2013年11月13日
OECD平均は小学校留年経験者が13%
昨日の讀賣新聞記事に寄れば小学校で留年経験があるのは(OECD2009年調査)、
米国 11%
フランス 18%
フィンランド 2%
となっている。小学校6年間で一度でも留年すれば経験者なので、そんなに高い数字ではない。
フィンランドの学力の高さに定評があることから、讀賣の論調は、「だから、日本でも小中学校での留年を検討してもいいのではないか」ということだったが、この調査からこの結論が出るのはおかしい。同じ、OECDによる学習調達度調査(PISA)では、フィンランドは上位に入っているものの、米国、フランスは下位である。逆に、上位に入っている日本・韓国は事実上の「自動進級」になっている。通りで、OECDは初等中等教育での留年制度廃止を提言しているわけだ。結論としては、少なくとも、「学力向上に留年させるかどうかは関係無い」ということだろう。
それよりも、今年よい本が出版されたので、こちらを読むほうがいい。学力の点で常に上位にランクされるフィンランドや韓国を、教育費を掛けているのに成果の出ていない米国やフランスと比較する本書によれば、
・生徒の学力向上に一番影響を及ぼすのは教師
という至極当然の結論になっている。(Economist誌での著者インタビューは必見)
1990年前後に深刻な経済危機に陥ったフィンランドでは、その後徹底した教育改革を行った。まずは、優秀な人が教師を志望しなければいけないと考え、それまであった教育単科大学を廃止し、トップ大学に全て統合してしまった。結果として、教師を目指すのは高校時代の学力上位1割になったという。
日本では、少人数学級の実施が優先されているが、優秀な教師の確保と現場でのやる気の維持のほうが大事だろう。現在小学校では35人を1クラスの上限にしているので、例えば1学年に40人居れば、20人ずつの2クラスになる。昔は、1クラス50人でも問題なかったはずなので、それなら、有能でやる気のある教師に1.5倍払って40人のクラスを見てもらったほうが、おそらく、成果は上がる。課外活動にも積極的に取り組む教師にとっては、その責任の割りに、給与は低い。
少人数にしても学力向上に結びつかないという研究もあり、そうした枠組みの話より、優秀な人が教師を目指し、彼らが大学でしっかり教育された上で現場に出て、やる気を維持できる組織作りと報酬体形を研究すべきだろう。
