2013年05月13日
「円高限界点」と「為替レート最適点」

高田直芳さんという公認会計士は、日本の「経営学」が殆ど英米の翻訳に過ぎないなかで、独自の経営分析指標を発表されていて常々尊敬している。著書は何冊も読み、このblogでも紹介してきた。英語で発表すれば、世界にインパクトを与えられるのにと残念に思っている。
さて、昨日も書いた「為替レート」。2011年1月の高田氏の独自分析では、日本のマクロ経済レベルで見た場合の「円高限界値」は74円となり、「為替レート最適点」 は202円となる。
ということは、「円安は日本経済にとってプラス」という結論になるが、ここで二つの落とし穴がある。
一つは、この分析は3.11以前に行われていて、原発停止で年間3兆円も増えた石油や天然ガスの輸入増を織り込んでいない。昨年の貿易収支は8兆円の大幅な赤字である。高くなったからと言ってすぐに減らせる性質のものではないので、円安はマイナスに働く。
二つ目は、昨日も指摘した「産業の構造転換をどう考えるか」という問題。分析はあくまで過去しか分析できないので、「今後どうあるべきか」は別途考えなくてはならない。自動車生産地が発展途上国に移る中で、自国での生産を維持しようと思えば、労働者の賃金がこれ以上上がることはないだろう。
高田先生には現状での分析を期待したい。