2015年05月
2015年05月31日
2015年05月30日
2015年05月29日
おいり
香川の西部（旧丸亀藩）で婚礼に欠かせないお菓子が「おいり」。写真のようにカラフルで、口に含むとフワッと溶ける。餅に砂糖を加え、煎って丸く膨らませる。それに着色してできた餅菓子の一種である。こう書くと簡単そうだが、「もっとも手間が掛かる菓子」らしい。
起源は1587年の、丸亀城主生駒親正公の姫君のお輿入れに際し、郡家（現・丸亀市）の領民が献上したお菓子であったという。嫁「入り」と、餅を「煎る」をかけて「おいり」。
香川でも東部地域（旧高松藩）には無い。西部で育った私には当たり前のものだったが、どうやら独自のものらしい。実は、引き出物で配られる箱入りおいりには、小判型のおいりが2枚入っているのが約束で、こちらが食べごたえがあるので、兄弟が多いと奪い合いになる。
そんなわけで、県外から実家付近まで友人が来たときには、当然の「うどん」に加えて、おいりもお土産に薦めている。軽いので荷物にならないのもよい。勿論、買うのは、地元の「山下おいり本舗」（高瀬）である。
山下さんによれば、1年前にTV「マツコ&有吉の怒り新党」で取り上げられて以来品薄だとか。おかげで、他メーカーのおいりまでバカ売れとのこと。山下おいり本舗のおいりは、全国の三越でも販売しているらしい。知らなかった！
2015年05月28日
淡翁荘
昨年8月に初めて訪問したが、「SIMON DOLL巡回展」で、23体の所蔵人形のうち15体が「出張中」で拝見できなかった四谷シモン人形館（淡翁荘）を、日系ブラジル人研修生たちと再び訪問した。圧巻
淡翁とは、この迎賓館（当初、昭和天皇を迎えるために造った）を造った鎌田勝太郎（現在の鎌田醤油社長の曽祖父）の号。昭和11年の建築で、鉄筋コンクリート壁構造の2階建ての洋館。
登録有形文化財の建物で見る、伝説の人形達。これが500円で見れるとは信じがたい。
2000-2001年に開催された個展「四谷シモン−人形愛」のためにシモンは数点の新作を創った。そのほとんどが常識破りの大きな男の人形で、「髭面やスキンヘッドの裸の大男の人形なんて誰も引き取らないよ」と展示会に関係した私たちは、その後の行き場を心配していた。しかし運命だったのか偶然だったのか四国の地に運ばれ、廃屋となった病院を転用したテンポラリーなギャラリーに2年間ほど展示されたのち、坂出の旧家の別邸に安住の場所を得た。それが、とびっきりの空間なのだ。昭和初期に建てられたというモダン建築は、シモンの作品、そして四谷シモンという人間が漂わせるゴージャスでデカダント、そして少しデンジャラスな雰囲気に実によく似合うのである。（三上満良・宮城県美術館学芸員）
2015年05月27日
草履から出来たブラジルのサンダルHavaianas
昨年に引き続き、日系ブラジル人研修生に、「ブラジルの日系人経営者」について発表してもらった。今回出てきた一人が、赤字続きだったHavaianasを高級ブランドとして再生したAngela Tamiko Hirataさん。
Havaianas(=Hawaians)は元々はブラジル産の低価格ビーチサンダル。R10(=400円)位で売られていたのだという。購買層は主に低所得層。しかし、低価格品は中国などの台頭で、競争がどんどん厳しくなる。
その事業再生を任されたのが平田さん。ハリウッドのスターに履いてもらうPRが当り、高級品として認識されるにいたった。現在の価格帯は、1000-10000円だという。
「ファッションだけの話か？」と質問したところ、これは草履にヒントを得たブラジルでは初めてのサンダルらしい。鼻緒があるのは日本の特徴で、西洋には無かった。鼻緒がある下駄や草履を履くことは、「牛の足だ」と日系人はからかわれたらしい。
当然、履いてみれば、鼻緒がある方が、履きやすく、長く履いてもサンダルの紐で足の甲が擦れることも少ない。サンダル表面の凸凹も、草履の名残なのだという。
2015年05月26日
Bonsai: more of an art than technique
今回のJICA日系人研修には、盆栽の見学も入れてみた。通常は、午前中講義、午後会社見学だが、午前中に鬼無植木盆栽センターで月に3回開催されるセリ市見学のため、朝から出かけた。
会場に並べられた植木や盆栽は、会場面積の半分ほど。盆栽のシーズンは秋から春で、既に初夏の5月はオフシーズンなのだそうだ。
競りに参加するには組合員になる必要があるが、ここの組合は非常にオープンで、身分証明書と証拠金を預ければ、誰でもなれるという。そのため、盆栽農家やブローカーに加えて、愛好家も加わっているそうだ。
セリを30分ほど見た後、松田清松園へ。ここは前職で知り合ったバイオベンチャー研究者の実家で、三男の三男さん（そのまんま！）が後を継いでいる。彼によれば、「盆栽屋の息子に生まれても、盆栽屋に必要なセンスがあるとは限らない。技術は学べても、それぞれの木をどういう盆栽にしていくかという美的センスがなければ務まらない」とのこと。
驚いたのは、売上の9割が輸出だということ。確か10年前に聞いたときは半分だったと思うが・・・。国内市場が縮小する一方、輸出市場は好調だという。但し、相手国によって規制が違い、輸出できる木の種類が決まっているうえ、「一般土壌と隔離して育てなければならない」だとか、「ネットの中で育てられなければならない」とか言うことが違うらしい（検疫対策）。
例えば、米国向けは松くい虫防止のためネットの中で育てられている。地面から50cm以上上げて育てられているのは、米国向けもEU向けも同じ。台湾向けにはそのような規制は無いらしく、国内向けと同じく、路地で育てられていた。
この10年で大きく変わったのは、物流だという。それまでは根に土がなければ長い輸送には耐えられないと思われていたので、土を付けたまま特殊包装で輸出していた。そのため、輸送コストが高く、市場は限られた。
現在では、土を全部落として、ミズゴケなどで根を巻いて、コンテナに入れて運ぶのだそうだ。コンテナの値段は安く安定している。沢山入れれば一本当たりの輸送費は驚くほど安い。先日はエアコン付のコンテナでロシアまで出し、2か月後に着いたのだが、木には問題なかったという。
2015年05月25日
REXXAM
今回のJICA日系人研修で初めて訪問したのが、�螢譽�ザム。現在、県営球場は「レクザム・スタジアム」となっている。本社は大阪だが、
本業のマイコンボードはエアコンや洗濯機、炊飯器など多くの家電製品に使われている。自社ブランドの電子機器の開発にも積極的で、その中から眼屈折度計測装置のヒットも生まれた。
不思議なのは、それ以外にも、自動車部品やスキーブーツ（REXXAM）、地ビール（香川ブルワリー）など、顧客も技術も大きく違うと思われる分野に進出し、それを何十年と続けていること。本業とシナジーの無い多角化は、経営学的にはタブーである。
「それは、トップダウンで始まったのか、それともボトムアップで社員の意見で始まったのか？」と住田副社長に聞いてみたところ、トップダウンということ。
今回は研修生のための工場見学が主目的だったので、これ以上突っ込めなかったが、独自経営の不思議な会社。売上500億円、従業員1000人。
2015年05月24日
讃岐の天才発明家
江戸時代、讃岐（香川）出身の発明家と言えば、エレキテルの平賀源内が有名だが、実はもっとすごい人が居た。それが、久米通賢。今回のJICA日系人研修で塩業資料館（坂出）を訪れ、これまで「塩田を開いた人」としか知らなかった久米通賢が、実は、製塩技術に革新をもたらせた人物であることが分かった。
それまでの製塩方法は、「揚浜式塩田」であった。海水を汲み上げ、人力で砂を敷いた塩田に撒く。重い海水を均等に撒くには習熟が必要で、重労働だ。これに対して、通賢の発明した「入浜式塩田」は、潮の干満を利用して海水を引き入れ、砂の毛細管現象によって海水を引き揚げるというもの。労力は大幅に低減され、生産性が上がった。
これにより、讃岐は全国の塩の1/3を生産するようになった。「讃岐三白」といえば、塩と砂糖と綿の事である。
通賢は他にも、自作の測量器で地図を製作している。その精度は、同時期に作られた伊能図よりも優れていたという。しかし、生涯を讃岐で暮らした通賢は、地元以外では知られることは少なかった。
2002年秋、坂出市内の老舗 油会社の蔵から、一枚の地図が発見された。江戸時代、それも伊能忠敬よりも以前に作成され、伊能よりも精度の高い機器を使った香川県最古の実測地図である。その地図を作成したのが久米栄左衛門通賢であった。これにより通賢は「坂出塩田の父」としてだけではなく、天才的な天文学者、博学な科学者として多くの人に知られるようになった。（『さぬき野』No.7 2004）
2015年05月23日
豊島千軒、石工千人
先週末、久しぶりに豊島（てしま）へ。高松から直行便（船）の多い、直島や小豆島と違い、豊島に行くのは少々面倒くさい。今回は、ジオサイト探究のメンバーと豊島の「大地の遺産」を探して訪問。
現在では豊島美術館（必見！）、その前は大規模な産業廃棄物の不法投棄事件で有名になった豊島だが、さらに昔は「豊島石」の産地として有名であった。輸入石との競合、生活様式の変化から豊島石への需要は激減し、採石は無くなった。数件の加工場が灯篭などの修繕を細々とおこなっているのみとなった。
豊島は、小豆島と直島の間にある周囲約20kmの島です。標高339.8mの壇山の中腹から産出する火山礫凝灰岩は「豊島石」と呼ばれ、その独特の色調や加工しやすい石材であることから、室町時代から石造物に利用され、江戸時代には瀬戸内を代表する「讃州豊島石」として、桂離宮等の庭園の灯篭などに利用されました。また、火に強いという特徴から井筒・火炉・かけいなどに広く利用されてきました。明治時代以降、庵治石などの花崗岩系の石材が主流を占めるようになり、また生活様式の変化から豊島石の一般需要も激減しました。（香川大学工学部 長谷川研究室）
かっては、「豊島千軒、石工千人」と言われたという。豊島には1000件の家があり、主人の殆どは石工だという意味だ。現在では、数件が残るに過ぎない。
2015年05月22日
18分の法則
反省ないところに進歩なし、ということですね。それも、日中に小さな軌道修正を組み込んだ方がいい。1日の初めにその日の予定を組み立て、1日の終わりに振り返る。
*時間管理で必要なのは、やらないことを決めること・何もかもやろうとせず、1年を通じて集中するテーマを5つに絞る（仕事関連３＋個人２）・テーマを絞ったら、テーマごとに具体的に行うべきことを記す「やることリスト」を作成する・やることリストを作成したら「予定表」に書き込んでスケジュールを立てる。その際、項目に優先順位をつける。・やることリストに3日間手つかずのものが残っていれば、次のいずれかの処理をする。�…召舛房孫圓垢襦↓⇒縦衂修冒箸濆�む、��そのままにしておく、�ぁ屬い弔瞭�か/もしかしたら」リストに移す。・時計のアラームが1時間ごとになるようにして、時報ごとに1分間手を休め、それまでの1時間の過ごし方を振り返る。そうすれば冷静さを保ち、より多くの成果を上げられる。・1日の終わりに5分程度、その日何が上手くいき、何が上手くいかなかったのかを考える。
・「18分の日課」を実行する。朝5分でやることリストを見てプランを立て、昼間は1時間ごとに1分仕事を振り返り、夜は5分で1日を振り返る。これを続ければやるべきことをこなせるようになる。
2015年05月21日
屋台を引くのがビジネスの原点
今回のJICA日系人研修では、前回に引き続き、「ブラジルで日本の麺ビジネスを行う事業計画書」提出を2週間を通じたテーマにしている。稲盛和夫さんも、著書で、優秀な経営幹部を育てるには「夜泣きうどんの屋台を引かせるのが一番」と言っている。
小さな規模で、事業コンセプト、マーケティング、設備投資、品質管理、サービスなど事業全体を考えて実行し、しかも、その結果がすぐ出る商売は経営感覚を磨くのに最適だ。京セラで本当にそういう研修があるのかどうか知らないが、少なくとも、考えさせてみる価値はある。こうしたテーマを与えることで、2週間の間講義で学ぶ理論や知識が、統合された意味のある智慧となる。
本件を実施するにあたって、小型麺機製造及び麺専門店経営学校で日本一（＝世界一）の大和製作所の協力を得て、うどん作りと事業計画づくりの基本を習った。その模様は当日地元TV局のニュースで流れた。
2015年05月20日
必ず「頭角を現す社員」
これだけ読むと、一昔前の「モーレツ社員」のようだが、一方で「残業はしない」という側面もある。これだけ朝から全速力で一日仕事をすれば、「残業などできない」というのが本当の所だし、効率的・効果的な仕事のやり方なのだろう。
「決断」をしなくて済むように、「判断」を重ねる、というのが面白い。問題が小さなうちに「判断」して処理していれば、問題は大きくならない。大抵は「判断」を面倒くさがるうちに、問題が大きくなってしまい、結果としてリスクの高い「決断」を迫られる。
幹部に抜擢される社員は、他の社員とどこが違うのか？「頭角を現す社員」の考え方、仕事への取り組み方。・私心を排し、会社の歯車の一つとして完璧に役割を全うする。その結果、「自分が会社を支えている」という意識が生まれ、どんな状況でも突破口を切り開けるようになる。・仕事は絶え間なく続くものであると認識しており、どこかの段階で一息つくようなことはしない。・問題が小さなうちに判断し、解決する。こうした「小さな判断」を積み重ねることで、リスクの高い決断が必要な事態を招かずに済む。・結果が出なければ、何もしなかったのと同じ。こう考え、やるべきことは徹底してやり、成功するまで継続する。・無理難題を突き付けられても、その仕事を断らない。断らないことを前提にすれば、思考は常に「どうすればできるか」と考えるところから始まり、それが結果につながる。・「プロの自覚」を持っており、常に結果を出すことを求められ、常に結果で評価されるということを理解している。・集中力を発揮するため「朝方生活」を取り入れている。・限られた時間の中で仕事をきちんと仕上げるため、仕事の効率を上げ、一つの仕事にかかる時間を短くしている。
・部下に好かれようとせず、無理難題を押し付け、常に挑戦して結果を出す。こうして無理を言うことで部下は育つ。そして、結果を出すことで、部下から尊敬される。
2015年05月19日
タテ社会の人間関係
初版は1967年。「タテ社会」という言葉をつくったのは、この本である。これだけ生活様式が変化した今でも、タテ社会の特徴が色濃く残っていることに驚く。
本書で指摘されている通り、タテ社会は近代化には強いが、多様性がないため、キャッチアップが終わった後は難しくなる。本来なら、近代化が終了し、まだ少子高齢化が現実化する前の1980年代に社会構造を変えるべきだったのだろう。実際は、その資源をバブル発生とその崩壊に使ってしまった。
＊現代の日本社会を、社会人類学的立場に立って分析すると、どのような解釈が成り立ち、それをどのような理論構成にもっていくことができるか。＝日本の「社会構造」26:社会集団の構成の要因における2つの原理「資格」と「場」資格＝社会的個人の一定の属性（氏・素性・学歴・地位・職業など）場＝一定の地域とか所属機関などのように、資格の相違を問わず、一定の枠によって一定の個人が集団を構成29:日本社会は「場」を強調職名よりも会社名会社は、多くの場合、自己の社会的存在のすべてであり、全生命のよりどころというようなエモーショナルな要素が濃厚。会社は株主のものではなく、われわれのものという論法がここにある。63:外国在住日本人コミュニティの特異性その構成員の大部分が近代的な仕事に従事している代表的日本のインテリにもかかわらず、昔の日本農村の部落によく見られた特殊性がいかんなく発揮されている。（中略）所属機関の日本社会における評価に従った格付けや、滞在期間の長短によって、成員間に一定の格付けが出来ていること、いろいろなことがその寄り合いできめられること、その集団の常識を超えるような行動を個人がとった場合、強い道徳的批判がグループから出されること、個人の生活にお互いが異常なほどの興味を持ち、好きでも、いがみ合っていても、みなつねに接触していること。100:日本人の好む民主主義「人間平等主義」西欧の伝統的な民主主義とは質的に異なる。「能力差」を認めようとしない。日本人は、たとえ、貧乏人でも、成功しない者でも、教育の無い者でも（同等の能力を持っているということを前提としているから）、そうでない者と同等に扱われる権利があると信じこんでいる。128:日本人がめざましい近代化をやりとげることができた一因は、この「タテ」につながるXの構造を100%生かして使った、ということ。この組織構造の長所は、リーダーから末端成員までの伝達が、非常に迅速に行われるということ、そして、動員力に富んでいるということである。142:日本社会における輝かしいリーダーというものは、そのリーダー個人の力によって集団を形成しているのではなく、もともと他の集団との力関係において優勢であった集団に、比較的有能な個人がタイミングに恵まれて出てきた、というもの。つまり、リーダー個人の力よりも、内外の条件にささえられている。（中略）日本の場合、極端に言えば、リーダーは集団の一部にすぎない。
177:この日本人の習性が最も大きくあらわれるのは、学会や研究会である。若い学者が先輩の学者に対して堂々と反論できない事である。（中略）客観的に見ると、学者にあっても真理の追究より、人間関係のリチュアルのほうが優先している、といわざるをえない。
2015年05月18日
どうすればブレずに成功できるのか？
筆者はHBSの准教授で、交渉術・組織・市場ユニットを教えているという。重要な意思決定の「チェックリスト」として活用できそう。
稲盛和夫は第二電電（現KDDI）創業にあたって、「動機善なりや、私心なかりしか」と自問自答を繰り返したという。これも「判断基準」の例だろう。
＊人は往々にして当初の決定から脱線し、成功を逃してしまう。意思決定に潜む落とし穴とは。どうすれば、ブレずに成功できるのか。１．自己認識の「歪み」を自覚する人は自分を課題に認識し、他者の助言を無視することがある。２．感情の「体温」を測る感情に流されると判断を誤る。意思決定の際は、自分の感情の状態についてよく考える。３．ズームアウトして「視野」を広くとる視野の狭さが、決定を脱線させる。意思決定時は一方下がって全体像を見る。４．相手の「視点」にスイッチする癖をつけるビジネスでは他者の視点も重要である。他者が関わる意思決定をする場面では、他者の視点でその決定を念入りに分析する。５．社会的な「つながり」の影響力を把握する友情や親密さが、意思決定を悪い方へ向かわせていないか。６．自分の「評価基準」を問い直す自分が行った意思決定の動機について考え、その決定に誤りがないかを確認する。７．情報とその「出所」を多面的に確認する他者を評価するとき、的外れな情報を使い判断を誤ることがある。８．選択肢の「型」を見破る選択肢や課題のフレーミング（型）に、意思決定は影響される。フレーミングの仕方に注意を払えば、計画や目標を達成する可能性が高まる。９．状況の力から自分の「基準」を守る仕事でも私生活でも、正邪の境界がぼやけてしまうことは多い。高い倫理基準を保つ最善の方法は、その基準を頭の中でいつも明確に保ち、それに徹すること。
2015年05月17日
50歳からの人生を「黄金期」として開花させる
昔のインドには哲学的な人が多くいて、子育てが終わると、家を捨てて森に入り思考の日々を過ごす人が居た。これが、「林住期」。
20代前半で結婚していた時代は50歳までに子供たちは成人し、子育ての責任は終わる。しかし、現代の日本ではこれが10年ほど後ろ倒しになっているから、60歳頃まで子育てが終わらない。人によっては「学生期」が30歳頃まで続く人も多い。
私も後5年は続きそうだ。
＊後半生は、下り坂でなく、人生のピーク。 50歳からの人生を「黄金期」として開花させるための生き方。・古代インドには、人生を「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」の4つの時期に分ける「四住期」という考え方があった。人生を100年とすると、林住期は50-75歳の時期にあたる。・人間は生きるために働く。よりよく生きるためには、50歳になったら一区切りをつける。林住期を人生の黄金期と決め、生活のためでなく生きるようにする。・林住期は、自分が本当にやりたいことを自問する時期でもある。そうした問いかけをする際は、会社、家庭、人間関係と言った「居場所」を変えるのも一つの方法。・林住期は、人生の再出発ではない。これまで蓄えた体力、キャリア、能力等、豊かな財産の全てを土台にした、人生におけるジャンプである。・国家や社会への貢献は、社会に暮らすものの義務だ。しかし、十分にその義務を果たし終えた林住期の人は、他人や組織のためでなく、自分のために遺された時間を過ごすべき。・林住期の生き方は、「必要」から遠く離れること。何をするにしても「興味」本位でやる。家住期の仕事は金を稼ぐためのものだが、報酬を求めないのが林住期の仕事。・人は普段死を意識しない。穏やかな死を迎えるには、50歳になったころから、死について真剣に考える必要がある。
・寿命は延びたが、肉体的には50歳を境に不具合が出やすい。まともに生きるという意味では、今も人生50年だ。その後は「オマケの人生」と考え、自由に生きる。
2015年05月16日
観音寺の能舞台付茶寮
地元の元経営者Mさんは食べることが好きで、県内の飲食店をほぼ制覇している。そのMさんが、「高瀬でしたら、久しぶりに観音寺の店に行ってみますか」と連れて行ってくれたのが、雅之里。「なんでこんな場所に？」と思う、琴弾公園の奥にあり、普段交通は全くない。聞けば、元々国鉄の保養所だったということ。民営化にあたり売り出されることになり、当時観音寺市長だった加藤義和（加ト吉創業者）から紹介を受け土地を購入し、造成、造園、新築したのだという。
大阪で生まれ婦人服のデザイナーだったというオーナーの谷端慶子さんは御年81歳。55歳で会社経営を辞め、香川に移住した。
余りに目立たない場所にあるので、宣伝は一切お断りかと思い、当初、写真も控えていたのだが、写真は撮っていいということでパチリ。2年前に利用された方が店内の様子をかなり詳しく書かれているので、そちらのリンクを見ていただきたい。
2015年05月15日
英老舗ロンドン・ビジネス・スクール、米の牙城に一穴
既に読まれた方も多いと思いますが、昨日の日経新聞に母校LBSの記事が出ていました
経営学修士号（ＭＢＡ）の取得を目的としたビジネススクールで、英国の老舗ロンドン・ビジネス・スクール（ＬＢＳ）が高い評価を得ている。老舗ブランドに甘んじることなく、絶えず新機軸を打ち出してきたことが人気の秘訣だ。時代に沿った改革を通して世界中の学生にアピールし、ビジネススクールの世界ランキングでも米国勢が幅を利かせる中で上位を保っている。
記事の基になっているのは、以前にも紹介した、Financial Times紙のMBA世界ランキングです（表）。同ランキングは、教育や研究に関する学校へのインタビュー、卒業生の調査（授業の満足度、希望の仕事に付けたか、卒業後3年間の年収など）によって出されています。
欧米では誰でも知っていますが、日本ではなかなか上がらない知名度。LBSの記事が日本の主要メディアにこれだけの大きさで出たのは初めてなので、今後に期待したいです。最終的には、卒業生の活躍が学校の評判を決めるわけですが。
2015年05月14日
GO WILD
人類は農業を営むことで安定的な食料の確保に成功し、人口が爆発した。他に食物を「栽培」する動物はおらず、人類の特徴である。しかし、その一方で、穀物（＝炭水化物）中心の食生活と運動不足は「文明病」をもたらせた、ということね。ま、食べ過ぎず、適切に運動していれば問題ないはず。
うどんの食べ過ぎに注意
＊「野生の体」には、ガンも鬱も肥満もない！人に備わる「本来の力」を生かした、健康と幸福をもたらす野性的なライフスタイル・病気＝文明がもたらす苦しみ（文明病）危険度の高いリスク因子：高血圧、喫煙、アルコール、空気汚染、果物やナッツをあまり食べない、肥満、高血糖、低体重、運動不足、塩分の取り過ぎ・人類が摂る栄養の8割が炭水化物加工食品を避け、野菜や魚、肉など様々なものを食べる・有酸素運動運動は、筋肉とともに脳にもストレスをかけ、それにより脳細胞は成長する・マインドフルネス＝瞑想今この瞬間に意識を集中させることで、脳は鍛えられる
2015年05月13日
一人当りGNI
「累進性の資産税」には賛成。特に相続は、競争の出発点を著しく不公平にするので、相続税は高くてしかるべきだと思う。子孫に相続できないとなれば、「使ってしまおう」というインセンティブにもなる。
但し、実効性があるかどうかは別問題。相続税が高ければ、それだけ対策をしようというインセンティブが増える。国民が他国に資産を持って移住してしまえば、課税は出来ない。実際、相続税の無いシンガポールに移住する富裕層は多い。稼げる人々が資産もろとも海外に移ってしまえば、元も子もなくなる。
表はピケティが経済指標として「統計との実感の差が小さい」という一人当り国民所得。確かに、上位には欧州の小国がずらりと並んでいて、それに欧米各国やシンガポールが続く。これだけ差があると、日本から海外旅行して、「貧しい」と感じるのは当たり前なのだ。
一人当りGNI（$K）
１．モナコ 173
２．リヒテンシュタイン 120
３．バミューダ 108
４．ノルウェー 105
５．スイス 89
６．カタール 87
７．マカオ 82
８．ルクセンブルグ 72
９．オーストラリア 64
１０．スウェーデン 62
１１．デンマーク 62
１２．クウェート 56
１３．ケイマン諸島 54
１４．アメリカ 54
１５．シンガポール 53
（３１．日本 40）
但し、実効性があるかどうかは別問題。相続税が高ければ、それだけ対策をしようというインセンティブが増える。国民が他国に資産を持って移住してしまえば、課税は出来ない。実際、相続税の無いシンガポールに移住する富裕層は多い。稼げる人々が資産もろとも海外に移ってしまえば、元も子もなくなる。
表はピケティが経済指標として「統計との実感の差が小さい」という一人当り国民所得。確かに、上位には欧州の小国がずらりと並んでいて、それに欧米各国やシンガポールが続く。これだけ差があると、日本から海外旅行して、「貧しい」と感じるのは当たり前なのだ。
一人当りGNI（$K）
１．モナコ 173
２．リヒテンシュタイン 120
３．バミューダ 108
４．ノルウェー 105
５．スイス 89
６．カタール 87
７．マカオ 82
８．ルクセンブルグ 72
９．オーストラリア 64
１０．スウェーデン 62
１１．デンマーク 62
１２．クウェート 56
１３．ケイマン諸島 54
１４．アメリカ 54
１５．シンガポール 53
（３１．日本 40）
ピケティが仏紙リベラシオンで発表した時評＊累進性の資産税にすべき・経済指標として、GDPよりも国民所得を重視すべきGDPは生産に用いた資本の消耗を差し引いてない。また、生産されたモノやサービスの最終目的地は考慮しないので、他国に送られる利益もGDPに含まれる。国民所得の方が統計と実感の差が小さい。・日本政府はGDPの200%を上回る債務を抱えているが、同時にGDPの100%相当の非金融資産と金融資産を持つ。ここ数年、日本政府の資産ポジションはマイナスになっている。・資産が一定水準を超えると、資産は爆発的に増える。巨額の資産があれば、投資リスクを冒すこともできるし、運用のプロを雇うこともできる。この傾向が続くと、貧富の差はますます拡大する。・技術面で世界の先頭集団に位置した時から、どんな国も年1-1.5%以上の成長を維持できなくなる。こうした状況では、経済成長率が資本収益率を下回ることは避けられない。
2015年05月12日
日本一営業日数の少ない駅
「日本一営業日数の少ない駅」は私の地元にある津島ノ宮駅。なにしろ、年間に、駅前の海の中にある津嶋神社の夏季大祭が開催される二日間だけしか営業しない。普段はどうかというと、写真のように駅舎（というより「小屋」だが）は閉ざされ、電車は止まらない。
その津島ノ宮駅が今年は5月10日にも営業された
これは1915年5月7日に駅が開業して100周年を記念してのこと。JR四国の泉社長によれば、「今年は3日間も営業する。駅もびっくりしているのではないか」ということ。
2015年05月11日
歴史から見た日本経済のゆくえ
筆者は、東京大学大学院経済学研究科の教授。「経済成長」ではなく、これからは「持続可能な経済社会」が構築されることが目標だというのだが、現在の日本の問題は、まさにこれが持続不可能である点にある。
アベノミクスの政策の是非は別にして、その目標は、「経済成長によってこれを持続可能にする」点にある。財政赤字の最大の原因は、増え続ける社会保障費を税収でカバーできない事だ。税収を増やすには、増税するか経済成長で自然増を図るかだが、政治的リスクのある増税より経済成長を選んだまでだ。
筆者の言うように、「日本では、これ以上の経済成長は望めない」とするなら、たちまち社会保障費を大幅に削減せざるを得ない。財政破綻でハイパーインフレになっても実質給付金が下がるので同じことになる。
「実質平均所得が$10000を上回ると、平均所得と生活満足度の相関関係が薄れる」は世界中で観測されていることなので普遍性がある。しかし、一端上がった所得が半減し、社会保障も大幅削減となれば別問題だ。生活満足度が落ちることは間違いない。
国民が望む「安心・安全に暮らせる社会」維持の費用は近年国債発行で賄われてきた。国債の殆どは国内で消化されているので、未来の国民から借金していることに他ならない。「安心・安全に暮らせる社会」維持には国防費を始め、多大な経費が掛かる。
筆者の見解を聞いてみたい。
＊成長戦略では、もはや幸福な社会は実現しない「経済成長」による豊かさの追求の限界・アベノミクス←経済成長こそが経済問題を解決する万能薬根拠はない・経済発展→幸せ？日本でもアメリカでも一人当たりGDPが増えても生活満足度は上昇していない1958年→1991年 日本の国民一人当たりGDP6倍 生活満足度同じ『幸福の政治経済学』実質平均所得が$10000を上回ると、平均所得と生活満足度の相関関係が薄れる・経済成長は「目標」ではなく「手段」目指されたのは、生産性の上昇と失業の恐怖からの解放・日本では、これ以上の経済成長は望めない「エネルギーを中心とする資源供給の限界」「財政破綻」「高齢化」といった問題・私たちがどんな生活を望むか？人々の選択の可能性が高まること「安心・安全に暮らせる社会」「他人への思いやりがある人が多い社会」（国民生活選好度調査2011)持続可能な経済社会
2015年05月10日
神田祭
「ご遷座400年」で賑わう神田祭を見に行く。ご遷座というのは、天平2年(730)に現在の大手町に創建された神田明神が、元和2年(1616)に江戸城の裏鬼門となる現在の地に、江戸城守護のため移されたことによる。
延宝年間（1671-83）までは毎年開催されていたが、その後山王祭（赤坂・日枝神社）と隔年で斎行されることになったという。江戸幕府の庇護を受け、江戸城内にまで祭礼行列が入り込め、将軍の上覧があったのは神田祭だけで、江戸の庶民からは「天下祭」と称されていた。
現在の開催時期は5月だが、5月開催が始まったのは明治25年(1892)で、それまでは旧暦の9月開催であったということ。その点、日本で最も一般的な「収穫祭」としての秋祭りの一つであったことがうかがえる。時期が変更されたのは、台風とそれに伴う疫病流行（当時、台風で川が氾濫することが多かった）を避けるためという。しかし、こうした変更が通るのは、背景に東京の都市としての発展とともに、農業からの切り離しがあったからだろう。
賑わっていることに圧倒される。少子高齢化で神輿の担ぎ手を探すのに日本中で苦労している中、「江戸三大祭」のステイタスは高く、ツテをたどって「担がせて」と頼んでくる人までいるようだ。かってはどこの祭りでも見られたように、顔役が指示し、現役の「若い衆」が担ぎ、子供たちは祖母に連れられて神輿の後をついてきている。
そこに、近年は地元秋葉原のオタクに（ラブライブとコラボ）、外国人観光客の見物者が加わり、一種独特な雰囲気。
2015年05月09日
さわやかに勝つ
「プロとして勝ちつづけるために何が必要か」「人生の勝利者になるためにどう心掛けるといいか」が明瞭に語られているロングセラー。
棋士で本を出している人はかなりいるが、羽生氏を含め、興味深い本が多い。殆ど実社会経験もなく10代から英才教育を施される棋士だが、厳しい勝負の世界で生き残っている人は頭脳、精神力、思考力がずば抜けているということなのだろう。
・将棋も人生も、最も大切なのは「大勢判断」「ここまではいいが、ここから先はダメ」という許容範囲を明確にする。将棋には、最善手とそれに近いものが１つか２つあると、一方で悪手は１００くらいある。人生も同じようなもの。人間が欲望通りに行動していれば、たいてい悪手になる。・勝負は「実力の差」を別にすれば、「確率」「勢い」「運」の3つの要素からなる・どんな勝負でも必死に頑張る自分の利害に直接影響のない勝負は真剣にならないもの。だが、そこで負けると、負けグセがつき、運も逃げてしまう。・孤独に耐える最終的に頼れるのは自分だけ、ということを知らないと成長できない。・定跡でも、自分で納得してから受け入れる専門家が長年かけて作り上げた定跡でも、無条件に信じるのではなく、自分で納得してから受け入れる姿勢が重要。・アマチュアの芸とプロの芸の違い何かの分野で強くなるには、物事の好き嫌いをなくす。すなわち「苦手な戦法は作らない」。自分に苦手だという先方があれば、相手は必ずその戦法で向かってくる。「長所を伸ばす」という教育法はアマチュアの芸で、プロには当てはまらない。・形勢判断形勢が良いときは平々凡々にしている。悪いときは、チャンスが来るのを念じながらじっと待つ。形勢を悪くせずに粘れば必ず相手は間違えるぞ、という気持ちで指していると、相手にこちらの気迫が伝わり、相手は「ひょっとしたら間違うかもしれない」と不安になる。必要以上に慎重になり、最後に疲れ果てておかしな手を指してしまう。・男らしさ人生の勝利者になるためには、「男らしさ」が必要。それは大局観で、女性に欠けている。ところが、私利私欲、私情というものが人間にはつきもの。「清濁併せ呑む」ことが欠かせない。大局的な見方から出てきた正解、判断を曲げず、自分を含めた色々な人の私情を汲んでやれれば最高。それができなかったら、まず自分の私情を抑える。＝理性＋思いやり・「貸し借り論」で物事を決める人生で貸し方に回るか、借り方に回るか、どちらの立場を選ぶか。貸し方に回る＝思いやり
2015年05月08日
テロや戦争の原因は、増えすぎた若者！
テロや戦争の原因は、単に「増えすぎた若者」（Youth Bulge）なのだという。貧困や、政治信条、宗教的対立は言い訳にすぎず、その根底にあるのは、野心満々で上昇志向の強い「普通の若者」。社会における若者の割合が一定数を超えると、これらの若者に応分の地位を用意することができず、欲求不満になる。これの「捌け口」がテロや戦争になる。
これは日本の戦後史を見ても当てはまる。日本が政治的に最も不安定になったのは大学紛争が吹きあれた1960-1970年。この頃、団塊の世代（1947-1949年までの806万人）を含め 15-24歳人口は20%を超えていた。日本のユースバルジ期である。1970年代に入り学生運動が急速に終焉したのは、単にその時期を過ぎたからかもしれない。
現在の世界の15-24歳人口比率を見ると、中東とアフリカに集中している。これらの国々では当面政治的不安が続くことが予想される。（Source: UN）
＊テロや戦争の原因は、増えすぎた若者たち！・一つの国において、15-24歳のものが全人口の20%以上、または0-15歳の年少人口が30%以上を占めるとき、Youth Bulge（過剰なまでに多い若者世代）が見られる。・YBの男子が多い第三世界の国々は、大軍団を戦争に送り出せるのに対し、第一世界の男子は一人っ子が多く、軍事的動因に応じきれない。米国陸軍省はYBを「第一級の脅威」としている。・イスラムのテロリストには、社会的地位を有する者が少なくない。貧困や飢えがテロリストを生むのではない。殺人を犯すのは、ステータスと権力に目がくらんでのこと。食料や学校の不足ではなく、増え続ける野心満々の若者に、応分の地位を用意してやれないことが問題。・現在、YBの好例はイスラム諸国。これらの国々では、わずか5世代（1900-2000年）の間に1.5億から12億へと人口が増えた。（ガザ地区では1950年24万人→2008年150万人）
・2020年代には、イスラムが人類の1/4を占める。それは欧州による世界支配が頂点に合ったとき（1900年）、また大英帝国が1920年に絶頂にあった時の比率に相当する。（西洋1348年80M→ペスト1450年50M→ローマ教皇の命で出産奨励→1914年世界の戦闘能力を有する男子の35%が欧州→地球の征服、殺戮、入植）
2015年05月07日
ビジネスの成功確率を上げる
私も20年前からずっと経営の現場で言ってきたことなんですが、最初にこのレベルでまとめたもの勝ちですね。調べてないですが、他にもこのことを指摘してきた先人は居ると思います。
そのためにも、ビジネススクールでも失敗ケースを学ばせた方がいいんですが、そもそも失敗したケースは調査が困難で研究が進んでいないという現実があります。日経ビジネスの「敗軍の将兵を語る」はその意味で貴重。共通点を探り、より高いレベルでまとめれば、良い研究になるはず。
＊成功は「十社十色」で、ビジネスに必勝法はない。成功ではなく、多くの企業が犯しがちな「失敗」に学ぶことで、成功確率をあげる。・成功事例から学ぶのは難しい�〔椶妨�えない要因：企業の成功において、制度など表面的なことより、価値観・文化など目に見えない要因の方が重要。これらは一朝一夕に真似できない。�▲咼献優垢魯◆璽函Д咼献優垢魯◆璽箸任△蝓∀斥�だけでは正解を導けない。複数の解の一つを実行して「たまたま」成功した他社の事象を分析し、成功要因を抽出できても、それが再現性があるかどうかわからない。�８緝嬋章澄Ю�功企業について、後付けで成功要因を挙げても、コンテクストが違えば、真似しても再現性が低い。・企業が成功するための条件負けない戦略 ｘ 他社を凌駕する努力 ｘ 時の運・「絶対に勝てる戦略」はないが、「これをやったらほぼ確実に失敗する」という「踏んではいけない地雷」は存在する。これを踏まないことが「成功の必要条件」・企業の失敗パターン�．咼献優垢鮃圓�際の「考えるアプローチ」に問題がある（例：教科書の理論をそのまま使う）�▲咼献優垢鯲�案する段階での失敗（例：戦略の筋が通っていない、顧客価値を提供していない）��実行段階での失敗（例：実行の徹底度が足りない）
2015年05月06日
天皇の料理番
連休で家に戻ったら、iPadを渡され、「これを見ろ」という。何かと思ったら、「天皇の料理番」というTVドラマで、うちは食いしん坊の女性陣が多く、一方、私は食べ物に無頓着な方なので、「どうかな」と思いながら見たが面白かった（episode1が放映から1週間だけ無料動画配信されていた） 。
宮内庁の料理長を大正から昭和にかけ50年間勤めたという秋山徳蔵の物語。史実に基づいているが細部はフィクションのため、小説では秋沢篤蔵、ドラマでは秋山篤蔵となっている。
今後の放送が楽しみなのだが、実は、TVドラマ化されるのはこれで3度目らしい。1回目が1980年で堺正章主演。2回目が1993年で高嶋政伸主演。今回の主役が佐藤健。私は普段ドラマを全く見ないので、何れも見てない。
福井県と東京が舞台だが、ロケは倉敷の美観地区（岡山）で行われたという。
2015年05月05日
人が逝くとき、何を遺すか
内村鑑三は1861年生まれ。78年に受洗して、81年に札幌農学校を卒業後、84年に渡米している。新渡戸稲造とは札幌農学校の同級生。米国では、新島襄の勧めで、襄の母校アマースト大学で学んでいる。本書は、1894年に箱根で開催された基督教青年会第6回夏季学校での講演記録である。
遺すべきものの筆頭にカネを挙げたところに、意外性がある。しかし、「世の中の問題は大抵カネで解決できる」としたところは、至って合理的。しかし、それよりよい遺物は「事業」としたことも納得。カネは残されたものがどう使うか次第だが、よい事業は長年にわたって世の中に影響を与え続ける。
カネも事業も残せないなら、「思想」という種を撒こうという。思想だけでは世の中を変えられないが、よい種を撒いておけば、いずれ、それを「事業」にする人が現れるかもしれない。
これら何れも残せなくても、「勇ましい高尚なる生涯」を遺すことはできる。二宮金次郎のなした事業は20-30カ村の人民を救っただけだ。しかし、彼の生涯は戦前の日本人に大きな影響を与えた。今風に言えば、「ロールモデル」ということになる。
＊人が逝くとき、何を遺すのが望ましいのか・天国に往くとき、私は、私が地球を愛した証拠を、同胞を愛した記念碑を置いていきたい「我々が死ぬ時には、我々が生まれた時より世の中を少しなりとも善くして往こうではないか」ハーシェル（天文学者）�ゞ�遺産金を、己の子供ばかりでなく、社会に遺して逝く。今日の問題は、社会問題であれ教育問題であれ、煎じ詰めれば金銭問題。金が不要だなどということはない。�∋�業金よりもよい遺物は「事業」��思想思想が実行されたものが事業。実行できないなら、種を播こう。ジョン・ロックが自身の思想を本にしたことで、それがフランスに伝わって、フランス革命が起きた。�ねΔ泙靴す眈阿覆訐験�世の中は悲嘆の世の中ではなく、歓喜の世の中であるという考えを生涯で実行し、その生涯を世の中への贈り物としてこの世を去る。これは、誰にでも残すことのできる遺物である。・後世のために、遺物を貯えるこの心掛けをもって毎年毎日進めば、我々の生涯は死後も続くことになる。
2015年05月04日
バークシャーの保有銘柄
伝説の投資家ウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイが投資会社として50周年を迎えたそうだ。今年の株主総会には過去最多の4万人超の株主が集まったということ
（日経新聞）バークシャーの保有銘柄上位は以下の通り（2014年末時価）。
１．Wells Fargo（銀行） 265億ドル
２．Coca Cola（飲料） 168億ドル
３．American Express（金融）141億ドル
４．IBM（IT） 123億ドル
５．Wal Mart（小売） 58億ドル
特徴：
�‐絨�5社で投資ポートフォリオの70%を占める「集中投資」
��業種は分散
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その投資手法は、「圧倒的ブランド力を持つ企業の株を安く買い、長期保有する」というもの。語弊があるかもしれないが、「それだけで」1965-2012年の48年間で19.7%（複利）という驚異的な成績を上げている。これは4年間で資産が倍になるペースなので、48年間では5604倍になる。100万円投資していれば56億円
になる計算だ。実際、バフェット自信が当初1万ドル（120万円）の資産を620億ドル（7兆円）に増やしている。驚異的な投資成績を上げてきたバークシャーも、近年の成績を見るとかってのようにはいかなくなってきていることが上記の図から見てとれる。世界最大の運用規模になれば運用先は限られてくる。逆に「100年に一度」と言われるような金融危機はチャンスで、バフェットはリーマンショック後にゴールドマンサックスのSOや、GEの株式を大量購入している。これも、業界トップで世界中に名の知れた企業が破たんすることはないという読みだろう。
厳選された優良銘柄を長期保有するので株価に一喜一憂することもない。株価が安いときに買えば配当利回りだけで年4-5%にもなる。個人投資家が学べることは多い。
2015年05月03日
成瀬正博の画廊が高松にオープン
知り合いの美術品コレクターに連れられ、最近オープンした高松の「カフェ画廊ほのほ」へ。
週刊新潮の表紙絵を長年担当している画家の成瀬政博さん（６８）の作品を常設したギャラリー。このほか地元の名産品販売や、各種講座、コンサートの開催も計画している。オーナーの二見尚子さん（５４）は「人と人、歴史や文化、生活などをつなぐ拠点になれば」と話している。 （四国新聞）
ここは元々、会計士であった二見さんの父・豊さんの事務所であったという。お父さんが亡くなられて、事務所は他の会計事務所と合併した。それで、残った旧事務所を改装してオープンしたのがこの画廊。
二見公認会計士事務所では、顧客への毎月の月次報告に二見所長の所感を同封していたそうだ。平成5年から平成19年まで15年間続いた原稿をまとめて死後発刊されたのが『世相瞥見』。私家本の非売品だが、二見先生が香川大学経済学部の前身である高松高等商業学校の卒業生である縁もあり、頂いた。
帰りの飛行機と電車の中で読んだのだが、バブル崩壊以降の経済状況や世相を振り返る意味でも興味深かった。毎月出ているので、「あー、あの頃はそうだった」とか自分が当時やっていた事と合わせて思い出されるのだ。
結論：人はなかなか賢くならない（個人レベルでも、組織レベルでも）
2015年05月02日
「四国遍路」が日本遺産に
世界遺産は知っているが、日本遺産？？と思ったら、文化庁が新たに始めた「歴史的建造物や伝統芸能といった有形無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する」制度なのだそうだ。これまでも、登録文化財制度はあるが、後半の「テーマや地域ごとに一括認定」のところがなかったようだ。世界遺産人気に触発されたのは間違いない。
さて、まだ1-17番を廻っただけの「序の口」なのだが、これまでの感想。「区切り打ち」で年内の結願を目指す。
１．すごいビジネスモデル
四国遍路は昨年開創1200年と言われる全長1400kmにも及ぶ壮大な回遊型巡礼路。年間参拝者は約20万人で、そのうち1%の2000人が歩き遍路と言われる。自転車で回るのはみたところ、歩きより少ない。あるお遍路さんがその経済効果を推定していたが年間400億円に上るとしている（直接経済効果）。88か所を定めたのは空海ではなく、江戸時代の僧侶真念だが（「四国邊路道指南」1687）、ここに入っているのと入っていないのでは経営上大変な違いだ。ご朱印をもらうのに300円掛かるので、これだけで年間6000万円の安定収入。
２．バス＞自家用車＞歩き＞自転車
この10年で歩き遍路の数が増えているという調査もあるが、参拝者人数で言えば、圧倒的にこの順番になる。一部の寺を除き、境内の真横まで車で行くことができる。バスや車で行って、「巡礼」と言えるのかという気もする。一方、歩き遍路をするには日数もお金も掛かるので「贅沢遍路」と呼ばれることもある。50日間はかかるから、野宿しない限り、宿代を中心に約50万円掛かる。
３．道路整備
車で行くためには寺が整備する駐車場だけでなく、そこに至る道路も必要になる。寺は元々空海が修行した「霊場」であるから、辺鄙なところも多い。それが、見事に、山の上まで舗装路が整備されている。山を穿ち、谷を埋める大規模自然破壊。「日本遺産」がこれでいいのか？
４．目につく不法投棄
遍路道は交通量もありメンテされているので、せいぜい飲み物や弁当の残骸が捨てられているくらいなのだが、遍路道をそれて他の山道に入ると、谷間に家電製品やら産業廃棄物の不法投棄が多い。日本遺産で弾みをつけて「世界遺産」を目指そうという中、これは恥ずかしい。
2015年05月01日
大麻比古神社
四国霊場第一番札所「霊山寺」のすぐ近くにあるのが、阿波国一宮である大麻比古神社。徳島県の総鎮守である。神仏習合の時代は、霊山寺と一体となっていたとする文献もある。何しろ、神社の参道の入り口にあるのがこの一番札所なのだ。
それはそうとして、流石に境内は立派で、真ん中に神木の大楠がある。興味深いのが、やはり境内にある「ドイツ橋」と「眼鏡橋」。どちらも、第一次大戦中に捕虜として青島から連れて来られ、神社の隣の「坂東俘虜収容所」に入れられていたドイツ兵捕虜がつくったもの。第一次大戦に日本は連合国として参戦したものの、本格的な戦いに巻き込まれることなく（同盟国のイギリスからは何度も欧州派兵を要請されているが固辞）、逆に大戦景気で経済的には潤った。
その余裕もあったのだろう、収容所でのドイツ兵の扱いは寛大で、ドイツ兵もパン焼きを日本人に教えたり、オーケストラをつくったり（日本で初めて「第九」を全曲演奏）と地元民との交流もあったようだ。そして、大戦が終わり、帰国前に「記念」に作ったのがドイツ橋だと言われている。
