2014年03月06日
砂糖消費量

人間というもの、興味を持つと途端に「アンテナ」が立ち、それ関係の情報が目に飛び込んでくる。昨日会ったのは食品関係の経営者。奇しくも、読売新聞の「時代の証言者」は、元農林水産省事務次官の高木勇樹氏であった。
1983年に砂糖類課長を務めた時の製糖産業改革の話が面白い。砂糖は「戦略物資」だそうで、国内の原料栽培農家を守るため、輸入粗糖を精製するメーカーが年700億円を超える「調整金」を出していたそうだ。
当時は、砂糖の供給過剰。年間消費量200万トンに対し、国内生産能力は倍の400万トンもあった。高度成長時代、製糖メーカーは砂糖の消費拡大を信じて一斉に工場を拡大したらしい。というのも、「砂糖は文化のバロメーター」と言われていて、所得が拡大すれば消費量が増えると信じられていた。ところが、日本人は米などで糖分をとるせいか、砂糖の消費量は伸びなかった。こうして大幅な供給過剰に陥ったらしい。
高木課長は、通産省の特定産業構造改善臨時措置法を使い製糖産業を構造不況指定し、工場閉鎖や人員整理を行わせる。その結果、生産能力が290万トンまで下がり、卸価格はキロ160円から185円にまで上がり、1984年には業界全体で黒字に転じる。
国内生産のビートも、それまでの「重量取引」から、欧米で主流の「糖分取引」に変えたことで農家の意識が変わる。それまでは、ビートを大きくすることばかりに熱心で、糖分の少ないビートができていたのが、1986年の改革で、ビートの含糖率は急増した。農家が、含糖率の高くなる品種や栽培法に切り替えたためだ。結果、農家もメーカーも儲かった。
これは10年以上前から言われていたらしいのだが、農家もメーカーも「制度が変われば自分たちに不利になるのではないか」と疑心暗鬼になり、改革を拒んでいたらしい。メーカーの赤字が続いたのと、改革を決断した砂糖類課長のリーダーシップでようやく国家的損失に歯止めがかかった。
上記の図は約10年前のものですが、今も、先進国の中で日本は突出して一人当たり消費量は低いですね。発展途上国と同レベル。今や、フィリピンやタイの方が消費量が多い状況です。日本以外の先進国でも健康四国で、消費量は減少傾向です。
