30%台になり、現在では25.5%である。

2.法人税率を引き下げても国内設備投資は増加しない
「法人税率は設備投資の決定に中立的である」とは、経済学の基本的な命題。仮に設備投資を増やしたいのであれば、投資税額控除等の手段によるべき。2011年12月の改正で、法人税率が30%→25.5%に引き下げられた時も、設備投資は増えなかった。企業が設備投資するのは、魅力的な投資機会が日本に存在するかどうか次第

3.高度成長型思考法からの脱却が必要
法人税率引き下げ論の根底にあるのは、輸出産業を中心とした産業構造を復活させようという願望だが、それは適切でない。13年度の貿易収支は10.9兆円の赤字。所得収支は16.7兆円の黒字。世界的な水平分業体制が進む中、国内投資を呼び込もうとするのは無駄。

*本当に必要なのは、日本経済をどのような構造にすべきかの議論
 

shikoku88 at 12:48│Comments(0)TrackBack(0)政治 | 経済

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