2022年10月
2022年10月31日
好事魔多し
ここに出てくる会社はいずれも、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった会社。��「ひびき」は埼玉県の焼き鳥屋。東松山市のご当地焼き鳥（豚肉の味噌だれ串焼き）が評判となり、テイクアウトで伸びていた。
経産省認定「地域未来牽引企業」となり、対外的な信用が増したこともあり、取引金融機関は20にもなった。2019年に民事再生を申請した時には、売上12億円に対して負債が70億円になっていたという。
以前も書いたが、こうした行政による表彰や認定は要注意。なぜなら、
・特定のことを評価しているだけで、経営がいいとは限らない
・特に地方だと、周りがちやほやするので経営者が勘違いしてしまう
・金融機関の審査が甘くなり（彼らは基本的に理由をつけて貸したい）、経営が甘くなる
からだ。
本件でも、売上高の6倍も金融機関が貸すなど通常ありえない。高い利益率を保ちながら、急成長を維持しないと、すぐに返済が行き詰まるからだ。そして、安易な出店でその通り破綻した。
��ひびき（埼玉・焼き鳥）
2019年民事再生
�Д轡戞璽襦併碍繊ν硫杙辧�
1977ラスク 当初は売れ残ったフランスパンの再利用。
��サン宝石（山梨・子供向けアクセサリー雑貨）
日本初となる民事再生申し立て中のクラウドファンディング→10M調達
149：「ほっぺちゃん」が大ヒット
売上高42億円→直営小売店「ファンシーポケット」拡大→失敗
2022年10月30日
不死身のサイクリスト
先月、サイクリングコースを開拓しようと、図書館の蔵書に「サイクリング」で検索をかけた。それで、「首都圏××」とか「絶景○○」とか借りたのだが、一冊だけエッセイが引っかかった。裏表紙には、
「68歳で自転車に乗り始め、ペースメーカーを装着した体で走行した距離は約4万キロ。所有した自転車は愛車Dahonをはじめ計7台。81歳にして飄々と自転車人生を謳歌する元大学教授。不死身のサイクリストの痛快東京探訪記」
とある。伊藤教授のことは知らなかったが、『チャタレイ夫人の恋人』翻訳で有名な伊藤整の息子さんだ。Wikipediaによれば、「広告代理店勤務を退職後、日本大学芸術学部教授」とある。1933年生まれの伊藤氏であるから、当時の退職年齢は60歳。その後70歳の定年になるまで日大に勤務したようだ。
とある。伊藤教授のことは知らなかったが、『チャタレイ夫人の恋人』翻訳で有名な伊藤整の息子さんだ。Wikipediaによれば、「広告代理店勤務を退職後、日本大学芸術学部教授」とある。1933年生まれの伊藤氏であるから、当時の退職年齢は60歳。その後70歳の定年になるまで日大に勤務したようだ。
というから、徹底している。68歳にして自転車に開眼したというのもスゴイ。読んでいると、流石に運動神経や判断力の衰えで、事故も多い。幸い大事故はないが、何度か骨折もしている。自転車のエッセイというよりは、サイクリング中に見たことや考えたことが雑多に書かれているが、軽妙でなるほどと思わせるところがある。10：年寄りがしきりに自転車に乗るのは正しいことかこの4，5年、北海道を10日も走ったり、東北を一週間走ったり、四国に行ったり北陸に行ったりしている。日常生活においても、もう電車や自動車には乗らない。どこに行くにも自転車に乗っている。友人知人の葬式にも自転車で行く。自転車で転んで骨折したときも自転車で病院に行った。
初版が出たのは2011年。70代後半でこれだけ自転車に乗っているのもスゴイが、それから11年経ち、伊藤先生も89歳。さすがに自転車はムリだろう。
16：マスクの進化
鼻梁の部分にくっきりした折れ目が縦に走っていて、立体的かつ大型であり、西洋の甲冑を思わせるように挑戦的とでも言いたいぐらいである。そういうマスクを車内の客はあたりまえのような顔をしてかけているのであった。そういう大胆なマスクをしているのに恥ずかしそうでもない。照れくさそうでもない。自慢する様子もない。平然としている。
20：ケイタイを見詰めている連中の顔はどれもロボットと言っても言いすぎではなかった。これかあどうなるのだろう、とわたくしは好奇心の混じった恐怖を感じはじめたのであった。
33：アンコ
竹仙堂（代田橋駅前）
十二社（新宿西口）
2022年10月29日
ヒトラー暗殺計画
傑作冒険小説『鷲は舞い降りた』の続編。前作を読むと、登場人物の後日談で締めくくられ、どう考えてもそれで完結のはずだった。ところが、なんと、米軍レンジャー部隊によって射殺されたはずのドイツ落下傘部隊の勇士シュタイナ中佐が生きていた
という話。一命をとりとめ、ロンドン塔に幽閉されている。そのことを知った親衛隊長官のヒムラーは、部下に無謀なシュタイナ救出作戦を命じる。だが、それはカムフラージュのためで、ヒムラーの本当の狙いは、ヒトラー暗殺にあった、という筋書き。
本書では、ヒトラー自身が「少なくとも16回」と言っているが、ヒトラー暗殺計画は発覚したものだけで42回もあったらしい。ドイツ国民がもろ手を挙げて彼の独裁に賛成していたわけではないし、まして、一緒に戦争をしながら彼の能力や精神性に疑問を持ったドイツ国防軍は、ドイツを破滅から救おうと何度も暗殺を企てた。だからこそ、ヒトラーは秘密警察ゲシュタポと親衛隊という彼の私設軍を持っていたわけだ。
前作にも登場したカナリス提督は実在の人物。ゲシュタポから「黒いオーケストラ」と名付けられた反ナチスグループの一員で、ドイツ降伏の直前にSSによって逮捕され、処刑されている。
13：ヴィルヘルム・カナリス提督
1945年4月SSがフロッセンブルク収容所で絞首刑に。
WW1 Uボート艦長として傑出した戦功。
1935年〜アプヴェール長官
2022年10月28日
予想外ではない
日経トップリーダー「なぜ倒産」シリーズ最新刊。令和になってからの最近の倒産事例が分類されている。
というのは、個人的にも多くの人が経験あるだろう。何か違和感があるが、突き止めないまま放置して、大事になる。あるいは、原因が分かっても、「まだ大丈夫だろう」と放置して事故につながる、など。会社経営でも同じことが起こるが、関係者が多いだけ、事態は深刻になる。はじめに：失敗のほとんどは、予想外の出来事ではない「ずっと感じていた違和感を放置すべきではなかった」漠然とした違和感を直視することが大きな失敗を避ける最初の一歩。
最初に紹介されているのは、倒産した小売店のケース。最初は出店がうまく行っていて、銀行からも評価され拡大を続ける。途中から儲からなくなる。決算も本当は赤字だが、借り換えができないと資金が回らないので、在庫を操作して粉飾する。
28：借入を維持するために出店を継続経営環境は厳しくなる一方だと分かっていたのに、出店を継続してしまった。
粉飾決算など、ずっとその企業の入出金を見ている銀行からすればすぐバレるのではと思ってしまう。しかし、今の銀行は、低金利で極端に利ザヤが薄い。一社当たりに割ける時間は僅かで、よほど大口の貸し付けがあったり、後で責任追及されそうな粉飾がない限り、見過ごされがちだ。しかも、優良企業ほど資金需要がないので、融資の成績を上げようと思えば、ある程度リスクを取らざるを得ない。
コロナで経済活動が停滞したにも拘わらず、倒産件数は歴史的低水準で推移している。もちろん、持続化給付金など、政府による支援策のおかげだ。これを政府は成果と捉えているのかもしれないが、これは完全に中長期的な経済成長と矛盾する。経済成長に必要なのは、その担い手となる企業の新陳代謝で、役割を終えた「ゾンビ企業」の淘汰無しに、新たな企業がどんどん出てくることはあり得ない。50：どこの金融機関も、現場の視点はお金を貸したい一般的には50M程度までは支店長決済で融資を決められる。彼らが気にしているのは決算書上で利益が出ているかどうか。
2022年10月27日
サイコパス経営者
本書で15番目の事例に出てくるのが、ローズネット（生花販売）。その前のハナ・プレンティと合わせて、名前を聞いたことがある人もあるのではないか。
ハナ・プレンティは、駅構内などに設置した店舗で、新鮮で格安の切り花を、1本ずつお客が手に取って購入する「切り花バイキング」というビジネスモデルで注目された。2004年のピーク時には150の店舗で、26億円を売り上げたという。関西ニュービジネス協議会の「NBK大賞」にも内定していたが、受賞前に破綻した。
この時は、「元役員の横領」という説明だった。それもあったが、実際はビジネスモデルが最初から成立していなかった。そして、それが判明したのは、破綻の翌年、2社目の会社ローズネットを立ち上げ、それが2010年に破綻した後だった。ハナ・プレンティの破綻では、横領事件に注目が集まり、本業がどうだったかが十分調査されなかったらしい。
ローズネットの主力商品は「バラ風呂キット」。1株のバラには30ほどの花がつくが、1輪を残して後は間引いてしまう。その捨てられる花首を集めて、バラ風呂用に売ろうというアイデアだった。
なるほど、こう聞けば、多くの人が「捨てられる花首をタダで使うなら、儲かりそう」と考えるはずだ。バラ風呂というのも、現実離れしていて、ギフト用に受けそうだ。話題性があるので、マスコミに取り上げられ、宣伝広告費も抑えられる。価格は1箱100輪入りで1万円に設定した。
ビジネスプラン・コンテストならこれでいいが、本当のビジネスならここからもう一歩踏み込む必要がある。実際は、初めて見たところ、想像以上にクリスマスとバレンタインに需要が集中する。花は長持ちしないから、その時期だけかき集めても売れる数はたかが知れている。他の時期に取引がなければ、バラ農家もなかなか協力しないだろう。結局、最後はインド産のバラを輸入して売っていたらしい。当然、それでは儲けが出ない。
そこからBMを修正して生き延びる方法もあったかもしれない。しかし、そちらの努力は不得手だったようで、「アイデア先行で内実を伴わないBMを強引に推し進めて失敗を繰り返す」ことになった。
「アイデアマンで情熱家。天才的に金を集めるのがうまい」という元社員の社長評を聞くと、サイコパスだったのではないかという気がしてくる。そうでなければ、初回の破産で他人のせいにせず、反省していると思うのだ。
216：2009中小企業金融円滑化法
「同法の登場以来、企業倒産は不況期に増える、という常識は完全に変わった」（東京商工リサーチ）
��ローズネット（生花販売）
2000ハナ・プレンティ→2004破産（負債34億円）
2005ローズネット→2010破産（負債14億円）
305：破産を回避する実務上のポイント
�（浸�から経営再建の経験が豊富な専門家（弁護士など）を探しておく
��経営が悪化したら早めに私的整理、法的整理（民事再生法など）の活用を検討
��支払いは公租公課が最優先
�ざ睛撒ヾ悗悗諒嶌僂郎罵ダ茲任呂覆ぁ８鮠弔陵消蓮�
�セ篥�整理や法的整理で債務カットした後も安心しない。民事再生法適用後に生き残った企業は約3割。
�乾薀ぅ奸癖原顱�
自社商品数80年500→91年2000＋
ブランド力だけに頼って安易に投入した新製品は、事前の需要予測などがお粗末だったため、ほとんど売れず。
2022年10月26日
ナイジェリア詐欺
すごい話だと思ったのが、��タナカ工業で起こった「ナイジェリア詐欺」。アフリカの石油産出国であるナイジェリアの「石油採掘権を譲渡する」という詐欺話に、「米国人詐欺師に言われるまま、1回につき10~20百万円、3年間にわたり計100回以上、海外送金」し、14億円損失したという。
ナイジェリアはアフリカの中でも詐欺が多いことで有名で、南アフリカの同窓生が「大統領から一介のビジネスマンまですべてが信用ならない」と言っていたほど。アフリカ最大の産油国なのだが、資源があるほど腐敗し、魑魅魍魎が支配するのがアフリカ。
もちろん、ちゃんとした会社なら、いくら社長の指示とはいえ、100回以上に渡り14億円も海外送金する前にストップがかかる。社長がそんな話を信じてしまった（自分は海外の「特別な」話を進めているという高揚感があったのではないか）上に、オーナー企業で社長に意見できる人が居なかった。さらに、経理はブラックボックスで、担当者は社長から口止めされていたという。
最近は、「国際ロマンス詐欺」というのも流行っているそうで、多くは、マッチングアプリ等で知り合った外国人男性に日本人中年女性が騙されるケース。NHKでも、女性漫画家が実名で騙された経緯を説明している番組があり（「全告白！国際ロマンス詐欺」）、その被害額はナント7500万円。相手が外国人だと、日本人は特別感が強いためか、普段の常識が飛んでしまうことがあるので、注意
178：粉飾は一度やったら抜け出せない
「今期だけ」のつもりが1年、2年と続き、粉飾額は雪だるま式に膨れ上がり、ほぼ例外なく倒産。
��タナカ工業（習志野・農業機械）
「ナイジェリア詐欺」で14億円損失。
��カワカミ（千代田・工具商社）
社長直轄で進めた環境事業で、環境関連技術ベンチャーと提携。
社長は、環境ベンチャー経営者と共著も出版。
2022年10月25日
失敗はサイエンス
以前読んだ同名本の続編。
はじめに：失敗はサイエンス時間軸を追って見ることで、説明のつかない失敗はない。
というと、故野村克也監督の、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」を思いだす。勝負の心得とはちょっと違うかもしれないが、経営には明らかに「負けパターン」がある。一方、経営の勝ちの前提として、その企業、その経営者に向いたやり方でなければ強みが生かされず、結果、勝つこともできないから、勝ち方はその企業によって違う。
コロナでまたぞろ大盤振る舞いされている制度融資、補助金、助成金だが、その費用対効果は検証がされているのだろうか。もともとキチンと経営されている会社が、それら補助を使えば、レバレッジを掛けるようなものなので、進捗を早めたり余分に業績を上げることは可能。しかし、ダメな会社が書類だけ整えて助成を使っても、実行力がないのだから、効果は出ない。
更に罪作りなのは、本書で紹介されているような、補助金がなければ潰れていなかったケース。制度融資や補助金が使えるからと、気が大きくなって、身分不相応な設備投資をする。あるいは、��マキ製作所のケースでは、90年代、コメ輸入部分開放の対策費（ガット・ウルグアイ・ラウンド）の名目で6兆円がバラまかれたせいで、マキ製作所の顧客である農協が、全国で一斉に選果機を導入し、バブル状態になった。
業界のトップ企業であったマキ製作所は、地道なコスト削減をすることもなく、どんどん受注が入る。しかし、それが一巡した時、需要を先食いした市場規模は半減し、高コスト体制のマキ製作所は業績が悪化。さらに、それを打開しようと新規事業を手掛けたことで、さらに経営状態が悪化。2008年、澁谷工業に事業譲渡した後、解散する。
コロナでまたぞろ大盤振る舞いされている制度融資、補助金、助成金だが、その費用対効果は検証がされているのだろうか。もともとキチンと経営されている会社が、それら補助を使えば、レバレッジを掛けるようなものなので、進捗を早めたり余分に業績を上げることは可能。しかし、ダメな会社が書類だけ整えて助成を使っても、実行力がないのだから、効果は出ない。
更に罪作りなのは、本書で紹介されているような、補助金がなければ潰れていなかったケース。制度融資や補助金が使えるからと、気が大きくなって、身分不相応な設備投資をする。あるいは、��マキ製作所のケースでは、90年代、コメ輸入部分開放の対策費（ガット・ウルグアイ・ラウンド）の名目で6兆円がバラまかれたせいで、マキ製作所の顧客である農協が、全国で一斉に選果機を導入し、バブル状態になった。
業界のトップ企業であったマキ製作所は、地道なコスト削減をすることもなく、どんどん受注が入る。しかし、それが一巡した時、需要を先食いした市場規模は半減し、高コスト体制のマキ製作所は業績が悪化。さらに、それを打開しようと新規事業を手掛けたことで、さらに経営状態が悪化。2008年、澁谷工業に事業譲渡した後、解散する。
��ナカテック（八尾・産業機器製造販売）
年商7億円の企業が14億円借り入れて、本社工場建設。
フロンティア融資や産業立地適正化融資など制度融資活用。
111：会社を救いたいという気持ちがあるならば、経営者は死んではならない
保険金を返済に充当すれば資金繰りが多少改善するかもしれないが、しょせん一時的。経営者が死を選ぶことで、会社は確実に弱体化。
��マキ製作所（浜松・選果機）
農協が払う費用の多くが、国や自治体の補助金。
2022年10月24日
ジョブを中心としたプロセス開発
第7章まとめ
・イノベーションの成功の秘訣は、顧客のジョブスペックに対応する体験を創造し、届けること。これを一貫して行えるようにするには、それぞれの体験に結びつけて適切なプロセスを構築して統合する必要がある。これにより、他社から簡単に模倣されない競争優位の強力な源が手に入る。
・顧客のジョブを中心にプロセスを統合することには価値があるものの、多くの企業にとって自然にできることではない。どの企業にも当然プロセスはあるが、ほとんどの場合、効率をあげることや、特定の機能を使って狭い範囲の成果を達成することを目的としている。ジョブを解決する体験を正しく提供するには、新しいプロセスを慎重に定義し、通常はサイロ化している機能群を調整する新しいメカニズムをととのえる必要がある。
・ジョブを中心としたプロセスの開発と統合を推進するうえで強力なてことなるのは、顧客のジョブを解決することに沿った新しい尺度に基づき、成功を測ることである。マネジャーは、顧客が求める体験のどの要素が最も重要かを問い、それのパフォーマンスを追跡する測定基準を定めておくべきである。
・ほとんどの組織には、顧客のジョブに即したプロダクトを一貫して提供できるように気を配る「世話人」的立場のスタッフはいない。伝統的な組織構造とサイロ化した部署は居心地のいい場所となり、そのまま維持されることを望むものである。
・顧客のジョブの解決の仕方は、時間とともに変化する。プロセスの構築に際しては、状況に応じて体験を改良していけるように柔軟性を考慮しておく。
2022年10月23日
ことでんレトロ電車の行く先
ところで、2020年に引退したことでんのレトロ電車。どちらも戦前に製造された車両で、近代化産業遺産にも登録されていた。ことでんがタダでいいからと募集していたので、申し出殺到かと思ったらなかなか決まらない。聞いてみると、移設費用が莫大で、どこもそれでしり込みしているという。
それが本書で結末が判明。どちらも高松市内にあった
移送費用を考えれば、やはり、遠くはムリだったようで、市内で引き取り先があってよかった。118：JR瀬戸大橋線 瀬戸大橋
夕陽に列車が突っ込む〜年に2回の奇跡。
129：JR予讃線 比地大
2019私設の鉄道ミュージアム「Kトレインワールド」がオープン。中学教師を定年退職した館長が退職金を使い果たし、自身のコレクションを展示。
131：ことでん2020
20形23号→八栗駅〜志度寺の道中に、お遍路さん休憩所に
5000型500号→高松市内の建設会社駐車場
2022年10月22日
JR山手線 浜松町駅
自転車好きで、バイク・車もそこそこ好きだが、鉄道趣味はなかった。というのは、おそらく、子供の頃ほとんど鉄道に乗ったことがないからのように思う。何しろ、実家から最寄り駅までは7km。そこまで1日数本しかないバスに乗るか、自転車で行くか、車で誰かに送ってもらうか。
結局、小学校までは父親の車で、中学校になってからは自分で自転車で、出かけていた。高校になって、最初の1学期だけ、皆がそうしているように、高瀬駅まで自転車、丸亀駅まで汽車（まだ電化していなかった）、そこから高校まで徒歩で通ったが、これがやたらと時間が掛かる。全行程1:15。2学期からは、1.5時間かかるものの、時間が自由な自転車通学にした。
大学に入って東京に来たときも、どうも、電車で通うのが怖いというか、なじめず、最初から大学から徒歩圏内の下宿にした。そんなわけで、毎日電車に乗ったのは就職してからが初めて。通勤のため使ったのが浜松町駅。ある時、営業の帰り、電車に飛び乗って駅の端っこで降りたら、小便小僧が着飾っている。この記事によれば、私が当時見ていたのは、それまで1955年から30年間着せ替えを行っていた大田区の主婦が1985年に亡くなり、それを今も続く手芸グループが1986年に引き継いだ直後のこと。
それから35年。今も着せ替えは続いているということで、羽田へのモノレール乗換えのとき、次はホームの端っこで覗いてみようと思う。
43：JR山手線 浜松町
小便小僧は35年以上、毎月衣替え。
45：JR高崎線 深谷
東京駅そっくり。東京駅に使われた日本煉瓦製造株式会社の深谷赤煉瓦で、この会社を作ったのが深谷出身の渋沢栄一という縁で。1996年改装。
2022年10月21日
社会にとって企業・スタートアップとは何か
一昔前まで、米国市場の方が上場しやすく、日本では上場のハードルが高いという認識だった。それが変わったのが、NASDAQジャパン。SB孫社長の肝いりで、1999年、米NASDAQが日本に上陸した。これに慌てたのが東京証券取引所。大急ぎで同年、マザーズ市場を開設した。
その後の歴史は知っての通り。東証ブランドがあり、東証本則市場への市場替えに特典のあるマザーズが圧倒的人気となり、NASDAQジャパンは大阪証券取引所のJASDAQと合併。さらには、東証と大証が合併することになり、2013年日本取引所グループとなった。
その間に、米国ではガバナンス強化で上場コストが上がるとともに、PEによる未公開段階での資金調達が容易になり、上場は「1000億円以上でないとバカバカしい」という状況に。米国ではこの20年上場企業数が減る一方、日本では上場ハードルが下がり増える一方で、今では日米の上場企業数はどちらも約4000社でほぼ同じ。
日本でも徐々にそうなりつつありますが、将来的には非上場と上場のあいだにあったバリュエーション・ギャップが無くなるだろう。そうして、同じ会社が上場し、バイアウトで非上場化し、バリューアップしてまた上場するのが当たり前に。
368：社会にとって企業・スタートアップとは何か
�仝柩兪�加
��経済成長
��税収増
�ぜ匆駟〇�
�セ埔譽瓮�ニズムを支える機能
�β人誉�のある豊かな社会
�А峩チ茵廚�クオリティを上げる
378：「小型株に最適化された」IPOを打破する
日本のIPOは時価総額100億円未満の上場が全体の8割。
米国「1000億円以上でないとバカバカしい」
385：期待される制度や生態系の改善
スタートアップ生態系は「究極の市場メカニズム」であるべき。
2022年10月20日
議決権の異なる株式を用いる「dual class」
日本ではほとんどなじみがないが、「米国で大型上場するテック系企業ではほぼスタンダード」という議決権の異なる株式を用いる「dual class」。どういうものかというと、1株当たりの経済的価値は同じで、議決権だけ多い（10倍など）「B種類株式」を経営者等が保有する。
大型のファイナンスを未公開段階で繰り返し、上場時には1000億円以上の時価総額があるのが普通の米国上場では、経営陣の持ち分は1割か2割といったところで、後はVCなどの投資家が占める。上場後はVCは売っていくから、そのままだと発行株数の8割とかがいきなり浮動株として市場に流通する。
そこで、経営が安定するように議決権だけ10倍になる「B種類株式」を経営者等に割り当て、経営陣が前議決権の過半数を押さえられるようにして経営の安定を図る。買収防衛策の一種でもあるので、一般株主にとっては好ましくないかもしれないが、魅力的な会社であればあるほど、発行会社の言い分が通りやすい。
Google上場のときに話題になったが、それ以前からも、NYT、Washington Post, Dow Jones（WSJ）などのメディア系企業は「報道の独立性を保つため」という理由でdual classを導入していた。ウォーレン・バフェットのBerkshire Hathawayが導入しているのは、短期的な株価変動を気にせずに長期投資したいということなのだろう。
264：なぜ社内ベンチャーがうまくいかないのか？
�〇匆饉匣�性（新しいものを生み出す源泉は「精神」）
��exitのハードルが上がる（上場が難しくなる）
�０媚弖萃螢好圈璽鼻平堂饉劼�らの縛り）
�は�結や内部統制
277：大企業の研究開発費総額19兆円（2020）
日本全体のベンチャー投資額の数百倍の規模。
304：議決権の異なる株式を用いる「dual class」
米国で大型上場するテック系企業ではほぼスタンダード。
日本では１社（サイバーダイン）だけ。
311：日本版dual class
「単元株」による議決権の設計。日本の会社法では、1株に複数の議決権を持たせられない。
1株当たりの経済的価値は同じで、1単元が10株である「B種類株式」を経営者等が保有する。
2022年10月19日
優先株式
昔無くて、この10年ほどでよく使われるようになったのが優先株式によるファイナンス。通常は、VCが入るSeries B辺りから使われるが、その内容を登記する必要があるため、発行の手続きが複雑になる。手続きに不備があると、将来上場するときに障害となる可能性があるため、詳しい弁護士などの専門家にチェックしてもらう必要がある。
発効後も、優先株式毎に株主総会を開く必要があり、その分コストや手間が掛かる。当初、上場まで優先株式による増資は2回と思っていても、計画通りに行かず、追加で3回、4回と増資を繰り返すこともよくある。それでも、資金調達ができるだけいいのだが、Series Dとかなってくると登記簿謄本のページ数は数十ページになる。
141：優先株式の問題点
何かするたびに必ず、優先株式に詳しい弁護士のチェックを受ける必要
たかが数千万円程度の資金調達には向かない。
160：普通株式への転換
株主間契約で、発行会社が株式公開の申請を行うことを取締役会で決めた場合には、優先株主の側から取得請求権を行使して普通株式に転換することを定めておく。
178：投資契約書
投資家が投資にあたって、発行会社および経営株主と締結する。
・表明及び保証
・誓約事項、払込の前提条件
・契約違反の場合のペナルティ
179：株主間契約書
発行会社・経営株主と、その他の株主間で締結。会社のガバナンスの枠組み。
・取締役会等の開催
・取締役指名権、監査役指名権、オブザーバー指名権
・投資家の事前承諾事項（拒否権）、通知事項
・タグ・アロング権
分配合意書（財産分配契約）
全株主間で契約。
・みなし清算
・ドラッグ・アロング権
・新たな株主が出現した場合に、この契約書の締結を行うこと
193：会社の成長速度は、取締役会等に出席する人数に反比例する
特にSeries B以降、オブザーバーや取締役会出席者の数がどうなるかについては注意。
2022年10月18日
創業時から考えるべき資本政策
スタートアップのエクイティ・ファイナンスとは、「成功した未来」から資金調達できる「タイムマシン」だという。
56：未来に成功している自社の姿や、そこに隔日に至るための道筋をクリアに示し、投資家から大量の資金を調達したり、SO等を渡して優秀な人材に参画してもらうこと。
考えてみれば、これは、株式会社の本質。元は、大航海時代に、アジアにスパイスを取りに行く船を仕立てる資金を、その度に株式を発行して集めていたわけである。船が戻ってくれば、その積み荷を売って資金を回収、乗組員などへの経費を引いて、残りを株主に分配して清算していた。
イギリスに対抗するため、さらに大規模に資金調達し、航海の度に会社清算することなく、継続的に事業して、決算で配当するようにしたのが、世界初の近代的株式会社と言われるオランダ東インド会社（1602）。
74：仲間で起業する際の資本政策
「共同創業者が途中で辞めた場合には、全部または一部の株式を返してもらう」ということを、会社を始める際に決めておくべき。
96：日本のスタートアップの資本政策では、米国より経営陣の持ち株比率は高めであることが望まれる
法令上は、日本の会社のほうが米国の会社より少数株主の権利が強い。
117：J-KISS（convertible equity)
転換価格は「次回のラウンドの株価」の0.8倍＝企業価値をその時点で決めない。
発行会社と投資家との相対契約なので、出資を決めてくれた投資家から順に契約していける。
2022年10月17日
スタートアップを成長させる「インセンティブ」の設計図
2014年に初版が出て以来、ベンチャー業界人によく読まれてきたバイブルが全面改訂。早速読んでみる。
＊スタートアップが成長するために最も重要な要素「優秀な人を引き込むこと」いい幹部、いい従業員、いい顧客、いい投資家。→スタートアップ・ファイナンスも、その核心は「いい人」を引き込むための「インセンティブ設計」
これに異論はない。
序章で面白いと思ったのは、
序章で面白いと思ったのは、
9：スタートアップ経営者に最も必要な資質は「vulnerability」「傷つく可能性がありながら自ら心を開いて、多くの優秀な人と繋がろうとする」姿勢。
のところ。通常は「脆弱性」と訳されるので、英語でもネガティブな印象なのだけど、スタートアップを成長させる最大の要因は「優秀な人をいかに巻き込んで、組織を大きくしていくか」なので、経営者は"vulnerable"な方がいいのだという。
成功への確信、自信はないとダメだが、「悪いのはオマエらで、私は悪くない」というリーダーでは、他の人はついていかない。
成功への確信、自信はないとダメだが、「悪いのはオマエらで、私は悪くない」というリーダーでは、他の人はついていかない。
4：失われた30年の本質
「企業価値の向上に連動するインセンティブが与えられていたかどうか」の差。
7：スタートアップの生態系は究極の市場メカニズム
すべてが未来への期待をベースに動いている→ちょっとした支援や、制度変更で、全体の「期待」がよくなるような単純なものではない。
17：上位スタートアップに流れ込む資金は急増中
2012 1億円以上の投資は5件だけ
2021 50億円以上の投資が18件
32：M&Aがスタートアップ生態系の変化を加速
日本でも米国でも、「スタートアップを買収するのは、元スタートアップ」。
43：米国VC投資の5割がSVに集中
エンジェル投資は、CAで17%→エンジェル投資の方が、地域的にも業種的にも分散。
2022年10月16日
2022年10月15日
酒吞童子
『今昔物語集』に載る「大江山盗賊」を基にした、「本当はこうだったのじゃないか」小説。
一条天皇のころ(986〜1011)大江山(京都府北西部丹後山地の主峰)に城を構え平安京を脅かしたという鬼王。この説話の原型は南北朝時代には成立していたと考えられ,14世紀後半の『大江山絵詞』が現存する最古の絵巻(逸翁美術館所蔵)とされている。その後,謡曲や御伽草子,また近世に至り歌舞伎や人形浄瑠璃,浮世絵の題材として広く知られるようになった。（朝日日本歴史人物事典）平安時代、天皇制の下、朝廷は日本各地に残る土着民族を征服していく。征服された民族は京人から奴隷の扱いを受けたが、中にはその武力を認められ、軍人として出世する者も出てくる。
朝廷に従わず、独立を貫こうとするものは、蔑称として「夜叉」とか「鬼」などと呼ばれた。「酒吞童子」は中でも大物で、幾度に渡る朝廷の討伐軍を退けたと言われる。
11：皐月は平将門の子
将門は東で挙兵して、朝廷に楯突いた大謀反人。さらに不遜なことに新皇と称した。
166：童＝「辛」＋「目」＋「重」
「辛」刺青を施す針
「重」重い袋
＊目の上に墨を入れられ、重荷を担ぐ奴婢。
171：西には摂津竜王山に移った滝夜叉、北には未だ盤踞する大江山の鬼、南には近ごろ勢力を拡大し続ける土蜘蛛と、朝廷の不安材料は多かった。
193：粛慎（みしはせ）
彼らの祖先は大陸の北方に住んでいた。高麗より実に250里(1000km）も遥か先だという。髪は赤みを帯び、彫が深い顔立ちで、近隣の民族に比べて大きな体格をしていた。
245：過去の地名
この辺りは岩の船に乗って天火明命が降り立ったことから磐船と呼ばれていた。その前は何と謂う地であったのか知るよしもない。思えばこの国の大部分には、京人に由来する名が与えられており、過去の地名は次々と失われていっている。
2022年10月14日
カインのしるし
佐藤究作品を遡って読むこと3作目。第62回江戸川乱歩賞受賞作品(2016）。主人公は家族全員が快楽殺人鬼という一家に育つ高校生の娘という設定。徐々に国家権力が絡むからくりが明らかになるのだが・・・。作品の好みとしては、QJKJQ＜Ank:＜テスカトリポカか。ちょっと設定に無理があるのと、後味が悪い。
「カインのしるし」とは、人が持つ殺人遺伝子のことを言うのだという。カインとは言うまでもなく、『旧約聖書』に出てくる人類最初の殺人者。アダムとイヴのあいだに生まれた兄カインと弟アベル。
「あるとき、二人は神にそれぞれの贈り物をささげ、しかし神はアベルの贈り物だけを受け取る。これに怒り狂ったカインは、アベルを殺してしまう」。
29：「心理学をやりたい。人間の心を勉強しながら、人殺しもつづけたいの。」
60：連続快楽殺人
�〜磴�ある
自分の家、もしくはきまった隠れ屋で殺す。家の床下に子供を埋めつづけたジョン・ゲイシー。「羊たちの沈黙」のレクター博士。
�⊆蹐蠅暴个�
路地裏、ホテルの部屋、川原、森、林などで、少しずつロケーションを変えつつ殺す。娼婦狙いの切り裂きジャック。ロシアの殺人鬼チカチーロ。
199：国家とは、力を独り占めする＜暴力装置＞
204：2011年5月2日
パキスタン北部の町アボタバードで、9.11同時多発テロの首謀者ウサマ・ビン・ラディンを、アメリカ海軍特殊部隊が殺害。オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官や、スタッフは特殊作戦の映像をただ見ていた。
206：ミーガンズ・ロー（米情報公開法）
性犯罪者の住所が市民に公開され、どこにどういったタイプのライオンが暮らしているのかを、ウェブにアクセスして誰もが知ることが出来る。
2022年10月13日
警戒音
警戒音（アラームコール）とは、動物が仲間に対して発する音で、1970年代に発見されたという。最初は、猿の研究から明らかになった。ケニアのベルベットモンキーが、いくつかの警戒音を使い分けていることが分かったのだ。
UCLAの二人の動物行動学者（ドロシー・チェイニー、ロバート・セイファース）は、さまざまな警戒音を、苦労してテープレコーダーに録音。それを茂みに隠したスピーカーから再生して、ベルベットモンキーが警戒音を聞き分けているかどうか実証した。
実は、最近の研究で、霊長類だけではなく、鳥（シジュウカラ）も警戒音を使い分けていることが判明した。（NHKサイエンスZERO）
UCLAの二人の動物行動学者（ドロシー・チェイニー、ロバート・セイファース）は、さまざまな警戒音を、苦労してテープレコーダーに録音。それを茂みに隠したスピーカーから再生して、ベルベットモンキーが警戒音を聞き分けているかどうか実証した。
実は、最近の研究で、霊長類だけではなく、鳥（シジュウカラ）も警戒音を使い分けていることが判明した。（NHKサイエンスZERO）
207：本能をつかさどる脳の古い部位
人間もチンパンジーの、緊急事態に直面したときは大脳新皮質の活動を停めて、大脳辺縁系の旧皮質や古皮質に主導権を渡す。
315：警戒音（アラームコール）
1970年代に発見。猿の研究から明らかに。
ケニアのベルベットモンキーが、いくつかの警戒音を使い分けている。
377：人類とは鏡から生まれたmirroring ape
鏡を見る自分をさらに見るーーこのことによって、これは自分だ、これは自分ではない、という神経のフィードバック。これが脳を活性化させ、より内省的な意識を生み、抽象的なイメージを描くことを可能にする。イメージは共感を生み、ある対象を別の大将と置き換える比喩を生み、ついには言語を生み出す。
2022年10月12日
意識の爆発
ヒトと類人猿を分けるものは何か？その最大のモノは言語で、類人猿も簡単な意思疎通は出来るが、ヒトのように、複雑な要件あるいは概念を言葉で伝えることはできない。では、どうしてヒトだけが言語を持ったのか？それがこの小説の主題になっている。
ヒトは鏡の中に映る自分を自分だと認識できるが、それは赤ちゃんには出来ないらしい。ヒトは1.5歳から2歳までの間に「自己鏡像認識」を獲得し、鏡を見て自分の名を呼べるようになるという。そして、類人猿はこれが出来ない。
鏡が古代人に与えた影響は大きく、「神秘と鏡、権力と鏡を結びつける文化」は世界中で見られる。
138：現代人が日常に使っている鏡
ガラス裏面に硝酸銀溶液を塗布〜ドイツで19世紀に発明。
それ以前の鏡は金属を使用。
現存する最も古い鏡古代エジプト第6王朝 2322BC〜2145BCank：金属を叩き、研磨して、太陽の形に似せたもの恐るべき呪力を秘めた宗教的な秘具。権力者だけに所有の許された神器。古代中国の神獣鏡。日本の神社の神鏡。
さらに、仮面を被ることで、「意識が爆発的に拡張した」と主人公に語らせている。
178：鏡→仮面仕留めた牛の頭蓋骨をかぶった猿人、サーベルタイガーの頭部から剥いだ皮を被ったヒト。彼らが水や鉱物に自分の姿を映すことで、意識が爆発的に拡張した。
2022年10月11日
『類人猿の惑星』
先日読んだ最新作『テスカトリポカ』が面白かったので、同じ作家による過去の作品を読んでみる。なるほど、作風は『テスカトリポカ』とそっくり。
主人公は、京都大学霊長類研究所でチンパンジー研究をしていた研究者。この研究所は、霊長類研究で世界トップレベルにある日本では数少ない研究所というのは本当の話。
そもそも、猿と類人猿の区別が出来ている人は少ない。英語では猿はmonkeyということは中学校で習うが、では、類人猿は何か？答えはape。その昔大ヒットして、続編も作られた『猿の惑星』に出てくるのは、しっぽのない類人猿。原作はそこはきちんと区別しており、"Planet of the Apes"『類人猿の惑星』が本来の題名なのだ。
13：大型類人猿は4種だけ
チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オラウータン
17：ウガンダでの密猟
チンパンジーやゴリラは宝石と同じ。
29：京都大学霊長類研究所
今西錦司先生から、その弟子たちに手渡され、より深められた独自の考え方。
31：松沢哲郎
数や色を記憶する飼育チンパンジー＜アイ＞の研究。
33：猩々町（京都）
猩々＝オラウータン
黒猩々＝チンパンジー
2022年10月10日
メイド・イン・ジャパン
「メイド・イン・ジャパン」といえば、今では世界的に高品質の代名詞となっている。しかし、それは、以前からそうであったわけではなく、戦前から戦後を経て、高度経済成長期に入ってもしばらくは「粗悪品」と同義語だった時代があった。
それを覆したのは、ソニーやホンダ、ニコンなど当時の輸出産業が頑張ったから。安いから試しにと自転車を買うのと同じ感覚でホンダCubを買った顧客が、安いだけでなく品質もいいし、故障しない、長持ちすると驚く。アジアの戦争取材に赴く従軍カメラマンがその品質と耐久性でニコンを選び、それが評判となって一般人にも広がっていく。
『総会屋錦城』に続く輸出を扱う2編も、昭和34年初版。「粗悪品」とのそしりをどう免れようかと苦闘していた時代の話。
輸出
61：日本の各輸出商社は、ミシンの対米輸出競争の激化が、ダンピングになることを恐れ、1台25ドルの調整最低価格を協定していた。（中略）だが東洋物産では、表面上、25ドルの信用状を開設させ、それで代金を決済しておきながら、後で半ドルずつバイヤーに割り戻しして実際は24.5ドルで売ることにしていた。リベートにあてるドル貨は、補修用品として無為替（無料）で送れる分を売却して当てることにしてあった。
73：戦前
「当時は1ドル2円の世だ。どこの国でも円の前に頭を下げた時代だ」
メイド・イン・ジャパン
111：粗悪品の氾濫
その場限り、一発やって儲かればよい。そうした同業者たちのために、開拓して市場は次々と失われてきた。
146：MADE IN JAPANと刻印を打てば、「粗悪品」と打つのと同じ
2022年10月09日
事故専務
最後の2作も昭和34年の初版。『事故専務』は、交通事故のときだけタクシー会社の重役の身代わりで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いている。「神風タクシー」は死語だが、ソウルオリンピック後のソウルのタクシーも怖いくらい飛ばしていたので（しかも、韓国のタクシーは乗り合い可なので、途中で他の客を拾う）、経済の勢いがあるときは人の気が急いてそういうものなのかもしれない。
当時のタクシー会社はめちゃくちゃ儲かったらしい。車は貴重品だったから、一般人は持っていない。東京の人口は戦前を回復し急増していたが、公共交通機関の整備は追いつかない。タクシー会社は売上の1日分くらいの歩合を運転手に渡せば、後は会社のものになったというから笑いが止まらない。
どんな業種にも成長期があり、やがて成熟期が訪れ、衰退期に入る。世が移り変わるのが自然だから、それを政策で止めるのは無理がある。ところが、既存産業は雇用者数も多く、政治力があるのが難しいところ。有権者はしっかり見張る必要がある。
事故専務
292：神風タクシー
200台以上も車があり、若い運転手が多くて、神風タクシーのトップ・クラスと目されているAタクシーともなると、事故直後の見舞・弔問の他に、係争中の訴訟への立会い、保険会社との折衝など、事故専門のニセ重役として結構、仕事があった。
プロペラ機・着陸待て
306：昭和28年
日本の飛行機の飛行半径は、西は宮崎まで、それから先は飛行許可は与えられず、着陸・給油・誘導など一切の飛行の便宜はない。
334：ジェット機の隙の無さ
プロペラ機には人間の匂いが色濃く残っている。ところがジェット機にはそれがない。
343：この人の考え方は、兎の糞だ。諦めよく、しめりがなく、前へ前へと弾んで。
2022年10月08日
経済小説のパイオニア
私と同い年の文庫本。昭和30年代の日本の文壇に二つの事件があった、という。
「一つは松本清張氏をその頂点とする推理小説の流行、一つは城山三郎をそのパイオニーヤ（先駆者）とする経済小説の出現」（小松伸六「解説」）
pioneerをパイオニアではなく、「パイオニーヤ」と表記しているところが、時代を感じさせる。一般に、昔の方が、外来語が日本語として定着しておらず、元の発音に近い。
7編が収録されていて、最初が直木賞受賞の表題作『総会屋錦城』。今はほぼ淘汰された「総会屋」を主人公にした作品で、会社法の知識を基に、株主の票固め、総会運営のシナリオを書いていく様子はそれを専門とする弁護士がする仕事と何ら変わりない。
Wikipediaによれば、総会屋が出現したのは大正時代。日清戦争後の賠償金、日露戦争へ備えての軍備拡張、第一次世界大戦で輸出が一気に伸びて、日本の資本主義が離陸した時代だ。その後、敗戦を経て、財閥解体で財閥持ち株会社が持っていた株式が市中に出回り、買収合戦が起こりやすくなる。その黒幕として総会屋が注目されるようになる。
高度経済成長期に入ると、それまで総会屋の用心棒に雇われていた暴力団が、次第にノウハウを吸収。1970年代の総会屋最盛期には、プロ株主の大部分を暴力団関係者が占めたという。本書が描くのは1950年代末、そうなる前の、義理も人情もあった時代の「総会屋」を描く。
高度経済成長期に入ると、それまで総会屋の用心棒に雇われていた暴力団が、次第にノウハウを吸収。1970年代の総会屋最盛期には、プロ株主の大部分を暴力団関係者が占めたという。本書が描くのは1950年代末、そうなる前の、義理も人情もあった時代の「総会屋」を描く。
9：株主総会
議題の数と拍手の大小、議長が早口か否かで違いが出てくるだけで、数分、せいぜい十分も出ぬ間に、どの総会も片付いてしまう。
28：それ以上に大きなダニが悪質な顧問弁護士や公認会計士なのだ。明るい血だけで満足せず、膨大な闇の血を要求する。企業は成長し、ダニもまた成長する。
総会屋ではなく、「生涯投資家」
2022年10月07日
成長の誤謬
キャンベルの「V8」野菜ジュースの例が出てくる。発売は1933年なので、なんと、100年近い歴史を誇る。1948年にキャンベルが買収。
飲料水の市場は競争が激しい。ミネラルウォーター、ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンク等々。老舗の野菜ジュースブランドのV8も、スーパーの棚で差別化に苦しんでいた。
クリステンセン教授はV8のブランドマネージャーと協力し、ジョブを探す。その結果、「V8は野菜と勝負できる」と気づいた。手間をかけて野菜を調理して食べなくても、片手で運転しながら野菜が摂れるというわけだ。
広告をそのように変更したところ、売上は1年もしないうちに4倍に膨れ上がった。こうして、V8はパーパスブランドとなった。
話はここで終わらない。強いブランドがあると、メーカーはそれにあやかって売り上げを拡大しようとする。かくして、V8にさまざまなバージョンが出来ていき、製品ラインは肥大化した。その結果、ブランドに明瞭さが無くなり、売上はV8だけのときよりも落ちてしまった。せっかく獲得したパーパスブランドを自ら捨て、レッドオーシャンに戻してしまったのだ。
第8章のまとめ
・多くの企業の創業時の逸話には、満足な解決策が存在しない重要なジョブを見つけ出し、それを創造的に解決する方法を編み出した起業家がよく登場する。
・ところが、企業が成長するにつれ、企業のきっかけとなったジョブに対するフォーカスをなくしてしまうことが多い。
・影響が大きいデータの誤謬
�’銃暗�データと受動的データの誤謬
規模を拡大中の企業は、ジョブの奥深い複雑さを特色づける「受動的データ」を重用し続ける代わりに、業務に関連した「能動的データ」を作成し始め、その見かけ上の客観性と精緻さに誘惑されやすい。これにより、企業は片付けるべきジョブより、プロダクトや顧客特性を中心にした組織に変貌してしまう。
��見かけ上の成長の誤謬
企業が大きな投資をおこなうとき、顧客に売るプロダクトの数を増やしたり、解決するジョブの種類を広げたりして、成長を勢いづけようとしがち。見かけ上の成長は、中核のジョブを丁寧に解決していく状態とは正反対。
�３両撻如璽燭慮輊�
既存のビジネスモデルに合うようなデータをマネジャーが生成しようとする。
2022年10月06日
パーパスブランド
パーパスブランドとは、「顧客が重視するジョブと自動的に関連付けて考えるブランド」のこと。つまり、「XXといえば○○」と自然に連想するブランド。
本書に出てくる例では、FederalExpress。米国では、クーリエで書類や荷物を送ることを「Fedexする」といい、一般動詞になっている。日本なら、宅配便のことを（ヤマト以外でも）一般的に「宅急便」と言っているのに近いが、社名が入ってないのは、ブランド上は弱い。「ググる」のように、ブランドがそのまま動詞になるのがパーパスブランド。
223：パーパスブランド
ジョブと同義のため、明快で、顧客はむだにほかの選択肢を探す必要がない。価格設定は一般より高めだが、迷わず目的を果たせることに対する手間賃として顧客に受け入れられている。
第6章まとめ
・ジョブは奥が深く複雑なため、解決策もそうならざるをえない。ジョブのディティールと、それに対応する解決策のディティールは、イノベーションを成功させるうえできわめて重要。
・ジョブのディティールは、ジョブスペックとして把握する。これには、顧客が求める進歩を機能的、感情的、社会的側面から記述したものや、受け入れられるトレードオフ、打ち負かすべき競合相手や、克服すべき顧客の障害物などが含まれる。
・ジョブの解決策は、中核のプロダクト・サービスだけで成り立つわけではない。顧客があなたの解決策を雇用し、他社の解決策を雇用する際に直面するであろう障害物を乗り越えられるように、購入及び使用に伴う体験を慎重にデザインしておかなければならない。
・ジョブを的確に捕捉できれば、あなたの会社のブランドをパーパスブランドに変換させることができる。パーパスブランドとは、顧客が重視するジョブと自動的に関連付けて考えるブランドのことである。
2022年10月05日
リーダーへの質問
企業はえてして、売上をもたらしてくれている顧客と、ライバルに奪われている潜在顧客に目を奪われがち。なぜなら、それらは顕在化しているから。
本当は、「無消費」、つまり、商品やサービスを購入してない潜在顧客の方が数はたくさんいる。そうした潜在顧客を顕在化するためには、彼らのジョブが何なのかを見極める必要がある。
127：無消費
Airbnb: ゲストの40%は、Airbnbがなければ旅行に出かけなかったか、家族の家に泊まっただろう。
ホストもほぼ全員が、Airbnbが出現する前は、自宅を人に貸そうなどとは思ったことがなかった。
112：第3章のまとめ
自社製品を雇用して顧客が片付けようとしている本当のジョブを理解していない企業は、「ひとつですべてを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることができない。
自社製品を雇用して顧客が片付けようとしている本当のジョブを理解していない企業は、「ひとつですべてを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることができない。
・ジョブを理解すれば、成長とイノベーションの新たな道筋が開ける。そのためには、ジョブに基づいて区切ったセグメントにフォーカスする必要がある。このセグメントには、現状では満足な解決策が存在しない「無消費者」も含まれ、彼らはジョブを不満足に片付けるよりは、何も雇用しないほうを選ぶ。無消費に眠る好機は企業にとって巨大だ。
・ジョブのレンズを通して顧客を見ると、競うべき本当の相手が見えてくる。それまでは思いもしなかった他分野の商品がライバルとなることも多い。
113：リーダーへの質問
・顧客があなたのプロダクト・サービスを雇用して片づけたいジョブは何か
・画一化された解決策によって、中途半端に片付けてしまっているジョブはないか
・顧客が実際に支払おうとするものより、あなたの、または競争相手のプロダクトは機能が多すぎないか
・顧客が進歩を遂げるために追い求める体験はどのようなものか。また、顧客が成功するために取り除くべき障害物は何か。
・顧客の片付けるべきジョブの理解から明らかになった真の競争相手はどのようなものか
2022年10月04日
ものの見方
ジョブを理解するための「観察が大事」ということで、例に出てくるのが伝説的なソニー「ウォークマン」。
録音ができず、スピーカーも内蔵していない、イヤホンで聞くだけの携帯音楽プレーヤーが欲しいかを市場調査したところ、結果は散々だった。それで販売は一時的に保留されたのだが、最後は発案者の森田社長が押し切った。
「人々の生活を注意深く観察して彼らの望みを直感し、それに従って進む」
人の想像力は限られるから、使ったことのないものについて聞かれても、消極的になりがちだ。実物を手にして初めてその価値が分かる。ウォークマンは3億台以上を売る大ヒットとなり、個人用携帯音楽プレーヤーという新しい文化を世にもたらした。
120：デトロイトの中堅建設会社
ダウンサイジングを望む、戸建てを引き払いたい退職者や離婚したひとり親世帯。
「顧客の人生を移動させるビジネス」
122：「ものの見方はIQ80ポイント分に匹敵する」（ジェフ・ベゾス）
147：第4章のまとめ
・ジョブ理論は、イノベーションを成功に導く明快な手引書
・ジョブの理解を深める方法はたくさんあり、そのなかには伝統的な市場調査の手法も含まれる。重要なのは、どの技法を使うかではなく、どういう質問をするのか、そして答えとして得られた情報をどうつなぎ合わせるかにある。
・ジョブの知見を得るのに貴重な情報源となるのは、あなた自身の生活である。人の生活は非常に雄弁であり、自身の体験は片付けるべきジョブを掘り起こせる豊かな大地となる。歴史上、とくに大きな成功を収めたイノベーションは、個人の経験と内省から生まれた。
・ほとんどの企業は、既存の顧客への理解を深めようと大がかりな市場調査をおこなうが、ジョブについての重要な知見は、あなたのプロダクトも他社のプロダクトも買っていない無消費者を調査することで得られることが多い。
・誰かが間に合わせの策や代替行動をとってジョブを片付けていたら、注意深く観察してみよう。
・あなたのプロダクトを顧客がどのように利用しているかを詳しく調べてみると、往々にしてジョブについての重要な知見が得られる。とりわけ顧客が、意外な使い方をしているときにはこれが顕著である。
・ほとんどの企業は、顧客のジョブの機能面ばかりに重点を置いているが、感情的および社会的側面の発見にも同等の注意を向けるべきだ。
2022年10月03日
イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
HBS故クリステンセン教授の名著。『イノベーションのジレンマ』で世界的に有名になった同教授だが、実務的にはジョブ理論の方が重要だと思う。「イノベーションのジレンマ」には、未だに決定的な解はないし、企業の栄枯盛衰が資本主義経済のダイナミズムでもある。
それが証拠に、どんどんプレーヤーが入れ替わる米国の方が長期的に見て断然経済発展しており、上位企業の顔ぶれがほとんど変わらない日本は過去30年間も経済停滞している。コダックは倒産して、富士フィルムは事業改革に成功して生き残ったが、国全体で言えば、変わらない。コダックの地元ロチェスターでは、元コダック社員が何社も新会社を作って大きくしている。
それが証拠に、どんどんプレーヤーが入れ替わる米国の方が長期的に見て断然経済発展しており、上位企業の顔ぶれがほとんど変わらない日本は過去30年間も経済停滞している。コダックは倒産して、富士フィルムは事業改革に成功して生き残ったが、国全体で言えば、変わらない。コダックの地元ロチェスターでは、元コダック社員が何社も新会社を作って大きくしている。
問うべき質問「どんなジョブを片付けたくて、あなたなそのプロダクトを雇用するのか？」
63：ジョブ≠ニーズ
ニーズはつねに存在し、漠然としている。ジョブはそれよりはるかに細かい明細化を伴う。
83：ジョブ理論
顧客がプロダクト・サービスを購入して使用するのは、顧客の生活に生じたジョブを満たすため。
ジョブ＝ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩
・顧客のジョブを完全に理解するには、ある特定の状況で顧客が成し遂げようとしている進歩を、機能的、社会的、感情的側面も含めて理解し、さらに顧客が引き換えにしてもいいと考えているものを理解しなければならない。
・顧客の片付けるべきジョブを理解すれば、顧客に雇用されるための本当の競争が浮かびあがる。これは、競争相手より魅力的な解決策を生み出すうえできわめて重要な情報となる。
2022年10月02日
世界の首都
この円安では当面海外旅行に行けそうもない。復習のつもりで、「地球の歩き方」旅の図鑑シリーズを見てみる。
「首都：その国の中央政府がおかれた都市」であり、「首都は法律で定められていることが多い」。ところが、日本は例外で憲法でも法律でも定められていない。
これは、明治維新後、新政府が公家や京都市民の遷都反対に配慮して、東京遷都を明確にしなかったため。明治天皇は東京に行幸するだけとして、そのまま帰らなかった。いかにも、日本的な解決策だ。
これは、明治維新後、新政府が公家や京都市民の遷都反対に配慮して、東京遷都を明確にしなかったため。明治天皇は東京に行幸するだけとして、そのまま帰らなかった。いかにも、日本的な解決策だ。
�ー鹽圈畉蚤臈垰圓任呂覆�
トルコ＝アンカラ
カナダ＝オタワ
オーストラリア＝キャンベラ
��憲法上と事実上の首都が異なる
ボリビア 憲法上スクレ 事実上ラ・パス
オランダ アムステルダム ハーグ
��首都は移動する
ミャンマー2006 ヤンゴン→ネーピードー
エジプト2021 カイロ→ニューカイロ
インドネシア2024予定 ジャカルタ→カリマンタン島
＊国際的に認められていない（イスラエル）
エルサレムを自国の首都として主張しているが、国際社会ではこれを認めていない。米国2017トランプ前大統領がこれを承認。
＊首都が３つ（南アフリカ）
立法府 ケープタウン
司法府 ブルームフォンテン
行政府 プレトリア
＊世界最古の首都
ダマスカス（シリア）紀元前6500年
アテネ（ギリシア）紀元前3000年
ベイルート（レバノン）紀元前3000年
2022年10月01日
断頭台
ラテン系って、なんだか、残酷さに関して多民族とは違った感性があるようだ。ギロチンは、死刑執行の当時の技術革新だったようで、確実に、効率的に斬首を実行した。
33：解放された7人と、槍の先の血みどろの首７つ、呪われた8基の塔の鍵、傷心の末に獄死した囚人たちの遺書や手記、その他もろもろ、バスティーユ襲撃の戦果を押し揚げて、1789年7月半ば、サン・タントワーヌの群衆はパリ市街を足高く凱旋した。
90：時代の先頭を行く佳人、断頭台
121：パリに革命裁判所、全国に4万から5万の革命委員会が発足し、反革命容疑者法が制定されて自由と安全の約束は反故となり、無辜の善人がいつ何時、非道の悪徒に引き渡されないとも限らない。
122：ラ・ギヨティーヌ
数知れず首を刎ねて、断頭台と刑場の地面は赤黒く血に染まった。断頭台は子供が玩ぶ嵌め絵のように分解して、必要に応じて組み立てる。広幅の重たい刃は弁舌家を黙らせ、実力者を斬り、善男善女を始末した。朝っぱらから、それぞれに隠れもない人物ばかり22人が斬首されたこともある。21人は生きながら、1人はすでに落命していたが、かかった時間は22分だった。
129：単一不可分共和国。自由、平等、博愛、しからずんば死！
292：ギロチンの前では遊園地さながら、大勢の女が椅子を並べて編み物に精を出していた。
