2021年10月
2021年10月31日
「命じる」から「委ねる」へ
リーダーが本当に優れていたかどうかは、組織の「10年後の働きぶりを評価して初めてわかる」という。リーダーが在籍していた時だけ優れた組織は、確かにリーダーが優れていたのだろうが、それはトップダウン方式で部下は命じられるままにやっていただけだから、そのリーダーが居なくなった途端に機能しなくなる。
一方、組織の在り方を変え、自発的に動くように変わった組織は、次々とリーダーが育っているので、組織として機能し続ける。全員がリーダーシップをそれぞれの場所で発揮している。
著者のL. David Marquetは元アメリカ海軍大佐で、攻撃型原子力潜水艦サンタフェの艦長を1999-2001年務めた。「サンタフェは太平洋艦隊で最も改善した艦に贈られる賞や、艦隊で最も戦闘力に秀でた艦に贈られる賞をはじめ、数々の賞を受賞している」という。
軍隊は伝統的に、トップダウン型のリーダーシップが主流だった。士官と下士官、兵という明確な階級があり、それは近代の会社組織の手本にもなった。そして、世界中の軍隊が優れたリーダーを育成しようとしたが、「トップダウン方式のリーダーシップで、リーダーが間違いを犯したらどうなる？」という問題がある。上に立つものが間違いを犯すほど、その被害は大きくなる。
マルケ艦長が作ったのは、全員がリーダーとして考える組織。組織が大きくなればなるほど、トップがすべてを把握することは難しい。組織全員が当事者意識をもって考えることで、サンタフェは適切な判断を早く下せるようになった。基本的には、部下が「こうします」という報告をし、トップはその確認をする。
マルケ艦長のその後の転身が、アメリカ的で面白い。サンタフェでの成功後、彼は海軍を早期退職し、リーダーシップのコンサルタントとなった。
はじめに：「命じる」から「委ねる」へ
本当の意味での成功は、10年後の働きぶりを評価して初めてわかる。サンタフェは10年経った今も優れた働きを続けていて、士官も下士官兵も信じがたいほどの高確率で昇進を遂げている。これこそ、委ねるリーダーシップ通じて受け継がれていくもの。
97：三つの名前を使うルール
乗員が艦内で訪問者と出会ったときに、訪問者の名前、自分の名前、艦の名前を必ず入れて挨拶する。
119：トップダウン方式のリーダーシップで、リーダーが間違いを犯したらどうなる？
全員が危険にさらされる。
121：言葉の力
自発的に行動する者「権限が自分にある言い方」
・これから〜をします
・私の計画では〜
・〜をするつもりです
・〜をしましょう
138：メンバーにも決断のチャンスを与える
・ただちに決断を下す必要があれば、リーダーが決断を下す。ただし、その決断の是非を問うチームを作り、彼らに評価させる。
・あまり時間のない中で決断を下す必要があるときは、短い時間でいいのでチーム全員の意見を募ってから決断を下す。
・決断を下すまで時間の余裕がある時は、チーム全員かr意見を出させる。ただし、合意を強要してはいけない。
2021年10月30日
オーケストラではなくジャズ
それでも、本当にこれで大丈夫なのか？という声はあるだろう。そこで、Culture Deckの例と、実際の運用をどうしているかを見てみる。例えば、旅費規程。
70: TRAVEL AND EXPENSES
- When removing travel and expense policies, encourage managers to set context about how to spend money up front and to check employee receipts at the back end. If people overspend, set more context.
- With no expense controls, you'll need your finance department to audit a portion of receipts annually.
- When you find people abusing the system, fire them and speak about the abuse openly - even when they are star performers in other ways. This is necessary so that others understand the ramifications of behaving irresponsibly.
- Some expenses may increase with freedom. But the costs from overspending are not nearly as high as the gains that freedom provides.
- With expense freedom, employees will be able to make quick decision to spend money in ways that help the business.
- Without the time and administrative costs associated with purchase orders and procurement processes, you will waste few resources.
- Many employees will respond to their new freedom by spending less than they would in a system with rules. When you tell people you trust them, they will show you how trustworthy they are.
要するに、原則を教え込み、現場での判断は従業員に任せるということ。任せるといっても放任ではなく、使い方におかしいところがあれば、上司とその経費の使い方が正しかったかどうかを話し合う。普通は、ここで旅費規程を作るところだが、ルールにせず、状況判断の仕方を話し合って、次から正しい判断ができるようにするところがポイント。
さらに、定期的に内部監査を行い、不正が見つかれば、勤務成績に関わらず、問答無用に解雇する。これは全従業員に共有され、他の従業員への教訓とする。Netflixの試算では、旅費規程を導入した場合に比べて1割くらいは多くかかっているかもしれないが、規定を守るために従業員や上司が費やす時間などを考えると、明らかにない方がいいという。
要するに、原則を教え込み、現場での判断は従業員に任せるということ。任せるといっても放任ではなく、使い方におかしいところがあれば、上司とその経費の使い方が正しかったかどうかを話し合う。普通は、ここで旅費規程を作るところだが、ルールにせず、状況判断の仕方を話し合って、次から正しい判断ができるようにするところがポイント。
さらに、定期的に内部監査を行い、不正が見つかれば、勤務成績に関わらず、問答無用に解雇する。これは全従業員に共有され、他の従業員への教訓とする。Netflixの試算では、旅費規程を導入した場合に比べて1割くらいは多くかかっているかもしれないが、規定を守るために従業員や上司が費やす時間などを考えると、明らかにない方がいいという。
270: WHEN TO CHOOSE RULES AND PROCESS
During the industrial era, many of the best companies operated like symphonic orchestras, with synchronicity, precision, and perfect coordination as the goal. Even today, if you are running a factory, managing a safety-critical environment, or you want the same thing produced identically with great reliability, a rules-and-process symphony is the way to go.
もちろん、どんな組織や部門でも、これが正しいとは思わないが、「オーケストラのように全従業員が揃って、正確に、完璧に協調して働くことが製造業の理想」だとすれば、今の情報社会では逆だという。目的は、誤り防止や同じことの反復ではなく、「創造性、スピード、敏捷性」なのだ。つまり、「オーケストラではなくジャズ」。
271: IT'S JAZZ, NOT A SYMPHONY
In today's information age, in many companies and on many teams, the objective is no longer error prevention and replicability. On the contrary, it's creativity, speed, and agility.
もう一つNetflixが目指す組織の例として挙げているのが、パリの凱旋門下のロータリー"l'Etoile"。Reedはこれが、「自由と責任」のよい見本だという。
もう一つNetflixが目指す組織の例として挙げているのが、パリの凱旋門下のロータリー"l'Etoile"。Reedはこれが、「自由と責任」のよい見本だという。
268: l'Etoile (The Star)
Every minute, hundreds of cars spill from the twelve multilane boulevards that all converge on the unmarked ten-lane roundabout.
このパリ最大の交差点は、12方向の大通りから車が殺到する。ロータリー内は、一応10車線ということになっているらしいのだが、車線が引いてあるわけではない。信号もない。フランス人に言わせると、これが最も効率的なのだそうだ。
"l'Etoile is incredibly efficient. There is no faster way for a skilled driver to get from point A to point B. Plus the system provides extreme flexibility. (snip) Almost no other traffic method allows you to change course mid-route so quickly." (Eric, husband of Erin Meyer)
ポイントは、「熟練運転手にとって」というところ。馴れないドライバーなら、信号があって、それに従うほうがいいのだろうが、馴れたドライバーにとっては邪魔なだけ。阿吽の呼吸でロータリーに侵入し、目的の通りで出ていく。何かの理由で通りを咄嗟に変えることも、迷いながら周回することも自由。
このパリ最大の交差点は、12方向の大通りから車が殺到する。ロータリー内は、一応10車線ということになっているらしいのだが、車線が引いてあるわけではない。信号もない。フランス人に言わせると、これが最も効率的なのだそうだ。
"l'Etoile is incredibly efficient. There is no faster way for a skilled driver to get from point A to point B. Plus the system provides extreme flexibility. (snip) Almost no other traffic method allows you to change course mid-route so quickly." (Eric, husband of Erin Meyer)
ポイントは、「熟練運転手にとって」というところ。馴れないドライバーなら、信号があって、それに従うほうがいいのだろうが、馴れたドライバーにとっては邪魔なだけ。阿吽の呼吸でロータリーに侵入し、目的の通りで出ていく。何かの理由で通りを咄嗟に変えることも、迷いながら周回することも自由。
2021年10月29日
「家族」ではなく「プロチーム」
Netflixではボーナスはないのだという。つまり、年俸一本で、他社のボーナス込み以上を出して最高の人材を常に探している。
81：Bonuses are bad for flexibility
The entire bonus system is based on the premise that you can reliably predict the future, and that you can set an objective at any given moment that will continue to be important down the road. But at Netflix, where we have to be able to adapt direction quickly in response to rapid changes, the last thing we want is our employees rewarded in December for attaining some goal fixed the previous January.
なぜ、ボーナス制度を止めたのか。それは、状況がどんどん変わる職場では、昨年合意したKPIに基づいて今年のボーナスを払うのは、逆に、今最も重要な仕事に集中できなくするから。
84: Creative work requires that your mind feel a level of freedom. If part of what you focus on is whether or not your performance will get you that big check, you are not in that open cognitive space where the best ideas and most innovative possibilities reside.
また、ボーナス連動KPIに従業員の目が向いてしまい、自由に意識を広げて最高のアイデアを見つけることを阻害する。
168: In the early Netflix days, our managers also worked to foster a family-like environment. But, after our 2001 layoffs, when we saw the performance dramatically improve, we realized family is not a good metaphor for a high-talent-density workforce.
創業当時のNetflixは、家族的な職場環境を作ろうとしていたという。ところが、経営危機で2001年に人員整理をしたところ、経営成績は劇的に上がった。会社経営において「家族的」というのはよくないと悟る。
I want each manager to run her department like the best professional teams, working to create strong feelings of commitment, cohesion, and camaraderie, while continually making tough decisions to ensure the best player is manning each post.
代わりに打ち出したのが、「プロ（スポーツ）チーム」。そこには、強い責任感、団結、仲間意識があるが、それぞれ役割を最高の人材が担うように厳しい決断もしなくてはならない。
2021年10月28日
世界一「自由な」会社
日本語版の『NO RULES 世界一「自由な」会社 NETFLIX』もほぼ同時に出版されているが、読みやすそうだったので原書で読んでみる。
「はじめに」は2000年に経営難に陥っていたNetflixが当時ビデオレンタル業界の王者であったBlockbusterに身売りに行く話から始まる。当時のブロックバスターは、$36Mの売上($58Mの赤字）しかなかったNetflixの何千倍もの大きさだった。
INTRODUCTION: "Blockbuster is a thousand times our size" Reed HastingsDallas, TX, early in 2000We all sat down around a massive glass table, and after a few minutes of small talk, Marc (Randolph) and I made out pitch. We suggested that Blockbuster purchase Netflix, and then we would develop and run Blockbuster.com as their online video rental arm.Antioco listened carefully, nodded his head frequently, and then asked, "How much would Blockbuster need to pay for Netflix?" When he heard our response - $50 million - he flatly declined. Marc and I left, crestfallen.
創業者のMarcとReedはBlockbuster CEOのAntiocoに、Blockbuster.comの運営をNetflixが行うという案を持ちかけた。「いくらだ？」と聞かれ、$50Mと答える。彼は、即座に断り、二人は意気消沈してブロックバスター本社を去る。
by 2010, Blockbuster declared bankruptcy. Blockbuster had been unable to adapt from DVD rental to streaming.
しかし、その後、ブロックバスターはDVDレンタルからストリーミングの流れに乗れず、2010年倒産する。2000年のブロックバスターには、ブランドも、経営資源も、ビジョンもあった。では、ブロックバスターになくて、Netflixにあったものは何だったのか？
It was not obvious at the time, even to me, but we had one thing that Blockbuster did not: a culture that valued people over process, emphasized innovation over efficiency, and had very few controls.
Netflix is different. We have a culture where No Rules Rules.
それは、「手続きよりも人を優先し、効率よりも革新を重視し、結果、ほとんど管理のない文化」だという。規則はないのだが、代わりに、「Netflix文化」を教えるための教本は存在する。そして、それを何度も何度も従業員にフィードバックして身に着けさせる。それが、全127pのNetflix Culture Deckで、もともと社内教育用であったが、2009年に社外にも公開されている。
それは、「手続きよりも人を優先し、効率よりも革新を重視し、結果、ほとんど管理のない文化」だという。規則はないのだが、代わりに、「Netflix文化」を教えるための教本は存在する。そして、それを何度も何度も従業員にフィードバックして身に着けさせる。それが、全127pのNetflix Culture Deckで、もともと社内教育用であったが、2009年に社外にも公開されている。
Netflix Culture Deck: a set of 127 slides originally intended for internal use
e.g., Netflix Vacation Policy and Tracking
There is no policy or tracking. There is also no clothing policy at Netflix, but no one comes to work naked.
Employees love Netflix also. In a 2018 survey conducted by Hired (a dot-com marketplace for tech talent), tech workers rated Netflix as the No.1 company they'd most like to work for.
2021年10月27日
投機王の終焉
「訳者あとがき」の中に、speculator=投機家の語源となるspeculativeには、「投機的」よりも前に、「思索的」という意味がある、とある。「speculate=熟考する」で、「考え抜くことに夢中になっているのがスペキュレーター」。つまり、投機は単に確立に賭ける博打をやるのとは全く違う。
そう考えると、世界有数の投資信託会社フィデリティを創業したエドワード・クロスビー・ジョンソン�兇�、「この小説を読み、リバモアに感化されてウォール街へ転身することになった」と言っているのもうなづける。
訳者あとがき：リバモアに多大な影響を受けたW.D.ギャン
「リバモアは名誉の人だった」
相場に戻って復活し財産を築きなおした1917年に、ギャンを含め、かつて迷惑をかけた人々に、いったんは棒引きしてもらった金を返して歩いた。
「リバモアの弱点は、金の儲け方以外、何も学ばなかったこと。彼は金を守るルールを学ばなかった」（W.D.ギャン『ウォール街での45年』）
大勝の後、過剰な売買をし、すっとばすことを繰り返した。リバモアが、自分の人生は失敗だった、と4番目の妻に書き残してピストル自殺を遂げたのは、1940年、本を著して後、わずか1年ほどのこと。
2021年10月26日
人間性に関する要因を過去の例に学ぶ
「人は常に説明を求める。だから情報のやり取りが習慣となる」というのは興味深い。株価が上がっても、下がっても、「人は常に説明を求める」。多くの値動きには、何の理由もないのにだ。
理由もなく上下するのは投資家にとっては気持ちが悪い。それは、「自分が知らない情報を、誰かが知っていて株価が動いているのではないか」と思うからだ。それで、情報を集めて、それらしい情報があると安心する。
リバモアの場合は、こうしたノイズに影響されず、自分のトレーディングができた時に最高のパフォーマンスを発揮したという。
198：上昇トレンドの終わり
上昇相場を牽引していたいくつかの銘柄が高値から数ポイント下げ、かつ、この数か月で初めて戻さなかった。これからは戦術を変更する必要があった。（中略）上昇の止まった銘柄については弱気に転じたが、その他の株では上昇圧力に乗じて売買を続けた。（中略）そしてある日、相場がおしなべて下げ始めた。空売りしていた12の銘柄すべてが最低でも4ポイント下げた時点でおれの読みは正しかったと思った。テープは明白に弱気相場へ転じたことを告げていたからおれは安心して建玉を倍にした。
214：人はなんと情報をありがたがることだろう。また、自ら求めるだけでなく、他人にも与えたがる。欲と虚栄を満たすため、本当に知的な人までもがそうした情報を求めてさまよう様を見るのは、時に滑稽ですらある。
240：業種としての動きに同調しない銘柄には気をつけよ
256：人間性に関する要因を過去の例に学ぶ
信じたいと当人が思っていることを信じる性質とか、いかに簡単に自分の欲望や不注意に影響されるか。
325：人は常に説明を求める。だから情報のやり取りが習慣となる。
2021年10月25日
自分の思考の限界を知る
リバモアは生涯にわたって４回破産している。律儀な男であったリバモアは、借金しているとそれが気になって相場に勝てなかったらしく、毎回、貸主に説明して破産。そこからまた相場を始めて、4回とも立ち直っている。
資産を回復すると、借金のあった先にお金を返して回った。最後は、63歳の時にピストル自殺するのだが、それは相場で失敗したからではなく、女性関係のもつれから発作的に自殺したらしい。経済的成功と幸福は関係ない。
161：同じ過ちを二度と犯さない
問題になるのは常に、行為自体となぜそうなったか。自分の思考の限界を知る。
173：相場が自分の思い通りになると思うのは、すべての不運の種
緊急の資金を捻出するために相場で儲けようと思ったら人はどうするだろうか。ただ願うのみだ。そして賭けに出る。それは冷静に状況を判断した結果の投機よりはるかにリスクが大きい。
182：借りをつくらない
金であればとにかく返せば済む。しかし好意や親切も同様に返す必要があり、こうした倫理的な義務というのは時として非常に高くつく。その上、これらには時効はない。
191：何かに悩んでいるかぎり成功は覚束ない
借金を続けているうちは悩みが消えない。債権者が返済を求めておれの取引に口出ししたりする限り、復活の足掛かりとなる元手を貯めることすらできない。（中略）おれは破産の申し立てをすることにした。
2021年10月24日
自衛隊式LIFEHACK
リュックのパッキングは重いのを下がいいと思い込んでいた。逆なのね
特殊部隊員が、「リラックスした状態でもOFFにすることなく、ONの状態を維持している」というのは、経営者にも通じる。ON/OFFを切り替え、1日8時間だけ仕事のことを考えているのが一般社員だとすれば、1日24時間頭の片隅にでも常に仕事の問題意識を持っているのが経営者だと思う。
だから思考がスパイラル上昇するが、一般社員は前日の積み重ねを忘れて、翌朝、前日とほぼ同じ位置に戻ってからのスタートになるので、進歩が遅い。
だから思考がスパイラル上昇するが、一般社員は前日の積み重ねを忘れて、翌朝、前日とほぼ同じ位置に戻ってからのスタートになるので、進歩が遅い。
121：同じ場所に同じものを入れる
リュックサックは、下の方に軽いものを詰め、上の方に重いものを入れる方が安定する。
126：コンディションの確認
毎日のルーチンが早期発見につながる。
130：「先行性」「適時性」「完全性」は仕事の三本柱
業務日誌の作成が仕事に「意志」を入れる。
144：イメージを共有する
ミッションのエンドステートを共有し、達成するための手段は部下に任せる。
おわりに：特殊部隊のOS
リラックスした状態でもOFFにすることなく、ONの状態を維持している。
ONのままで、いつでも対応できるように、その場所での普通の状態（ベースライン）に調和しながら、静穏を保った状態で居続ける。
2021年10月23日
絶体絶命の場面でも「最善手」を打てる極意
「自衛隊式」が話題らしい。実戦を禁じられた世界でも特殊な軍隊とはいえ、平和が75年続いた日本で常に極限状態を想定して訓練している組織として貴重だ。そこにある知恵を日常生活にも活かそうというもの。
本論に関係ないが、読んでいて目につくのが英語。入隊して最初に行うのは、「バディー」と呼ばれる二人一組の組み合わせ。そして、「セルフコントロール」の基礎作りが行われ、「オープンセキュリティーサークル」と「ダメージコントロール」を学んでいく、といった具合。
おそらく、自衛隊が米軍に学び、幹部が米軍に留学している影響が、今では自衛隊組織の末端にまで行きわたっているということ。
16：バディーで確認する
自衛隊に入隊すると二人一組のバディーを組みます。バディーで力を合わせる基本は、バディー同士の点検。
37：セルフコントロールの基礎作り
入隊直後の自衛隊生活で徹底される「躾」が基礎。
107：オープンセキュリティーサークルとダメージコントロール
Open Security Circle＝脅威との距離とその対処
Damage Control＝攻撃を受けた際、その被害を最小にとどめる為の処置
ビジネスの現場では、脅威レベルが高い「エマージェンシープラン」
2021年10月22日
投機家の最大の敵
100年経った今でもトレーダーの支持を集めるのは、こういうところなんでしょうね。これは100年経っても変わらない。
145：投機家の最大の敵は、自分の中にいる人間の本性として、人は希望と恐れとは無縁でいられない。投機の場合、相場が思惑に反して動くと、人は、大小の財閥を築くことができるような能力がある自分たちにとって、今日こそ運の悪い最後の日であってほしいと願う。そして結局、こうした望みを排除していれば免れたはずの損失をも被る羽目になるのだ。そして逆に相場が思った通り推移すると、今度は翌日には流れが逆転して含み益がふいになるのでは、という恐怖にかられ、気を待たずに手仕舞う。恐怖のために、本来もっと設けられるはずのチャンスを逃してしまうのである。トレーダーとして成功するためには、この、二つの本源的ともいえる人間の性を克服しなければならない。
114：大台替わりは買い
相場が初めて100、200、300などのラインを超える時は決してそこで止まることなく、その後もかなりの上昇を見せる。小心者は新高値で買うということを避けたがる。
127：1907年恐慌〜J. P. Morganというのは大した人物
モルガンが恐怖に尻込みするNY中の銀行に対して、取引所が必要とする金を貸し付けろ、と一喝。株式市場は救われた。
135：相場を観察する目的はただ一つ、相場のトレンドを見つけること
相場は、抵抗に沿って上下する。相場は他の万象と同様、抵抗が最も小さいところを狙って動く。
142：トレーダーは、トレンドに従って建玉を積み増していくべき
まず、手持ち資金の1/5を買いに投入する。もしここで利益が上がらなかったら、それ以上、建玉を増やすべきではない。なぜなら取引の開始時点からミスが明らかだからだ。
2021年10月21日
第二レベルのカモ
家を出てNYで相場師として暮らし始めたまだ10代のリバモア。それまで地元の「合百」では連戦連勝で、全部の店から出入り禁止をくらい、相場が張れなくなったのだ。「合百」とは、市場外で相場の騰落を当てる賭博で、客が勝てば、その分胴元が損をする。
NYでは、NYSE正会員のところで実際に株取引を始める。証拠金を積んでの信用取引だが、それまでの合百とはどうも勝手が違い、なかなか勝てない。ついに、有り金全てを失い、顔の割れていない地方都市でまた合百で再起を図る。
セントルイスの合百で大成功して、再びNYに戻るのだが、その店の一人の老投資家の話が出てくる。「凡庸な連中が履いて捨てるほど」いる中で他と異なる老人がいた。「かなり年寄りだったという点と、進んでアドバイスをしようとしなかったこと、そして相場に勝っても自慢しなかった」という点で異質だったという。
何も知らずに勢いだけで買う初心者が「第一のカモ」だとすれば、少々勉強して「自分は下落局面で買うのを好むゆえに分別がある、と信じる人物」は、「第二レベルのカモ」だという。では、第二レベルのカモと勝てる投資家との差は何なのか。
先ほどの老投資家の口癖は、「今は強気相場ですから」だったという。買っていた株が思惑通り上がり、他の投資家が利食っているときにも、「今は強気相場ですから」と言って売らない。大きく儲けるには個々の株の変動ではなく、全体の動きを見なければならないことを分かっているわけだ。
結果、「第二レベルのカモ」は小さく儲ける一方、全体相場を無視して、弱気相場のなかで個別銘柄を持ち続けて大きな損を出す。うまい投資家は、損失を小さく抑える一方、強気相場では最後まで持ち株を保持して大きく儲ける。
62：もしある株がその基準通りに動かなかったら、その相場には手を出さないことだ。なぜなら、何がおかしいかを明確にできなければ、その相場がどう進むかも判断できないからだ。分析なきところに予測はない。そして予測できなければ、相場に勝つことはできない。
67：第二レベルのカモ
自分は下落局面で買うのを好むゆえに分別がある、と信じる人物なのだ。だから相場の下落を待つ。また天井より何ポイント下がったかを売りの判断の基準にする。
72：「今は強気相場ですから」
大きく儲けるには個々の株の変動ではなく、全体の動きを見なければならない。
73：強気相場では、株を買って後は上昇局面がそろそろ終わると確信するまで持ち続けること
個別銘柄に関する情報や要因ではなく、相場全般の状況を把握しなければならない。（中略）そして手仕舞う時は一気だ。
97：最初の建玉で利益があがらないかぎりは、続けての建玉は手控えるべき
よく状況を見極めて待つ。
2021年10月20日
伝説の投機王リバモア
算数が得意だったボストンの少年は、家が貧しくて、初等中学を出て証券会社で働き始める。仕事は相場ボードの黒板書き。株価がオンラインになっていない時代、電信で送られた株価情報を証券会社の視点で、黒板に書いていた。これはその後、ラジオで流れる株価情報となり、日本では短波放送で流されていた。それを株価ボードに板書するのは同じ。
この仕事が、その後「投機王」と呼ばれたリバモアのトレーダーとしてのよい訓練になったことは間違いない。来る日も来る日も株価を書いていたことが（19世紀末にNYSEにしていたのはまだ150銘柄ほど）、株価が次にどう動くかの勘を磨いていく。
この仕事が、その後「投機王」と呼ばれたリバモアのトレーダーとしてのよい訓練になったことは間違いない。来る日も来る日も株価を書いていたことが（19世紀末にNYSEにしていたのはまだ150銘柄ほど）、株価が次にどう動くかの勘を磨いていく。
序文：現代を代表するトレーダー30人余りに行ったインタビューのなかで、私は、すぐれたトレーダーを目指すべき者が読むべき書物は何かと必ず質問した。その回答のなかで最もよくあがった名前が、70年以上も前に書かれた本書だった。この本が時を超えて読み継がれている理由は、トレーダーの心の動きを的確にとらえているからだと思う。相場で学んだこと、失敗、洞察が素直に語られている。相場の経験者であれば、まさに真理だと感じるに違いない。（ジャック・シュエイガー1994）
3：初等中学をおえておれは職についた。仕事は証券会社の相場ボードの黒板書き。（中略）おれの取り柄は数字に強いことで、学校では3年かかる算数を1年で学んでしまったほどだ。特に暗算が得意だった。
4：ウォール街で目新しいことは何もない。投機という行為がはるか昔から行われていたことを考えれば、当然でもあろう。今日相場で起こっていることは、かつて起こったことであり、将来再び起こるであろうことなのだ。
7：15歳の時に、初めて$1000貯めた。すべて相場で稼いだもので、家に入れる金は別にしてだ。
2021年10月19日
「もっといかがわしくなれ！」
113日間にも及んだ江副の拘留。
江副の拘留期間はゴーンより長かったが、当時、疑獄の張本人と決めつけられた江副の「人権」に目を向ける者はいなかった。
保釈された江副は裁判に向けて考え得る最強の弁護団を組織する。「保釈された時点で保有していたリクルート株の評価額は500億円。リクルート株以外の資産が約500億円。しめて1000億円近い資産」があった江副は金に糸目は付けなかった。
13年にも及んだ裁判の判決は「執行猶予付きの全面有罪」。全面有罪ということで検察にも、執行猶予ということで弁護団にも、控訴しにくい内容で、何ともはっきりしない判決だった。実際、双方とも控訴せず、このまま結審となる。
その間、バブル経済崩壊に伴いリクルートコスモスとファーストファイナンス（ノンバンク）は経営危機に陥っていた。「ファーストファイナンスの延滞債権は約4000億円、貸付金の70%が延滞」という状態だったのだ。いくらリクルート本体が高収益でも、これだけの不良資産が子会社にあれば経営危機に陥る。
リクルートの危機を救ったのはダイエーだった。江副とダイエーの中内はリクルート創業期から親しく、その縁で、ダイエーはリクルートの少数株主だった。江副は中内に自身の持つリクルート株式35%分の買取りを依頼し、これをダイエーは純資産価格455億円で買い取る。
ダイエーが経営不振に陥り、リクルートが株を買い戻した2000年までの8年間、中内は「お預かりする」の約束を守り、リクルートの経営には一切口を挟まなかった。江副が作り上げたリクルートという「いかがわしい」会社は、革命家・中内によって「いかがわしさ」を残したまま生き延びた。
410：2003年リクルート裁判決着「執行猶予付きの全面有罪」
1989年12月初公判から13年 考え得る最強の弁護団。
保釈された時点で保有していたリクルート株の評価額は500億円。リクルート株以外の資産が約500億円。しめて1000億円近い資産。
413：1990年10月10日から5夜連続「NHKスペシャル 緊急・土地改革『地価は下げられる』」
大都市圏の地価を今の半分に引き下げるには。「土地本位制」を崩せ。
→マンションの売れ行きはパタリと止まる
418：1992年4月7日 ファーストファイナンス白熊社長（東洋信託出身）
「ファーストファイナンスの延滞債権は約4000億円、貸付金の70%が延滞」
＊本文では「債務」
419：1992年ダイエーが筆頭株主に
四半世紀の付き合いがある中内と江副の交渉は、阿吽の呼吸で決まった。江副が持つ1018万株のリクルート株は、仲介した三和銀行の資産査定により、1株当たり4467円（純資産価格）、都合455億円でダイエーが買い取ることになった。
431：ダイエー中内社長がリクルート会長就任
「ワシのところもそうやったが、若い会社というのは、たいがい、いかがわしいもんや。でも、あの事件があってもお客様はリクルートを必要としてくれている」
「『いかがわし言う奴らにはには、言わせておいたらええ。君らはそのままでええんや。ええか、おまえら。もっといかがわしくなれ！」
432：ダイエーが経営不振に陥り、リクルートが株を買い戻した2000年までの8年間、中内は「お預かりする」の約束を守り、リクルートの経営には一切口を挟まなかった。江副が作り上げたリクルートという「いかがわしい」会社は、革命家・中内によって「いかがわしさ」を残したまま生き延びた。
2021年10月18日
「リクルート汚染」
「未公開株の譲渡は法的に賄賂に当たるか」というもっとも本質的な部分に触れないまま、新聞は「濡れ手で粟」という流行語になった表現で世間の怒りを煽り立てた。
これは重い。カルロス・ゴーンのケースは世論に後押しされてではなく、内部告発がきっかけだったが、リクルート事件では、先に朝日新聞による疑惑報道ありきで、それで世論が盛り上がり、それを背景に立件された。当初は、検察自体が、「これは犯罪に当たらない」と見送り判断していたにも拘わらずだ。
もし、リクルート事件が立件されていなかったら、その後の日本はどう歩んだだろう。日経の森田、蔵相の宮澤、NTTの真藤という政財界の改革派が事件に巻き込まれて全員が辞任した。これによって、バブル経済の頂点で、次の成長産業に移行しようとしていた動きは一気に終息した。
「失われた30年」の始まりだ。
375：特捜部は総務部長の竹原が裏ガネ工作に絡んでいると睨み、執拗に取り調べた。霞が関の中央合同庁舎にある特捜部での聴取は週2回から3回のペース。
379：未公開株の譲渡が犯罪だとは思っていないリクルートは、検察に言われるまま譲渡先リストを作って渡していた。検察はそれをエビデンスとして小出しに新聞にリークし、「疑獄」ストーリーを演出していった。
「未公開株の譲渡は法的に賄賂に当たるか」というもっとも本質的な部分に触れないまま、新聞は「濡れ手で粟」という流行語になった表現で世間の怒りを煽り立てた。
381：リクルート汚染
日経の森田、蔵相の宮澤、NTTの真藤。辞任ドミノが続き、新聞、週刊誌には連日、「リクルート汚染」追及の見出しが躍る。いつしかリクルートそのものが不浄で、かかわりをもつこと自体が反社会的な”穢れ”であるかのような空気が生まれる。違法とか合法とかいう論理ではなく、世間を支配する空気である。
387：江副の拘留は113日間に及んだ。2019年に逮捕された日産自動車元会長、カルロス・ゴーンの拘留期間、108日より長い。ゴーンのときは、有罪と決まったわけでもない人間の自由を長期間奪う捜査手法に対して「人質司法」との批判が噴出した。江副の拘留期間はゴーンより長かったが、当時、疑獄の張本人と決めつけられた江副の「人権」に目を向ける者はいなかった。
395：もし真藤が失脚していなかったら
真藤がリクルート事件で失脚していなかったら、NTTはもっと早い段階で分割され、日本の通信市場に競争の土壌が生まれたかもしれない。そうなれば日本にGAFAが生まれていた可能性もある。
NTTの電話事業は儲からなくなるが、真藤は子飼いの長谷川寿彦、式場英を使ってNTTデータ通信を核とした「データ通信のNTT」を作ろうとしていた。しかし、真藤、長谷川、式場の逮捕でその構想は瓦解した。真藤の側近は振り返る。
「親父（真藤）が逮捕されてからの、電電公社プロパーの手のひら返しは凄まじいものがあった」
399：iモード
真藤が去って蘇ったNTTの官僚組織はiモードの成果を自分たちの手柄にし、外人部隊を追い出しにかかった。松永ら外人部隊の大半は3年でドコモを去り、大星の次の社長になった立川敬二は、ベンチャー気風が漂うドコモに「営業利益率2割」を必達目標とする「計画経済」を持ち込んだ。
公社体質に戻ったドコモの殿様商売が海外で通用するはずもなく、「iモード」は世界に根付かなかった。結局ドコモの海外展開は、1兆5000億円の損失を出して「打ち止め」となる。
2021年10月17日
山を持つメリットデメリット
「山林を購入する目的は人それぞれだが、共通しているのは自然が好きであること」
山林を所有すると大きな満足感、安堵感が得られるようだ。
「東京の方で、1万坪以上の山林を購入されたほとんどの人は、購入後に自分の山を訪ねることはないようです。どうしてなのかわかりませんが、満足して仕事に集中できるようになったという人がいました」（山林バンク）
逆に、山を持つことのデメリットで気を付けなければならないのは「不法投棄をされるリスクと撤去費用」だという。他のデメリットは代替予想されるものだが、厄介なものを不法投棄されると山林所有者が撤去費用を負担しなければならなくなるケースがあるようだ。
といいうのも、誰が不法投棄したか分かればその投棄者に撤去義務があるのは当然だが、山中に投棄されるので特定のできない場合がほとんど。投棄されたものが有害物質だと放置するわけにいかず、結局は山林所有者が費用負担して撤去せざるを得ないということ。
房総半島の山中を走るとあちこちで不法投棄物を見かける。日本中で一体どれだけの廃棄物が山中に捨てておかれているのかと思うと気が遠くなる。
52：山を所有する理由
・自分の山があるという満足感、安堵感
・プライベートキャンプ場として使える
・キャンプ場開設・運営による事業展開を目指して
・資産作り、投資としての楽しみ
・自然環境保護として（水源や山の植生を守る）
・里山づくり（山仕事の楽しみ）
・セカンドハウス的場所
・憩いの場所（自然と触れ合う）
・山を育てる楽しみ
・山林は価格が安く、固定資産税も安い
55：逆にデメリットもある。不法投棄が最も厄介らしい。というのも、山で行われる不法投棄の犯人が見つかることは少ない。特に投棄されたものが有害物質だと放置するわけにいかず、結局は山林所有者が撤去費用を負担しなければなくなるそうだ。
57：山を持つデメリット
・固定資産税がかかる
・維持管理が大変
・整備するには重機などが必要で費用が掛かる
・自然災害のリスク
・建築用材としてのニーズが下がり、投資収益性は低い
・売却に時間がかかりそう
・不法投棄をされるリスクと撤去費用
・鳥獣被害
130：山林購入時のチェックポイント
・現地確認
・地籍調査
・土地用途
・規制や条例
・アクセス道
・インフラは引けるか
・管轄森林組合
・予算（宅地でないため住宅ローンは使えない）
・契約手続き
・支払いと登記
・登記後の維持費
2021年10月16日
山を買う
山を買う人が増えているのだという。そのきっかけとなったのが、昨今のオートキャンプ人気。下記の通り、他のレジャーが伸び悩む一方で、オートキャンプ参加者は着実に増え、キャンプ場が混雑する事態になった。
そこで、自分の山を持てば、好きな時に好きなようにキャンプができる。昨年は新型コロナでキャンプ場利用者は減ったものの、激減した一般旅行に比べれば、相対的シェアは増えたし、すでに自分の山を持っていた人は変わらず山に通ったことだろう。
江戸時代までは、山は貴重な建築材料資源であり、主要なエネルギー供給源で、「江戸幕府直轄の天領や領地として藩の管轄下にあったり、朝廷が所有したりしていた」。石油へのエネルギー革命と、円高で外材を輸入する方が安くなって国産材への需要が減少し、山林の価値は激減した。
しかし、水資源や森林資源を考えると、このまま山林を放っておくことはできない。キャンプによる山林所有への関心の高まりが、国土保全にまで広がるといいが。
はじめに：山は誰のものなのか
江戸時代は、江戸幕府直轄の天領や領地として藩の管轄下にあったり、朝廷が所有したりしていた。しかし、私たちが考えるような現代の所有権は、明治時代以降に生まれたものだ。地租の金納への転換を目的として、土地の「所有」を認めたのである。その結果、私有が認められ、土地の売買が可能になり、仲介業者も出現した。
25：山林購入の火付け役はソロキャンプ
芸人ヒロシ
YouTube再生7000万回以上
BSでキャンプ番組
YouTube再生7000万回以上
BSでキャンプ番組
28：山林売買仲介サイト
・山林バンク
・いちば（京都）
・山林売買.net（飛騨高山）
・森林ネット(JAGフォレスト）
・自然と暮らす（岡山）
その他、全国の森林組合の一部
33：三密を避けてキャンプ
キャンプ場が混雑してしまうほどの賑わい。これまで予約が集中しやすい週末や連休ばかりではなく、休日以外の平日だったり、来訪者が減る冬場でもキャンプを楽しむ人がいるため、年間を通したキャンプ場の稼働率が上がっている。
2021年10月15日
戦後最大の疑獄
1988年1月、江副は会長に就任し、IBM出身の位田が社長に就任する。これは江副の退任ではなく、当時からはやり始めた両代表制だ。
4月にはホテルオークラ東京で社長交代＆会長就任記念パーティが大々的に行われ、その切り盛りは、「その年の1月にI＆N事業部から異動して総務部長になった竹原啓二」の初仕事になった。次いで、6月には大阪で同じパーティが開かれたが、そこに江副が現れることはついになかった。
というのは、川崎駅西口再開発でリクルートに便宜を図った川崎市企画調整局長の小松が、リクルートコスモスの未公開株を買い、公開直後に売り抜けて1億円を超える売却益を得ていたことが朝日新聞で報道されることが分かり、江副は東京に残り、その対応に当たっていたからだ。
佐渡（賢一検事 東京地検特捜部）の言によれば、江副やリクルートに「犯意」はなかったということになる。だが、朝日の横浜支局員たちが書いた”スクープ記事”は、江副と江副から株をもらった政治家、官僚、財界人に対する国民の怒りに火をつける。
346：1988年4月会長就任＆位田社長就任パーティ
会場となったホテルオークラの大宴会場に招かれた客は3000人。誰もがホールに足を踏み込むなり、度肝を抜かれた。会場の真ん中に設えた本物の桜の木が華麗に花びらを散らしている。竹を使った装飾も独創的だった。（総合プロデュース：勅使河原宏）パーティを切り盛りしたのは、その年の1月にI＆N事業部から異動して総務部長になった竹原啓二だ。
352：川崎市企画調整局長 小松
川崎駅西口再開発でリクルートに便宜を図った小松は、江副の斡旋でリクルートコスモスの未公開株を買い、公開直後に売り抜けて1億円を超える売却益を得ていた。
しかし未公開株の譲渡自体は違法ではない。（中略）しかも大和証券会長の千野が田原総一朗の取材で証言しているように、未公開株の譲渡自体は、商習慣として「証券界の常識」だった。
356：「戦後最大の疑獄」追及の号砲
佐渡（賢一検事 東京地検特捜部）の言によれば、江副やリクルートに「犯意」はなかったということになる。だが、朝日の横浜支局員たちが書いた”スクープ記事”は、江副と江副から株をもらった政治家、官僚、財界人に対する国民の怒りに火をつける。
359：総務部長の竹原は、東京地検特捜部に命じられた「譲渡リスト」の取りまとめに奔走していた。江副とリクルートは100人に譲渡を打診し、そのうち76人が譲渡を受けた。地検は「いつ、誰に、いくらで、何株譲渡したのか」を詳細に知りたがった。未公開株の譲渡が犯罪だとは思っていなかった竹原たちは、言われるまま懸命にリストを作った。
360：日経新聞森田社長辞任
日経は内規によって記者や編集者に株取引を禁じていた。（中略）その矢先に、トップの森田がコスモス株の売買で巨額の利益を得ていたことが発覚した。
367：総務部長 竹原啓二
1976年、岡山大学の経済学部を卒業した竹原が入社した時のリクルートは、700人ほどの会社だった。体育会卓球部のキャプテンで都銀や大手電機メーカーから内定をもらっていた竹原は、「交通費実費支給」と赤い文字で書かれた就職案内のハガキに釣られ、大阪見物のつもりでリクルートの面接を受けた。
会う人、会う人が皆「俺が、俺が」とまるで社長のようだ。入社するつもりなどなかった竹原は、出てくる社員たちの勢いに押されて役員面接まで進んでしまった。
初めて会った江副は竹原に得意の口説き文句を使ってこう言った。
「竹原くん、22歳までは歴史を学ぶ立場だけど、23歳からは歴史を作る立場になるんだよ。うちに来たら、自分の仕事は自分で作りなさい」
2021年10月14日
トウモロコシ、サツマイモ、未公開株
当初は、事件にならないと検察でも判断されていた「リクルート事件」。それが事件になったのは、朝日新聞の執拗な疑惑報道と、それに対する世論のバッシングだった。
今、振り返れば、有罪にしたのは無理がある。リクルートコスモス未公開株は当時の株式市況では値上がり確実だったとはいえ、配られた先は政財界に幅広く、何か特定の依頼の見返りに割り当てたとは考えにくい。
一方、第二電電（現KDDI）を作った稲盛氏のように、江副社長の「危うさ」を感じ取って、遠ざけた人物もいる。そこには、求人情報や住宅情報の「プラットフォーマー」として絶大な権力を持ったリクルートと、その特異な立場を使って別の形で儲けることをためらわなかった江副に原因がありそうだ。
333：収益逓増の法則が働く情報産業で成功を収めたリクルートは、誰よりも多くのデータが集まる「プラットフォーマー」になっていた。チャレンジャーだと思っていた自分たちが、いつの間にか、既得権益を握っていた。
334：江副にはプラットフォーマーの自覚がなかった。情報誌で大量のデータが集まる場を作り上げたのは自分の功績であり、それを利用して儲けることが悪いとは露ほども思っていなかった。先述したように、『住宅情報』に集まる他社の物件情報は、広告主の競争相手であるリクルートコスモスに筒抜けだった。
295：江副は株を（退社する社員から）買い取るために碧が父親から相続した金を使った。社員が辞めるたびに碧名義の株が増え、一時は碧が筆頭株主になっていた。そして会社が大きくなり創業メンバーや幹部社員の間にさまざまな不協和音が生まれると、江副は碧名義のリクルート株を無断で幹部社員に配った。自分への忠誠を「買った」のだ。
308：江副は安比のトウモロコシ、サツマイモと同じ感覚で未公開株を配った
現金で献金するとき、江副は用心深くその痕跡を消している。しかし未公開株は社内で公然と譲渡リストを作り、あっけらかんと配った。（中略）理論上は値が下がるかもしれない。現金を渡すのとはわけが違う。
310：リクルートコスモス株
公募価格3000円→初値5270円
326：「リクルート『寿命』に挑む大胆な借金経営」（1985年10月13日『日経ビジネス』）
リクルートでは大沢が適正テスト、池田友之が営業、森村稔が政策を所轄していたが、今で言うところのCFOがいなかった。あえていえば江副がCEOとCFOを兼ねており、リクルートコスモスとファーストファイナンスは江副の”金城湯地”になっている。リクルートがグループとしてどれだけの土地を買い、どれだけの借金をしているか、江副以外のリクルート取締役は誰も知らない。
328：「女連れ『新財界人』たちの沖縄行き」（『フォーカス』1985年10月25日）
ノエビアが所有する外洋クルーザー「ノエビア丸」の船上で爽やかに微笑む江副と大倉。サングラスをかけた美女。
332：論語と算盤
昭和初期には日本にも世界標準の資本主義の萌芽が見られたが、1934年の「帝人事件」で少壮実業家（現代で言うところの起業家）が一斉に検挙され（のちに全員無罪判決）、自由な資本主義の風土は根付かなかった。そのまま日本は日中戦争に突入し、国が企業活動を統制する戦時体制に入った。
2021年10月13日
リクルート・コンピューター・サービス（RCS）
情報産業の未来が見えていた経営者と、そうでない人とのギャップ。ましてや、情報利権を謳歌していたエスタブリッシュメントにとっては、情報の民主化を進めるリクルートは商売のネタを奪う略奪者に見えた。
「日本経済新聞を『紙の新聞』から『経済に関する世界的な総合情報機関』に変えようとした森田康。NTTを『もしもしの公社』から『データ通信の会社』に変えようとした真藤恒。そしてリクルートを『情報誌の会社』から『情報サービスの会社』に飛躍させようとした江副。『モノづくり』こそ経済の根幹と信じられていた日本で、この3人は次の時代に経済を動かすのは『モノ』ではなく『情報』だと気づいていた」
265：1985日経とリクルートが組んで、地図
江副と森田（日経新聞社長）はGoogle Mapが始まる20年前にその可能性を見抜き、コンピューター・マッピングの市場規模を「２〜3年後に1000億円」と弾いていた。
281：リクルート・コンピューター・サービス（RCS）＝現在のAWS
「クレイのスーパーコンピューター用に開発された薬00本のソフトウェアを集めてソフトライブラリーをつくり、RCSで顧客に利用してもらう」（RCS企画室長・藤波達雄）
286：RCSで世界のトップ・エンジニア19人を採用
世界の大企業が、スーパーコンピューターを扱える人材を奪い合っていた時代に、江副はクレイのスーパーコンピューターを撒き餌にトップ・エリートをかっさらった。
288：利権破壊ビジネス
エスタブリッシュメントが情報利権を謳歌していた昭和の終わり。その利権を破壊し始めた江副浩正は、地動説を唱えたガリレオ・ガリレイのように異端審問にかけられることになる。
2021年10月12日
第二電電
NTTの長距離通信独占を壊す新電電構想に江副は初期の段階から入っていた。メンバーはウシオ電機の牛尾、セコムの飯田、京セラの稲盛だ。ところが、1984年6月に日本初の民間通信事業者「第二電電」（現KDDI）が設立されたとき、その経営陣に江副の名前はなかった。
これは稲盛の決断によるもので、稲盛は江副から漂う「危うさ」を感じ取っていた。第二電電は、「電電公社の理不尽な独占を打ち破り、日本の電話料金を安くする」という「大儀」のために設立する。
「だが江副にはそれだけで終わらない『野心』があり、野心を満足させるためなら手段を問わない『危うさ』がある。稲盛は常々、『資治通鑑』の言葉を引用し、聖人（徳も才もある者）、君子（徳が才に勝る者）、小人（才が徳に勝る者）、愚人（徳も才もない者）の中で、『組織を危うくするのは小人だ』と説いていた」
稲盛は、江副を「小人」と見たのだ。強すぎる才気を抑えきれない江副は、第二電電の行く末を危うくするかもしてないとみて、リクルートの出資に難色を示し、江副を遠ざけた。
234：第二電電
「ここはひとつ、稲盛さんにやってもらってはどうだろう。理由は三つ。一つ、電電公社が盛田さんの会社の大口顧客であること。盛田さんがトップに立てば、世間には電電公社に弓を引いたと騒ぎ立てる者もあるだろう。一つ、盛田さんが近々、経団連の会長になること。新電電のようなリスクの高い仕事はやらないようがいい。一つ、稲盛さんが若々しい志を持っていること。僕は、そこに賭けたいと思う」（瀬島龍三）
235：稲盛の決断
稲盛が会長、京セラ副社長だった元資源エネルギー庁長官の森山信吾が社長、電電公社出身の千本倖生が専務。非常勤の取締役は飯田、牛尾、盛田と、三菱商事社長の三村庸平。
237：江副2号
この日を境に江副は変わる。それまで「君はどうしたい？」と聞きながら、若手を含む社員のアイデアややる気を引き出す名手だった江副が、独断専行型になっていく。情報誌以外の不動産、金融事業は江副の独壇場になり、大沢、池田、森村などの創業メンバーですら、そこで何が起こっているかを知らされない。
2021年10月11日
日本株式会社のインサイダー
ダイヤモンド社の就職情報ガイドブックへの参入、続いて、読売新聞社の住宅情報誌への参入。儲かるビジネスがあれば、当然、新規参入するところも増える。しかし、リクルートはそれらを徹底的に叩き、また、ライバルが現れたことで、さらに工夫して圧倒的な存在になる。
こうして、1980年代には、大変な高収益企業になり、銀座に本社を構える。1981年に建ったのがG8で、戦後一世を風靡したキャバレー「ショウ・ボート」の跡地。次いで、1983年、G8のはす向かいにある日本軽金属本社ビルを買収する。
その後バブル経済が始まり、「買ったとき、坪3000万円だった銀座の土地は5年後の1988年、坪8000万円に迫った。G8、G7の土地だけで、1000億円以上の含み益」となる。江副は、思わず、「情報誌で10年かかった利益を、たった2年で稼いじゃったよ」と口を滑らせ、情報誌部門で不興を買っている。
不動産と株にはまった江副は、G8社長室奥に専用ディーリングルームを設ける。「不動産事業と同じく、株取引でも江副はインサイダーの立場。日本リクルートセンターには、毎日、日本中の会社から膨大な求人情報が集まってくる。求人情報とは経営情報そのものである」。
124：「君はどうしたいの？」
「心理学」を経営に生かす。カリスマの「リーダーシップ」に置き換わる、社員の「モチベーション」。
189：『読売住宅案内』との死闘
『住宅情報』の納期は飛躍的に短縮され、販売ポイントも激増し『読売住宅案内』の10倍になった。最初は雑誌を置いてくれなかったコンビニエンスストアにも、『住宅情報』専用の棚が入った。
195：「情報誌で10年かかった利益を、たった2年で稼いじゃったよ」
買ったとき、坪3000万円だった銀座の土地は5年後の1988年、坪8000万円に迫った。G8、G7の土地だけで、1000億円以上の含み益。
198：G8社長室奥にディーリングルーム
不動産事業と同じく、株取引でも江副はインサイダーの立場。日本リクルートセンターには、毎日、日本中の会社から膨大な求人情報が集まってくる。求人情報とは経営情報そのものである。
214：「モノづくりをしない、きみのやっていることは虚業」（稲山嘉寛 経団連会長）
2021年10月10日
日本株式会社の人事部
最初こそ、媒体としての信用のなさから広告集めに苦労したものの、教授の推薦やコネに頼った就職から離れ、自由に企業を選びたい学生と、ダイエーやソニー、ホンダなど知名度に劣る新興企業の支持を得て、『企業への招待』は順調に拡大する。
成長産業と見た就職ガイドブック市場にやがて参入したのがダイヤモンド社で、戦前から続く経済誌『ダイヤモンド』の出版社だ。ダイヤモンドはその知名度と、雑誌での広告ネットワークを生かして初号では「リクルートブック」を上回る掲載企業を集める。
リクルートは「Ｄ作戦」を発動し、リクルートブックに載っていなくてダイヤモンドに載った企業への徹底した営業攻勢で切り崩しを図る。リクルートとダイヤモンド社のライバル争いで就職ガイドブック市場は活性化し、「1885年度までに実に60社が参入した」という。
しかし、No.1でなければ不要というのが情報の世界だ。それは、最も情報が集まるところにユーザーも集まり、ユーザーが集まるから、ますます媒体の価値が高まるからで、ネットビジネスの「一人勝ち」構造の原型がここにある。
91：『企業への招待』高校版
盛田は、有名大学の学生が採れないベンチャーの弱みを逆手に取り、求人広告で「学歴無用」「出る杭求む」とやった。すると家の事情で大学には進めなかったとびきり優秀な高卒が「我こそは！」と集まった。
102：日本株式会社のインサイダー
無我夢中で働いているうちに、日本リクルートセンターは、日本の主要企業の人事担当者ほとんどと密接な関係を結ぶようになった。どの企業がどんな人材を何人欲しがっているか。それは極めて重要な経営情報である。（中略）大企業の採用情報を一手に握った日本リクルートセンターは「日本株式会社の人事部」になると同時に、実は「日本株式会社のインサイダー」になっていた。
112：「二位はすなわち死である」
ダイヤモンドの成功を見て、多くの会社が就職ガイドブック市場に参入した。1885年度までに実に60社が参入した。江副は、次から次へと現れるライバルを徹底的に叩いた。その結果、1987年には売上高シェアはリクルートが77%でダントツの首位。2位ダイヤモンド・ビッグ社(6%）、3位毎日コミュニケーションズ（5%）を大きく引き離した。
114：リクルート社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
江副が高校の漢文の時間に出会い人生の指針の一つにしていた古代中国の哲学書、易経にある、「窮すれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し」を江副流にアレンジしたもの。
2021年10月09日
日本のカーネギー
「江副ほど採用に金をかけた経営者はいなかった」という。その採用狂ぶりを評して、元側近が言ったのが、「江副さんは日本のカーネギー」という言葉。米国の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーのことだ。
「自分よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る」
これがカーネギーの墓碑銘で、カーネギー自身が書かせたものだ。
1960年に大学新聞に求人広告を載せる個人商店として発足した大学新聞広告社に、江副は次々と人材を引っ張ってくる。
大学新聞の広告スペースは限られ、大学によっては、新聞の購読率も低い。そこで、求人広告だけを集めた独自媒体を持つことにする。それが、『企業への招待』、のちのリクルートブックで、1社あたりの掲載費は30万円だったというから、現在価値では600万円くらい。強気の価格設定で、これが集まらない。大学新聞の求人広告は難なく集まっていたのに・・・それは媒体としての信用があったからだ。
「大企業の広告は無料でいい」
江副は決断し、「無料と聞くと、国鉄や電電公社が出稿に応じ、なんとか格好がついた。結局『企業への招待』創刊号に求人広告を掲載した企業は69社。うち40社は無料だったため、有料広告は29社。売上は1165万円だった」。
40：大沢武志
神戸大学から東大に転入し、江副と同じゼミで教育心理学を学ぶ。卒業後、産業心理の専門家として日立製作所の人事部に入社。学究肌の大沢がリクルート在籍中に書いた『心理学的経営 個をあるがままに生かす』という本は、今も企業の人事担当者の「バイブル」。
43：日本のカーネギー
池田はいつも人の輪の中心にいた。親分肌で面倒見がいい。戦略を立てるだけでなく、率先垂範で前線を走り、みなを引っ張る力があった。内向的な江副にはない能力である。大沢は心理学の研究者として「本物」だった。森村には江副にはない教養とセンスがあった。
江副は自分にない能力を持つ彼らを高く評価した。自分より秀でた人間をまわりに置くことで、自分のやりたいことを実現していく。
44：「合理主義が服を着て歩いているような人物」（田原総一朗『正義の罠』）
55：「日本は、建前は資本主義だが、実質は、マルクスが理想とした、人々の均質な生活を良しとする統制経済の国となった。いまも日本は、建前は社会主義、実態は市場経済という中国やロシアとは、逆のパターンになっている」（江副浩正『かもめが翔んだ日』2003）
58：東大新聞の営業マン
商社の丸紅飯田のような関西系の企業が、東大新聞の求人広告に殺到した。丸紅飯田と同じ近江商人がルーツの伊藤忠商事をはじめ、住友銀行、三和銀行、川崎製鉄・・・・あっというまに江副はコミッションフィーで月収20万円を稼ぐ。大卒初任給が1万円の時代だから、今にすれば400万円を超える大金だ。
60：リクルート創業の日1960年3月31日
江副が1年留年して、どこにも就職しないまま卒業し、引き続き東大新聞の求人広告を取って来る仕事をするため、「大学新聞広告社」という屋号の個人商店を立ち上げたから。
67：「私が（アルバイトを）やめることには、大学新聞の広告だけではなく、入社案内のパンフレット作りも引き受けるようになっていたが、どう考えても、仕事の範囲が限られているので、そんなに将来有望な会社になるとは思えなかった」（立花隆）
2021年10月08日
「リクルート事件」とは、いったい何だったのか
「リクルートのホームページ上の社史には、リクルート事件のことも、創業者・江副浩正の名前もない」というのは、驚き。まさかと思って、自分でも確認したが、本当だった。紛れもない創業者なのだから、有罪判決を受けたとはいえ、隠す必要はないと思うのだが。
本書のテーマは、「ひとりの起業家を、社会全体で吊るし上げ、犯罪者の烙印を押した『リクルート事件』とは、いったい何だったのか」。当時、VCの新入社員として、IPO業界の隅っこで居た私からすると、「何か悪いことしたの？」というのが正直なところ。上場前に関係者に株を持ってもらうことは、IPOする会社どこもがやっていたことだ。それも、上げたのではなく、買ってもらっている。
それが、当時のバブル経済の中で、その中心だった不動産と株式。その両方に絡んだリクルート事件捜査は、バブル経済の恩恵をあまり受けていない大衆から圧倒的な支持を受けた。フランス革命でギロチン処刑に民衆が興奮したというのを彷彿とさせる。
22：日本はいつから、これほどまでに新しい企業を生まない国になってしまったのか。答えは「リクルート事件」の後から。リクルート事件が戦後最大の疑獄になったことで、江副が成し遂げた「イノベーション」、つまり、知識産業会社リクルートによる既存の産業構造の創造的破壊は、江副浩正の名前とともに日本経済の歴史から抹消された。
序章 ふたりの天才
10：ベゾスは名門プリンストン大学で電気工学と計算機科学を専攻し、米国の成績評価であるGPAで4.2（通常は4.0が最高値）という極めて優秀な成績で卒業した。コンサル大手のアーサー・アンダーセン（現・アクセンチュア）、インテル、通信大手AT＆Tなど錚々たる企業から就職の誘いがあったが、ベゾスが選んだのは、無名のベンチャー企業、ファイテルだった。1994年にAmazon.comを立ち上げるまでのベゾスの足跡をたどると、ベゾスが極めて計画的にファイテルを選んでいたことが分かる。（株取引のオンライン決済企業ファイテルはその後、リクルートが買収）
19：社史から消えた創業者
戦後もっともイノベーティブだった天才起業家の業績は、見果てぬ夢とともに歴史から抹消された。創業者がいなくなったリクルートは、事件後も成長を持続すると、江副が亡くなった翌年の2014年10月東証一部上場を果たし、時価総額7兆8000億円の企業となった。だが、リクルートのホームページ上の社史には、リクルート事件のことも、創業者・江副浩正の名前もない。
2021年10月07日
リクルートをつくった男
我々の世代なら、「リクルート＝江副浩正」ということは、戦後最大の疑獄事件となった「リクルート事件」とともに記憶にある。そのリクルート創業者・江副浩正の伝記が今年出版された。
「はじめに」は、エンジェル投資家で『僕は君たちに武器を配りたい』の著者でもある瀧本哲史氏。本書執筆のため2018年にインタビューした翌年亡くなられたということ。
「起業の天才」である一方、コンプライアンス的には問題もあった江副氏には、「助言者がいなかった」という。それは、江副氏が求めなかったからかもしれないし、助言しても聞き入れないため、離れていったのかもしれない。
瀧本氏は、経験豊富なエンジェル投資家が投資するだけでなく、経営に関与して助言することの重要さについて触れている。江副氏は創業期の資金不足を奥さんの相続財産を流用することで乗り切るのだが、外部資金を入れなかったことで、フリーハンドを手に入れた。これが裏目に出たともいえる。
はじめに：江副浩正は「服を着たゾウ」（瀧本哲史）
大学を出てすぐに自分の会社をつくった江副さんは、ゾウが「人間とはなにか」が分からなかったのと同じで、「経営者とはなにか」がよく分からなかった。「自分は経営が分かっていない」という欠乏感の塊でした。経営者とはなにか、経営者ならなにをすべきかを経営学者のピーター・ドラッカーの本から懸命に学び、それを実行したのです。それゆえ、リクルートは「ファクトとロジック」「財務諸表と経営戦略」の会社になりました。
江副さんの経営は常に目的合理的で「資本主義そのもの」でした。江副さんを筆頭に東大で心理学を学んだ人たちが作ったリクルートは、極めて科学的な会社であり、その後の日本のベンチャー企業の原型になりました。にもかかわらず、「リクルート事件」があったため、経営者としての江副さんの革新性は世の中にあまり知られていません。
エンジェル投資家は狂気に駆られた若者を御するため、グレイヘア（成熟した大人）と呼ばれるシニアの経営者を取締役として送り込んだり、自分たちが経営に関与したりします。アップルのジョブズには創業期からマイク・マークラという経験豊富な投資家が付いていたし、グーグルの創業者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジにはサン・マイクロシステムズやノベルで経営者として経験を積んだエリック・シュミットが付いていた。しかし残念ながら江副さんには助言者がいなかった。
2021年10月06日
両利きの経営
最終章は、「両利きの経営」WBS入山章栄教授との対談。
「社外の情報はあてにしない」という土屋専務だが、一方で、「社外の情報は書籍などで吟味したうえで、必要ならば三顧の礼で取りに行く」という。入山教授の場合も、『世界標準の経営理論』を読んで「この10年間で読んだ300冊のビジネス書の中で一番すごい」と感激し、会いに行ったそうだ。本書はワークマンの社内推薦図書になっているという。
「両利き」というのは、「知の探索」と「知の深化」両方ができる、ということ。
「社外の情報はあてにしない」という土屋専務だが、一方で、「社外の情報は書籍などで吟味したうえで、必要ならば三顧の礼で取りに行く」という。入山教授の場合も、『世界標準の経営理論』を読んで「この10年間で読んだ300冊のビジネス書の中で一番すごい」と感激し、会いに行ったそうだ。本書はワークマンの社内推薦図書になっているという。
「両利き」というのは、「知の探索」と「知の深化」両方ができる、ということ。
知の探索：自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする
ｘ
知の深化：自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨きこんでいく
ワークマンは典型的な「知の深化」型の会社で、「40年間、作業服だけ。徹底した標準化と合理化で成功」してきた。ここに、三井物産から中途入社した土屋氏が加わる。土屋専務は、「売上100億円 利益10億円のビジネスならすぐにつくれる」と豪語する、「知の探索」型の人間だ。
この組み合わせが、ワークマンプラスのヒットにつながる。
この組み合わせが、ワークマンプラスのヒットにつながる。
259：ワークマン入社後最初に始めたのは、社員向けのエクセル教育
新業態を運営するには、これまでの経験が活用できない→データ経営を行うためのインフラ→データを使って自分で考える癖
＊AIでは相関関係はわかるが、因果関係が分からない→仮説検証
「しない」と決める
パートの募集広告に「社内行事はありません」というキャッチコピーをつけたら応募数が4倍になった。
280：スタープレーヤーを不要にする「凡人による凡人の経営」
凡人による凡人の経営でないと、100年の競争優位は築けない。
社員全員が経営に参画する。エクセルを使って草の根で意思決定。
頑張ることは会社にとって望ましくない。
入社した2011年の社員平均年収は500万円台→現在700万円台→今後1000万円
それまで役員を増やさない、役員報酬を上げない。
2021年10月05日
エクセル経営
ワークマン「しない経営」を一方で支えているのがExcel経営。「しない経営」の目指すところは、「自分の頭で考える社員を育てる」ことだが、そのツールがExcel経営だ。
60：自社の強み→ブルーオーシャン市場を発見する
・製品力（差別化された製品）
・顧客関係力（固定客の囲い込み）
・運営力（現場の改善力、低コスト運営）
175：エクセル経営→企業風土を変えることが最終目的（全員参加で！）
� 屮┘�セル経営」を経営計画に入れる（経営側の本気度を示す）
�▲如璽審萢儷軌蕕鯀瓩瓩忙呂瓩襦癖�析ソフトを全員が業務に活用できると成果が出る）
��データ分析チームをつくる（業務精通者をチームリーダーに）
�ぅ如璽進�析チームの成果をほめる（社内表彰）
�ァ屮┘�セル経営」の制約条件を取り除く（分析すると阻害要因がわかる）
�Ψ弍勅圓皀如璽審萢僂靴堂�革推進（改革が次の成長力につながる）
238：冗員ゼロ宣言
中下位8割の活性化
・得意分野の仕事をやってもらう
・得意分野がない場合は得意分野をつくる
・長所をほめて自信を持ってもらう
246：過剰に社外の情報をあてにしない
外部に本当に価値のある情報は少ない。社外の人は本当に価値のある情報は教えない。優先すべきなのは社外ではなく社員。
価値の高い情報を持っている社外有識者に1時間の話を聞くために、1か月くらいの準備をする。
248：何をやるかは経営が、どうやるかは社員が決める
社員のやりたいことをヒアリングする
2021年10月04日
ワークマン式「しない経営」
ワークマン中興の祖、土屋専務による初めての著書。ワークマンについては、昨年、日経BPの本も読んで、その立役者が土屋専務であることを知った。三井物産で次々と新事業を立ち上げた土屋専務が入社して、外の目が加わることで、作業着を機能性アウトドアウェアとして再定義するというアイデアが生まれた。
ワークマンは「しない会社」だという。その目的は、「自分の頭で考える社員を育てる」ことで、事業戦略としては、「SPAによるワークマン＋」業態展開があったが、その前提は「企業風土を変える」ことから始まっている。
はじめに：
◎社員のストレスになることはしない
・残業しない
・仕事の期限を設けない
・ノルマと短期目標を設定しない
◎ワークマンらしくないことはしない
・他社と競争しない
・値引きをしない
・デザインを変えない
・顧客管理をしない
・取引先を変えない
・加盟店は、対面販売をしない
◎価値を生まない無駄なことはしない
・社内行事をしない
・会議を極力しない
・経営幹部は極力出社しない（現場に行く）
・幹部は思い付きでアイデアを口にしない
幹部が思い付きで何かを始めることほど会社にとってマイナスはことはない。
2021年10月03日
野生化にどう向き合うか
本書の結論は、
「ヒト・モノ・カネといった経営資源の流動性が上がっていくと、イノベーションの破壊的な側面が強くなる」
「ヒト・モノ・カネといった経営資源の流動性が上がっていくと、イノベーションの破壊的な側面が強くなる」
「イノベーションを社内で飼いならそうとすることは難しく、イノベーションに伴う社会的なコストも増える」
ということになる。
ということになる。
そして、そのコストを個人が失業という形で負担しているのがアメリカで、所得の二極化は激しくなる。また、企業は、ROIの高い「手近な果実」ばかり取ろうとするので、「いずれたくさんの果実をつける幹の太い基盤技術が生まれなくなる。アメリカが経営資源の流動性を高めても問題なかったのは、莫大な国防予算が基礎研究を支えてきたから」だ。
イノベーションによって代替されてしまったタスクに従事していた人々へのケアは、これまでの日本では、これを企業が負担してきた。だが、これが足かせになって、日本企業の競争力は低下している。高度経済成長期ではないので、労働生産性を上げれば、人は余る可能性が高い。
不況になるたびに、雇用調整助成金を乱発して企業に不要な人員を抱え込ませるのは、イノベーションには逆効果ということになる。「人々を古いタスクにしがみつかせるのではなく、新しいタスクへ向かわせる制度設計」が必要だ。
226：国としての向き合い方
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経営資源の流動性を高めれば、イノベーションは活性化する。
しかし同時に、人々は手近な果実をもぎ始め、いずれたくさんの果実をつける幹の太い基盤技術が生まれなくなる。アメリカが経営資源の流動性を高めても問題なかったのは、莫大な国防予算が基礎研究を支えてきたから。政府にしかできない基盤的な投資（Sussexマッツカート『企業家としての国家』）
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ラディカルなイノベーションが多くなると、破壊される側も出てくる→イノベーションによって代替されてしまったタスクに従事していた人々へのケア
これまでの日本では、これを企業が負担→競争力低下
人々を古いタスクにしがみつかせるのではなく、新しいタスクへ向かわせる制度設計。
��イノベーションとの関係が代替的になるタスクに従事できる人をいかに増やしていくか
✖大学の職業訓練校化
229：組織としての向かい合い方
優秀な人材に選んでもらえるような組織作り
・将来高い収益性が期待できるビジネス
・やりたいことがやれるか
232：個人としての向き合い方
流動性が高くなると、より多くの人が新しいビジネスチャンスを追求しやすくなる。必要な経営資源は集めやすくなるし、もし失敗した時も次の職場を見つけやすくなる。
「汎用性の高いスキル」を身につける必要→非認知能力（コミュニケーション技術、目標に向かって進む力など）
あとがき：イノベーションと幸福
イノベーションの野生化が進むと、短期的には貧富の格差を拡大させる。
イノベーション＝経済的な価値を生み出す新しいモノゴト
ある程度の経済成長は必要←人々が分け合えるパイが増えないと、パイの奪い合い
＊経済的な成長が人間の幸せに直結するわけでない
2021年10月02日
格差はイノベーションの結果なのか
世界的に「所得格差是正」がトレンド。ところが、欧米諸国で起こった「高額所得者への富の集中」は日本では見られないのだという。例えば、アメリカでは「トップ0.1%」の高額所得者への富の集中は長年2%だったものが1980年代から上昇し現在では8%になっており、中間層の所得が伸び悩む中、高額所得者への富の集中が明らかに進んでいる。
ところが、同じ調査で、日本ではトップ0.1%の高額所得者への富の集中は戦後一貫して2%で、これは最近でも変わっていない。1990年代以降日本で起こったのは、「低所得層のさらなる低所得化」であり、これは主に「非正規労働や派遣労働の増加」によってもたらされた。これは、「日本的経営を守った結果」であるといえる。低成長の中で、いざという時に正規社員の雇用を守るために、非正規労働や派遣労働比率をバッファーとして増やしたのだ。
その結果が、先日来見てきたように、アメリカでは平均所得が1990年代以降倍増したのに、日本でほとんど増えてない結果につながっており、同じ「所得格差」と言っても、深刻さはまるで違っている。所得水準の高いアメリカは「所得分配」が問題だろうが、日本では所得を分けあうためのパイ自体が不足しており、これを増やさない限りは「皆で貧しく」と言っているのに過ぎない。
その結果が、先日来見てきたように、アメリカでは平均所得が1990年代以降倍増したのに、日本でほとんど増えてない結果につながっており、同じ「所得格差」と言っても、深刻さはまるで違っている。所得水準の高いアメリカは「所得分配」が問題だろうが、日本では所得を分けあうためのパイ自体が不足しており、これを増やさない限りは「皆で貧しく」と言っているのに過ぎない。
210：格差の拡大の重要な原因はイノベーションにある
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��技術と補完的なタスク👆
213：日本での低所得化（一橋大学 森口千晶）
欧米＝高額所得者への富の集中（2%→1980年代から上昇し8%）
日本＝見られない（トップ0.1%の高額所得者への富の集中は戦後一貫して2%）
219：日本の世代間移動率（親と子の職業の変化）
��1950年代後半から上昇70%→1970年代以降安定
��1960年代以降の日本の移動率は国際的にも高い水準（アメリカより高い）
�Ｉ郎ち悗�拡大してきた1990年代以降も、世代間の閉鎖性が高まっているわけではない
222：カール・ポランニー『大転換』
保護主義や全体主義は、新自由主義的な考え方を推し進めていった結果として生じる。
規制・保護撤廃→自由競争→経済的格差→貧困層が大票田→保護主義・全体主義
�ヾ�得権益者→新しい技術が導入されると代替されてしまう弱者
��経営資源の流動性を高める→収益率上がる→格差拡大→保護主義・全体主義
2021年10月01日
イノベーションのコストを誰が負担するのか
イノベーションにはコストを伴う。一番わかりやすいコストは、研究開発に伴うコストだが、特に、基礎研究はハイリスクで、いつリターンがどういう形でとれるかも分からないため、通常企業は手掛けない。
しかし、長い目で見れば、国家の競争力を左右するため、これを国家予算で賄うというのが多くの先進国のやり方だ。民間企業が中心になってイノベーションを起こしている印象のあるアメリカでも、実は、ほとんどの基礎研究が国家予算、それも世界最大の国防予算を使って行われている。有名なところでは、インターネットもGPSも軍事技術として研究された。
日本は例外的に、基礎研究の一部まで企業が実施してきたので、島津製作所や旭化成の研究者がノーベル賞を受賞するような事態が起こる。民間企業研究者でノーベル賞受賞者数は日本が世界最大ではないか？他の国の受賞者では長年聞いたことがない。
ところが、資本効率を求める資本市場からの圧力で、基礎研究は縮小傾向にある。「イノベーションのコストの多くを企業が負担してきた日本で、イノベーションの野生化が進んでしまうと、基礎研究を行う組織が日本になくなる。『ガチョウ』を殺してしまう」という。
では、どうすればいいのか
191：流動性は高いほど良いのか
資金の流動性は、イノベーションを起こしやすくする一方で、生産性の低い既存企業が生き残りやすくなる。
192：累積的なイノベーションの水準を下げる流動化
サブマーケットを開拓するためのスピンアウト競争が前倒しで行われてしまう。
→「手近な果実」がターゲットにされやすい
198：イノベーションのコスト
プライベートなコスト＝企業がイノベーションを生み出すために支払うコスト
社会的なコスト＝企業がやらないような不確実性が高い研究や基礎的な研究に掛かるコスト＋負の外部性（環境問題、セーフティーネット）
200：基礎研究を誰が負担するのか
アメリカで基礎研究を支えているのは、大学←国防予算（国の研究費予算の半分）
日本では、企業。
203：「破壊によるコスト」を誰が負担するのか
イノベーションによって代替されてしまう仕事に従事している人々→セーフティーネット
アメリカ＝企業が人員の整理を行いやすい社会→企業が新しいビジネスへと転換→長く収益性を高く保てる
