2012年08月10日

製造業が日本を滅ぼす

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モノづくり大国日本でこういうことを主張すると叩かれるのだけど、著者の主張は一貫している。「モノづくりでは今後日本は食っていけない」

前作『モノづくり幻想が日本経済をダメにする』は、「円安バブル」真っ只中の2007年に出版され反発を買ったが、当時絶好調だったシャープはその後も国内大規模投資を継続した末、会社存続の危機に立たされている。経常利益2兆円を超えていたトヨタも国内生産の確保に躍起になっている。

前著で主張されたのは、
・円安を「心地よい」と考えるのは危険
・古い産業が復活しただけで末来を担う産業は登場していない
ということで、これは5年経った今も殆ど変わっていない。

昨年の貿易収支は、原発停止で燃料輸入が増えたことで31年ぶりの赤字になった。きっかけは大震災だったが、著者は変化が加速しただけで、「構造的な問題だから元には戻らない」という。

その理由は、
1.米消費ブームの終焉
2.円高
3.電力制約
4.生産拠点海外移転
だ。

そこで、「末来を担う産業」を育成しなければならないのだが、それは、「金融を中心とする高度サービス産業しかない」とする。例に挙げているのは、米Apple。Appleは一応メーカーと位置づけされるのだろうが、ご存知の通り、自社では企画設計とマーケティングを行い、製造は鴻海(ホンハイ)精密工業に委託されている。所謂「スマイルカーブ」の最も儲かる部分だけを自社で手がけ、付加価値の少ない部分は他社に任せる。これが、Appleを50兆円という時価総額世界一に導いた。

果たして、敏捷性・勝負勘・独自の考え方がKFSである金融業が、実直さが良さの日本人に向くのか?という懸念はある。Appleのようなファブレス・メーカーになるにしても、ハードの優秀さではなく、ユーザー体験を変えるようなシステムのグランドデザインが求められ、これも職人気質の日本人には不得意だ。

著者のこれに対する答えは、「人材開国」し、不得意な部分は、得意な人を海外から入れよう、ということ。

これには大賛成。しかし、これも長年議論されるだけで、コンセンサスを取るのが難しい問題。だから、私は道州制が必要だと思う。全国レベルでの同意は取れなくても、四国400万人だけならコンセンサスを得る可能性は飛躍的に高まる。何しろ、20年前から四国では人口減少が始まっている。

地方交付金の段階的廃止が決まれば、危機感は一気に高まる。変化にまず必要なのは「危機意識」だ。

shikoku88 at 09:24コメント(1)トラックバック(0) |  | 経済 

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コメント一欄

1. Posted by 小野   2012年08月12日 15:57
5 深いですね。

海外が得意不得意ではなく、海外に目を向ける事で新しい事があるような気がしました。

まずは走りだす方向を定めるために、動きまくってみようと思います。

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