2024年03月
2024年03月31日
日本人にいちばん効く養生術
弱毒化して、日本でも5類に移行した新型コロナ感染。4年間の人口10万人当たり死者数は、欧米諸国が概ね200~300人で、ドイツの176人が一番低く、米国324人が一番多かった。日本は、ダラダラと3年間に渡り自粛政策を続けたおかげなのか分からないが、62人とダントツに低かったのは間違いない。
はじめに：日本のコロナ政策世界でいちばん長い自粛政策→高齢者が3年間ろくに外に出ず、人との会話や会合が減る死ななかった代わりに、要介護高齢者が大幅に増える可能性
スウェーデンでは、当初から、自粛政策を取らなかった。学校や飲食店の営業も時間制限はあったようだが、基本そのまま。リスクの高い人に自宅待機を推奨したのみであった。その結果は、200人で厳しいロックダウンを実施した他の欧州諸国と比べても低い方であった。
20：医師は病気やけがを治す専門家人を元気にする専門家ではない。
これは結果論に過ぎないかもしれないが、感染症対策に取り組む専門家は「感染症による死者数を増やさない」ことしか考えてない。自粛政策を長く続けることで、それが後々、健康にどんな影響を及ぼすのか、QOLの観点が乏しかったのは間違いない。国民までマスコミの流す日々の感染者数に一喜一憂して、まるで国民的スポーツに熱狂しているかのようであった。
私の周りでも、コロナがきっかけで鬱になった人がいる。コロナに感染してではない。自粛政策によって外部との接触が減ったためだ。29：ひきこもり146万人（R4内閣府調査）40歳以降にひきこもりになる人が全体の6割以上。1/5人「新型コロナウイルスの流行」理由。
「ガンは切るな」と言い出して物議を醸しだしたのは近藤誠医師だったが、実際、乳がんの温存療法と全摘手術では、5年後の生存率は変わらないというデータが出ていた。ところが、日本ではその切り替えに15年も掛かったという。33：乳がんの温存療法〜標準治療になるまでに15年乳房温存治療と旧来型の全摘出手術で、5年後生存率は変わらない（近藤誠）。
医者は医学の発達を誇るが、日本で1980年まで死因トップであった結核や脳卒中が減少したのは栄養がよくなったからで、医療でも薬でもないという。それまでの日本は貧しくて、単にタンパク質が不足していたらしい。長生きしなかったので、ガンにもならなかったわけだが。104：新型コロナの自粛政策実際の高齢者を診ていない感染病学者の意見で対策が行われた。→常識では考えられないほど長期の自粛政策
179：認知症より怖い老人性うつ眠れない、食べられないのは、老人性うつの可能性。
2024年03月30日
なぜ、日本人は「冷えるようになった」のか
海外旅行で困るのが入浴。発症以来、毎朝毎晩血圧測定しているが、夜、入浴しないとリラックスできず、血圧が下がらない。欧米もアジアも入浴習慣がないので、ホテルにシャワーだけしかないことも多い。
57：生活習慣の変化
57：生活習慣の変化
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冷蔵庫の普及。飲食店では、氷の入った水。キンキンに冷えたビール。
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エアコンの普及。体温調整機能が弱くなっている。恒温動物であるのに変温動物化。
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運動不足。筋肉が減ってしまうと、熱をつくりにくい体質に。
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子供の頃から腹巻をしなくなった。露出の多いファッション。
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ストレスが多くなったのではなく、過保護でストレスに弱くなった。ストレスを感じると欠陥が収縮し、体温低下。
93：入浴
ぬるいお湯に、ゆっくり時間をかけて入る。40℃以下で、できれば30分。
高温だと、交感神経が優位になり、血管が収縮→血圧上昇
ぬるま湯で徐々に体温を上げると、血圧は上昇せずに、徐々に下がる→湯冷めしない
96：睡眠
22時までに就寝。体の組織は22時〜午前2時に修復（東洋医学）。
2024年03月29日
経営管理システムの有用性
経営管理システムというと堅苦しいが、これも「企業コンテクスト」を作り出す要因の一つ。
165：経営管理システムの有用性企業のトップは、戦略目的、方向性や目標、組織構造、経営管理システム、組織としての人格といったものを通じて「企業コンテクスト」を作り出す→組織の意思決定に影響
＊企業コンテクスト＝戦略のコンテクスト＋経営管理のコンテクスト＋組織行動のコンテクスト
175：HBSアルフレッドDチャンドラー「組織は戦略に従う」
U-form（機能別組織）
M-form（事業部制組織）Dupont/GM→50年代に全米に普及→欧州
M-form→経営の新しい規律
日々のオペレーションと戦略的意思決定を分離する。それぞれの事業部に「自立性」と「自己責任」を持たせる。本社は投資効率を考えて資源を配分する。
＊「分権」と「集権」との間で振り子のように揺れる
本社が事業部をグリップするべきか、それとも事業部に権限移譲するべきか←正しい答えはない
193：英キャドベリー・シュウェップス（CS）2000年代初頭
株主価値経営(value-based management)
本社の役割＝数値による事業体の管理→事業体マネジャーの思考を高め、視野を広げるべくコーチすると同時に、イニシャティブの実現を側面支援する役割
207：ゲームの横行を防ぐ
リクルート「合算」
事業ユニット長は、単に予算達成を目指すのではなく、中長期の成長戦略投資を最適化するために着地予測精度を求められる。そのため予算を大きく上振れして達成しても必ずしも経営手腕が高いと評価されるわけではない。これに対して、事業ユニット長の部下は、個人ごとに設定される目標の達成度合いが高ければ高いほどプラスに評価される。
→事業ユニット長は事業が対峙するマーケットの見通しや部下の力量を日頃からよく見極めて、予算目標の立案や着地予測を申告
211：GE operating system
中期計画・年次予算・資源配分・業績評価の一連のプロセスにGE人材輩出の鍵。
NYクロントンビルで四半期頃にCEC（corporate executive council)
前年と前の四半期のレビュー→今四半期の予算提案→予算承認と資源配分についての議論
＊高いレベルでの対話とその連鎖→経営者人材の育成
経営者は日々のマネジメントの中で生まれるもので、人材育成の研修それ自体から生まれるものではない。
214：コンテクストを自分の頭で考え、自分の言葉で語れる経営者になるには
若い頃から立場に関係なく、組織と経営の現状を客観的に評価し、自分が経営者ならどうするのかを問い、シミュレーションを続ける。
2024年03月28日
お釈迦様の掌
経営者と社員の関係は、「お釈迦様と孫悟空」のようなものだという。社員は自由に飛び回っているようで、実際は、経営者の想定する範囲内で動いている。
134: お釈迦様の掌が企業コンテクスト。
「全ての企業は、変化対応業」だという。環境変化に対応して、変われる企業だけが生き残れる。
この10年程で日本でもKPIが経営用語として浸透した（Key Performance Indicator）。月次試算表を待っていると3週間くらい遅れが出るし、過去の会計数字が未来を予測しているわけでもない。未来に影響を及ぼす先行指標とか、経営上の重点政策を組織に浸透させるための指標を測定するのがKPIだが、それを人事評価に結び付けると組織が暴走することがある。136：ピーター・センゲ『学習する組織』知識を創造、習得、移転する能力を有し、新しい知識や洞察を反映させながら既存の行動様式を変革できる組織。・他社のベストプラクティスから貪欲に学ぶ・失敗から得た教訓を未来の行動に反映させる・過去にとらわれず、環境変化に迅速に対応する・組織内で水平・垂直に学習を共有する
この事件が起こったのは、「戦略と数字を取り違える」ワナ（ビル・テイラー＆マイケル・ハリス）に陥ったためだった。経営陣は銀行の「リテール顧客との関係性を重視する戦略」を取っており、このKPIとしてクロスセリング件数を行員の評価と結び付けた。行員は不正取引でせっせと数字を作った。140：Wells Fargo事件2015年までの5年間に200万件の顧客口座で不正取引→5300人を解雇→集団訴訟
151：HBSデービッド・ガービン『アクション・ラーニング』アメリカ陸軍AAR・われわれがやろうとしていたのは何か・実際には何が起きたか・なぜそうなったのか（時間25%）・次回われわれがやろうとするのは何か（時間50％）
＊AARのプロセスにおける経験や意見の共有や議論は、人事評価からは切り離される
オープンに間違いを認めたり、上司の指示や判断を批判できる。
2024年03月27日
「ふつうではない会社」と「ふつうの会社」を分ける鍵
HBSホンダAケースはLBS1年目の経営戦略論でやった。それが、こちらのBCG調査に基づくもの。
LBS経営戦略は当時キプロス人の教員で、ホンダは次のような完璧な戦略を考え、実行した「模範的な会社」といった説明だった。70：BCGレポートホンダは、「戦略的意図」に基づいて設立された会社。創業時から、完全に統合された生産ラインを保有するとともに、研究開発を重視し、競争相手との差別化を図るべく、常に合理的な対応をしてきた。スーパーカブの発売に至ったのも、市場調査によって明らかになったニッチに参入するためだった。
これに疑問を持ったのがリチャード・パスカルで、彼は、研究者になる前に仕事で日本人と接しており、「あんな行き当たりばったりな日本人が、そんなことができるわけがない」と考えた。彼は、1982年にホンダ当事者にインタビューし、HBSホンダBケースができる。そちらのケースが示すところは、ホンダの北米市場での成功は「まったくの偶然」というものだった。72：戦略的階段（Strategic Staircase)�．丱螢紂璽ぅ離戞璽轡腑���緩んだレンガ（ポジショニング）�７亳涯弊�とコストリーダーシップ�ぅ灰▲灰鵐團織鵐垢離譽丱譽奪��イ気蕕覆觝絞眠修半綉藥埔譴悗凌塀�
77：戦略分析の論理と合理的計画は、ありとあらゆる情報を入手できる「全知全能の戦略家」の存在を想定
ホンダAケースも後付けで、「そういう戦略家が予想と前提の範囲内で策定するのが『正しい戦略』というのは、「前提がおかしい」という（ミンツバーグ）。では、ホンダはⒶ完璧な戦略を立案して実行できる会社だったのか、あるいは、Ⓑ北米で成功したのは全くの偶然だったのか。
ここで、「コアコンピタンス」という概念を持ち出してきたのが、LBSのゲイリー・ハメル。成功する企業には、何か他社と違う「競争優位」があるというもの。しかし、弱点は、「企業にとって何がコアコンピタンスなのかは事前にはわからない」という点。成功した会社を分析して「これがコアコンピタンス」だとは言えるが、まだどうなるか分からないスタートアップに対して、「これがコアコンピタンス」とは言えない。
野田先生は、Cケースを提唱する。ホンダは、上記のような会社だったから、北米市場での想定外の事態に適切に対応できて、最終的に大成功を収めることができた。これこそが、「ふつうではない会社」と「ふつうの会社」を分ける鍵であり、「競争優位のエッセンスは、戦略分析でもなく、偶然でもなく、そうしたマネージャーが作り出す組織プロセスの中に宿る」のである。90：ホンダCケーストップは大きな夢と志を持っていて、周りの反対にひるむことなく大胆な決断をする。現場は本社の方針に安易に迎合しないし、トップの意向を忖度することもない。上司が反対している施策であっても、若手がやると言えば自由にやらせてもらえる。
92：American Honda Motors現場のマネジャーたちが創造的なイニシアティブを発揮し、すばやく学習して市場に柔軟に適応した（成功要因）。＊ホンダの経営陣が、スピード感に溢れ、起業家精神に満ちた組織をつくりたいという明確な意図を持っていたから、できた。
2024年03月26日
個を活かし、経営の質を高める
野田先生はHBDでDBAのあと、LBSで助教授。私とは入れ違いだったので、直接お会いしたことはない。LBS在籍中にスマントラ・ゴシャールと共同研究をしていた。本書にも、ゴシャールとの思い出が描かれている。
はじめに：経営者の役割（至善館）
�ヾ超�と自社の戦略や組織の適合の実現←『イノベーションのジレンマ』『両利きの経営』
�∪飢鬚�見えない中での意思決定←総合格闘技（教科書はない）
��コンテクスト（文脈）のマネジメントを通じた組織能力の構築←本書
36：組織
「一人ではできないことができる素晴らしいものだけど、一人でいるときには考えられないことが起こる厄介なもの」・・・そんな組織をうまく使いこなすこと、それが経営
経営＝「人を通じて事をなす」
39：経営者の役割
「経営の質」を向上させること。
商品やサービスにクオリティがあるように、経営にもクオリティがある。
2024年03月25日
ナクバ（大破局）
昨年のハマスによるテロで、久しぶりに注目されることになったパレスチナ問題。実際は、1948年のイスラエル建国以来続いている問題で、一度も解決してない。しかも、イスラエルが2か国分割の国連決議を無視して占領地拡大を続けているので、難民の数は年を追って増加している。パレスチナではこれをナクバ（大破局）と言うらしい。
多くの人が疑問に思うのは、ホロコーストで600万人もの犠牲者を出したと言われるユダヤ人がどうして似たような他民族の迫害を直ぐにできるのかということだろう。それについては、日本人研究者がこんな分析をしている。213：イスラエルの建国によって70~80万人に上る難民。イスラエルのベングリオン首相が避難民の帰還を認めないという決定。シオニズム運動の政治指導部や軍上層部に「民族浄化」を行う了解。
もともと、パレスチナではムスリム、キリスト教徒、ユダヤ教徒が長年共存してきた。これが、欧米のシオニズム運動で、他者の人種差別のまなざしからうまれた「ユダヤ人」を自分たちの民族アイデンティティとして、パレスチナへの移住を推進することで、民族間の対立が生まれる。従来のアラブ人とはムスリムだけでなくユダヤ教徒、キリスト教徒も含んだ複合的な存在であったが、シオニズムの論理では、パレスチナの「アラブ人」にはユダヤ教徒が含まれないのだ。214：「被害者意識ナショナリズム」（林志弦）被害の記憶がナショナリズムと結びついて強調されるとき、自分の立場が絶対的正義になるとともに、自国の歴史が加害者になったファクトが隠蔽される。
210：パレスチナ問題の形成バルフォア宣言の「非ユダヤ人」という概念を使って、ユダヤ人と非ユダヤ人の二項対立の世界観を持ち込み、パレスチナの共存体制を破壊。
1947年にアメリカが主導した国連総会で「パレスチナ分割案」が決議される。それまで6%の土地所有しかなかったユダヤ人に52%の領土を与えるもので、当事者であるパレスチナ人の同意を得ずに決議された。これに怒ったアラブ側は武装抵抗を始め、今度は、ユダヤ側が武装兵にムスリムの町や村を襲撃させ占領し始めた。
ガザ地区の人口密度は6018人/㎢で、これは東京都の人口密度とほぼ同じ。「北を空爆するから、南へ非難しろ」と言われても、ガザ中がごった返しているから、簡単ではない。216：ガザ回廊「世界で最も人口過密な場所」地中海に面する幅約10キロ、長さが40キロの細長い地域に約200万人ものパレスチナ人。その70%がナクバの難民とその子孫。1976第三次中東戦争でイスラエル軍が電撃的に占領→ユダヤ人が入植
ハマースもこの状況に反発して、これまでも時々ロケット弾によるイスラエル攻撃を行ってきた。その度に、イスラエルに軍事侵攻されて多大な犠牲を出している。219：「天井のない監獄」2007イスラエルはガザの封鎖を徹底2008~2014 3次にわたる軍事侵攻「テロリストの拠点への攻撃」2014死者2251人⇔ハマースのロケット弾攻撃によるイスラエル側死者72人（民間人6人）
ハマース側はゲリラ戦であり、住民の間に匿われている。従って、イスラエルとしては、無差別攻撃となりやすい。ウクライナ侵攻を行うロシア軍と共通点があるのに、イスラエルはアメリカの同盟国のため、ロシアに対する制裁のように問題化されないまま長年放置されてきた。220：アル・アズハル大学サイード・アブデルワーヘド教授2009イスラエルとガザの圧倒的な軍事力の不均衡ものとで、戦闘員と非戦闘員の区別がなされない無差別攻撃。
221：�．ぅ好薀┘襪�武力行使を「テロリスト拠点への攻撃」であると共感を得やすい論理で正当化�▲▲瓮螢�のイスラエル支持��ハマースの武力攻撃が国際世論をガザから引き離している
222：パトリック・ヘンリー「自由を与えよ、しからずんば死を」
中東で自由のために闘う人々をテロリストや狂信者と批判することとの論理整合性？
2024年03月24日
ドイツ「被害者の記憶」
移民国家であるアメリカ合衆国だが、人種や国籍、障害の有無で厳しく差別されていたのは前回の通り。その、アメリカの人種主義に感化され、自国に取り入れようとしたのがナチスだった。
1935年にニュルンベルク法（ユダヤ人を選挙権や公職から排除）が制定されるが、この時、問題になったのが「ユダヤ人とそうでない人間をどの基準で線引きするか？」だった。この立法を担当したのが、アメリカ法を現地で学んだ若き法律家ハインリヒ・クリーガーで、彼はジェファソンとリンカンを英雄視していた。二人が「白人と黒人の共存不可能」を見抜いた人物としてだ。しかし、ユダヤ人は1000年以上も住み着いているわけで、一部には混血も進んでいる。アメリカの「血の一滴の掟」の容赦のなさにナチスが悩むことになる。
世界的なナショナリズムの高まりの中で、ユダヤ人国家を建設する運動も高まる。ユダヤ人国家がかつてあったパレスチナに約2000年年ぶりに移植する人が増え、それは、ナチスによる迫害が始まることで加速する。イスラエルが独立を宣言するのは1948年のことだ。170：第一次世界大戦後の「国際秩序の変化」戦争に動員され、それぞれの「貢献」をした植民地の人々がナショナリズムを高め、国民国家の形成を目指す。
戦前のドイツ系住民は、長く続いたオーストリア帝国の影響もあり、東欧に広く分布していた。これが、ナチス・ドイツが敗れたことで、東西ドイツの国土が大幅に縮小されただけでなく、先祖代々暮らした土地から追放されてしまう。204：チェコスロヴァキア300万人のドイツ系住民を追放。国防軍や治安組織などによって暴力的に財産を没収されて追放され、2~4万人が死亡。
東欧全体から1000万人以上のドイツ人が追放され、その過程で、10万人以上が死亡したといわれている。戦後ドイツの記憶は、加害者としてよりも被害者としての記憶だった。205：ポーランドソ連に東部を占領された代償に、約250キロもドイツ側に食い込んで新たに国境→約850~1000万人のドイツ系住民が追放される→ソ連兵の凄まじい性暴力→ドイツ「被害者の記憶」
2024年03月23日
アメリカ独立戦争の意義
アメリカ独立戦争前、自由人は全人口の1/4程で、黒人奴隷が1/2近く居た。
126：1700-1775までに北米植民地に上陸した約60万人のうち、自由人は26%⇔黒人奴隷47%（残りは、期限を付けた強制労働に従事している白人の年季奉公人18％、罪人9%）
イギリスのヴァージニア総督は、戦力の不足を補うため、「国王軍に参加した時点で黒人奴隷は解放されると布告」する。これもあって、深南部から奴隷の1/4が逃亡。一方、先住民もイギリス側に立って、自分たちの土地に侵略してくる植民地軍に対して西部で戦った。。
「少数の自由人」が「多数の不自由人」を支配するアメリカという社会で、「少数の自由人」が政治的な「自由と平等」を求めて戦ったのが独立戦争。同時にその戦いでは、「多数の不自由人」もまた、彼らなりの必死の戦い方で、生きるための「自由と平等」を勝ち取ろうとした。
独立を勝ち取ったアメリカだが、それは、「少数の自由人」のための政治的な自由であり、黒人奴隷はその対象ではなかった。
オバマ大統領は、ケニア人黒人留学生とカンザス州出身の白人女性の間にできた子供だが（3年で離婚）、メディアでは一貫して黒人と扱われてきた。コロンビア大学→ハーバード大学ロースクールを出た弁護士で、話しぶりも白人エスタブリッシュメントそのままなのだが、米国社会での認識は黒人なのだ。147：「血の一滴の掟」One drop rule異人種間結婚禁止法（米）で、祖先に一人でも黒人が居た場合にその人物は黒人に分類。
149：奴隷国家→移民国家南北戦争と奴隷解放によって生じた産業労働力不足を、アメリカ社会は移民によって補う。受け入れる移民を人種・民族・セクシュアリティ・障がいの有無などによって厳しく選別。
2024年03月22日
新科目「歴史総合」
高校の「世界史」教科書の歴史を振り返ると、戦後、新制高校となり、新教科書「世界史」はアメリカの経験主義の影響を受けたものであったらしい。それが、1958年にはその揺り戻しなのか、学習指導要領で系統主義への転換が図られる（経験主義・系統主義）。
1960年代以降は、過激化した学生運動への恐れなのだろう、マルクス主義など「世界史の基本法則」を構築する歴史研究が衰退し、専門分化が進んだ。その結果、「各国史の寄せ集めのフレームを維持したままボリュームだけが増える」という結果になった。
これでは、歴史の大きな流れを掴まないまま、覚えることだけが増えるので、歴史嫌いを招く。平成になり、また、その反省で、歴史事象を教室で議論しようという流れがある。
これでは、歴史の大きな流れを掴まないまま、覚えることだけが増えるので、歴史嫌いを招く。平成になり、また、その反省で、歴史事象を教室で議論しようという流れがある。
今年からは、世界史と日本史の近現代史をまとめた新科目「歴史総合」に変わっているらしい。どこの高校でも、古代史から始まって、中世、近世あたりでほぼ1年が終わってしまい、肝心な近現代史を端折ってしまう先生も多く、これは良い変化だと思う。94：議論の「答え」の妥当性を判断する基準があいまい議論を重ねても真理からは遠ざかる→最終的に「人それぞれ」で片づけられる
103：�‘�本の歴史教育史上初めて日本史と世界史を統合した近現代史をすべての高校生が学ぶ�¬嵳綸�な知識注入にならないように３つの大項目の形「近代化と私たち」「国際秩序の変化や大衆化と私たち」「グローバル化と私たち」に焦点化�Ｎ鮖乏惱�の意義の一つを、現代的な諸課題の歴史的経緯を解き明かすことにおき、過去と現在のつながりが重視される�い燭世涼亮碓典�ではなくて、資料や歴史叙述を読んで「問い」を抱き、その問題意識を持って歴史を探求することによって、歴史事象の特色や意味を多面的に考察する力と、歴史的な課題を解決策まで含めて構想する力、そして考察・構想を説明して議論できる力などを育成する
2024年03月21日
教室の歴史対話
芥川龍之介『藪の中』（映画化され『羅生門』）にもある通り、同じ現場に居合わせても人それぞれの体験は違う。ましてや「歴史」とは、解釈によって、その意味合いは大きく変わる
58：私たちが参照する歴史とは「探求された歴史（歴史叙述）」なのであって、「実際に起こった歴史」そのものではない。
著者は、「歴史実践の六層構造」を提言している。
A【歴史実証】問題設定に基づき、諸種の史料の記述を検討することにより、「事実の探求」（確認・復元・推測）を行う。B【歴史解釈】事実間の原因と結果のありよう（因果関係）やつながり（連関性・構造性）、そして比較したときに浮かび上がるありよう（類似性・相違性）について、問題設定に関わる仮説を構築することにより、「連関・構造の探求」を行う。C【歴史批評】その歴史解釈にもとづき、より長い時間軸やより広い空間軸においてみたときの意義や、現代の世界に対する意義について、「意味の探求」を行う。D【歴史叙述】歴史解釈や歴史批評を論理的・効果的に表現する「叙述の探求」を行う。E【歴史対話】一状のいとなみについて事実立脚性と論理整合性に基づいて検証を重ね、特に歴史実証の矛盾や歴史解釈の矛盾のうえに歴史批評や歴史叙述が行われていないか、歴史批評や歴史叙述のありかたが歴史実証・歴史解釈を歪めていないかなどを、他者との協働によって考察することにより、「検証の探求」を行う。F【歴史創造】歴史を参照しながら、自分の生きている一を見定め、自分の進むべき道を選択し、自らが歴史主体として生きることにより、「行為の探求」を行う。
例えば、英国が清国を植民地化した戦争として悪名高いアヘン戦争だが、「イギリス商人からアヘンを購入したのは、小型の快速船舶に乗って沖合で小規模な貿易活動を展開する福建省・広東省の人々」だったという。中国商人にとっては、禁止薬物であろうと、儲かるのなら密輸入して儲けたい。売っていたのはイギリス商人だが、買って国内で流通させていたのは中国商人なのだ。
70：18世紀の中国の沿海部の商業活動を見るならば、広州のみに限定された西欧諸国との海外貿易の輸入品は、福建省の厦門から国内各地に流通。しかし天然の良港である厦門の商業活動に重い税がかけられると、人々は厦門を離れ、華南の小さな港や東南アジアなどを利用して貿易活動を続ける。19世紀前半にイギリス商人からアヘンを購入したのは、小型の快速船舶に乗って沖合で小規模な貿易活動を展開する福建省・広東省の人々（村上2013）。
ここまで議論するとなると、今ではもう大学のレベルだろう。しかし、本来、「高等」学校という通り、義務教育ではない。高校卒業のレベルが下がってしまったため、中学校レベルの英語や数学を教えているのが今の多くの大学のレベルだ。中学校の3年間で済ましておくことが、終わらないまま、エスカレーター式に大学まで行くので、本来3年間の社会負担がその倍以上掛かっている。
82：教室の歴史対話�‖佻辰梁仂櫃縫織屐爾鮑遒蕕覆���対話に参加するメンバーは全員が（歴史の人物を含めて）対等であり、互いにいのちをリスペクトしあうこと��自分の見えていない事実・解釈・意義付けに気づけるかもしれないという、「自分を相対化する」意思を大切にする
2024年03月20日
民主主義だからこそ生まれた独裁
明治維新が「ブルジョワ革命」であったかどうかについては、諸説あるよう。
35：Barrington Moore Jr.『独裁と民主政治の社会的起源』1966
世界史が前近代から近代世界に移行するときの３つの主要な歴史発展の道
＊「ブルジョワ革命」が、過去から引き継がれている、民主主義と資本主義の発展を妨げるような障害を打倒することに成功したかどうか。その際に、新たに経済的に成長してくる「商業営利的農業」に対して地主上層階級や農民層がどのような動きをしたかという点が重要。
�‖腟�模な革命や内乱を経て、資本主義と民主主義の結合が発展
イギリス、フランス、アメリカ「ブルジョワ革命」
イギリスでは地主たちが新たな潮流の主体に、反対にフランス・アメリカでは地主たちが革命・内乱の過程で一掃。
�∋駛楴腟舛枠�展したが民主主義が抑制された
ドイツ、日本「上からの革命」
革命を推進する力が弱くて敗北、商工業階級と地主上層階級が連合し合った結果、「反議会主義体制」に。
�Ｇ清伴匆馘�官僚制が商工業階級を��以上に抑圧
ロシア、中国「共産主義」
近代化への第一歩を踏み出せなかったがゆえに大量の農民層が残存。�´△寮�力に浸食されたことで共産主義者のリーダーシップが農民と動員して、共産主義革命。
36：マルクス主義歴史学「ブルジョワ革命」
「市民革命」によって創られたのは資本家階級（ブルジョワジー）が支配する資本主義社会。
37：ナチス・ドイツの独裁がなぜうまれたのかを世界のつながりのなかで考える
エリック・ホブズボーム『20世紀の歴史』1994
1914-1945 破局の時代
1945-1970初期 黄金の時代
それ以降 破局の時代
アメリカと他の国々の経済発展の非対称性→大恐慌→経済的自由主義後退→政治的自由主義も後退
その混乱の中で知識人・社会活動家・一般市民たちが、自分たちの住んでいる世界を根本的に間違っているという疑う信念を持つ。ドイツのファシズムは、そのような世界の資本主義経済の変動の中で起こった、広範な反自由主義運動の一つ。
1920 35か国＋ 立憲主義
1944 12か国に激減（64か国中）
2024年03月19日
揮発性の言葉
本章で触れられているのは、1994年に起こった松本サリン事件。翌年の地下鉄サリン事件の前哨ともいえる事件で、犯人がオウム真理教ということは地下鉄サリン事件まで分からなかった。
その時、容疑者として扱われたのが、第一通報者でもあった河野氏。奥さんはサリンで意識不明の重体。そのまま回復しないまま14年後に亡くなり、自らも入院した被害者であったが、長野県警は容疑者として捜査を続け、マスコミもリーク記事を書き続けて完全に犯人扱いした。
その時、容疑者として扱われたのが、第一通報者でもあった河野氏。奥さんはサリンで意識不明の重体。そのまま回復しないまま14年後に亡くなり、自らも入院した被害者であったが、長野県警は容疑者として捜査を続け、マスコミもリーク記事を書き続けて完全に犯人扱いした。
19：河野さんは、謝罪に来る元信者の人々を家に招き入れ、彼らと対話
マスメディアが報じないオウムの一般信者の「一人の人間」としての誠実さを見る。
21：論理整合性の観点
早期の逮捕や詳細な報道を煽り立てた「私たち」の存在。
22：世界史を視野に入れた日本近現代史の通史を描いた成田龍一
大日本帝国の解決されざる矛盾と戦後日本社会の矛盾、そして冷戦体制崩壊後の矛盾などが一挙に現れた「分水嶺」の1995年。
26：石川啄木「揮発性の言葉」
オウム真理教の信者たちもナチス・ドイツの残虐行為に嫌悪していた。でも彼らは残虐行為を遂行した。
2024年03月18日
「歴史実践」のために
『世界史とは何か』という大きく振り被ったタイトルで、どんな歴史学者なのかと思ったら、長野県の高校教師だった。しかし、岩波書店から出ているだけあって中身は大学教授に劣らない。むしろ、それを県立高校で実践しているというのだから、流石は教育県といわれる長野県だ。
思えば、私の高校のときの担任が歴史の先生。この先生が早稲田出身であったことが、後に受験の時に土壇場で早稲田も受けることにつながる。他校受験のついでだったので、願書を出したのもギリギリ、それから赤本に取り組み始めたので、受験まで一月しかなかったが、結果的に早稲田に進学することになったのは、正に、網野先生との縁。
私より上の世代では、早稲田の教育を出れば、高校の教師になるのが定番だったが、その教育学部を出た娘に聞くと今は教師になるのは2割もいないという。バブル崩壊後、しばらくは公務員人気で、小中高の教師は狭き門だったらしいが、人手不足になってからは逆に人気が無くて、定員不足になっている地域もあると聞く。
教育の重要性を考えると、教師に良い人材が集まらない状態は良くない。フィンランドは90年代初めにソ連崩壊で、ソ連との窓口としての機能に依存していた経済が崩壊。日本よりひどい不況に見舞われた。その時に、「これからの時代に備えた教育改革」として実施されたのが、現在の教育体制。
フィンランドが最初に行ったのは、人気がなくなっていた教員養成のための教育大学と一流大学との合併。人気大学の教育学部になることで、応募者の質を上げた。教員の待遇改善も行い、全体として教師の質が上がった。フィンランドの教育改革を研究した本によれば、「一番、教育の質を上げるのに効果が高いのは、教師の質」。ITも教材もほとんど関係無いという。
はじめに：教室の学びとはこれまでに人類が蓄積してきた学問の宝庫を見つめつつ、人々の未来の幸せのために、それをどう活用していくかを探求するいとなみ
世界史はつねに「変化の激しい予測困難な時代」の連続。
２：松本サリン事件
車中の男たちは、山梨県の本部を出発してから松本に向かう道中、テレビのアニメ番組「魔法使いサリー」の主題歌を合唱していた。女の子が「不思議な力」で「夢と希望」を町にふりまく。
8：『ショア』の上映会 SHOAH＠松本深志高校
1995クロード・ランズマン監督 9h27mの大長編映画
2024年03月17日
国民皆保険制度
1963年に始まった国民皆保険制度。世界中でこれほど制限なく気楽に医療が受けられる国は他にないと言っていいだろう。
私はその昔イギリスに留学した時、「ゆりかごから墓場まで」の国だから医療保険も要らないだろうと、旅行保険にも入らずに行った。実際、留学生も含めて建前上は医療費は無料なのだが、日本のようにいきなり病院に行けるわけではない。地域のプライマリードクター（家庭医）にまず診てもらい、必要と診断された人だけが病院に行ける。
緊急性のない限り、アポを取るのさえ難しく、数か月先になってしまうこともざら。だから、しっかりした会社勤めの人は、皆、会社が民間保険会社と契約した保険に入っていて、それを使って受診することになる。プランは松竹梅といろいろあり、何でも診てもらえるプランから、歯科は対象外になるものまでさまざま。それは会社によっても、社内でのランクによっても違う。
福祉と言えば北欧だが、北欧の「無料」国民皆保険制度も、日本人がイメージするような「何でもあり」ではなく、イギリスと同じくさまざまな制限がある。スウェーデン企業で長年勤めた友人も、「日本のような延命治療は全くしない」と言っていた。そうでなければ、これだけの老齢化社会で国民皆保険制度を維持できるわけがない。
日本の制度も何十年も前から見直しが必要と言われながら、薬価の改正と保険料引き上げ、後は国庫からの赤字補填で問題を先送りしてきた。夕張市では、市内唯一の総合病院がなくなったら、「健康状態は向上、病死は減り、診察費も減少」したという。この例を見ても、日本の場合は、「過剰医療」で人任せになり、逆に健康を害しているのかもしれない。
165：気軽に医師にかかるようになって、医師への依存。自分で健康をケアすることを疎かに。
自由診療の方がいい。
171：病気予防
夕張市の財政破綻→市民病院閉鎖（市内に総合病院がなくなる）
その後の調査＝健康状態は向上、病死は減り、診察費も減少。
185：「幸せな死」QOD
死に方を決めると、いい生き方になる。後悔が最小になるように。
2024年03月16日
低体温と病気の思いもよらない関係
日本人の平熱はどんどん下がっている！という。平熱の継続した研究はほとんどなく、なんと論文で残っているのは1955年の調査だけだという（下図）。それを最近のテルモの調査と比べると大人で36.9℃平均あったものが、最近では36.1℃しかないということだ。
西洋医学では「病気」を診るため、体温が低いこと自体は研究対象とならないそうだ。しかし、著者は、「がん」や「うつ」患者を多く見てきて、「体温が低い」という共通点に気づく。これは、代謝の仕組みを考えれば当然で、生命活動は体内の酵素反応によって行われ、酵素反応は化学反応の一種であるから、温度が高いほど反応は起こりやすい。一方で、酵素はタンパク質であるので、40℃以上になると熱変性で逆に活性が悪くなる。
結果、酵素が活発に活動する温度帯は37~39℃（内臓レベル）であり、これは体温36.5~37℃に相当するということだ。
22：代謝
・基礎代謝＝生命活動を維持するために、体が自動的に行う活動←消費エネルギーの60~70%
・活動性の発熱＝運動をすることで熱を生み出す
・食事＝食べたものを消化して熱に変える
23：酵素の不活性化
36℃以下は危険域。
25：循環障害
内部温度が下がると、血管が硬くなって、収縮→血行悪化
＋血中脂肪が固まりやすくなる→動脈硬化・心筋梗塞
28：東洋医学「未病」
血行不良＝「瘀血」＝冷え
2024年03月15日
発展する地域の共通点
発展する地域の共通点には「祭り」があるという。
200：祭りを支えてる企業リーダーが明確にいる地域は、毎年訪れるたびに目新しい変化があり、街の景観が明るく変わっていく。
確かに、古今東西、人類の居るところ、「祭り」があった。他の動物が「祭り」をするというのは聞いたことがないので、言葉や道具の発明同様、「祭り」は人類の特徴なのだろう。
日本三大阿波踊りの一つが、「南越谷阿波踊り」なのだという。地元のポラスグループ（不動産）創業者・中内俊三氏（徳島出身）が1985年に声かけしスタートしたもの。越谷（埼玉県）は「東京のベッドタウンで、全国各地からの移住者が多く、地元愛が薄かった」。
日本三大阿波踊りの一つが、「南越谷阿波踊り」なのだという。地元のポラスグループ（不動産）創業者・中内俊三氏（徳島出身）が1985年に声かけしスタートしたもの。越谷（埼玉県）は「東京のベッドタウンで、全国各地からの移住者が多く、地元愛が薄かった」。
237：イノベーションを加速させるOKR
Objective（目標） Googleは10xの驚異的成果を目指す
Key Result（主要な結果） 「どのように」達成するかのマイルストーン
＊野心的な目標と現実的な結果の組み合わせ
・目標には数値を入れない
・人事評価と連動しない
264：マナヘル・タベット博士（イエメン）
世界で最もIQの高い30人の一人。IQ140+の人のネットワーク化
「IQレベルの高い人は、優秀な頭脳を持っているものの、人づきあいが苦手で、社会的に十分活躍していないことが多い」
2024年03月14日
教育システムのアップデート
なにかと批判されることの多い学校教育。それほど批判するなら、自分でやってみたらどうだと思うのだが、声高に批判する人ほど、人任せ。難しい仕事に携わっている教育者は尊敬されるべきだろう。
筆者は、「教育システムのアップデート」を提案する。
教師の負担が増えるのは、余りに多くを期待するからだ。教師を、「教える役割＝インストラクターから解放し、生徒の探求学習を最適化する役割＝ファシリテーターとして活動する時間を増やす」というのが提言。111：教育→協育（パートナーシップによる人材育成）未来をよくしようと思うすべてのステークホルダーが、学校と協力しながら、自ら育っていけるように環境を整える。
164：伸ばせる能力vs.伸ばせない能力The Science of Dream Teams by Mike Zani「難しいが、可能」＝やり方次第で伸ばせる←教育はここに集中すべき戦略スキル、判断力、一流スタンダード、自立性、ストレスマネジメント、適応性、好感、傾聴力、チームプレーヤー、交渉力、説得力
2024年03月13日
学校が、社会問題を解決するシンクタンクに
49：学校が、社会問題を解決するシンクタンクに
�ヽ惺擦蓮崔亀甞惱�」をきっかけに、SDGs達成や社会課題を解決するプロジェクトを創発する、地域のシンクタンクとなる。
��企業は、SDGs達成に向けて、自社が「強み」を有する分野を「戦略的探究事業」と位置づけ、その分野の知見を、オンライン動画などにより、積極的に学生に提供。
�３慇犬�創発したプロジェクトは、地域の高校や大学が開催する「ビジネス探求コンテスト」で発表。その場で、同じ探求に向かう「学生」と「企業」同志が出会うことで、企業は学生をインターンとして採用、スタートアップへの出資、さらには学費に対する奨学金の提供などを通して、互いに協力関係を構築できるようになる。
63：無料の見学ツアーを、100万円で売る
月収1万円以下で働く障がい者の共同作業場を巡るバスツアーを企画し、その参加費として100万円を請求した。この見学ツアーはもともと無料で行われていた。それが当たり前の習慣だった。
このツアーを「新規事業開発のための研修プログラム」とする
ツアー参加者は「施す側」→「学ぶ側」
障がい者は「施される側」→「教える側」
・ケンエレファント（フィギュア）
・アビリティーセンター（人材紹介）
・関通（物流） アニー（チェックリストをクラウド化）
2024年03月12日
2024年03月10日
血液を汚している要因
まだ独身の頃、長野の断食道場で5日間の断食をしてみたことがある。子供の頃、何かの病気で1週間寝込み、殆ど食べられないのに、最後のころ、真っ黒でべっとりした便が排泄された。その途端にスッキリして、翌日から急回復した経験があったから。それで、断食の効用になんとなく確信があった。
31：小食または断食をすると、排泄が促進される1週間くらい断食すると、ものすごい口臭、汚い舌苔やタン、鼻汁、濃い尿、発疹など「老廃物排せつのオンパレード」に。
ただ、断食を自宅で行うのは、厳しい。家族が普段通り食べている中で、一人だけ我慢するのが難しい。やはり、断食道場などで、監視のもと、皆で同じ目的をもってやる方が簡単。
それとともに、毎日、朝食を減らすのはよさそう。朝食抜きでもいいのだが、私の場合、血糖値不足で、朝元気が出ない。
それとともに、毎日、朝食を減らすのはよさそう。朝食抜きでもいいのだが、私の場合、血糖値不足で、朝元気が出ない。
51：朝は「血液の浄化時間帯」肉体労働者でないかぎり、1日3食は多すぎる。・生姜紅茶（糖分は黒砂糖か蜂蜜を加える）・ニンジン・リンゴジュース
39：血液を汚している要因
・食べ過ぎ
・運動不足
・ストレス
・環境汚染
46：発疹、炎症、高血圧、血栓、出血、結石などは自然治癒力で行っている血液浄化作用
これを無理に薬で抑えたり、または、そうした反応をする体力のない高齢者や虚弱者は、体内に血液を浄化する装置ができる＝「がん種」＝血液の汚れを集めて老廃物や有害物質を排出
60：血圧を下げる
・動物性食品＜魚・貝類
・アルコールは適当に→HDL増加
70：高脂血症対策
＊冷え性か水分の取りすぎ→脂肪が燃えない
92：動脈硬化
「人は血管とともに老いる」
・ニンジン（２本）リンゴ（1個）ジュース＋セロリ（100g）
2024年03月09日
体を温めて治す
日本人は、体の中が「氷河期」に入っているという。
13：体の中が「氷河期」に入った日本人歴史上、これほど体温が下がり、体が冷えていることはいままでなかった。・寒い時期でも南国の果物など「体を冷やす食品」を食べる・ペットボトルの持ち歩きなど「水分の取りすぎ」・運動不足で、特に下半身の筋肉・筋力が落ちている・冷房の効きすぎ
実際、テルモの調査によれば、1957年の日本人の平熱は36.9度
子供ではなく大人である。そして、2008年の調査ではこれが36.1度まで落ちている。10年で0.16度落ちているそれから15年経った今では36度を切っていると思われる。実際、周りで聞いてみても、平熱が35度台と言う人は多い。
その理由を、石原先生は上記のようにまとめている。「体を冷やす食品」とか逆に「体を温める食品」という概念は西洋医学にはなく、漢方の概念。確かに、昔は高級品のバナナを日常的に食べることはなかったが、今では冬でも毎日のように食べている。
面白いのは、石原先生が、今の日本人は「水分の取りすぎ」だという指摘。これも、35年前に留学した時、アメリカ人がどこへ行くにも水を持参し、授業中にも水を飲むのに呆れたのだが（イギリス人も驚いていた）、今では自分がペットボトルを持ち歩いて、一日中水を飲んでいる。これは、体を冷やすので良くない、というのが石原説。
では、アメリカ人の体温はどうなっているのか？これを見ると、アメリカ人も低下傾向にあるのだが、その下がり方は日本人より緩慢だ。50年で0.1度ほどしか下がっていない。現在の平熱は36.7度ほど（白人）。なるほど、日本に来て冬でもTシャツ1枚で歩いているわけだ。
子供ではなく大人である。そして、2008年の調査ではこれが36.1度まで落ちている。10年で0.16度落ちているそれから15年経った今では36度を切っていると思われる。実際、周りで聞いてみても、平熱が35度台と言う人は多い。その理由を、石原先生は上記のようにまとめている。「体を冷やす食品」とか逆に「体を温める食品」という概念は西洋医学にはなく、漢方の概念。確かに、昔は高級品のバナナを日常的に食べることはなかったが、今では冬でも毎日のように食べている。
面白いのは、石原先生が、今の日本人は「水分の取りすぎ」だという指摘。これも、35年前に留学した時、アメリカ人がどこへ行くにも水を持参し、授業中にも水を飲むのに呆れたのだが（イギリス人も驚いていた）、今では自分がペットボトルを持ち歩いて、一日中水を飲んでいる。これは、体を冷やすので良くない、というのが石原説。
では、アメリカ人の体温はどうなっているのか？これを見ると、アメリカ人も低下傾向にあるのだが、その下がり方は日本人より緩慢だ。50年で0.1度ほどしか下がっていない。現在の平熱は36.7度ほど（白人）。なるほど、日本に来て冬でもTシャツ1枚で歩いているわけだ。
19：体温が1度低下すると免疫力は▲30%1度上昇すれば、免疫力5xがん細胞は35度で一番増え、39.3度以上になると死滅。
というので、体を温めることは重要。
はじめに：体を温めて治す
現代人は体温がどんどん下がっている＝多くの人が35度台
体が冷えれば、内臓のはたらきが悪くなり、疲れが抜けなくなったり、消化吸収が悪くなる。
現代人の体の不調や病気のほとんどの原因が、「体の冷え」
2024年03月08日
『天才』田中角栄
今国会で最大のスキャンダルとなった自民党安倍派の政治資金問題。都知事を経て17年ぶりに国政に復帰した石原は、日本維新の会の代表となる。その時のことを、
270：餅代、氷代季節ごとの小遣いを一人当たり200万円ずつ渡す。
と振り返っている。維新の会は、パーティー収入を還流していたわけではないようだが。
241：1983ペニグノ・アキノ上院議員暗殺
帰国したマニラの空港で当時の独裁者マルコス大統領によって暗殺された。彼とは私が最初の参議院全国で当選した直後からの知り合いだった。
彼の細君はあの国随一の財閥の出で、その実家は気が遠くなるほど資産を保有してい、その大農園エスタンシャはゴルフ場も備え、栽培している砂糖黍の収穫のための小型の鉄道まで走らせているような規模だったが、以来誘われるまま家族ぐるみで彼の地に遊びに出かけたりしたものだった。
242：台湾と結託しマニラを陥落させる策略を立案
彼がミンダナオ島のイスラム系の反マルコス勢力と合流して独裁者を倒す意図があると聞かされ、私はある画策をして台湾の有力勢力と力を合わせて、当時ペキンまで出向いて毛沢東と会見し、毛におもねって権力維持のための後押しを懇願したりしていたマルコスへの国民の反発を踏まえて、共産中国に反発を高めている台湾の有力勢力と結託し資金と武器の援助を仰いで南の島から攻め上がりマニラを陥落させる策略を立て、台湾政府の有力者との秘密の会談を在日の台湾公使も立ち会ってセットし、密かな合意を得た。
324：裕次郎が解離性大動脈瘤で大手術
強い霊感を備えた女性が教祖の宗教団体が川崎に→何か尊いものを粗末に扱っている
その折に教主から、折から参拝にきていた妙齢の婦人を今は亡き田中角栄元首相の隠れ妻だと紹介された。（中略）相手はもう年の頃50を越していたろうがいかにも着物の似合う、うわさに聞いていた通り、かつての神楽坂の名妓らしい女性だった。
2024年03月07日
政治家・石原慎太郎
1987年、石原は福田武夫内閣の環境庁長官として、初の内閣入りを果たす。
222：環境庁長官新日本窒素肥料株式会社（チッソ）は日本の繊維産業にとって不可欠な存在で、その生産過程で発生する有機水銀はそのまま工場から間近な海に排出され、周囲の豊饒な海を汚染し続けていた。（中略）通産省は繊維産業の停滞を恐れて、その報告書を隠蔽してしまった。
水俣病問題に取り組んだきっかけは、長官室に押し入ってきた川本輝夫だったという。その時は、「アポを取らない者には会わない！出直してこい」と追い返したそうだが、後日、アポを取ってやってきた川本に面談。「水銀による中毒で彼は、祖父、祖母、父、母そして4人兄弟のすべてを失っていた」。
その後の竹下内閣では運輸大臣を歴任。
戦後、イランが国内の石油利権を国有化し、これに反発した英国はホルムズ海峡を閉鎖して、海峡を通る船は英海軍が沈めると脅した。イランに対する経済封鎖だ。しかし、この利権は英国がイランを植民地化して得たものであり、その権利はないという立場をとって、命がけで輸入したのが出光興産。世にいう「日章丸事件」だ。これは、『海賊と呼ばれた男』で小説となり、映画化された。227：イラン・イラク戦争タンカールートのホルムズ海峡の通過が危険化。日本とイランの従来の良好関係からしてイラン側の特別な配慮で日本のタンカーだけは船団方式なるものを採用し、海峡の手前で何隻か集合して共通の数字の旗を掲げて通過し、イランはこれを認めて攻撃は仕かけぬという密約が実行された。
2024年03月06日
好色
本書に度々出てくるのが、自分の本性だと言う「好色」。いくら「自分と妻」の死後に出版されるとはいえ、政治家という「公職」にあった人間が、こうも赤裸々に出会いから、逢引き、別れまでを書いた本はないと思う。
何がそうさせたのか？その理由を、「作家として死後に正当な評価を受けたい」からだったのではないかと書いてある書評があった。一橋大学在学中に書いたデビュー作『太陽の季節』はその（当時としては）スキャンダラスな内容で大きな話題となり、翌年には芥川賞も受賞した。
しかし、その後の作品は大した評価は受けていない。むしろ、『太陽の季節』の映画化をきっかけに国民的俳優となった弟・裕次郎の兄として、そして、政治家としてのイメージが広がっていく。それを、政治家を引退した時、「俺の原点は文学者だ」と言いたかったのか。
140：政治家デビュー
私は読売新聞に頼まれ、ベトナム戦争の取材に出かけ現地の知識人たちと懇談し、彼等が己の国の有様にきわめてシニックでいるのに驚き、併せて日本におけるベ兵連なる手合いの安易なシニスムとの類似に気付き、日本と言う国家の将来に強い危機感を抱いて政治家になる決心をした時、参議院の全国区に出るという私のために、ならばおまえに2、30万の票をつくってやると水野さん（産経新聞社主）が言い出し、私をいきなり、彼が懇意にしていた霊友会の小谷喜美会長に引き合わせてくれたものだ。
161：N（中町由子）との出会い
人生の見境もなく闇雲に結婚した妻とその間に生まれた子供たちは別だが、人を塾愛するという体験を味わったのは彼女が初めてであり、最後だったと思う。出会った頃、彼女はまだ新劇の女優の卵で俳優座の研究生だった。（中略）劇団四季に移籍して大きく花が咲いた。
165：交通事故が原因でアルツハイマー型認知症に
彼女の母親は以前彼女が妊娠して二人の関係が露見してしまい、私はあるところへ呼び出され、事はこれきりにしてきちんと家庭に戻れと説教されたことがあった。
176：私の好色の遍歴はそれで終わることもなかった。知事時代にあるテレビ番組がきっかけで知り合った私よりも45歳も若い、私の文学の熱狂的な愛好者だという女に言い寄られ関係を持ってしまった。
195：私の妻やNやSやあのYにせよ、私が強いたわけではないが私のために多くの犠牲に耐えてくれた彼女たちのお陰で、私の人生はかなり深く彩られたものとして在ることができたとは言えるに違いない。
2024年03月05日
『太陽の季節』
石原慎太郎のデビュー作『太陽の季節』が、弟・裕次郎の放蕩を描いたものというのは有名な話だが、それが出た経緯については、今回初めて知った。
湘南高校（入学時は旧制中学）在学時に文学に興味を持った慎太郎は、当初、京大文学部を目指していた。それも仏文だ。それで、フランス語も勉強していたらしい。その前に父親を亡くしている。
父親の役員退職金も出たし、「残された二人の子どものために」と取締役会から追加の資金提供もあったという。それで兄弟が大学を出るまでの生活費は十分なはずだった。ところが、慶應義塾高校に通っていた裕次郎は、母親の預金通帳から勝手にお金を引き出して同級生たちとの遊びに散財してしまう。お手伝いさんも雇えなくなり、それまでの重役の妻としての生活は一変したという。72：「船舶界で屈指の配船屋」父51歳で急逝父は会議のために出かけた新日本汽船の社長室で会議の途中で眠り出し、疲労のためだろうと気遣った周りが父をそのまま残して昼食のために外出してしまい、戻ってみたら昏睡していて手遅れとなったそうな。
ある時、家に立ち寄った父の元同僚に進学のことを聞かれ、「京大文学部」と答えたら、「文学部じゃ苦労しているお母さんを助けられない。公認会計士制度が出来て、それなら卒業後すぐに稼げる。在学中の合格を目指すなら商大だろう」ということで、一橋大学を勧められたそうだ。そうして、首尾よく合格するのだが、公認会計士の勉強は半年で向いてないと諦める。
公認会計士を諦めた後は、再び、文学への思いが募り、戦時中から休刊していた同人誌『一橋文学』を同じく文学好きの仲間と復刊させる。77：公認会計士を目指して一橋大学へ在学中に放棄した生半可な学問の余韻ははるかに年を経て私が東京都の知事に就任した後、思いがけぬ形で蘇り、都の財政再建のために決定的に役立ったものだった。それは国も都も財政運用のために踏襲している単式簿記なるものが、発生主義による複式簿記に比べていかに効率の悪い制度かという認識をもたらしてくれたことだった。
93：苦労の末に出来上がった復刊『一橋文芸』は左翼学生が牛耳っていた大学新聞ではさんざんの不評で、私の書いた処女作の『灰色の教室』は堕落したプチブルの学生を描いた駄作という酷評だった。文学部を持たぬ社会科学専門の大学だけに学生たちの反応も鈍く、せっかく復刊できた雑誌も学生たちに黙殺されたという形だった。
この反応に意気消沈していたところ、慎太郎の処女作は『文学界』同人雑誌評欄の浅見淵の目に留まり、高評価を得た。その『文学界』が新人賞を募集していることを知り、処女作『灰色の教室』の中から、特にインモラルなエピソードを選び書き直したのが『太陽の季節』。これが、芥川賞を受賞する。
結婚当時二人は学生。それも、相手は高校生。二人でホテルから出てくるところを奥さんの親せきに見つかってしまい、問い詰められて結婚。105：私は大学4年生、妻はまだ高校の3年生彼女は私の母親の親しい友人の娘で、彼女の父親は彼女がまだ母親のお腹の中にいる間に中支戦線の激戦地呉松クリークでの戦いで前日小隊長が戦死し、先任将校として急遽隊長を務め、翌日の戦闘で胸に関通銃傷を受けて戦死した。
108：「あなたの家庭は奇跡ですね。私も有名人の家庭をいろいろな関りで知っていますが、4人も男の子がいて、それがすべてまともに育っているのは、あの奥さんのお陰ですよ」（幻冬舎社長 見城徹）
2024年03月04日
女と海と政治
「この夏が過ぎて9月がくれば私は81になるのだ」
という石原慎太郎が死を意識して書いた自伝。原稿は、「自分と妻」両方の死後に出版することを条件に、幻冬舎の見城社長に託された。
「人生は情熱を演じる劇場である」
とよく揮毫するという石原は、自分の情熱は、「妻を含めて何人か熱愛した女たち。そして海。そして、私が敢えて選択した政治という方法を通して表現した情熱の対象、それは国家であり、そのために守ろうとした国家の比類ない個性としての分化、伝統、風土」だという。
3：2013年の夏、春先にクルーたちが運んでおいたヨットで沖縄からトカラ列島を経てホームポートの油壷まで帰ってきた。思ってみれば、このコースをヨットで走るのは三度目、正確には友人の大型パワーボートでトカラの島々に寄港しながら、あるテレビ局のために水中を含めてトカラ列島の風物の記録映画をつくった航海を含めれば、合計四度目の航海だった。
５：ジャーマン・フレイズが設計してくれた「コンテッサ十世」
母体の彼の50tの名艇「タイガー」を凌ぐ素晴らしい船。
この頃ではクルーたちの気質が変わってしまい、沖縄から油壷どころか、昔は誰もが憧れた花の大島レースのような、せいぜいわずか一晩のオーバーナイトのレースも若い乗り手に敬遠されてしまい、レースとして成り立たなくなってしまった。
53：（旧制）湘南中学校
敵機のパイロットは、明らかに頭上すれすれの低空から下を逃げて走る私たちがまだ子供なのを見定めながら、猟で兎でも狩り立てるように射撃してきていたのだ。後で聞いたら、あの時他の方面に下校していた仲間の一人は敵機に足を撃たれ、一生の不具となってしまった。
2024年03月03日
「パウロなくしてキリスト教なし」
「パウロなくしてキリスト教なし」と言われる、いわば、キリスト教の創始者であるパウロ。そのパウロは、イエスの直弟子ではなかった。「イエスの死後、その教えを知って強力に布教を押し進めた人」なのだ。
この生まれが重要で、パウロは�［�派な教育を受けたエリートなので一定の信頼を得ていたし、�▲�リシア語を話せるのでギリシアでの布教が容易で、��ローマ市民権を持っていたので、ローマ帝国内を自由に行き来ができた。そして、何より、キリスト教を広めたいという情熱があった。241：パウロタルソス（現トルコ）生まれのユダヤ人。幼い時からパリサイ派の教育を受け、熱烈なユダヤ教徒。ギリシア語を話し、ローマの市民権を持っていた。キリストの教えは現在のイスラエルで誕生し、ギリシア、ローマへと広がっていった。その道筋はすっぽりと現在のトルコ領に含まれる。
四国遍路が1220km（歩きの場合）。パウロの歩いた2万キロは四国遍路16回分を超える。252：パウロの宣教旅行は総計2万キロ（地球の半分）各地に少数ながらヘレニストの教団が誕生し、イエスの教えを聞きたいと渇望。ユダヤ教からキリスト教へ、メンバーの切り崩し。
283：新約聖書27巻がバラバラに記され、のちに編纂されてキリスト教会の正典西暦50年代 パウロの手紙60年代 ＜マルコによる福音書＞80年代 ＜マタイによる福音書＞＜ルカによる福音書＞90年代 ＜ヨハネの黙示録＞＜使徒言行録＞＜ヨハネによる福音書＞27巻を正典としたのは397カルタゴの宗教会議
2024年03月01日
エルサレム教会発足
統一教会で、信者が財産を売って教会に寄付するのが問題になった。歴史を振り返れば、最初のキリスト教教会「エルサレム教会」発足の時からそうだったらしい。尤も、カトリック教会もプロテスタント教会も統一教会をキリスト教として認めていないが。
182：サン・ピエトロ大聖堂＜ピエタ＞
ミケランジェロ20代前半の作、彼の出世作。
200：イエスの復活は、その信奉者たちにとって絶対に必要なこと
まだ脆弱であった集団の基盤を確かなものとするために欠くことができないこと。
202：少年期に入ってイエスは自分の出生の秘密を知る
イエスは家を出た（史実）→なんの説明もない十数年
ユダヤ教の密教的な集団？ユダヤ教についてのイエスの知識は半端なものではない。
223：エルサレム教会発足
財産共有。信者は財産を売って、教会へ。
