2010年11月13日
ケースD

ケースD―見えない洪水 (1981年) (角川文庫)
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糸川英夫氏に興味を持ったので、関連で小説も読んでみた。そう、元祖マルチタレントの糸川氏は小説まで書いている!
1979年に書かれた本書の舞台は20年後の1999年。
その世界では、車は電気自動車か、アルコール燃料車。ガソリンで走る車もあるが、自家用車用のガソリンは商用車の倍の値段でしか売ってくれない。
老齢化問題が深刻化し、老人福祉に国家予算の3割以上を掛けており、他のことに十分な予算を掛けられなくなっている。
温暖化が進んで、各地で異常気象が起こっている。食糧問題で、みどり藻の食用化が検討されている。
・・・などなど、驚くほど正確に現在社会の問題を予測している。成長の限界を説いたローマクラブの発足が1970年で、その後1979年までに2度の石油危機を経験しているから、「その延長線上の予測」といえなくも無い。
一方、携帯電話はどこにも登場せず、主人公は当時と同様、電話をするのに小銭を持って公衆電話まで走らなければならない。携帯電話とは、この天才といわれた科学者を持ってしても、それ程早く実用化できるとは予測できなかったのか
