2016年02月
2016年02月29日
村を捨てる学力、育てる学力
暖かな日曜日、香川大学「讃岐ジオパーク構想」シンポジウムへ。大学主催で同シンポジウムを開催するのはこれで5回目。過去2回は主催者側としてパネルディスカッションの司会や資料作りで直接携わった思い出深いイベントだ。冒頭の吉田副学長からの挨拶で、私が2年前に書いた『ジオパークの経済効果』が大学の研究成果として紹介されたが、本人が既に退職済みなのはご存じなかった。
今年の基調講演は、兵庫県豊岡市長・中貝宗治氏による「世界ジオパークによる地方創生」。豊岡には、ユネスコ世界ジオパークの一つである「山陰海岸ジオパーク」の推進協議会事務局があり、中貝市長はその会長でもある。
豊岡市がジオパークを活用して、いかに地方創生に取り組んでいるかが紹介されたが。感心したのは、最初に地方創生の定義をしたことである。本blogでも何度も書いたが、「地方創生」は便利な標語で、誰も反対できないが、人それぞれ都合よく解釈しているので、これを使って補助金をせしめてやろうと思っている人たちにとっては真に都合がよい。
中貝市長の定義は、「地方創生＝人口減少対策」と明確であった。問題定義がされなければ、問題解決などおぼつかない。そこで、出てきたのが次の図。豊岡市の年齢性別の移動率だ。
これからわかるのは、大学進学で男女ともに4割程度市外に流出し、その後、卒業とともに21-28%地元に戻るがその差である約3割はほぼ永遠に失われる。女子の方が進学による流出率は多少低いが、一旦出ると男子以上に戻ってこないというのは興味深い。
男：（1-0.442）x 1.282 = 0.715
女：（1-0.392）x 1.215 = 0.737
地元に大学がないのは仕方ないし（兵庫県立大学大学院の「地域資源マネジメント研究科」はある）、今さら作ることは考えてないということだが、そうすると、どうやって卒業後のUターン率を上げるかという話になる。
ここで活かしているのがジオパークで、ジオパークは地元を知る活動であるからだ。そして、その仕組みが世界的であるので、世界とつながれる。地元は世界から評価されている素晴らしい場所であるという意識を子供の頃から作ることでUターン率を上げようとしている。
私は読んだことがないのだが、東井義雄（1912年〜1991年）の『村を育てる学力』（明治図書、1957年）という本に「村を育てる学力」「村を捨てる学力」というコンセプトがあるらしい。中貝市長はこの本を引いて、ジオパークは「村を捨てる学力」なのだということだ。では、「村を捨てる学力」とは、東京中心の考えを植え付け、村の担い手を奪う学力ということになるのかもしれない。
38:進学指導・就職指導によって、たしかに村の子どもの学力は伸びるだろう。農村人口の都市へ移行も必然的な動向であろう。しかし、村の子どもが、村には見切りをつけて、都市の空に希望を描いて学ぶ、というのでは、あまりにみじめすぎる、と思うのだ。そういう学習も成り立つではあろうが、それによって育てられる学力は、出発点からして「村を捨てる学力」になってしまうではないか。
ただ私は、何とかして、学習の基盤に、この国土や社会に対する「愛」を据えつけておきたいと思うのだ。「村を捨てる学力」ではなく「村を育てる学力」が育てたいのだ。みじめな村をさえも見捨てず、愛し、育て得るような、主体性をもった学力なら、進学や就職だってのり越えるだろうし、たとえ失敗したところで、一生をだいなしにするような生き方はしないだろうし、村におれば村で、町におれば町で、その生れがいを発揮してくれるにちがいない、と思うのだ。
2016年02月28日
どうにかなる
よく、「不明瞭である」「何を言っているのかわからない」と言われる日本人の言葉。これは、同調圧力の強い日本組織の中で、「波風を立てたくない→自分の意見を明確にしたくない→曖昧に言う」ということなのだろうと思っている。
その不明解な日本語の例を挙げて解説した本。そもそも、国号の「日本」が、本来の「倭」では外国人に分かりにくいからと、本来枕詞にすぎなかった「ひのもと」の方が国名になったというのだから、徹底している。しかも、いつだれが決めたと言うものでなく、「いつの間にか」そうなっていた。
著者の結論は、「日本語は、なせばなる、どうにかなる。」
「日本人、日本語は曖昧だとよく言われますが、曖昧というより『どうにかなる』と楽観している」
なるほど、そうかもしれない。それが良くも悪くも国民性。
76:日本人の話は忠実に書き起こしてみると大抵は意味不明である。そのほとんどが「そうですね」「そうなんですよ」「そう、そう」などの相槌だし、話すにしても「○○じゃないかと」「○○とか」「○○みたいな」という具合に発言が終わる。106:「社会」という言葉は「society」などの翻訳語。明治時代に翻訳語としてつくられ、明治10年代以降盛んに使われるようになったらしい。234:「バカ」の語源は梵語の「moha」と「mahallaka」だというのが定説となっている。・梵語の愚者の意の語を、漢字で表音的に表記したものを、日本で、ボカ・マカラ・バッカラカなどと読み、さらにこれを略音したり、訛音したものが、バカの語を生じた。もと、僧侶が隠語としていたものから出たという説が最も妥当で、梵語から直接きたものではない。（『古語大辞典』小学館）242:「日本」という漢字自体も実は意味がよく分かっていない・「日本」とは、国号である「倭」と言うのではなく、その前に「日本（ひのもの）」という枕詞を付けていたが、その枕詞のほうが外国人にわかりやすいので、「倭」をやめて「日本」をそのまま国号にした（井乃香樹『日本国号論』建設社s18）255:言葉の意味は不明確にして不明解。不明解だからこそ話すのです。「話す」は「放す」で、解き放すことですから。そして意味が「なす」ものだとすると、漢語から文字や語法まで取り入れ、さらには次々と諸国語をカタカナで自分のものにしていく日本語は、なせばなる、どうにかなる。という言語なのかもしれません。あえていうならそれこそが日本語全体の意味。
2016年02月27日
知的巨人たちの晩年
長年、大学医学部教授として勤めた精神科医が、定年退職後の「生き方」の参考にしようと古今東西の知的巨人たちの晩年を調べた。誰でも知っている偉人の「晩年」に焦点を当てたところが、今の世の中にピッタリだ。
そこから導き出された元気に晩年を過ごすためのコツは、「歩く」こと。元気だから歩くのでなく、歩いていたから元気で、晩年になっても現役で業績を残せた人が多い。その典型は伊能忠敬で、学問を始めたのは隠居した50歳からで、56-72歳の16年間で全国の測量のため35,000kmを歩いたという。歩くことで、脳内ドーパミンが分泌され、「頭が冴えた」状態になる。
心配なのは、都会よりも、田舎の老人たち。免許を取って50年間、ほとんど歩いたことがないという人も多い。当然、より老化は進み、高齢運転者による事故が増えている。昔はほとんど聞かなかった「高速道路の逆走」も今や日常茶飯事。その7割が65歳以上のドライバーによるものだという。
4:生きていることに価値を見出している人は老いこんだりはしない・伊能忠敬 50歳で隠居→学問の面白さ「知的生活」・1800-1816（56-72歳） 16年間で歩いた距離35,000km（4000万歩）・歩くことで血行促進→脳に大量の酸素→活性化→集中力・思考力・記憶力34:超人的な体力を持っていたわけでも、天才だったわけでもなく、私たちと同様に病気もすれば家庭的な悩みもあった普通の人間・根気はあった「根気のよきこと、人として及ぶものなし」（渋川景佑）・朝早くから夜遅くまで、本を読んでいてあくびもしたことがない65:アインシュタインもまた歩きながら考えごとをする習慣があった・あるタクシーの運転手はアインシュタインの通勤用に雇われていたのだが、アインシュタインを乗せて走るのではなく、アインシュタインが歩くあとからついてくるように命じられていたという。実際にそのタクシーに乗るのは、思索にふけりながら歩いていき、途中で疲れてしまったときだけだったのである。66:歩くことによって脳幹が刺激されると、そこから脳全体に張り出しているA系神経がしきりとドーパミンを分泌するようになり、とりわけ大脳前頭連合野が覚醒されて、いわゆる「頭が冴えた」状態になる70:少女を好んだ喜劇王チャップリン結婚 チャップリン 相手 結婚年数� �29 16 2�◆ �35 16 2で別居（2人の息子）�� 44 19 8�ぁ �54 18 生涯（8人の子供）
2016年02月26日
GHQによる洗脳
ケント・ギルバート氏の言っていることは、GHQが占領中に行った「洗脳プロパガンダ」に日本の政治家・教育界・マスコミが乗っかり、「精神の奴隷化」が未だに続いている、ということ。
アメリカ人であるギルバート氏がよくここまで調べたと思うが、考えてみれば、一級の資料が残っているのは戦勝国であり、もともと証拠を残す習慣のあるアメリカだ。さらに、モルモン教の宣教師として初来日したギルバート氏の日本語は完璧である。英語学習や留学について述べたインタビューはとても参考になる。
1:日本は最高に住みやすい食・清潔・芸術文化・安全・歴史伝統・自然・秩序3:愛国心に罪悪感19:「愛国心」さえ取り戻せば、日本は名実ともに世界一幸せな国12:強すぎる日本軍を恐れた連合軍→「宮刑」→精神の奴隷化・GHQ洗脳プロパガンダ＝War Gilt Information Program(WGIF)・政治家、教育界、マスコミがこれに乗ったことで「効きすぎた」17:国防をアメリカ一国に依存する危険性・アメリカは自分の国を守ることすらしない他国民を守るために、アメリカの若者に血を流させることはしない。19:南京大虐殺＆従軍慰安婦＝悪質なプロパガンダ・勤労奉仕が目的の「挺身隊」と「慰安婦」を混同・「挺身隊の人数は韓日合わせて20万人で、そのうち韓国人は5-7万人」（ソウル新聞1970/8/14）とされていたのが、いつの間にか、「慰安婦20万人」に・慰安婦の年収は、陸軍大将並みだった（文玉珠 『ビルマ戦線楯師団の「慰安婦」だった私』）・1990年代朝日新聞がNYTと事実を歪曲して報道・これを韓国が政治利用
2016年02月25日
会社で飲み物を出すか出さないか
何年かぶりで光通信を訪問。前回訪問したときは、池袋東口だったが、東日本大震災で建物に損傷があり西口のビルに移ったらしい。
受付には美形の受付嬢が二人。ここまでは普通。おやっと思ったのは、「飲み物が出ない」こと。実は、寒い中自転車で行ったので、暖かいものが飲みたい気分ではあった。
しかし、飲み物が出ないことで、打ち合わせ時間が短くなった気はする。飲み物が出ると、まずは世間話という感じになり、10-15分平気で掛かる。光通信はそういうのんびりした社風ではないので、話は単刀直入に進んでいく。
これはこれでいいと思った。なぜなら、目指しているところと、社風と、実際にやっていることが一致しているから。先日の、『戦略にこそ「戦略」が必要だ』にも通じる。「ブラック企業」という言葉は嫌いなのだが、そうした問題はイメージと内実のギャップがあるところに起きる。「月残業150時間」なんて、コンサルティング業界や投資銀行では普通だが、それが問題になったのを聞いたことがない。最初からそれを覚悟している人しか入社しないからだ。光通信が社員から評判がいいのもそういうことなのだろう。
逆に、飲み物が充実している会社では、ドリンクメニューがあって選べる。私が初めてこれを経験したのは、新入社員の頃、広島で訪問した��研創。創業社長の考えで、30年前には既にあった。当時、それがTV番組でも取り上げられていたので、現在では時々見るこの方式の嚆矢だったのではないか。
一番良くないと思うのは、客に聞かずにお茶なりコーヒーを出すところ。それが丁寧に淹れられたものならなおさらだ。私はどちらも飲めるが、コーヒーを飲まない人はかなり居る。それが、聞かれもせずに、自動的にコーヒーが出るところは数多い。あるいは、営業マンなど、一日に5-10件くらい訪問するのが普通だから、いくらお茶やコーヒーが好きでも毎回飲むわけにいかない。
メニューがあってもなくてもいいと思うが、来客者には「何が欲しいか聞いてから出す」「不要と言われれば、無理に勧めない」のが互いに一番だと思う。
2016年02月24日
中国脅威論は本当か
国内の「二重構造」は、違法移民が低賃金で働くアメリカと似た構造。先日紹介したシェルの最新「シナリオプランニング」でも、2020年以降アメリカと中国の「G2」となり、両国が利益を調整しあう世界を予測している。
以前、上海出身の中国人に、「同じ国内で移住の自由がなく、低賃金で働かせるのは差別ではないか。それで共産主義と言えるのか」と聞いたら、「我々上海人は優秀なので高賃金で当然。彼らは勝手にやってきて働いているのだから仕方ない」という。このあからさまな差別意識に驚いた。彼女は上海の名門大学から東大に交換留学で来た優秀な人である。
大学の入学枠も農民戸籍と都市戸籍では大きく違う。農民戸籍者に与えられる入学枠は少なく、都市戸籍が圧倒的に有利なのだ。さらに、都市出身者の何倍もの努力をして名門大学に入学しても、就職の際にまた差別される。多くの企業は、「都市戸籍者に限る」採用だ。
なぜ、この制度を続けているのか？おそらく、都市農村格差が大きいので、この枠を外してしまうと、雪崩を打って農村から都市へ人口移動が起こるからだと思う。だから、今さら廃止にはできないものの、徐々に運用面での緩和により、不動産バブルを軟着陸させるというのが本書の予測。
その通り、うまく行くのかどうか。こればかりはやってみないとわからないので、両方のシナリオを用意しておくべきだろう。
・2001-13年の12年間で、中国の輸出は約8倍。2012年には米国を抜き、輸出額世界第一位。・中国の強さの理由の一つ：石炭石油より安価な石炭を主エネルギー源にして、工業製品を生産しているので、価格が安い。同じエネルギー量で石炭価格は石油の1/3・都市と農村の「格差」都市戸籍と農民戸籍があり、農民は勝手に都市に移住できない。農民戸籍を持つ9.8億人（国民の7割）が都市で低賃金で働いていることが、中国経済の強み。・マンションブームは終わるが、直ちに不動産バブル崩壊にはつながらない既に都市に流入した3億人余りの農民がマンションを持っておらず、毎年新たに2000万人の農民が流入する。・東南アジアは米国の後ろ盾がなければ、中国の軍門に下る
2016年02月23日
戦略にこそ「戦略」が必要だ
昨晩、早稲田BSで行われた、『戦略にこそ「戦略」が必要だ』セミナーへ。昨年、米国で出版された原書"Your Strategy Needs a Strategy"（HBR）は、戦略タイプ選択のためのメタフレームを提供し、世界中でベストセラーになった。
セッションを聞いて、これまでのモヤモヤがかなりスッキリした。特に、ベンチャー企業経営からすると使えない戦略が多いので、「そういうことか
」と。企業が置かれている環境と、持っている経営資源によって有効な戦略は変わってくるのである。これは、あたかも、習ったことをあれこれ試して失敗することが若い時は重要なのに似ている。STRATEGY PALETTEでは「行動様式ｘ事業環境認識ｘ戦略アプローチ」のマッチングを見るのだが、やってみたら、ピタリと合っていたので、ひとまず安心。
以下、セミナーの紹介文から。本を読むのが楽しみ。
事業戦略には様々な戦略理論があります。環境の機会と脅威を重視したポーターのポジショニング・ビュー、経営資源に着目したリソース・ベースト、市場創造の観点からその双方の融合を目指したブルー・オーシャン戦略等は皆さんもご存じかと思います。それぞれの理論はよく読むと共通部分もありますが確かに違いもあり、どのように使い分けるかに悩むマネジャーは少なくありません。
私たちは「場合による」という言葉を使うときがありますが、戦略も「コンテクスト（文脈・状況）」によって何がふさわしいかが変わってきます。社内にある複数事業のコンテクストが異なる場合、全ての事業に対して同じ戦略アプローチでよいのでしょうか？
2015年6月にBCG（ボストン・コンサルティング・グループ）から米国で出版された「Your Strategy Needs A Strategy（原題）」は、どのような戦略がどのような外部・内部環境下でふさわしいかの具体的な枠組みを５つのパターンに分けて提示してくれる画期的な戦略論です。
2016年02月22日
本質を見極める
これを読んでいて、やはり、当代一の「見抜く力」を持っていたのはJobsだろうと思う。著者の酒巻氏は、キャノンでApple製品を担当していたので（キャノン販売が長らく日本の総代理店であった）、直接Jobsとやり取りしていた。
その時のことは、『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』に出てくる。この本では、「技術戦略に必要な『選択』と『集中』」という話が出てくる。数ある選択肢の中からどの技術を使ってどういった製品を作るかを「選択」し、その開発をタイムリーにやり遂げるためには並外れた「集中」が必要だという。酒巻氏自身は、新製品の開発が始まると3か月間位は家に帰らなかったそうだ。
一方、選択には鋭い先見性が必要で、それは「感性」のある人間にしかできないのだという。両方が高いレベルでできる人は稀で、酒巻氏がこれまでに会った中でそれが出来たのはJobsただ一人ということだ。
・見抜く力（洞察力・見識）は、「深い知識（知恵）」を身につけ、「正しい経験」を積み重ねることで身についていく。・何の仕事であれ、相手の身になって考えるのが基本。「恕」の精神で考え、動けるか。・何か問題が起きた時、過去の経験や蓄積した知識に照らして、類似のケースを見つけ出し、解決に当たる。・商品開発には、先を見る目、時代の変化を見通す力が欠かせない。現時点からだけでなく、過去に遡って、未来を考える。・不確実な時代に必要なのは、ゼネラリストよりも、高い専門性から時代の変化の本質を嗅ぎ分け、時間軸の短い変化に対応できるスペシャリスト。・デジタルの時代は、デザインが製品の価値を左右。美的感覚が重要。基本は、「シンプル・イズ・ベスト」。・うまくいかない時や壁にぶつかった時、自分のやり方に固執せずに、違う道を見つける。そして、どれがより良い道かを見抜く。この二つが、組織を引っ張っていくリーダーの大切な資質。
2016年02月21日
戦争謝罪
日本人の「国連信仰」は付け足し程度だが、もっと本質的なのは「戦争謝罪」の問題。未だに誤解が多いのが、いわゆる、「ドイツは誠実に戦争謝罪したが、日本はしてないからダメだ」という「ドイツ見習え論」。勿論、これは、前半も後半もウソである。
この本でも指摘されているが、ドイツが謝ったのは「ホロコースト」に対してで、戦争に対してではない。今も昔も、戦争行為は国際法上認められているのだから、ルールに則ってやっている以上、負けても謝る必要はない。ドイツはあくまでその立場をとっている。一方、ユダヤ人5-600万人を計画的に殺害した国家犯罪に対して謝罪するのは当然だろう。
戦後西ドイツの復興を担った首相として未だに人気のあるアデナウアーは、1952年12月3日に軍の名誉回復演説を行っている。ついでに言うと、アデナウアーは共産党も非合法化していて、この辺り、おそらく、占領軍に誰が駐在していたかで影響されたものと思われる。
私は本日、本会議場において連邦政府の名において宣言したいと思います。われわれは皆、気高き軍人の伝統の名において、陸・海・空で名誉ある戦いを繰り広げたわが民族のすべての兵士の功績を承認します。われわれは近年のあらゆる誹謗中傷にもかかわらず、ドイツ軍人の名声と偉大な功績がいまなおわが民族のもとで命脈を保ち、今後も生き続けることを確信します。
2016年02月20日
国連信仰
カリフォルニア州弁護士でタレントのケント・ギルバート氏による『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』の「おわりに」で解説されていたのが、日本人の「国連信仰」。何か、日本人は国連が素晴らしい正義の組織だと勘違いしているようなところがある。国連が行っていることなら頭から正しいと信じている。
勿論、国連の果たす役割はあるのだけど、これもあくまで国際政治の一つの仕組みにしか過ぎない 。「国連＝United Nations＝連合国」であり、有識者ならだれでも知っている通り、第二次大戦の戦勝国である「連合国」5か国が、戦勝国を中心とした秩序を維持しようとして作られた。だから、国連憲章には「敵国条約」があり、敗戦国である日本やドイツに対してだけは国連加盟国は安保理の許可なく軍事力行使をすることが認められている。
そんな国連にアメリカに次いで2番目に多くの資金を出している日本はおめでたいとしか言いようがない。既にGDPで日本を抜いた中国は日本の半分しか出してないが、戦勝国として常任理事国である。正確には日本との戦いに勝利したのは中華民国（台湾）なので、中華人民共和国（PRC）が常任理事国に座っているのはおかしいのだが、ニクソン大統領が対ソ連戦略とベトナム戦争終結のためPRCが常任理事国になることを認めてしまったのだ（アルバニア決議）。
終わりに:潘基文事務総長
・国連の主要ポストに韓国人を採用
・世界中で名誉学位を収集して歩き、見事なまでに何も記憶に残らない声明を発表（Newsweek 2010/8/5)
・「日本政府や政治指導者らは、深く自らを反省し、国際社会で未来志向のビジョンを持つことが必要」
2016年02月19日
「シナリオプランニング」のやり方
25年前にMBAで習ったのだけど、その後実践することがなかった「シナリオプランニング」。1960年代に米ランド研究所で開発され、それを最初に採用したのがRoyal Dutch Shellだった。最初の「シナリオ」が社内で発表されたのが1973年で、そこにはその年起こった石油危機が予想されていた。その結果、石油価格が突然5倍になるという事態に対応できたのはシェルだけで、シェルの躍進に大いに役立ったという。
手間がかかるが、年に一度の「戦略合宿」でチーム毎にやってみると面白そう。洞察力が高まれば、日々の「気付き」につながる。作者のコラムにより詳しい。
＊複数の未来を想定し（シナリオプランニング）、適切な戦略を準備すれば、いち早くビジネスチャンスをつかめる！・Outside-inいったん自社のことを脇に置き、客観的に外部環境を分析する。�〔ね茲叛橘未�ら向き合う（外部環境を客観的に捉える）�¬ね茲鮃佑┐觝檗¬ね茣兇痢嵶嚇戞廚鮠紊欧���社会の未充足ニーズ（人々が諦めていること）を探す�な�数の未来を想定し、それぞれの対応策を考えておく・未来を洞察したら、ミクロ環境の変化（自社業界の変化）を理解し、戦略へ結びつける。�仝楜劼砲弔い討瞭胸［呂鮃發瓩�「お客様は、どんな生活をしているのだろう？」という視点から、顧客が実現したい価値を明らかにする。��競合・代替品についての洞察力を高める業界を超えた競合・代替品まで視野に入れ、それらとの差別化を図る。��産業のバリューチェーンについての洞察力を高める事業をどう立ち上げるか、どこを他社と分け合い、どこは自社が押さえるかなど、自社だけでなく産業全体を考える。�ぬ戮韻觧伝箸澆砲弔い討瞭胸［呂鮃發瓩�
2016年02月18日
てっぱい
讃岐と言えば、讃岐うどん。香川県と言えば、「うどん県」だが、他にもいろいろ郷土料理はある。
「骨付き鳥」は近年有名になってきたが、これは居酒屋で食べるもので、家庭料理ではない。餡餅雑煮を知っている人は多くなったが、実際に食べた人は少ないだろう。東京では餡餅の入手が難しい。実家にいたころは、年末に近所で集まって搗いた餅が無くなるまでひと月位は毎朝食べていたので、もっと食べてもいい。
先週末の公民館の集まりで、珍しいものを食べた。それが、「てっぱい」。香川にはため池が多い。面積当たりでは日本一だ。農繁期が終わった後、秋から冬にかけて池の水を抜く。これを「池干し」というのだが、この間に池の修理を行う。
池には鮒が居る。白味噌、砂糖、酢をまぜた調味料に塩もみした大根と細切りにした鮒を和えたものが「てっぱい」。水を抜くのだから、鮒を捕まえるのは簡単だ。タンパク源の乏しかった昔の農村で、鮒は貴重だっただろう。それを食べて、農閑期に体を休める。
今回、随分久しぶりに食べたので、なぜ食べなくなったのだろうと調べてみたら、
・池の干し上げをしなくなった
・海魚が簡単に手に入るようになった
という事情らしい。
基本的に土を盛っただけの堤であった昔は毎年の池の修理が欠かせなかったが、今はコンクリートなどで補強してあるので、この回数が少なくなった。香川用水で吉野川から水が引かれるようになり、ため池の重要性自体が低下して管理もおざなりになっている。
2016年02月17日
オレの家
松山で住宅リフォーム会社「アイランドスケープ」を経営されている永木社長と東京でお会いする。「地方や郊外で、20-30代の住宅一次取得者に中古住宅をリフォーム付きで売る」というコンセプトが明快で、面白かった。地元生活を楽しむ「マイルドヤンキー」層を対象にしている。題して、「オレの家」。
従来、地方や郊外の住宅一次取得者は、新築が多かったと思う。特に、地方においては土地が安いし、親の持っている土地に新築することも多い。その分資金に余裕があるので、住宅ローンを組んで1500万円程度の新築住宅を建てるわけだ。
一方、地方や郊外では人口減少が進んでいるので、住宅は余っている。老齢化して郊外の戸建から、都市部のマンションへ引っ越す例も増えている。木造中古住宅は20年経てば税法上の償却は終わる。良い建物であれば、上記の図のようにゼロということはないと思うが、例えば、建物代500万円にリフォーム代500万円を掛ければ、最新の新築1500万円の仕様にすることは十分可能だろう。
松山で急速に業績を伸ばしているというのにうなずける。
2016年02月16日
二升五号（にしょうごんごう）
5月の陽気だという先週末、三豊市で唯一のゲストハウス「二升五号」さんを訪問。隣町にあると聞きながら、これまで訪問する機会がなかった。ここは地元にUターンした大西正人さんが昨年3月にオープンした。
地方のまちづくりにゲストハウスは欠かせない。交通不便な昔はどんな田舎町にも旅館や木賃宿の一軒や二軒はあった。ところが、交通が便利になると、拠点都市からの日帰りということになる。おかげで高松や丸亀にビジネスホテルが増える一方、田舎町の宿はなくなってしまった。
しかし、少子高齢化に歯止めをかけるべく、「移住者を増やそう」という話になると、まずは何日かでも地元に泊まって体験してもらう必要がある。さらには、移住を決めた後も、どこに住むかを決めるまで数週間掛かる。さらには地元のうどん学校に通う生徒が3か月間泊まったこともあるそうだ。
全国に空き家が多い一方、ゲストハウスがそれほど増えていないのは、田舎ではなかなか家が借りれないから。地元の人がやりたいケースは別だが、そうでないと、他人に貸すのを嫌がる。何年も住んでなくても、仏壇がそのままになっていることもある。「世間体が悪い」という話もある。
全国の「地域活性化」（定義があいまいで本来使いたくないが）の成功例を見ていると、地元で「覚醒」した人と、外の「才能」が結びついた場所ばかりだ。そのカタライザーになっているのは、地方の人脈と都会の仕事のやり方両方知っているUターン組か、あるいは地元でも外で多く仕事をしていた人であることが多い。
後者の例では、馬路村（高知）の東谷さんだろう。馬路村農協の柚子製品売上は30億円を超える。農協職員であった東谷さんは、柚子製品の売り込みに1970年代から全国の物産展を回る。東京の百貨店で仕事を終え宿に帰るのは毎晩10時ごろだったそうだ。しかし、帰り道に見るオフィス街のビルの明かりは消えてない。それを見て、「東京ではこんなに遅くまで多くの人が働いている。高知では夕方から酒を飲んで遊んでいる。よほど努力と工夫しなければ勝てない」と思ったそうだ。その思いが、ポン酢醤油「ゆずの村」開発につながった。
2016年02月15日
四国新幹線
「四国新幹線」といっても、実在するこちらではなく、本物の新幹線を四国にも造ろうという話。実は、瀬戸大橋には当初から、在来線の横に新幹線用のスペースが確保されている。開業以来走ってないので、新幹線線路分の重量の重りを置いて橋を落ち着かせているという。
私は賛成でも反対でもない。要はIRRが高ければやればいいし、リターンが出ずに新たな納税者の負担になるならやるべきではない。IRRが高ければ、リニア中央新幹線のように民間企業が借金してでもやる。四国新幹線の場合はJR四国は単独ではやらないということなので、採算は合わないということだろう。しきりに地元と国の支援を求めている。あとは、経済効果まで含めて、採算が合うかどうかという話だ。
四国経済連合会の中に、「四国の鉄道高速化連絡会」が出来て、そちらでパンフレットを配っている。それによれば、 四国の各県庁所在地を現在の高速網と同じX字型に結ぶケース��が最もEIRR（経済効果を含む内部収益率）が良く4.2%である。これが本当なら、この低金利下、採算が合う。但し、経済効果は前提によって水増しが容易なので、本当かどうか検証が必要。
私の疑問は以下の通り。
１．新幹線がなければ経済発展出来ないのか
この25年間、先進国で一番経済発展したのは米英で、一番ダメだったのが日本とフランス。米英には高速鉄道網はなく、日本とフランスにはある。どうやら、脱工業化社会の中で、新幹線のあるなしは経済発展にそれほど関係ない。高速鉄道の魅力は大勢の人を高速で運べることだが、それだけの需要があるのか、見極めが必要だ。
２．ストロー効果
交通が便利になればより魅力のある地域に人や経済活動が吸い寄せられる不均衡が進むのは、これまで全国で観察されている。交通を便利にすることが本当に地元のためになるのか。四国で京阪神に一番近いのは徳島で一番遠いのが松山だが、経済力も人口も松山が四国で一番伸びていて、徳島は落ちている。
３．財政にさらに負担をかけてまでやる意味があるのか？
JR四国が単独でやる気がない以上、本案は、税金投入が前提になっている。既に先進国最悪の財政状況の中で、人口減少の進む地域に1.5兆円（ケース��）掛けて整備する意味はあるのか。
私ならどうするかと言えば、それほどスピードが必要なら、高速道路の制限速度を上げる。先進国の高速道路は最高速が120-140km/h。日本だって、事実上、110-120km/hで流れているから、これをもう20km/hくらい上げたって何の問題もない。必要投資額はゼロ。
悪影響は多少CO2が増えることだが、それもエコカーの普及で問題なさそう。少なくとも、1.5兆円分のコンクリートと鉄を生産して新幹線を整備するよりは大幅に少ない。
2016年02月14日
ちかえもん
「ちかえもん」とは近松門左衛門の愛称、というのが物語の設定。人形浄瑠璃作家のちかえもんはスランプに陥り、新作が書けない。たまに書いても、全く人気がなくて、芝居小屋は潰れかかる。女房にも逃げられ・・・という情けない中年男が主人公。
先月から始まったNHK木曜時代劇。東京の自宅に戻った時、録画されていたのを見てはまった。近年まれにみる面白さ・・・ってドキュメンタリー以外TVをほとんど見ないからわからないけど。
こうして近松の大ヒット作『曽根崎心中』が誕生した
というお話。本物の人形浄瑠璃も見てみたいね。 2016年02月13日
明治維新とは何だったのか
明治維新（1868)が起こって150年近くになる。長い日本の歴史の中では短いともいえる期間だが、その間の変化はとてつもなく激しかった。300諸侯が自治を行う侍の世の中から、天皇を中心とする中央集権国家となり、アジアで真っ先に近代化を果たした。日清・日露と大国との戦争に勝利したところから道を誤り、一度は焦土と化す。戦後は、アメリカの軍事的保護の下うされる。だから、しっかり歴史を勉強したほうがいいと講演しているのだという。
その筆者の講演をまとめたもの。軽妙なエッセイや、本格的歴史小説で知られるが、「近代史入門」として読みやすい。
7:明治維新とは何だったか。この原動力は一点に尽きます。欧米列強の植民地になってはならないーーこれだけです。56:何百年、何千年とかかって積み上げられてきた言葉の中には、その地方の風土が育んだ独特の気性、気質、性格がこもっています。だから方言が失われると、その土地の気性が失われるんです。言葉は風土の保存装置なのです。58:土地の名前を変えるなど、それ自体が文化の破壊です。数字で番号を振ってしまえばいいというのは、いかにも乱暴で便宜的です。61:日露戦争以降、大正四年（1915年）までの陸軍の常備兵力は、師団の数にして、わずか21個師団でした。（中略）第一次世界大戦が大正七年（1918年）に終わると、軍縮が世界の潮流になって、どこの国でも軍隊を縮小します。その結果、日本では17個師団まで小さくなりました。陸軍の総人数で25万人。これは今の自衛官の総数とほぼ同じ規模です。91:映画『史上最大の作戦』といえば、第二次世界大戦のノルマンディ上陸が舞台ですが、連合軍の数は17万6千人です。満州国境から押し入ってきたソ連軍が160万人もの大兵であったということも、私たちはまず誰も知りません。教えられてもいません。96:しかも世界は、北方領土問題に関して「日本はこんな簡単な話も決着をつけられないのか」という目で見ています。だから竹島問題が起き、尖閣問題が起こるのだと思いますね。「日本は領土意識が甘い」「外交能力がない」と見透かされているのでしょう。144:植民地を作るとき、先兵としてまず派遣されるのがイエズス会の宣教師でした。イエズス会の宣教師が現地へ行き、おびただしい情報を本国に送って、その地域の状況を理解した上で、最終的には植民地にしてしまう。それが常套手段であると、秀吉も家康もわかっていたから、キリシタンを弾圧したわけです。
190:法という概念が人類社会に登場したのは案外新しく、それ以前には何が社会規範になっていたかと言えば礼儀ですね。「礼」が廃れたから「法」を作らざるをえなくなったというのが、人間社会の流れです。だから法が万能というわけでもなくて、現代でも法に先んずる礼式がなくてはいけないんですね。
2016年02月12日
ロンドンで本を読む
正直に言うと、東大卒の友人には「敵わないなー」と言う人が何人かいる。その教養の幅と深さが私とは桁違いなのだ。それも、無理して「教養を身に着けました」という感は全くなく、好奇心の赴くままやっていたら自然とこうなったという感じなのだから嫌になる。ああいうタイプに早稲田では会ったことがない。仕事上は微妙な差なのかもしれないが、やはり「違う」と思わざるを得ない。
ロンドンに留学していた時、同級生にOxfordやCambridge卒が何人かいて、その時感じたのも、この教養の差。同じ試験と面接を受けて数十倍の倍率を潜り抜けて入学しているので、学力上はそれほど差がないはずなのだが、話していて付いていけなかった。
東大卒の作家は沢山いるが、その東大教養主義？の代表と私が思っているのが丸谷才一。エッセイを読んでいてその博覧強記ぶりに驚かされる。東大英文科の卒で、卒論はJames Joyceだったらしい。
その著書に、『ロンドンで本を読む』があるのだが、こちらはまだ読んでなくて、その本についてご本人が書いたエッセイ「本のジャケット」から。イギリスの書評を読むのが好きで、これが40年以上続いているという。
ここに出てくる「調理法＝receipt』の話は、1950年代の話。大英帝国の瓦解が最終段階に入った時期だが、支配階級と労働者階級の言葉は全く違っていた。勿論、今でもイントネーションは明らかに違うのだが、支配階級は今でも調理法のことをreceiptと言い、上着のことをcoatと言うのだろうか？あまり聞いたことがない。
55:イギリス書評がどういうふうに優れているかは、その本の序文に詳しく書いてありますが、まづ分量がたっぷりある。中身が濃い。そして書きっぷりに芸がある。たとへば終わり方にしたって、日本の書評みたいに、「近来の良書と言へよう」とか、「多少の問題はないでもないが一読に値する好著である」とか、そんな詰まらぬことは書かない。
56:こんな注は実際なくてもいいと思えるところに、いくつもの誤りが散見される。アグラはガンジス河畔にはない。ウィンチェスターはロンドン・ポーツマス間の鉄道沿線にはない。(中略）これは重箱の隅をほじくることになるかもしれない。でも、シャーロック・ホームズは何と言っていたかな？「僕の方法はきみも知っての通りだよ。些細なものの観察が基本になっているのさ」（The Economist『オックスフォード版シャーロック・ホームズ全集』の書評)
61: Bevis Hiller 『フロント・カヴァー』の書評
イギリス労働者階級 支配階級
調理法 recipe receipt
上着 jacket coat （コートはover coat）
「ジャケットを着てるのはポテトだけ」
2016年02月11日
第2回まちづくり若者＆地域交流研修
建国記念日の今日は地元で「まちづくり推進隊高瀬」のイベント。本業のある私が参加できるのは主に夜間や休日ですが、3年前の発足以来代表を務めています。
全国の街づくり団体の悩みの一つは参加者が高齢化していることだと思います。高瀬他、三豊市の各まちづくり推進隊の会員も皆60-70代です。これでは本当の街づくりにはならないし、地域の伝統や文化を次世代に「引継ぎ」が出来ない。
そこで、2年前から高瀬では地元の高校生をイベントに招待しています。きっかけは、「私たち街づくりに興味があるんです」と事務所にやってきた高瀬高校の女子高生二人。3年生だった二人はその後県外の大学に進学していきましたが、それが高校生参加のきっかけになったのです。
数名から始まった参加高校生の数も、今回は50名に
さらに今回は香川大学の学生から、学生が直島で運営する和cafeぐぅ、小豆島でいったん閉鎖された喫茶店を学生が復活させたSAKATEプロジェクト、高松が生産量日本一を誇る黒松盆栽をPRするBonsai☆Girls Projectの紹介がありました。後期試験中にも関わらず発表してくれた学生達と引率の古川尚幸先生ありがとうございます
2016年02月10日
マナーはどこまで悪くなるのか
昨晩は「瀬戸内国際芸術祭2016」の総合ディレクターである北川フラムさんの講演がレセプション前に飯倉公館であった。フラムさん（本名
）は、香川大学の客員教授でもあり、大学在職中に何度か講義を聞く機会があった。その際に、「読書リスト」が受講者に渡され、読むように求められる。今回読んだのは、リストの本ではないが、フラムさんが熊本日日新聞に書評を載せていたもの。札幌ススキノに住む探偵のハードボイルド話。認知症になった老婆と、それに付け込んで、キャッシュカードを取り上げ、預金だけでなく年金も取り上げてしまう犯罪組織。振り込め詐欺で老人をだます若者集団。高利貸しに手を出すタクシー運転手。地方都市の悲惨な状況が描かれている。
そちらは読んでいただくとして、面白かったのは、そこかしこに出てくる主人公のマナーに関する意見。おそらく著者本人の見解なのだろうが、共感するところ大。
例えば、電車に乗るとき、上京したての私は「早く都会人のマナーを身につけなくては」と緊張して周囲を観察していた。なるほど、「人が全員降りてから乗らないと、結局乗り降りに時間が掛かる」とか、「出入り口付近に立つと迷惑だから中に詰める」とか、観察して、その背景にある理由を推定して納得した。
それが最近は、降りる前に脇から乗り込む人がいるし、出入り口付近でボーっと突っ立っているのもいるし、一体どうなったのか？と思うことがしばしばだ。歴史を見れば、文明とは発達するばかりでなく、衰え廃ることもあることがわかる。マナーも文明の一部だろうからそうなる可能性は大いにある。
その理由は何だろう？
50:マナーが悪い連中は、本当はマナーが悪いんじゃなくて、頭が悪い
112:我々札幌生まれの人間は、小さな頃、親にびっしり仕込まれたでしょう。バスの乗り方、市電の乗り方、騒いだら叱られ、足を組んで座ったら叱られ、間を空けて座ったら叱られ。乗車口の近くに立っていたら、「他のお客さんの邪魔になる」と叱られて。大声で話したら、「自分の家の茶の間じゃないんだから、静かにしなさい」と叱られて。
276:これから死ぬまで、毎年この時期に、バカみたいな揃いの衣装を着て、暴走族もどきの騒音をまき散らし、我が物顔で騒ぎ回る、バカな田舎どもの珍舞に、世界を汚されるのか、と思うと泣きたくなる
382:塚本と一緒に寿司屋に入るのは恥ずかしい。一度で懲りた。この女は、水のことを「お冷や」と言い、醤油を「ムラサキ」と言い、生姜のことを「ガリ」と言い、お茶のことを「アガリ」と言い、「ごちそうさま」というべき時に「お愛想お願いします」と言うのだ。
522:いまのホームスレは、みんなケータイを持っているさ。今は、そういう時代だ。家賃を滞納しても、電気水道を止められても、住む部屋がなくなっても、子供の給食費を滞納しても、とにかくケータイだけは持ち続けるし、料金を払い続ける。一昨年あたりから、人間は、ケータイがないと生きていけない生き物になり果てたんだ。
2016年02月09日
飯倉公館
「瀬戸内国際芸術祭2016開催記念特別セミナー」とそのレセプションがあり、外務省・飯倉公館へ。外務大臣名で招待状をいただいたのは初めてである。20代の頃から気になっていた飯倉公館。やっと中に入ることができた。
ま、入ってみれば、どうということはない。ご覧のようにレセプション会場は、ホテルと違わない。強いて言えば、日本風の内装となっているくらいか。あとは、駐車場が広いこと。ホテルなら土地の最大活用を目指して絶対に地下駐車場にするところだが、全部平置きなので、建物より駐車場の方が広い。セキュリティも関係しているのかもしれない。
写真で挨拶しているのは今晩のホストである岸田外務大臣。20代のころ2.5年間高松で居たと話していたので、帰ってから調べてみた。
開成→早稲田。なんだ、先輩か。
1982年から5年間、長銀に勤務したようだ。「20代の2.5年間」というのは、おそらく、長銀の高松支店に勤務したのではないか。
2016年02月08日
「走るというより、飛ぶ感じ」
スゴイ車に乗った。これまでトヨタ自動車博物館で見たことはあるが、走っている車に乗ったのは初めて。発売当時のキャッチコピーは「走るというより、飛ぶ感じ」
写真はFB投稿で見ていただくとして、コスモスポーツの概要を改めて整理したい。
・世界初のロータリーエンジン搭載市販車。勿論、メーカーは東洋工業（現在のマツダ）。
・販売されたのは1967-1972年。ホンダがS500、トヨタがS800を発売した後。
・全長4140mm 全幅1595mm 全高1165mm 車両重量940kg。ちなみに、昨年のCar of the Year受賞の同社ロードスターが、それぞれ、3915x1735x1235mmで990kg(ベーシックモデルのS）。
・1968年ニュブルリンクで行われた84時間耐久レースにおいて、ポルシェ、ランチャに次ぐ総合4位という成績。
・販売価格は148万円。当時の若者の憧れであったいすゞの117クーペが172万円、日産スカイライン2000GTが94万円の時代。
・生産台数は1176台
前期型と後期型があり、今回乗ったのは前期型で4MT、ヘッドレスト無し。後期型は5MTで、法制化によりヘッドレストが付いた。1970年代にTV放映された「帰ってきたウルトラマン」では、地球防衛隊MATの「マットビハイクル」として、コスモスポーツが使われた。私がリアルタイムで見たのはこれ。
2016年02月07日
児童相談所は事情聴取の対象でしかなかった
一昨日、『イノセントデイズ』で児童虐待に触れた。全国の児童相談所（児相）が２０１４年度に対応した児童虐待は８万８９３１件で、統計を取り始めた１９９０年度から２４年連続で過去最多を更新している（上図）。
これは、これまで表面化しなかったものが、児童虐待への認識が変わり、表面化してきたせいもあるのだろう。それでも、多すぎる。都道府県別でみると、大阪、神奈川が多い。大阪がワースト１なのは、生活保護世帯が多いことも関係していそうだ。
関係者はどういう取り組みをしているのか気になったところ、丁度、昨日の朝日新聞「フロントランナー」で特集されたのが、高松高検検事長の酒井邦彦さんだった。検察内にプロジェクトチームを立ち上げ、異例の手法で撲滅に挑んでいるという。
例えば、児童相談所との協力。これまで検察は、児相などの行政機関と連携することはほぼなかったと言っていいだろう。
児童虐待事件では、親が逮捕されても、子どものけがが軽いといった理由で不起訴になることがある。しかし、自宅に戻った途端に子どもを暴行し、死なせる例が後を絶たない。こうしたケースを防ぐには、事件の背景や、加害者の過去の虐待なども把握することが必要だ。そこで、起訴するか決める前に、児相や学校に話を聞く「事前協議」を始めた。
処分保留で釈放した場合も児相に連絡。加害者には「処分はあくまで保留。今後はあなた次第」と念押しし、児相の指導をきちんと受けなければ起訴もあると釘を刺す。これまで児相の職員は虐待した親が逮捕後どうなったかさえわからなかったのだから、大きな違いだ。
なぜこうした取り組みを始めたのか。こう答えている。
「長い検事生活で、最も残酷で心痛む犯罪だと思うに至った」
2016年02月06日
「ハイエース」マニア
晴れた冬の日、地元のマナベモータースへ。知る人ぞ知る、ハイエースの改造では日本有数の会社である。
ハイエースは日本を代表する商用車で、このクラスのライバル日産キャラバンと比べても圧倒的に売れている。その比率は85:15らしい（2011)。昔は60:40位の比率だったのが現行モデルが2004年に出てからは圧倒している。
カッコよくて耐久性が高いことから世界中で大人気で、2007年から7年連続自動車盗難被害車ワースト１でもある。
自動車窃盗団が密輸出の手はずをすべて整えたうえで、かねてから目を付けておいたハイエースを狙って一瞬のスキをついて盗み、その日のうちに船に乗せてしまうらしい。マナベモータースでは、ハイエースの福祉車両などへの改装や、各種ドレスアップを行っている。極めつけは、左ハンドルへの改装。「誰が、何のために？」と思ったが、「人と違うハイエースに乗りたい
」というマニアが100万円近くかけてやるのだそうだ。それなら、輸出用の左ハンドル車を逆輸入できないのか？と思ったが、発展途上国向けのものは排ガス規制が違うので日本では走れず、ナンバーが取れないらしい。マナベモータースで改装したものは構造変更登録で車検対応できるということ。
マニアの世界は深い。
2016年02月05日
イノセントデイズ
不幸な生い立ちであった娘が何とか幸せをつかもうとし、それは実現されたかに見えた。その幸せを奪ったのは、一度は娘を捨てた母親だ。母親の妨害で一家は引き裂かれ、転落していく。そんな、不幸な境遇で育った子は、そんなつもりはないのに、引き寄せられるように親に似た人生を歩んでしまう。
それを取り巻く、「普通」の人間たちの心理描写が怖いほど現実味がある。そこにいる、弱い人間、ずるがしこい人間はあなたでもあり、私でもある。つらくて途中で読むのを止めたくなる。でも、引き込まれる展開。
こんな子が身近に居そうで怖い。報道される児童虐待を見ていると、そんな境遇の子が増えているのではないかと心配になる。母親は多くの場合二十歳前後と若い。虐待によって死亡した子供のほとんどは実母によって殺されている。
40:「私、17年も生きていて、一度も生まれてきて良かったと思ったことがないんです。本
当に一度もないんです」ヒカル
43:「私に言えることがあるとすれば、たった一人からでも大きな愛を受けていれば、子どもは道を踏みはずさないということだ。本当に愛し続けられるのか。その覚悟が君にあるのか。大切なのは自信じゃない。覚悟なんだと私は思う」丹下医師
2016年02月04日
医療は輸出産業になる
著者は、八王子で「ホテルのような」病院を経営するドクター。本書が指摘するところは、
・いきすぎた平等主義で「医療崩壊」が進んでいる←財源不足
・医療は35兆円の巨大産業で、構造改革により輸出産業化すれば「日本を救える」
・そのためには、病院の「経営者」が必要
というもの。
この本でも取り上げられているが、かつて、英労働党の元で行われた「ゆりかごから墓場まで」と言われたイギリスの福祉制度は破綻した。最初はありがたいと思っても、すぐに慣れてしまい、「使わなければ損」と思ってしまうのが人間の常である。社会保障費の増大でイギリス経済は疲弊し、財政破たんの危機に陥った。これを立て直したのは1980年に首相に就任したサッチャーだが、それでも、無料の時代が長く続いた医療制度だけは有料化できなかった。結局、NHSのサービスは酷いままで、中間所得層以上は皆高額の民間医療保険を買っている。
日本の医療制度は様々な問題があるものの、全体としては、世界最高水準の医療サービスを先進国最低水準の医療費で提供できている。老人医療費は1973年から10年間無料で、これが続けば日本も危なかったが、2002年以降は1割負担になっている。本来なら、一律の3割負担にすべきだろう。
「国民皆保険の廃止
」と言われればドキッとするが、結局は、「日本で一番お金持ちの年代である高齢者に本来かかっている医療費をもっと負担してもらい、それによって、国民全体の医療水準を守ろう」ということのようだ。25:病院から引き取りを拒否する家族が後を絶たない36:ワンコイン診療で医療費半減500円から受診できる簡易人間ドック5分で採血→血液検査結果をメール→治療法別DVD開業医がいなくなれば、日本の医療費は半減81:国民健康保険の保険料収納率は年々低下し、現在の滞納世帯数は全体の20%+112:いきすぎた平等主義→健全な競争意識を奪う医師�／震面椶農亀全兇龍�い猪突猛進型�◆屮乾奪疋魯鵐鼻廚鯡椹悗控蚕兌團織ぅ���まともに働こうとしないお役人タイプ（公立病院に多い）114:日本の医療にCEOを！日本の医療法人には「社長」がいない（理事長と呼ばせる）民間の医療法人 人件費率50%公立病院（ほとんど赤字） 人件費率70%
150:スウェーデンも深刻な総医療費不足・医師不足、とりわけ専門医の不足。そのため、手術を受けるのに数か月も待たされたり、症状によっては初診までに半年以上も待たされるなど、日本では考えられないような話が常態化。
165:ボランティアで医療は根付かない人は無料で援助されている限り、そこからなにかを学ぼうと思わない。176:カンボジアのような国々が求めているのは、安くて壊れにくくて扱いやすい、シンプルな医療機器194:日本型国民皆保険の前提�．團薀潺奪彪燭凌邑�構成��右肩上がりの経済成長�Ｉ袖い砲覆訖諭福畊睥霄圈砲�少ない
196:病院経営者が経営感覚を持たないのは、彼らが「自分は慈善事業をやっている」「医者は聖職であり、先生であり、ほかの職業と違うのだ」と思っているから。この部分の意識改革がなされないかぎり、どれだけ公金をつぎ込んでも無駄。
2016年02月03日
初めてのロードバイク選び
先週紹介した本の続き。自転車、特にロードバイクが日本でも流行りだして5-10年。私も、「 どんなのから始めればいいか」と時々聞かれる。
そんなときの私の答えは、
「5-10万円位のクロスバイクから始めて、好きだったらその倍くらいの値段のロードバイクを買えばいい」
というもの。5-10万円位のクロスバイクなら、ママチャリとの違いを明らかに実感できる上、ママチャリからの違和感もそれほどない。ロードバイクほど扱いもデリケートでない。それでしばらく走って、「さらに速く、遠くまで走りたい」と思ったら、ロードバイクを検討したらいい。
それも、買ったとたんに3割価値が落ちる新車よりも、中古を買うほうがいい。メンテナンスを考えると、信頼できる自転車屋さんに依頼しておいて、中古の入荷を待てばいい。店の顧客が買い替えるときに買い取ったものを整備して回してもらえる。自転車で一番大事なのはエンジンである自分なので、車両の違いなど初心者レベルでは誤差の範囲内だ。
本書にも出てくるのだが、「クルマからドロップアウトしてきたおじさんなんかが50万円以上する高級ロードバイクをポンと買ったりする。それはいいのだが、現実的な話をすると、自転車は自転車である」(p50)
つまり、クルマはおカネさえ出せば早い車は手に入れられる。テクニックは別にして、アクセルさせ踏めばスピードは出せる。だが、「ロードバイクで最も重要なパーツは、人間というエンジン」(同書)なので、どうやったって自転車はクルマのように「カネかけたもん勝ち」にはならない。そこが魅力でもある。
こんな「当たり前」のことも分からず、それまで運動習慣のなかった人がいきなり高級車を買うのは「自分はバカです」と言っているにも等しいのでカッコ悪い。販売店の人は高いのが売れるほうが嬉しいから、「この人何もわかっていないな」と心の中で思っていてもそんなことは言ってくれない。
日常生活で「承認欲求」を満たされてない人ほど、このパターンにはまりやすいということだ。仕事で褒められないから、高額品を買って店員からチヤホヤされることでストレス解消しているわけだ。勿論、これは一瞬で終わるので、これが続けば「買物依存症」ということになる。
13:カンパのブレーキは、シマノに比べて効きが甘いと指摘されていた。でもそのおかげでぼくは何度か救われた。カンパのブレーキはロックしにくいのである。その意味で効きが甘いと言われればそうなのだが、そのかわりパニックストップのときもコントローラブルで、緊急の回避が余裕をもってできるのだ。（中略）そのへんの事情も、クルマの世界に似ていた。66:レーシングスーツを着て、フルフェイスのヘルメットをかぶって、そのへんの道路をクルマで走っていたら、おかしいだろう。そんな人はいない。ところが、そんな人があたりまえなのがロードバイクの世界だ。ロードバイク乗りの多くはプロチームのジャージを着て颯爽と走っている。ヘルメットもツール・ド・フランスでプロが使っているのと同じものだ。おカネさえ出せば、自転車もプロチーム用と同じものに乗れる。そうなると、レーシングウェアに身を包み、一般公道をF1マシンで走っているのと一緒である。200:自転車は、上りや平坦路だと人間エンジンのパワー次第である。ところが、重力落下というエンジンが忽然と出現する下り坂では、サルでもスピードが出せる。その状況で、安全にハイスピードが出せるかどうか、今度は自転車次第である。つまりだれが乗っても、イイ自転車というのは、下りでイイのだ。
2016年02月02日
五郎丸と清宮監督
「13人のプロ」の一人が早大ラグビー部でプレーしたのち、サントリーで社員選手の後監督、その後早稲田およびヤマハの監督をした清宮克幸。先のラグビーワールドカップで活躍した五郎丸を早稲田＆ヤマハで指導したのが清宮監督である。
名選手の陰には名指導者ありだと思う。素質を持った者は一定の割合でいるが、その才能が開花するのは、適切な時期に適切な経験を経た者だけだ。そこに、指導者の果たす役割は大きい。
これを読むと、清宮監督にも、高校時代の恩師、吉田隆監督が居た。吉田監督は自主性を重んじ、部員に練習メニューからクラブ運営まで任せたという。そのスタイルが清宮監督のスタイルにもなっている。（しかし、自主性の前提はチームの目標がはっきりしていて選手のモチベーションが高いことだ。サントリーで主将になった当初、これなしに自主性に任せて失敗している）
その清宮監督の元、大学選手権優勝の早稲田とトップリーグ優勝のトヨタが戦った2006年の日本選手権はすごい試合だった。一人当たり平均体重差が15kgもあるプロチームであるトヨタを早稲田が破ったのだ。勿論、キッカーは五郎丸であった。
試合の前日、清宮監督が言った言葉：
「明日のゲームを勝つことこそ、俺たちの存在意義だ。お前たちそう思わないか」
5:彼らは、自分の立場から、仲間が求める責任から、決して逃げなかった。清宮克幸189:「玄関に散らばった靴、切れた蛍光灯がそのままの廊下、乱雑に荷物が置かれた室内。明らかに緊張感や規律が失われていました。そうしたことが戦績に繋がっていたんですよ」2001年 早大監督就任時（早稲田は関東大学対抗戦でも優勝から10年遠ざかり、大学選手権では2年連続2回戦敗退という屈辱）191:「練習は一日２時間とする」一日5時間も6時間も練習していても勝てなかったチーム。彼らに必要なのは集中力と効率。「早稲田が大学選手権で優勝した時だけ歌える『荒ぶる』を歌うことが、どんなに素晴らしい経験か、それを選手に伝えたい」193:「明日のゲームを勝つことこそ、俺たちの存在意義だ。お前たちそう思わないか」2006/2/12 日本選手権 トヨタvs早稲田197:公立でありながら、二度花園に出場した茨田高校ラグビー部吉田監督：自主性 部員に練習メニューからクラブ運営まで任せる。199:「その人生において、学生時代がどれほど大切な時間なのか、当事者は気づかずに過ごしてしまう。しかし、早稲田のラグビー部にいると、特別な時間の中にることを強烈に感じられる。そういった機会が用意されている」早稲田のラグビー部員という連帯感を持ちながら、同時に、熾烈な仲良しクラブとは別世界の火花が散る環境202:1991サントリー主将 練習は仕事の後、1時間のスキル練習（プロ契約なし）走る練習は個人で→「でも、みんな走らなかった」＊自主性の失敗！
2016年02月01日
マンション投資
恥ずかしながら、これまで不動産投資のことを全く分かっていなかった。未公開株投資を生業とし、その延長で上場株も少しは分かる。しかし、マネーは世界中でよりよい投資機会を求めてさまよい、そこには、株式も不動産も、あるいは美術品もワインも、区別はない。
そこで遅ればせながら、不動産投資で先行している後輩に入門書を聞いたところ推薦されたのが本書。10冊以上読んで、これが一番良かったという。実際に、それに従って投資して成功している。
以前から、「なぜこんなにタワーマンションは高いのだろう」と不思議に思っていた。タワーマンションに1億円出すなら、そこそこの戸建も買える。戸建なら土地の価値は大きいから値下がりは少ないはずなのに、実際の値動きは逆になっている。タワーマンションの価値は下がらず、戸建は相対的に下がり続けている。
本書を読んで謎が解けた。外国人がブランド地区のランドマーク的タワーマンションを好むということに加えて、相続税「節税」が最大の要因となっていたのだ。尤も、これだけ「タワマン節税」が有名になると、当局も対策を講じる。既に、チェックを厳しくしているようだ。
１．デフレ→インフレ134:異次元緩和→不動産異次元価格＊黒田総裁任期~2018２．人口増加から減少へ127:郊外は、今後さらに値下がり加速41:持ち家取得は平均で結婚の6年後（既に団塊Jrの住宅取得は終了）３．相続対策需要の増加19:今から30年間続く団塊世代の相続→タワーマンション節税！個人金融資産の2/3を60歳以上が保有＊不動産も加えると、年間50兆円の相続４．資金の出し手の国際化21:東京の不動産価格は割安←収益還元東京23区は2028年まで人口が増え続ける５．不動産評価方法の変化2003〜収益還元法⇔取引事例＊賃料は消費者物価と高い相関性６．新築購入リスクの増加2011〜建築費が高騰→マンション価格高騰（2015年天井）→中古になった時値下り30:施工ミスが発生しやすい状況31:中堅以下の建築会社のCS低下著しい７．自宅購入者の情報力向上32:「住まいサーフィン」17万会員51:買った家に合わせて暮らすのではなく、暮らしに合わせて家を替えていく67:タワーマンション高層階の北向き物件は、中古になった時に値上がりする2006-2011 東京23区 北向き+11% 南向き-1.9%
＊不動産価格は「地ぐらい」で決まるが、賃料はイメージより実用性（都心へのアクセス時間など）で決まる
