2014年03月28日

Steve Jobs

Steve Jobs
Walter Isaacson
Simon & Schuster
2011-10-23

言わずと知れた2011年のベストセラー。Jobsの人となりについては、既に多くの人が語っているので、省略する。言いたいのは、これだけの詳細な記録が後世に残ることの意味。

Jobsが死んだのは同年10月5日。本書はその死が世界を揺るがせた直後に発売され、「準備されていたのか」と話題になった。この本の企画は、ガンを宣告されたJobsが最初の手術を前に、2004年初夏に本書の著者Isaacsonに電話するところから始まる。

「散歩をしながら彼に頼まれたのは、『僕の伝記を書いてくれ』だった」

 しかし、「ジョッブズはキャリアの途中で、まだまだ上りも下りもたくさんあるはずだと思っていた私は、彼の依頼を断った。いまじゃない、10年後か20年後か、君が引退するころに書くよ、と。」

その後も、Jobsは熱心に説得する。そして、2009年彼の妻から、ガンのことを初めて聞き、本書を書き始めるのだ。

Jobs本人への取材は40回も行ったという。それに加え、家族や友人、商売敵に元カノまで。この取材力はスゴイ。そして、Jobsは本の内容に一切口を挟まなかったという。

「23でガールフレンドを妊娠させ、それにどう対処したかなど、僕は、人様に誇れないこともたくさんしてきたよ。でも、”これだけは外に出せない秘密”なんてものはないんだ」

人は誰でも、「自分だけは特別だ」と思いたいが、この歳になって振り返ると、かって誰かが経験したことを自分もまた同じような齢で、同じように経験しているに過ぎないことがわかる。Jobsの人生は5σ位は「標準」から外れていそうだが、それでも、過去にそういう人はいただろうし、これからもそういう人は生まれる。だから、誰しも、「歴史」から学んだ方がいい。

本書は本人が亡くなると同時に出版されたという稀有な伝記。そのために、内容はより正確で、中身は濃い。それでも、初期の話になると、Jobsと関係者の「見解の相違」が随所にあり、両論が併記されている。

日本でこれだけの伝記は読んだことがない。学術的レベルだ。 


shikoku88 at 09:47│Comments(0) | 仕事

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