2013年11月10日

県立大新設に私大反発

先月末の讀賣新聞記事に、表記の記事があった。
長野県が打ち出した県立4年制大学の新設構想に、県内の私立大学が「民業圧迫」と猛反発し、地元市町村も巻き込んだ騒ぎに発展している。大学の国際競争や東京一極集中、18歳人口の減少などが進む中、地域社会における大学のありようが改めて問われる。 

その記事に、「地元を離れて大学に進学する高校卒業者」の比率の調査があった。(2012年学校基本調査)

県外進学比率が高いTOP10(80-90%)
1.和歌山
2.鳥取
3.佐賀
4.奈良
5.長野
6.香川
7.島根
8.高知
9.山形
10.富山

県外進学比率が低いTOP10(30-50%)
38. 熊本
39.京都
40.広島
41.大阪
42.沖縄
43.宮城
44.東京
45.福岡
46.北海道
47.愛知

これを見ると、県外進学率が高いのは、「田舎で地元の進学先が限られる」ところで、低いのは「地元に進学先が多い都会」という傾向がある。沖縄は例外だが、「本土は遠すぎる」ということかもしれない。熊本が高い理由は不明。

長野県では84%の高校生が県外の大学に進学しており、地元に受験生から人気の高い公立大学を新設し、その受け皿になろうというわけだ。

地方から都会に人口が流出する大きなきっかけは大学進学であると推定され、東京の大学に行けば、そのまま東京で就職というパターンがある。これでは、県としては少子高齢化が加速し困るので、県立大学が受け皿になることで、「XX人が地元で進学するようになり、その場合の卒業生の地元での就職率は○○となり、その生涯納税額は△△である」と計算できれば、県外進学した場合のUターン率と比較して、大学新設のための投資は正当化できるかもしれない。特に、今回は、元々ある短大の4年生大学化ということなので、費用はそれ程掛からないようだ。

私が注目したのは、その長野県と僅差で6位になった地元香川県。香川でも進学する高校生の83%程度が県外の大学に入学する。

かっては、そこそこの学力があれば、地元の国立大学に進学するというのが王道?であり、特に女子は、「香川大学に行って、卒業後は地元で教員か公務員になるのが一番」という価値観があった。だから、高校でかなり成績のよい生徒でも、家庭の経済事情などから地元で進学する生徒がかなりいた。国立が一期校、二期校と分かれていたときは、単純に、一期校の受験に失敗して香大に入る学生も多かったようだ。

結果として、香大生の学力レベルは上からそこそこまでかなりの幅があった。今は、偏差値通りの学生しか来ないから、上の層が居なくなっている。原因としては、上に書いたような価値観の変化に加え、交通の発達により、時間距離が短くなったことがあるだろう。瀬戸大橋が出来るまでは東京までは一日がかりで、飛行機は高く、周りで乗ったことのある人は少数だった。今では、東京へは飛行機利用が普通になったので、親も子も、心理的な距離が短くなった。

現在、香大の在学生で一番多いのは岡山県出身者。「どうして香大にきたの?」と聞けば、ほぼ全員が、「学力が足りなくて、岡山大学にいけなかったから」と答える。そんなことは長い人生から見ればほとんど関係のないことなので、さっさと忘れて、社会人になってからの逆転目指して頑張ってくれればいいのだが、そうなってない学生が多いのも事実。

香大としては、「岡山大学にいけなかった残念な人のための大学」ではなく、地元の高校生が「香大が地元にあってよかった」と選んでくれる大学にならないといけない。

shikoku88 at 21:41│Comments(0)TrackBack(0)提言 | 教育

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Archives
Recent Comments