2013年02月20日
聯合艦隊司令長官 山本五十六
「日米衝突」といえば、日米開戦に最後まで反対し、皮肉なことに、その火蓋を切ることを任ぜられた山本五十六。先月録っておいた「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」を鑑賞。
山本を美化しすぎる傾向はあるものの、そこは映画だから仕方ない。映画で描かれたことが「事実」だとしても、組織運営上、まずい点が三つあった。
1.真珠湾攻撃の最大の目的は、米空母の破壊だった。これがある限り、日本は空襲の脅威にさらされる。空母を討ち漏らしただけでなく、艦隊への給油施設も無傷のまま、現場司令官南雲は艦隊を反転させる。
作戦目的を考えれば、第二次攻撃を敢行すべきだったのに、現場指揮官を尊重し、反論しなかった。南雲の資質については、それまでも疑問な点があったにも関らず、責任を問わなかった。
2.真珠湾攻撃で敵空母を討ち漏らしてしまったため、東京は初の空襲を受ける。敵空母をおびき出して殲滅するために、ミッドウェー作戦が立案される。作戦会議で、「敵の空母など来ない。来たとしても、おそるに足りない。」という参謀を一喝するが、作戦から外すことはしなかった。作戦の重要性を考えれば、このような考えを持つ参謀を参加させることは避けるべきだった。事実、この参謀は、「攻撃機の半分には魚雷を抱かせておくように」という山本の忠告を無視し、敵空母が現れないという前提のもとに、全攻撃機に陸上攻撃用の爆弾を装着させた。このため、敵空母が実際に現れたとき、大混乱に陥ってしまった。結果、全ての空母を失うことになってしまう。
3.自らの判断の誤りで大敗を喫した南雲は、唯一敵空母を一隻沈める戦果を上げた第二航空戦隊の山口多聞少将が飛龍と運命をともにしたにも関らず、生き延びて帰ってきた。山本は責任を問うことなく、その後も司令官として任務に当たらせる。
ということで、一言で言えば、作戦目的よりも、「組織内の調和」を優先してしまった、ということだ。これでは組織目的を達成できない。
組織の長であれば、嫌われても、組織目的達成を最優先すべきだろう。この点、山本はリーダーとして失格であったと言わざるを得ない。
他にも、この映画では、
・三国同盟を求める国民
・大衆迎合し、政府批判を煽ることで販売部数を伸ばそうとする新聞
・日露戦争を「勝利」だと勘違いし、今度も勝てると根拠なく信じる国民
など、見所満載。
数千年に渡って培われた国民性は変わってないと思ったほうがいい。