2015年02月
2015年02月28日
研究者が多すぎる？
昨日の、益川先生の件で、興味深い統計があった。それが、上記の「各国の研究者数」なのだが、これを見ると研究者が日本は非常に多いことがわかる。
米国、EU、中国についで世界第4位ということになるが、それぞれの国の人口は日本の3倍以上である。「人口比の研究者数」ということでは、世界一ということになる。日本は82/12730=0.6%、米国126/31890=0.3%、英国15.8/6410=0.2%、ドイツ26.8/8062=0.3%となる。
それが、研究成果に結びついてればいいのだが、基礎研究でも、応用研究でも、世界一の成果を上げているとは思えない。ノーベル賞の受賞歴を見ても、アメリカが圧倒していて、次いで英国、ドイツ、フランスの順である。
当然、研究の世界では能力が一番重要。研究者数を増やして研究費をばらまくより、研究者数を絞って集中投資した方が成果が出る。日本はGDP当りの研究費で見ても世界一なのだが、とりもなおさず、それは世界一研究の費用対効果が悪いことになる。
2015年02月27日
眠っている己の才能に気づくヒント
先週、中高生に話してみて、「あれでよかったのか?」と思ったので、ノーベル物理学者はどう教えているのか気になって読んでみる。
本論からそれるが、p78におもしろい記述があった。
「6元クォークモデル」を発表し、1979年に仁科賞を受賞した後のことです。その時にいただいた賞金で、ついオーディオセットを一新してしまいました。それからというもの、音楽を楽しんでばかりでさしたる研究結果をあげることができなかったのです。私にとっての80年代は、まさに暗黒の時代なのです。
1980年代と言えば、1940年生まれの益川先生は40代。ノーベル賞の対象になったのは1973年に発表した「小林・益川理論」で、この時益川先生は33歳。今回も、「ノーベル賞対象の殆どが30代の研究」に当てはまる。
さて、今回、益川先生は賞金を何に使ったのか？今回の益川先生の貢献度は1/4となっているが、それでも約３千万円のはずで、しかも無税である。まだまだ研究成果の出る40代を棒に振ってしまったのはご本人にとっても日本にとっても痛かったが、もう何に使おうが誰もとがめないだろう。
＊自分力＝「好きなこと」「興味のあること」をとことんまで突き詰めて、結果へとつなげられる力→創造性の原動力22:自分の中にある「種」を見つける他の人にはない才能原点に戻る＝自分自身の奥深くに潜む「憧れ「「夢」26:自分と対話する自分自身に問いかけて、自分自身で答えを出す自分の性格についてきちんと把握しておく「おもしろい」という感覚を大切にする38:「憧れ」を見つけることができたら、次にその「憧れ」へ近づくためにどうすればいいか、を考える目標に向かってスタート地点に立つためには、何をしたらよいのかを見定める
42:寝食を忘れるほど没頭できるようなことに出会えること＝「才能」の種
2015年02月26日
日本史上最も知的な雑談
元は、昭和40年(1965)10月雑誌「新潮」に掲載された対談である。片や、「日本数学史最大の数学者で、世界中の数学者が挫折した『三つの大問題』を一人で全て解決した」岡潔で、もう一人は、当代一の批評家と言われた小林秀雄。「日本史上最も知的な雑談」とも言われている。
岡潔は数学者としてだけではなく、エッセイストとしても優れていて、『春宵十話』など優れたエッセイ集を残している。
24:岡 本質は直観と情念でしょう。小林 そうだと思いますね。岡 批評家というのは、詩人と関係が無いように思われていますが、つきるところ作品の批評も、直感し情念を持つということが本質になりますね。小林 勘がないようですからね。岡 勘というから、どうでもよいと思うのです。勘は知力ですからね。それが働かないと、一切がはじまらぬ。それを表現なさるために苦労されるのでしょう。81:岡 実際ゴッホの色はそう思ってみれば独特ですな。あれは学んだりしたものではない。動機がそこにあったのですな。モネーはたしかに純粋です。しかし純粋というのは、一つの自我の殻だと言えば言える。そこから外に出ていない。それでゴッホに比べて一種の退屈さを感じます。98:小林 ピカソにはスペインの、ぼくらにはわからない、何と言うか、凶暴な、血なまぐさいような血筋がありますね。ぼくはピカソについて書きましたときに、そこを書けなくて略したのです。在るなと思っても、見えてこないものは書けません。
140:岡 いま日本がすべきことは、からだを動かさず、じっと坐りこんで、目を開いて何もしないことだと思うのです。日本人がその役割をやらなければだれもやらない。これのできるのは、いざとなったら神風特攻隊のごとく死ねる民族だけです。そのために日本の民族が用意されている。
2015年02月25日
ピケティ理論への疑問
先月末行われたシンポジウムの記事が朝日新聞に詳しく載っていたので読んだ。このシンポジウムは朝日新聞主催で行われ、ピケティ氏が基調講演を行った。
前回も書いたが、疑問はますます広がった。ピケティ氏が著書で明らかにしたのは、「放っておけば経済格差は広がる」ということである。それは皆知っていたことだが、各国の徴税データを丹念に分析することで、それを裏付けたことが研究として評価されている第一の理由である。
私の疑問は次の通り。
�〃从儚丙垢�経済成長を妨げるのなら、なぜ、経済格差が一番ひどい米国で経済成長率が一番高いのか？
�⇔濘焚歙廼�化を薦めているが、人の移動が自由な現状で実効性があるのか？
��「世界のトップ大学の9割が米国にあるのは望ましくない」というが、米国のトップ大学は全て私立大学である。国立大学中心の欧州や日本の大学に投資を増やして成果は出るのか？
�．團吋謄�氏は「米国の所得格差は80年代から拡大した」としているが、同時に、米国はIT革命を成し遂げ、経済成長も他国を凌駕した。初代Macintoshが発売されたのは1984年である。
先日も書いた通り、シリコンバレーのベンチャー企業の半数以上が移民による設立で、「能力に因る所得格差」を認める米国が世界の才能を集めているのは間違いない。Paypal, Tesla Motors, SpaceXなどの創業で有名なElon Muskも南アフリカの出身である。
�△海譴眄萋�書いたが、世界には低税率で富裕層を集めている国が沢山ある。昨年末シンガポールに行ったが、現地では移民した日本の富裕層のコミュニティが出来ていた。
海外資産への課税では、2011年に武富士の元専務（創業者長男）生前贈与が裁判で争われ、国税庁が敗訴して、既に納付していた1600億円に還付加算金400億円が加算され、2000億円が返還された。この事件の結果、税法が改正され、現在では「贈与する側受ける側何れかが過去5年以内に日本に住んでいれば課税できる」ということになったが、この結果、海外移住が増えるのは間違いない。
�Ｊ胴颪了篶�大学が世界トップに君臨しているのは、その財政力にある。Harvardだけで4兆円の基金があり、毎年1000億円の寄付が集まる。Ivy League校やStanfordもその半分程度の規模がある。これは大学「経営」が出来ている私立だから可能なことで、今の公務員体質の国立大学組織に資金を付けても成果は上がらないだろう。
結論として、米国の格差は行き過ぎかもしれないが、今の日本に懸念するほどの格差は無いと思う。ピケティ氏のいう懸念しなければならない格差とは、「経済格差→教育格差→更なる経済格差→資産格差→社会階層の固定化→経済成長の阻害」につながる格差である。確かに、東大生の家庭収入は高いが、では、家庭収入が高くて、塾に行かないと東大に入れないのか？というとそうではない。授業料もHarvardの年間500万円に対して、50万円と激安である。
2015年02月24日
「おさかな天国」は香川育ち
先週末のSVS.comで審査員としてお隣になったのが、��CAVICの松田勝成社長。廃校になった母校の中学校を買い取り、キャビアの採れるチョウザメを養殖している。採れたキャビアは40万円/kg（末端価格）で売れるそうで、正に「黒い宝石」。かがわ産業支援財団が開催する「かがわビジネスモデルコンペ」2014で最優秀賞に輝いた。
お話を聞いてみると、滅茶苦茶面白い。香川県漁連で29年間勤めていたそうなのだが、その間に、素晴らしい実績を残している。代々木公園で「サンマを食べて東大に行こう」というキャンペーンをやり、大量の七輪で数千尾のサンマを焼いていたところ、余りの煙に消防車が駆けつける事態になり、 警察の事情聴取を受けたなど武勇伝のオンパレード。
「許可なんてとっていたら実現不可能。（知らずに）やってから謝った方がいい」そうだ。Googleも同じことを言っている。その松田さんの最大のヒット作品が、「おさかな天国」。未だに全国のスーパー鮮魚コーナーで流れている、「さかな、さかな、さかな、魚を食べーると
」のアレである。その経緯は、四国新聞のリンクに詳しい。いやー、あの曲が香川県漁連が発端だったとは知りませんでした。
2015年02月23日
讃岐ベンチャーサミット
昨年高松で初開催されたSamurai Venture Summitは、香川大学教育学部の大森君が実行委員長で、私も審査員として初参加。今年も開催されるというので、日曜日の昨日、高瀬から40kmの会場に再び足を運んだ。
今回からSamurai Incubateは関係なくなり、SVSは、Sanuki Venture Summitなんだそうだ。
発表者のレベルは玉石混交。
アイデアレベルで「こんなことをしたい」というのが多く、その具体策、そしてなにより「ここまで自分でやりました」というコミットメントがない。これで、12人もの審査員を完全ボランティアで集めた度胸には恐れ入る。私自身が香川大学初のビジネスプランコンテストを実施した経験から、運営上、最低限、これだけは必要だろう。
・コンセプトの明確化
BPコンテストは、県内だけでも、大学主催、香川産業支援財団主催、大学生を対象にした全国大会、ITベンチャー対象のSVSなど沢山ある。これらは公的資金やスポンサー料を使い、しっかりした組織で開催されている。賞金も数百万円〜数十万円出る。同じことをしたのでは意味がない。
・応募数の確保
量が質を担保する。2年前に主催したBPコンテストでは、170通の応募の中から公開審査に10件を選び、その10件に対しては事前に相談に乗って、BPとしてレベルを高めたうえで最終審査にかけた。レベルの低いBPが出ると、ボランティアで来ていただいている審査員もがっかりである。
・発表時間の厳守
今回は7分の発表時間と決められていた。にも拘らず、発表時間が過ぎても司会が打ち切らない。これでは、発表時間に合わせて準備を重ねた発表者に失礼である。逆に、発表時間を無視して勝手に延長する発表者に有利で不公平極まりない。結果として、終了時間も予定より1.5時間も過ぎてしまった。次の予定のある見学者もどんどん帰ってしまい、結果発表も寂しいものとなった。
2015年02月22日
大手前中学・高校
大手前といっても、大阪の話ではない。香川県は今でも公立高校優位が続いているが、とはいえ、私立も中高一貫で頑張っている。昔から、地元で私立の進学校と言えば大手前中学・高校。特に、医学部受験では実績を上げているので、そのために遠くから通う医者の子供たちもいる。
先日の香川県私立学校経営者研修会での講演後、直ぐに声を掛けていただいたのが、こちらの宮武教頭先生。海外ビジネススクールのことはよく知らなかったらしく、「そんな世界があるのであれば、文系の生徒にとって一つも目標になる」ということで、今回の講演になった。
日頃教えているのは、30代40代の社会人MBA学生だし、非常勤で教えているのも（一応）大学生。中高生相手に話をするのは初めてで、「どんな話をしたらいいか」「どう伝えるべきか」いつもとは違う観点で原稿を用意した。
タイトルは「16歳の時に知っておきたかったこと」にした。そう、このblogでも紹介したことのある、Stanford Entrepreneur Center Prof. Tina Seeligの本のパクリなのだが、講演の中で本の紹介もしたので、大丈夫だろう。
主には、留学中や現在の大学勤務での体験談を話したのだけど、最後はこうまとめた。
・体力＞教養＞ツール（英語＋IT＋ファイナンス）が大事
・大人の言うことはとりあえず聞いてみる（人は皆、自分で思うほど特別ではない）
・世界を見て、自分を知り、地元を愛する
2015年02月21日
丸高 X MIMOCA
丸亀高校には、前身の旧制丸亀中学出身である猪熊弦一郎が寄贈した10点の絵画が展示されている。その他、晩年手元に残っていた絵画は全て、丸亀駅横に開設された「猪熊弦一郎現代美術館（MIMOCA)」に寄贈された。
その地元の縁深い二組織がコラボしたのが、「丸高xMIMOCAプロジェクト」。残念ながら、一年前に行けないうちに終了してしまった。
旧校舎で校長室に掲げられてた猪熊の「妙義山」は、新校舎では玄関ホールに飾られていて、外部からの訪問者にとっては見やすくなった。これは、丸亀中学校創立40周年を記念して1933年に寄贈されたものである。他にも、図書室の「顔」や多目的ホールの「風車と太陽」など、申し出れば見学可能。
今回案内していただいたのは、OBでもある島田先生。やはり、熱心なOBの先生が一定数いることは伝統を引き継ぐうえで大切だ。
2015年02月20日
丸亀高校新校舎
私立中学・高校での講演を頼まれ、丸亀へ。その前に、近所の母校に寄って、昨年完成した新校舎を見学させてもらう。
デザインは旧校舎の雰囲気を意図的に残している。案内してくれた島田先生によれば、校舎建て替えに当たり、卒業生から「我々が学んだ旧校舎の雰囲気を残してくれ」という要望が多数寄せられ、そうなったそうである。
これはとても大切なことだと思う。良い学校とは、「良い教育内容」「優秀な教員」「優秀な学生」に加えて、「強力な同窓会」が必須条件だ。前三者は在校時だけの話だが、同窓会は卒業後一生関わることである。
同窓会が強力であるためには、その前提条件として、卒業生が母校に愛着を持っていることが必要となる。校舎もその「愛着」の一部であることは間違いなく、記憶にある校舎が全く違う形に建て替えられたら、卒業生は自分たちの愛着が否定された気持ちになるだろう。
2年前、取り壊し前の旧校舎見学会には、「これで見納め」と多数の卒業生が集まった。こうした卒業生が同窓会活動を支え、後輩たちを支援してくれる。これが、単なる進学校と名門校との最大の違いだと思う。
2015年02月19日
イノベーションの最終解
『イノベーションのジレンマ』は名著だった。業界一位の優良企業が、「顧客の声に耳を傾けるが故に失敗してしまう」メカニズムを明確に説明した。続いて出たのが『イノベーションの解』で、では、「どうやってその失敗を避けるか」を論じた。ついに、今回は、「最終解」。これで、「最終回」になるのだろうか？
・イノベーション研究のコア理論�’鵬�的イノベーション�∋餮察Ε廛蹈札后Σ礎祐霆爐陵�論��バリューチェーン進化の理論・破壊的イノベーション�〇�続的イノベーション：顧客がそれまで重視してきた特性において、既存製品に加えられる改良�▲蹇璽┘鵐彪診鵬�的イノベーション：製品・サービスが「性能過剰」で高価になりすぎた時、単純な製品を低価格で提供して既存市場を大きく変える��新市場型破壊的イノベーション：高度な専門知識か豊富な資金がないと出来なかったことを、簡単にできるようにすることで新市場を生み出す・イノベーションの理論を用いて業界の変化を分析する際には、まず、変化のシグナルを探す。変化のシグナルに気づくには、次の3種類の顧客集団を評価する。�〔犠暖饉圈Ю宿覆鮠暖颪靴討い覆じ楜劼筺∪宿覆鯢塋悗粉超�で消費している顧客�∨�たされない顧客：ニーズが満たされていない顧客�２畩衙�足の顧客：ニーズが必要以上に満たされている顧客・企業間競争の勝者を予想するには、「資源・プロセス・価値基準」の観察を通じて、競合企業の強みと弱みを評価する
2015年02月18日
リーダーやニッチャーでなくても勝ち残る
経営戦略論は、大体、「業界トップを目指す」というのが多いが、敢えて、「フォロワー（2位以下）でいいではないか」と開き直った？もの。
確かに、企業は第一義的には株主のものであるから、オーナーである株主が、「トップ企業を目指してしくじるよりも、今のまま安定したリターンでいい」という選択肢はありうる。勿論、競争社会であるので、同じことをしているだけでは安定したリターンもままならない。そうした企業のための指南書。
＊ハイリスクハイリターンの「選択と集中」は、会社を潰しかねない！「普通の会社」のための、ローリスク戦略。・企業の大半は「フォロワー」フォロワーにとって大切なのは、なるべくリスクを減らして安定成長を図る「リスクヘッジ競争戦略」�ゞチ莢麋髻崟錣錣困靴鴇，帖�リーダー企業と提携して競争を回避する「提携棲み分け戦略」同業の基盤を利用して、顧客により良いサービスを提供する「同業基盤活用戦略」��顧客ロイヤリティ目先の価格競争に巻き込まれず、顧客から選ばれる立場を目指す。顧客にFace to Faceの対応を行う「直接顧客密着戦略」（ハイタッチ）直接の顧客を攻めあぐねているとき、間接顧客から攻める「間接顧客浸透戦略」��持たざる強み大企業よりも固定費が小さいので、それを活かし、顧客満足を上げる�ぅ檗璽肇侫�リオ事業領域を拡大すると失敗のリスクが高まるが、「単一事業内での多様化」でリスクを分散する�セ邱垪�誤どんどん小さな失敗を重ね、学習する。大きな失敗に至らせないように、社内の「PDCAサイクル」を「高速回転」させる。
2015年02月17日
市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける
25年前LBSでの「戦略論」で、既にそう習ったな。当時はよく分からなかったけど。
「安定性」の源泉は、『ビジョナリーカンパニー』と類似。
＊「持続する競争優位（ポーター）」に基づく戦略は、もう古い！・戦略の目的は「持続する競争優位の確率」だが、自社の優位性がすぐ模倣され、技術革新が起き、顧客が他の選択肢を探すようになった今日、この考えはふさわしくない。・「持続する競争優位」＜「一時的な競争優位」の連続・一つの優位性から次の優位性に移行するという難題に成功している「例外的成長企業」内部の安定性を保つ一方、対外的な敏捷性を発揮している・例外的成長企業の「安定性」の源泉�〔酲勝�並外れた野望を頂き、目標を高く設定している�▲▲ぅ妊鵐謄�ティと文化：価値観、企業文化、連帯に特別な注意を払い、しつこいほど研修に投資する��人材開発：従業員の教育とスキルアップに取り組む�だ鑪�とリーダーシップ：大きな変化があっても、明確で単純な少数の戦略的優先事項を重視し、リーダーも安定している�グ堕蠅靴心愀検Д�ライアントなどとの関係を安定させる・例外的成長企業の「敏捷性」の源泉�…砲澆鯣爾錣覆ぞ�さな変革を重ねる�⇒住司埓�で資源の抱え込みを許さない��戦略の調整や資源配分の変更などを1年毎ではなく、四半期ごとに行うなど、柔軟性が高い�ぅぅ離戞璽轡腑鵑鯔楸箸箸靴涜�え、社員の職務の一環とする�ゥ�プション志向で市場を開拓する。すなわち、新たなビジネスチャンスを探る際は、小さな初期投資を行い、うまくいきそうであれば本格的に投資をする。
2015年02月16日
2600年前の経営理論
有名な「孫子の兵法」。企業経営理論として書かれたわけではないが、特定の目的のために、どのような戦略で、組織をどう動かすかという点では兵法と企業戦略は同じであり、企業戦略論も元をたどれば軍事戦略である。
これが2600年前に書かれていることに改めて驚く。
深い洞察�／祐嵳�解の深さ�∧�理と心理の両にらみ「算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るを況や算無きに於いてをや」・論理的積み上げの大小が、未来を決める。「未だ戦わずして廟算して勝つ者は、算を得ること多ければなり」・戦は実は始まる前に勝負がついている。戦は論理である。事前に深く考えた人が結局は勝つ。「勝ちを知るに五あり。戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。衆寡の用を識る者は勝つ。上下の欲を同じうするものは勝つ。虞を以て不虞を持つ者は勝つ。将の能にして君の御せざる者は勝つ」�ー�分の置かれた環境の有利不利の判断が出来る��現場の作戦行動を兵力の大小に応じて工夫できる��人心の統一ができている�ぜ�ら深く考えて準備をし、相手が準備のないまま行動するのを待ち構えている�ジ従譴砲△譴海譴噺�を出さない「凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」・まず正攻法、そこに奇手を組み合わせる「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む」・事前の仕込みこそが、勝利の秘訣「兵の形は実を避けて虚を撃つ」・物理と心理の、両方の虚を撃つ「智者の虚は必ず利害に雑う」・利と害、その両方を考える「利に雑りて而ち務めるは真なるべきなり。害に雑りて而ち憂いは解くべきなり」・害になりそうな部分を覚悟すると、その先に逆転の発想で大きな利が見えてくる
2015年02月15日
歴史のIF
「IFをあえて持ち込み、史実に基づくシュミレーションを行うことで、当時の人々が下した決断のプロセスを深く理解でき、教訓を得られる」というのは、ビジネススクールでやっているケーススタディそのもの。
本書では、「史上最大の作戦」と言われるノルマンディー上陸作戦を例に、リーダーシップを語っている。同作戦には、計画から実施まで2年2カ月を費やし、従軍した将兵は300万名に及ぶ。1944年6月6日に敢行された日には、133,000名の将兵と14,000台の各種車両が6,000隻もの艦艇によってノルマンディーの海岸に運び上げられた。
興味深いのは、「この上陸作戦が1年早く敢行されていたら」というIF。戦史研究家ハロルド・C・ドイッチェによれば、「43年の時点で、連合軍は大陸侵攻を実行するだけの戦力を十分に持っていた。何よりも、43年のドイツ軍は連合軍を実際に迎え撃った44年よりも、はるかに貧弱だった。（中略）もしそれが実現していたら、戦争の最後の1年間で殺されたユダヤ人200万人が助かっただろうし、東欧をソ連に明け渡すこともなかった」としている。
もう一つのIFが、「もし日本が真珠湾を攻撃してなかったら」で、アメリカの軍人アルバート・C・ウェデマイヤーは、日本は「太平洋でアメリカと事を構える」という大きな戦略的錯誤を犯したと述べている。例えば、ウラジオストックを攻撃していれば、ソ連は大兵力を東部シベリアに留め置かなければならず、ドイツ軍によってモスクワ、スターリングラードは陥落したと推定している。そうなれば、形勢が悪く、かつ「不意打ちされた」という大義名分がないまま、アメリカの参戦は遅れただろう。
ひょっとすると、アメリカが参戦しないまま講和条約が結ばれ、ドイツは欧州大陸を確保していたかもしれない。
・リーダーは、時々刻々移り変わる状況を判断しながら、その時その時で「最善の決断」を下さなければならない。そのために「実践知」が必要。＊実践知＝社会が奉じる「善いこと」の実現に向かって、物事の関係性に目を配りながら、適時かつ微妙な「判断」を行う力・実践知リーダーの能力� 崛韻ぁ很榲�をつくる能力民主主義を守るなど、善い目的がなければ、多くの人を巻き込むことができない�△△蠅里泙泙慮充造鯆彰僂垢詛塾�現実を正確に把握できなければ、間違った判断を下してしまう��場をタイムリーにつくる能力他者との共感を醸成し、場をつくる能力がないと、衆知を創発できない�つ彰僂遼楴舛鯤�語る能力うまく物語る能力がなければ、人を説得できない�ナ�語を実現する能力（政治力）政治力なくしては、優れた構想を実現できない��実践知を組織する能力実践知を組織に広められなければ、メンバーが育たず、組織が一代限りになってしまう＊「歴史にIFはない」IFをあえて持ち込み、史実に基づくシュミレーションを行うことで、当時の人々が下した決断のプロセスを深く理解でき、教訓を得られる。IF思考を重ねると、未来は定まっていないこと、リーダーの決断がその後の時代をつくっていることが実感出来る。
2015年02月14日
リンボウ先生
今月は講演づいていて、3回予定されている。そのうち2回はイギリス留学を中心とした話で、思い出しながら原稿を書いているうちに懐かしくなってきた。それで、手近にあったリンボウ先生を読んでみる。
リンボウ先生が一気に有名になったのは、1991年に出た『イギリスはおいしい』が大ヒットしたからだが、これは1980年代の2回のイギリス留学での体験が元になっている。ある時、リンボウ先生の別の本を読んでいて（残念ながら書名を忘れてしまった）、「これは、あの人に違いない！」と思い当たり、本人に確認を取ったらことがある。
「そうだよ。彼が研究員として留学していた1984-85年、貧乏していたから、よくご馳走してあげたんだよ」と答えたのは、 私が就職面接を受けたシティのマーチャントバンクの役員であった。
10:日本の玄関のドアは外に向かって開く。これはほとんどどの家でも例外がない。しかるに、イギリスの家屋では玄関のドアは決まって内側に向かって開くのである。これが、どっち向きに開くかということは、じっさい客人を迎え入れる上では極めて重要な意味を持っている。
106:最初、私はなんとしてもイギリスの車に乗りたいものだと思った。なにしろこの自動車というものも、優れて属地的な代物で、道路事情、気候風土、国民性、生活習慣というようなものと切っても切れない関係にある。
126:しかし、それにしても、法律上そういう取引やナンバーの存続が許されているということが面白い。これこそ日本では考えられないことである。なにせ日本の役人は「規制」と「認可」が、三度の飯よりも大好きである。彼らの飯の種を商売人が侵すような真似は、日本では絶対に許されない。それが日本的「御上」行政の基本だからである。
2015年02月13日
Mr牛丼
「ミスター牛丼」こと、吉野家の安部会長が高松で講演。アルバイトから社長に上りつめ、吉野家のトップを22年間勤め、昨年8月末に会長に退いた。
話しがていねい。自ら、「吉野家の歴史と、牛丼のことを話し出すと止まらない」と言っていたが、その通りで、講演は予定時間をかなり過ぎた。その後の質問にも、聞かれたことだけでなく、関連することをあれこれ付け加えるので、最後には何の質問だったか忘れるほど。
誠実な人柄がにじみ出ていて、なるほど、この人なら信頼して部下も付いていくだろうと思わせる。派手さはなく、要領も悪そうに見える（本当はどうか知らない）。そのせいか、吉野家では、アルバイトが集まらなくて店舗を閉鎖したという話は聞かない。それが、吉野家の社風になっているのだろう。
現在も残る吉野家の第一号店（築地）は、10坪の店に15席で、1日1000人が来店したという。それも、7時間の営業時間でだ。客席回転数、ナント、70回転
月商830万円で、年商1億円の店は、単品でこれだけ売る店は、当時「世界一」と言われたらしい。現在の吉野家店舗は平均的に、700-800人が一日に来客するという。客単価500円とすれば、日商35-40万円。月商1000-1200万円という事になる。 1号店より大きく、24時間営業でこれだから、効率の点では昔の1号店にはまるで敵わない。
2015年02月12日
Lotus Exige S
イギリス人は車好きである。それも、米国のように「大衆車」として発達したのではなく、永らく「貴族の乗り物」だったから、贅沢と遊びが極端である。「一台で済ませる」という大衆的必要性が少なかっただろう。
前者の代表がロールスロイスだとすれば、後者の代表はロータスだろう。「遊び」で乗るのだから、居住性も使い勝手もあったものではない。未だにパワステではないし、当然、MTである。オーディオを付けても、殆ど遮音されてないので意味がない。その代り、小さな軽量ボディにダイレクトな操縦感覚で、腕に覚えのある人にとっては最高のおもちゃだ。
地元の経営者がExige Sを買ったというので、見に行った。小型軽量スポーツが中心のLotusにあって、トヨタ製V6 3.5L+Super charger=350PSの高出力エンジンを搭載したモンスターマシンである。隣のEuropa S（そう、彼は2台持っている
）と比べると、横幅だけ一回り大きいが、それでも車重1.1t位というから、安全装備の増えた最新の車としては超軽量。ボディにはアルミとチタンを多用している。値段は1000万円程。うーん、これを目標にせっせと働くか、国産軽量スポーツを買って気楽に楽しむか、そういったところで人生の岐路があるんだろうな（笑）。伊丹十三がロンドン武者修行中、「英国での映画出演が決まったら買おう」と決意し、晴れて買って帰ったのもロータス・エランだった。
2015年02月11日
ピロリ菌
年末の人間ドックで疑われたのがピロリ菌。慢性胃炎が続いているのはそのせいだというのだ。しかし、3年前にもそう言われて、内視鏡検査をしており、陰性だった。ピロリ菌感染の大半は昔の生水によるもので、この3年で感染したとは考えにくい。
その旨伝えたところ、「内視鏡検査による判定は90%程の確率で、誤診の可能性がある」と言われた。そこで、今回は「尿素呼気試験」をやるという。これだと97%の精度なのだそうだ。ところが、この試験は単独では医療保険の対象にならないので、内視鏡検査もまたやるという。何が嫌いと言って、これまで受けた医療行為の中で、胃カメラほどイヤなものはない。検査の間中、むせて涙が止まらず、開けたままの口からよだれが滴る。なので、前回は、全身麻酔でやってもらった。しかし、現在は自動車通勤。麻酔をやるとその日は運転できないというのだ。
「口からではなく、鼻から入れる方が楽」とアドバイスしてくれる人が居て、今回はこれでやってみた。確かに、口よりかは楽。しかし、鼻から入れる部分麻酔薬がマズイ。口よりかは楽といっても、やはり、苦し涙を流しながら、若い看護師さんに背中をさすられて無防備な状態。オヤジの威厳も何もあったものではない。
それで、そんな苦しい再検査の結果は、陰性
しかし、担当医は、内視鏡で撮った写真を示しながらこういうのである。「潰瘍こそないものの、これほどびらんが見られるのは、ピロリ菌に違いない。除菌すべきだ
」除菌の方法を聞けば、抗生物質を2週間朝晩飲み続けるのだという。それで、ピロリ菌が退治されたかどうかは、便中抗原測定で測る。しかし、そもそもこれまでの検査ではピロリ菌が発見されていないのだから、後から測定しても、それが除菌されたせいなのか、最初から居なかったのか分からないではないか。
なので、私から、「便中抗原測定で分かるなら、それを除菌前に実施すべきではないか」と逆提案した。値段は聞いてないが、ただの「検便」だから、どう考えても、内視鏡検査（5000円）より安そうだ。しかも、何の苦痛もない。
なぜ、最初から、「検便」で調べなかったのか、疑問。また、母も私と同じ慢性胃炎で、同じく、ピロリ菌検査の結果は陰性。母の年代では居ない方が珍しいらしい。つまり、私の胃炎は遺伝である可能性が高く、治療には体質改善しかない気がする。
担当医はそのような質問もせず、「除菌、除菌」という。「金槌しか持ってない人には、全ての問題が釘に見える」類ではないかと疑ってしまう。
2015年02月10日
日本のイートン
私立の中高一貫全寮制男子校で、「日本のイートン」ともいわれるのが、海陽学園。愛知県にあり、トヨタをはじめとする東海地区の企業が出資して創られたことでも有名である。先週、香川県の私立中学・高校の経営者研修の中で、「日本で注目する学校」の一つとして取り上げるため調べてみた。
＜概要＞
設立：2006年
学生数：1期生101人→現在120人
出資者：トヨタ自動車、JR東海、中部電力他約80社
授業料：70万円
寮費：210万円
特別給費生（授業料・寮費とも免除）：1学年20人
中等教育は専門ではないので、訪問したことはないが、中島校長（元、東大工学部長）のインタビュー記事によれば、次のような特徴がある。
問題意識：「人間力劣化」
核家族化＋少子化＋過保護→他者と上手に折り合いが付けられない
＊全寮制
・1ハウスに60人の生徒
・ 50代のハウスマスター１
・20代のフロアマスター３（1年ごとに出資企業から派遣される「お兄さん」）
・マンガ、ゲーム、携帯電話禁止
全寮制で全人格教育をしようということで、実際、世界のエリート校には全寮制が多い。ハリー・ポッターの通った「ホグワーツ魔法魔術学校」を思い出してみるとよい。古い映画なら、「チップス先生さようなら」がいいかもしれない。残念ながら、イートンの見学をしたことはないのだが、イートンと並ぶ名門であるWinchester Collegeは生徒が案内してくれる学園ツアーに参加したことがある。興味ある人はリンクを辿ってみてほしい（英語）。
2015年02月09日
Exotic→Entertainment?
図は2013年の値だが、2014年はビザの緩和と円安の進行で外国人旅行客数は1300万人を超えている。外国人旅行客は一人一回当たり平均13万円を消費すると言われており、9人の外国人旅行客で日本人一人当りの年間消費額123万円に相当する。つまり、900万人の旅行客に来てもらえれば、それは100万人の人口減少による消費減を補えるというわけだ。これは、人口が減少しはじめている日本、特に地方にとっては大きなインパクトを与える可能性がある。
人口比で見た旅行客数では、日本は依然低く、人口より多くの観光客が来るフランスは別格にしても、アメリカの7000万人は人口の25%程度だし、イギリスの3000万人は人口の約半分だから、普通にやれば3000万人、上手くやれば6000万人も可能だと考える。既に、原発事故の影響で少なかった2011年の600万人に対して、昨年は1300万人を超えており、たった3年間で倍以上になっている。
旅行客の主体が、欧米からアジアにシフトする中で、人気の観光地も変化している。初回は、「東京→箱根→富士山→京都→大阪」のゴールデンルートは相変わらずだが、リピーターになるに連れ、それ以外のところも訪れるようになる。その際に、どこを拠点に動くかという点で、東京が不動の一位なのだが、大阪が急上昇している。関空がアジアからのLCCのハブ化しつつあることと、大阪がアジア人観光客に人気であることが原因らしい。京都は相対的に地位が低下しているということ。
かっての欧米人旅行客中心の時代は、欧米にない東洋的神秘（Exotic）を求めたが、そもそも東洋から来るアジア人観光客が求めるのは、買物・食・遊び（Entertainment）と加えるなら、北海道や沖縄に代表される「自然」なのだろう。
京都がトリップアドバイザーの「世界の人気観光都市TOP25」から姿を消したのが2012年。2014年には「アジアの人気観光都市ランキング」でもランク外となりました。日本では東京がアジアの12位に入るのみ。(「訪日観光、関西の雄は京都？大阪？」）
2015年02月08日
政治と秋刀魚
日本の政治を研究して45年になるコロンビア大学の政治学者による自らの半生記であり、筆者が見てきた日本の現代政治史であり、日米の比較文化論でもある。
何しろ、佐藤栄作（首相1964-1972）から始まって、福田康夫（首相2007-2008）までの20人の首相のうち、宇野宗佑（首相1989）以外の19人と親交があったという第一級の日本政治学者である。宇野首相は、カーティス氏が米国出張に行っている間に首相に就任、帰国する前に辞めてしまったから、ついに首相として会うことはなかった。69日の総理在任期間は、歴代4位の短さだという。
宇野氏については、私も留学準備の最中で、殆ど印象が無かったが、改めて調べてみると多才で有能な政治家であったらしい。文人肌で、普通なら首相になるはずのない権力基盤の弱い政治家が、リクルート事件で有力政治家が皆首相に成れない中、お鉢が回ってきた。自民党で、派閥首領でない政治家が首相になったのは初めてだった。
21:優れた政治家は、自分が置かれている立場から離れて、状況分析を客観的にできる才能を持っている。私が知っている何人かの政治家は、政治状況を話す時、第三者のように自分の名字を使って話した。三木さんも竹下さんもそうだった。22:竹下さんのような政治家にとっての「政治」とは、なにより権力闘争である。権力を掌握して、それを維持するゲームである。だから、政策は官僚に任せ、権力闘争に明け暮れる。しかし、消費税導入のように、ここぞというときには、国にとって重要な政策を自分を犠牲にして通す。それが政治指導者の義務と考える。111:東京に着くと、まず区役所に行く。なぜかというと、外国人登録をすれば、日本国民でないにもかかわらず、私でも「国民健康保険」に加入できるからだ。151:「失われた10年」で、何も変わらなかったのではない。政治や経済運営のシステムがうまく対応し切れなかった反面、社会的にはマグマのように大きな変化への胎動があった。90年代は日本近現代史の中の大きな分水嶺であったと思う。165:日本で間違いなく悪平等と言えるのは、大学教授の扱いである。それが平等であるからこそ、全く不公平であることも明らかである。この点に関して、アメリカと日本の比較は実に興味深い。日本の大学の先生は最初から終身雇用である。アメリカは厳しい。一流大学なら7年間、助教授、准教授として働いたうえで、大学がその人が所属する学部以外の教授による委員会を設けて、ヒアリングする。学部長が証言したり、その人の専門分野と同じ国内あるいは海外の研究者に評価の手紙を依頼したりする。研究の評価によって、終身在職権（テニュア）を与えるかどうかを決める。テニュアを得るために、若い学者は一生懸命研究するし、テニュアを得られない人は他大学で仕事を探すことになる。日本の大学の平等社会とアメリカの競争社会の際立った違いである。日本の大学教授の給料と昇進は、ほとんど年功序列で決まる。良い本を書いた先生でも、たいした論文を発表しない先生でも、学生の関心を引くように努力する先生でも、毎年同じ講義を行う先生でも、教えている年数が同じであれば、給料はほとんど変わらない。まさに社会主義である。219:小泉政権は、日本の政治史の中で意義ある面白いインターミッション
260（あとがき）:日本は激しい変化を行いながら、特有な文化と価値観を守ってきた。日本人は日本に自信を持って、思い切って日本を変えていくべきだ。半世紀近く日本と暮らしてきた私は、いまがそういう時だと思う。
2015年02月07日
日本精神史の源
傍目を気にして、感情を抑えるのが香川の県民性と言われる。先日も、90分間の講演をしたのだけど、反応が殆どなくてやりにくい。こうなると、「スベッテいるのか」と焦り、多弁に、説明的になる。ところが、終わってから、「良かったです！」とか、「常々思っていたことを全て言ってくれた」とか、「是非、この話を生徒たちにも聞かせたいので、うちの学校で講演してほしい」と、その場で講演の依頼まで頂いた。概ね満足されていたようでホッとしたが、もう少しその場で反応してくれた方が講師としてはリラックスできる。
対照的だったのは、昨年行った中南米から来た日系人のMBA研修。日系三世が中心の学生たちは、見た目は日本人でも、性格はラテン系。授業中も反応がハッキリしていて、やり易い。最終日には、涙涙の別れ。
もっと泣いて、スッキリして、それを「明日を生きるエネルギー」にすればいい、と思った次第。
対照的だったのは、昨年行った中南米から来た日系人のMBA研修。日系三世が中心の学生たちは、見た目は日本人でも、性格はラテン系。授業中も反応がハッキリしていて、やり易い。最終日には、涙涙の別れ。
もっと泣いて、スッキリして、それを「明日を生きるエネルギー」にすればいい、と思った次第。
10:哲学の動機は「驚き」ではなくして深い人生の悲哀でなければならない西田幾太郎16:「悲しみ」は、けっして否定的なものではなく、むしろ「心を耕し、他者への理解を深め、すがすがしく明日を生きるエネルギー源となる」「正当な位置に復権させることが必要」柳田國男151:表現することは物を救うことであり、物を救うことによって自己を救うことである三木清183:人生にたいするあきらめの感覚とともに、怨みやかなしみにを必死にふりすてていくおのれの姿を、もういちど対象化していとおしむようなところがある。・・・・対象化するせいいっぱいのナルシズムが、心の傷を蜜のようにおおいにいやしてくれるのである。見田宗介『近代日本の心情の歴史』
2015年02月06日
面倒くさがりやがうまくいく
本田さんの本をもう一冊。実は、こういうノウハウ本はまとめて読んだ方が効率的。
考え方、やっていることがかなり似ていてビックリ。いや、しかし、彼我の現実の差は、「それが徹底できているかどうか」だろう。例えば、「無料相談に応じない」と何度決めたことか。
「他人から見て異常と思われて、初めて徹底していると言える」とは、小山昇社長言。「ひとがいい」といわれて喜んでいてはいけない。
50:無意識化する＝ルール化する知識＆手続74:「朝5分」で、その日の予定を考える114:やらないことを決める（本田氏の例）・営業・定時出勤・下請け・作業・社内調整・安売り・無料相談70:毎日一冊のペースでビジネス書を読む→近道を見つけて無駄な時間を過ごさないようにするための投資活動いい本に出会うことが出来れば、本来なら5年・10年かけてようやく気づくような法則を、わずか数時間で手に入れられる
自己投資しない→時間の浪費→自分の価値を下げる
2015年02月05日
レバレッジ
『レバレッジリーディング』を皮切りに、「レバレッジ」を流行らせた方。レバレッジは本来「てこの原理」で、それが転じて、金融で借り入れを使うことにより収益を増加させる意味に使われ始めた。例えば、必要投資に対し1年間で10%の収益を上げられる事業に100%自己資金で投資すれば利益率は10%だが、半分を現在ほぼコストゼロの借入金で賄えば、自己資金に対する利益率は20%近くになる。
この意味をさらに転じて、「効率的・効果的な働き方」をレバレッジと呼んだのがこの本田直之さんである。外資系金融機関を経て、バックスグループの常務取締役として株式公開を果たした人らしい。
なるほど、これから就職を考える学生にはよい本だと思う。特に、今の時代は情報が簡単に得られるようになったので、「これでしょ」という感じで、ネットで得た情報を丸写しして終わらせる学生も多い。逆に、情報で差を付けにくくなった厳しい時代で、溢れる情報をどう「編集」し、さらに自分独自の「意見」を持てるかだ。
あたらしい会社選びの基準「６つのクライテリア」＊自分で会う会社を選択することが重要�〇纏��∋�間・場所・休日�５詬拭ι床��げ饉辧Ψ弍勅��ゴ超��Ε�ルチャー自分にとっての理想の会社を知る3つのステップ�，気泙兇泙淵�ライテリアを分析する�△修譴召譴魄媼韻垢���自分に合ったクライテリアを見つけるあたらしい働き方を手に入れる17の必要なスキル�ー�ら考え行動できる�▲灰薀椒譟璽轡腑鵑任�る能力��時間効率がハイレベル�い△燭蕕靴ぅ蓮璽疋錙璽�ができるか�ゾ絏爾任呂覆�横のパートナーシップ�Ε�ラウドなどITを最大限活用する能力��売れる仕事のスキル�┨佑┐討い襪世韻任覆�、行動する力��ボーダレスに仕事をする力��人間性が重要��思考の柔軟さ��不確実性を楽しめる��暗黙知、明文化されていないルールを読める能力��お金だけではなく、意義を感じて働く力��自分自身をよく理解する能力�鮎錣某焚修径海韻蕕譴詢��閏�分のスタイルを持っているあたらしい働き方の会社をつくるために必要な10の要素�〜突�が高いビジネス�⊆�由から成果・利益につなげる仕組み・体制��社員の無駄・非効率を徹底的に排除�ぅ灰薀椒譟璽轡腑鵑垢覺超�づくり�ゥ�フィスのロケーションを真剣に考える�Υ浜�から解放、命令から合意�Д�リエイティブな人事制度�┘襦璽襪鮓困蕕���カルチャーが方向性を作る��社会的意義があるか
2015年02月04日
交詢社
日本最古の「倶楽部」である、交詢社でランチ。1880年（明治13年）に福沢諭吉が提唱し、結成された。当然、慶応義塾の同窓生を中心としたメンバー（「社員」という）であったが、それ以外の会員も当初から居たようだ。現在では、慶応同窓生とそれ以外が半々ということ。
以前の建物は、関東大震災のあと建て直した1929年（昭和4年）の歴史的建造物であったが、2004年に地上10階建ての現在の建物に建て替えられ、1-8階はBarneys NYなどのテナントが入っている（写真）。
以下、交詢社の「沿革」から。
「交詢社」は明治初期の頃、当時まだ「社交」という言葉が十分に使われていなかった時代 に、福澤諭吉先生の主唱により、銀座の地に創られた日本最古の社交機関です。また同時に公益に関する事業を行うことをも目的とした財団法人として永年事業を展開し、平成23年（2011年）7月より公益法人制度改革に沿い一般財団法人に移行しました。
学校教育を終えて社会人となった人たちが、めざましく変化する実社会に対応するため、各人が互いの知識を交換し合って、流動する社会の実務に対処する機会を提供しようとの主旨で、「知識を交換し、世務を諮詢する」ことを目的に明治13年（1880年）に設けられました。
創設当初から社員（メンバーのこと）数は1,800名ほどもあり、職業の内訳は官吏・学者・商業・農業等が大部分であり、しかもその過半数は地方在住の人たちでしたから、交詢社が職業や学歴、居住の地域に偏ることなく、広く社会で活躍する人材を網羅した組織だったことがわかります。
2015年02月03日
地球を這う
南米の先端パタゴニアから、人類誕生の地と言われるタンザニア・ラエトリを、人類拡散の「グレートジャーニー」を逆にたどる旅。「自分の脚力と腕力だけで」というのは、実際は、自転車で旅をしたらしい。1993年から2002年まで足かけ10年、53,000kmという途方もない旅。訪問した国は35カ国。
南米のインディオ、北米のインディアンの顔が、驚くほど日本人に似ていてハッとする。アフリカから出てきた人類は、中東を経て、ユーラシア大陸中央部でモンゴロイドになったとされる。一部のモンゴロイドは、ベーリング海峡を渡り、北米へ、さらに南米へと拡散していく。
この冒険家、関野さんは、一橋大学在学中に「探検部」を創設、探検に便利なようにと卒業後、横浜市立大学医学部に入りなおして、医者になってしまったというのが凄い。好き、だとここまで出来る良い例。
16:養殖場ができると、プランクトンが異常発生し、海水の温度が高くなる。魚に頼っていたウィジチェの生活は苦しくなった。チリは世界でも有数の鮭漁獲量を誇っているが、80%がチロエ島の養殖による。その80%を日本が輸入している。76:牧場や単一作物のプランテーションは強い日差しと強い雨に土地をさらすことになり、砂漠化し、不毛の大地になる。先住民の焼き畑農業こそが、その土地を最も有効に利用し、なおかつ熱帯林を壊さない方法なのだ。168:狩猟民や牧畜民の村に滞在していると、肉にありつけることが多い。その時には必ず動物を解体しなければならない。小さな子供たちも臆することなく、その様子を見学したり、手伝ったりしている。この積み重ねによって、自分たちが他の生命を食べなければ生きていけないということを学習している。そして彼らは動物の骨や皮、すべてを無駄なく使い、食べられる部分は全て食べ切り、さらに食べるときにはその生命に感謝をしている。自分たちの食べ物がどこから来て、自分たちが生き延びるために何をどう食べているのか、食べるとはどういうことなのか、彼らは小さい時から知っているのだ。187:カアチャンは誰よりも地球に対して優しく生きてきた。私たち都市に住むものが「地球に優しい」という言葉を使うことが場違いで恥ずかしいほどに徹底して自然に溶け込み、自然と調和する生き方をしてきた。
2015年02月02日
I am KENJI
イスラム国によって人質にされていた後藤さんがどうやら殺害されたようだ。ご冥福をお祈りする。
この事件では、"I am KENJI"の写真を掲げて、後藤さん救出を支援する動きが日本でも広がった。その一方、匿名の掲示板では、「危険地帯に自らの意思で行ったのだから、自己責任ではないか」という声もあった。当然、辺り一帯には「退避勧告」が出ていて、外務省は「いかなる理由であっても行ってはならない」としている。
この事件で動いた関係者の数は数百人に上るだろう。身代金は支払われることはなかったが、対策に要した国の支出は1億円は下らないだろう。
その間に、事件取材に行ったフジテレビの現地コーディネーターがトルコで交通事故死した。こちらは、人質事件関連ということで、海外での一人の交通事故死にも拘らず、報道された。
さらにその間、高松では21歳が運転する車の事故で16歳の女子高生2人を含む5人が死亡した。こちらは、事件には全く関係ないが、午前2時40分の事故で、ブレーキ痕もないことから暴走していたと推定されている。
難病にかかった日本の子供は、「アメリカで手術するのに〇千万円必要」で募金を募り、その金額を集めて、実際に手術にこぎつけた子供も大勢いる。それで命が助かった子供もいれば、やはり亡くなった子供もいる。
一方で、100円あれば助かる命が、「飢餓で1分間に17人死亡している」と言われている。飢餓の問題が、世界中で、今回の人質事件ほど報道されることはない。毎日起こる「日常」で、何も珍しいことがないからだろう。
この現実をどう 考えればいいのか？
2015年02月01日
日本で最も人気の卒業・終了作品展
昨日までだった「東京藝術大学 卒業・修了作品展」に何とか間に合った。おそらく、日本の大学で最も人気の卒業・終了作品展だと思う。在学中からプロとしてやっている人も多いのだから当たり前だが、レベルが高い。もう一つ、見ていて楽しい理由は、殆どの作品に作者本人が付いていて、作者が自分を売り込む場となっていることだ。
聞けば解説してくれるし、作品と一緒に写真を撮っている人も多かった。いわば、芸大生の就職活動あるいは商売の場なのだが、それが自由で、オリジナリティで勝負しているので楽しい。没個性のリクルートスーツに身を包み、型にはめられた面接をこなしていく他の大学生の就職活動とは対極的だ。
