2013年01月18日

朝鮮紀行

朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)
朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)

私にとって、「教養」といえば友人の麻生川静男さんなのだが、彼に薦められて読んだのがこれ。イザベラ・バードは19世紀のイギリス女性旅行家で、王立地理学会特別会員でもあった。バードは日本にも来ていて、『日本奥地紀行』を残している。

客観的な見方と、好奇心、冒険心にかけてはイギリス人は一流だと思っているのだが、こういった性格は紀行文を書かすと活きてくると思う。

彼女は1890年の終わりごろ、明治で言うと20年末に朝鮮を旅行して、当時の両班の振る舞いについて書いています。その内容が、とにかく凄まじいんです。日韓併合前の李朝の頃ですね。彼女が偏見を持たずに朝鮮を訪れ、そして「え、そんなにエグイことをやるの?」と感じたようなことは、自国民である朝鮮の人にとっては当たり前だから、わざわざ書き残されてはいないわけです。一方、イザベラ・バードは率直に書き遺しています。

それは、彼女が理性的で、健全な批判精神を持っていたからです。例えば朝鮮の人々は、室町時代にも、江戸時代の日本にも十数回、朝鮮通信使という形で来ており、日本旅行記を書き残しています。そういった本を、私は数冊読みました。しかし、それはイザベラ・バードが書いたものとは全く違うものでした。当時の朝鮮人が書いたものは公式文書だったので、下手なことを書くと自分の首が危ないという事情もあったのでしょう、全く退屈する、単調な読み物にすぎませんでした。

いずれにせよ、質の良い外国人の旅行記というのは、文化の本質を知るのに大変良い資料です。日本について知りたいのであれば、江戸末期に来ている外国人の旅行記を是非お読みになるようお勧めします。
 麻生川静男

1894年以降3年余りで4度訪問(62歳) 


34(序章):政治、法律、教育、礼儀、社交、道徳における清の影響は大きい。これらすべての面において朝鮮はその強力な隣国の貧弱な反映にすぎない。 
このように旧態依然とした状況、言語に絶する陳腐さ、救いがたくまた革新のないオリエンタリズムの横溢する国に、本家には国をまとめる民族の強靭さがあるのに、それを持たない心のパロディたる国に、西洋による感化という動揺がもたらされたのである。 

33:知識階級は漢語(1000年前の!) 
ハングル蔑視・・・女性、子供、無学のためのもの 

58:北京を見るまではわたしはソウルこそこの世でいちばん不潔な町だと思っていたし、紹興に行くまではソウルの悪臭こそこの世でいちばんひどいにおいだと考えていた。 

271:医療設備も救急隊もなく、傷病兵は身包み剥いで置き去りにするのが清国の習慣(1894日清戦争) 

電球序:朝鮮についていくらかでもご存知のすべての人々にとって、現在朝鮮が国として存続するには、大なり小なり保護状態におかれることが絶対的に必要であるのは明白であろう。日本の武力によってもたらされた名目上の独立も朝鮮には使いこなせぬ特典で、絶望的に腐敗しきった行政という重荷に朝鮮はあえぎつづけている。・・・最も顕著な悪弊を改革する日本の努力は、いくぶん乱暴に行われはしたものの、真摯であったことは間違いない。(駐朝イギリス総領事ウォルター・C・ヒリアー卿)

shikoku88 at 08:29│Comments(0) | 旅行

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