2012年04月14日
炭鉱のカナリヤ

今でもやっているのかどうか知らないが、炭鉱では有毒ガスによる事故死を防ぐため、カナリアを持った工夫が先頭に立ったという。カナリアは空気の変化に敏感な生き物で、炭鉱内の空気にほんの少し有毒ガスが含まれているだけで、たやすく死んでしまうらしい。
このことを入社式で持ち出して訓示した社長が昔居た。曰く、「君たち新入社員は、会社のカナリアだ。同じ会社に長年居ると、社員はそれが当たり前だと思ってしまう。どうか臆せず、新鮮な目で会社のおかしいところを指摘してほしい。」
社会経験のない新入生にどれだけ的を得た指摘が出来るのか疑問だが、なかにはハッとする指摘もあるのかもしれない。
私も「新人」なので、環境に慣れて「当たり前」になる前に、大学でビックリしたことを自分の備忘録として書き留めておきたい。
・縦割り組織
普通、民間企業で採用が決まれば、誰かが責任をもって入社のお世話をする。担当が分かれていても、そんなことはこれから入る人間にとって分からないのは当然なので、ワンストップで済むように担当が付く。大学というのは、採用を決めるのは教授会で、採用手続きをするのは事務方と完全に分離している。事務に採用者としての当事者意識が希薄で、自分の担当のことしかやらないし、他のことは知らない。
・形式主義
組織の目的に照らし合わせ、時にはルールを柔軟に変えていかなければ生き残れないのが民間企業だが、大学では実にマニュアル通りに事が進む。私立大学では違うのかもしれないが。
写真は、着任時研究室に置かれていた机。使い古された中古であるのは別に構わないのだが、全く掃除がされてなかった。引出は手垢で黒光りし、いたる所にテープの跡がある。長年お世話になった机を掃除もせずに去っていく教員の常識も疑うが、それをまた掃除もせず平気で置いていく事務方も、次に使う人がどう思うかなど考えてない。
当然、椅子も埃だらけ。テープ跡を剥離剤で剥がし、洗剤で雑巾がけをし、椅子の埃を掃除機で吸い取った。テーブルやスチール椅子のメッキも錆び放題。おそらく、購入して一度も掃除されていない。錆落としで錆を取り、錆止めの油を塗った。購入時にWAXでもかけて、後は時々乾拭きしていればいつまでもきれいに使えるのに、もったいないことである。
仕事を始めるには、「環境整備」から、だ。それが全くできてない大学の生産性が上がるとは思えない。