88 Partners:2014年07月

2014年07月

2014年07月31日

丸亀製麺失速？

売上高だけ見ていると好調のような丸亀製麺ですが、前期利益は創業以来初の減益でした。さらに利益率を計算すると、2期前から落ち始めていることが分かります。

丸亀製麺の店舗数は、前期末（3月）で774店。飲食店は、一業態で1000店舗が限度と言われますから（＝過疎地を除いた日本の人口1億人を対象に、人口10万人に対し1店舗出来る状態）、店舗にバリエーションを持たせないとこれからは難しいかもしれません。

一方、同じ飲食業界でも、カフェ形態は引き続き伸びていて、業界トップのスターバックスは同じく前期末（3月）で1034店舗です。今期も約70店出店計画です。面白いのは、丸亀製麺とスターバックスの客単価がほぼ同じ500円であること。

昼食はうどんをサッと10分で食べ、その後スタバでコーヒーを飲んで寛ぐ。昼食は一日に一回しか食べませんが、カフェは外回りの営業マンや、主婦などが一日中利用する。なので、出店余地は食事処より多そうです。

shikoku88 at 07:17｜Permalink│Comments(2)│TrackBack(0)│飲食店 | うどん

2014年07月30日

麺チェーン店の規模と収益力

現在準備中の学会投稿用資料から、麺チェーン店の売上高と利益をプロットしてみたものです。丸亀製麺とはなまるは、それぞれ、運営企業であるトリドールと吉野家の有価証券報告書から、当該部門のセグメント売上・利益を取っています。ラーメンチェーン店を営む、4企業については、会社売上と営業利益です。

これを見ると、「売上に比して利益も大きくなる」と言えそうです。営業利益率で約9%。例外は、幸楽苑で、ラーメンチェーン店の中で最大の売上を誇るにもかかわらず、利益が出ていない。この理由を探らないといけない。

しかし、見れば一瞬で済むこんなグラフを作るにも、各社の有価証券報告書を見ながら、1時間くらい掛かってしまうのです。こんなのを10個くらい作って、そして、一番大事なのは、「それで、何が言いたいか」「それは、世の中の役に立つのか」・・・。

shikoku88 at 13:53｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 飲食店

2014年07月29日

FM香川

先週の日系人MBA研修で訪問した地元企業の一つがKSB瀬戸内海放送だったことは既に書いた。KSBの隣にあるFM放送子会社が、FM香川。KSBのニューススタジオでは、フリをしただけだが（それでも、お天気姉さんになったり、「青布」で透明人間になってみたりと研修生は大いに楽しんだ）、こちらでは本当に番組に登場した。スタジオ案内役を頼まれたパーソナリティの井川さんが、「せっかくだからインタビューして番組で流しましょう！」と言い出し、その場で決まったのだ

選ばれたのは研修生のなかでも一番日本語の上手な二人。長谷川さん（ブラジル）と山崎さん（パラグアイ）。昨日流れた番組の録音は、今日、MP2で貰ったのだが、ここに上げる方法はないか？

研修生たちには、「宅ファイル」で送った。

shikoku88 at 22:44｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 四国

2014年07月28日

ビジネスモデル・イノベーション

ビジネスモデルイノベーション―知を価値に転換する賢慮の戦略論 [単行本]

野中郁次郎

東洋経済新報社

2012-08

昨年、ベンチャー学会で発表した「なぜ、うどん県からはうどん屋チェーンが出ないのか？」では、その理由を「職人と商売人の発想の違い」と結論付けた。

その続編を書くため、週末読んだのが、『ビジネスモデル・イノベーション(BMI)』。「商売人の発想」というのは、経営学的にいうと、BMIのことである。

日本は「失われた10年」以降、モノづくりに引きこもってしまい、モノをどういう文脈で提供するのかのコトづくりの力が貧困になっている。

どうも日本では、「目の前の顧客に全力を尽くすこと」が尊ばれる傾向にある。それが世界最高ともいわれるモノの品質やサービスの良さにつながっていることは間違いないが、適切な水準のモノやサービスを適切な値段で提供し、世界で稼いでいるのは欧米企業なのである。

shikoku88 at 15:21｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 仕事

2014年07月27日

高瀬空射矢まつりFINAL

うちの地元の祭りは、昔は「お茶まつり」と言っていた。香川県内では最大のお茶の産地が町内にあったから。それが、お茶生産が減少し、「よさこいソーラン」の全国的流行を取り入れ「高瀬空射矢まつり」となったのが2002年。

「お茶まつり」のままでは益々廃れていたから、変える必要があった。しかし、激しい踊りが中心となった祭りに、「これのどこが高瀬なのか」という声もあった。そうして、13年。「空射矢まつり」形式としては今年が最後になった。

私は、前の晩、日系人MBA研修の打上げで研究室泊まり。午前中は研修の完了報告書を書いたり、遅れていた通常業務を片づけ、午後「まちづくり推進隊」で出した店のお手伝い。

驚いたのは、三豊市のゆるキャラ「みとよん」の踊り。ゆるキャラは大体、動作が緩慢だが、みとよんは踊る、踊る

ゆるキャラの氾濫に眉をひそめていた私ですが、こういう「差別化」されたのは在りうると、最後は地元びいきでした。

shikoku88 at 10:11｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│イベント | 今日の出来事

2014年07月26日

MBA教育が仕事に活きるか？

本学でも卒業時に「修了生へのアンケート調査」を実施しており、１学年30人という少人数教育のおかげもあり、全体的な満足度は高い。

面白いのが、「大学院教育で身に付いた能力」と「現在の仕事で必要な能力」の順位差で、必要な能力のうち、大学院教育で身に付いたとされたのが、
①幅広い知識や教養
①文章等を作成する力
（同率1位）
で、2年間、職務以外に学ぶのだから（うちは夜間コースである）順当な評価である。

逆に、「仕事で必要なのに、MBAで学べなかった」とされたのが、
①他人に働きかけ巻き込む力
②新しい価値を生み出す力
で、これらのニーズに応える余地が大きいことが分かる。

しかし、大学の教員は、組織で仕事をするのが嫌で研究者になったような人が多く、その結果がこういうことなのかもしれない。

また、その前の年度で、一番学べなかったとされたのが、
①社会のルールや人との約束を守る力
で、そもそも、これは専門職大学院であるビジネススクールに入る前に身に付けておくべき社会人としての常識だろうから、回答者がこの質問をどうとらえたのかは疑問。一体、何を聞きたかったのだろうか？

ただ、会議一つとっても、「時間通りに始まらず、終了予定時間がない」ところなので、社会常識は別の場所で学んだ方がいい。

shikoku88 at 12:02｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 教育

2014年07月25日

日系人MBA研修終了！

先ほど、日系人MBA研修全プログラムが終了。研修生たちは、まずJICA横浜研修所で1週間日本経済や移民の歴史について学び、その後、香川大学で2週間過ごした。

JICAにこのMini MBA研修を提案したのは1年前。JICAでは長年日系人研修を実施しているが、MBA的内容の提案は初めてということで、予算が付き、研修員の募集が世界各国で始まったのが今春。応募のあった日系人は各国のJICA事務所で面談があり、結果10人が選ばれた。（ブラジル7人、パラグアイ1人、メキシコ1人、ドミニカ共和国1人）

私が研修のゴールとして目指したのはただ一つ。「日系人としての誇りをもって帰ってもらう」こと。

そのためには税金を使っての物見遊山ではいけないと考え、週日は本来のMBAコースらしく、授業時間の2倍くらいの自習が必要なように宿題を課した。また、2週間を通じて、「ブラジルでうどん屋を開く」というテーマを設定し、最終日に事業計画を発表してもらった。

考えてみれば、天然資源に乏しい日本にとって、海外の300万人の日系人は大変な無形財産である。そのうち半分の150万人がブラジルに暮らしている。日系一世、二世の苦労は並大抵ではないだろう。今回来た研修生は三世を中心に、二世と四世もいる。彼らが祖先の苦労に感謝し、母国との関係を大切にしてほしいと思う。

shikoku88 at 20:17｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 政治

2014年07月24日

Drum Circle

JICA日系人MBA研修では、地元企業の訪問もプログラムに組み込んでいるが、昨日は地元TV局のKSB瀬戸内海放送を訪問。

スタジオの見学などで盛り上がったが、それ以外にも、KSBが取り組んでいる人材開発を体験させてもらった。その一つが、ドラムサークル。様々なドラムを皆で叩く。最初は勝手に。次に、低音のドラムがリードして。最後にファシリテーターが音頭を取る。

私も初めて体験したが、面白い。やはり、太鼓には人の「原始」を呼び戻す力があるのか、何か、現代生活で忘れがちな「本能」を多少取り戻した感じ。当初はバラバラだった音が、リードドラムが入り、さらには指揮者が入ることで、音楽になっていく。「共感」とか「協調」あるいは「チームワーク」ということが「体感」としてわかる気がする。

KSBは現社長に交代してから、経営の合理化を進め、今では日本の地方局で一番という収益力を誇る。一方、インターネットの普及で競争環境は大きく変わった。TV局同士のシェア争いだけでは未来はないだろう。ドラムサークルはじめ、KSBの人材開発の取り組みは業態変更につながる可能性もある。

shikoku88 at 07:46｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 教育

2014年07月23日

金毘羅さん参道栄枯盛衰

日系人研修生とのバスツアーの最後は金毘羅さん。金毘羅さんに登ったのは5年ぶりくらいか。うちは琴平の隣町で、「いつでも行ける」という気持ちからか、却って参拝していない。

久しぶりに参道を登ると、参道沿いの土産物屋の変化に気づく。以前はびっしり並んでいた土産物屋のいくつかが、飲食店などに変わっている。以前はなかった駐車場も目に付く。江戸の創業で、かつては皇室御用達旅館だった虎屋は老朽化で閉鎖されたまま。（向かいの、帳場だった建物は「そば・うどん屋」として営業中）

統計を見ると、確かに琴平への観光客は減っている。一方、県全体への観光客数は減っていないので、「伝統的観光地」が没落する一方で、直島やうどん屋めぐりなど新興の観光は増えていることがわかる。

その寂しくなった参道で、目を見張るのがナカノヤの躍進。かつては本店だけだったものが、今では、別館を構え、よく見ると、周辺の、「お休み処　四国の旬」「うどん茶屋　てんてこ舞」「じゃこ天や」も全てナカノヤによる経営で、参道沿いの1/3はナカノヤではないかというくらいの勢いである。

これは30年ほど前に始めた、「中野うどん学校」の成功が大きい。「うどん県」香川で初めての、体験型観光うどん学校で、当初本店の２階で始まったものが、今では別館と高松校でも実施され、経営の根幹になっていることがわかる。

これを始めたのが現社長の、中野吉貫さん。実は、私は大学時代、毎年、正月休みになると、このナカノヤでうどん屋のアルバイトをしていた。これは中野社長（当時専務）が、1982年の正月に合わせて始めた新商売で、本店前の駐車場にテントを張り、「初釜うどん」として釜揚げうどん一本で参拝客に売るのである。

私は、大学の一年目に、当時ナカノヤでパートをしていた親戚のおばさんから声がかかり、「今年から正月の間だけうどん屋をやることにしたからアルバイトをしないか」と誘われたのだ。

これが滅茶苦茶流行った。値段は強気の500円。観光地琴平のフルサービス店なら当時でも普通の値段だが、ここは仮設のテント張りだ。作っているのは、大学生の私をリーダーとした高校生のアルバイト集団。それでもアルバイト全員がフラフラになるほど流行ったのは、①正月のハレによる高揚感、②大半が一見客、③店舗設定の妙、にある。

寒い正月に初詣でに訪れた参拝客は、テントの間からもうもうと上る湯気に足を止める。見れば、「初釜うどん」の文字。「初釜」が初物好きの日本人の琴線に触れる。

ピーク時はうどんを茹でるのが追い付かず、まだ十分に茹で上がってないのに、芯の残ったまま出したことも一度や二度ではない。それでも、追い付かずに、「もう待てない！」と怒って帰る客も続出した（当然、返金はした）。

思えば、これが私が「商売」に触れた一つの大きな経験で、テント張りの100席程の店が一体いくら稼いだか。大晦日から、正月三が日の間、参拝客は途切れることがない。一日中売れる。寒い中、仮設のテント張りで長居する客はいない。仮に、平均滞在時間が10分間、ピーク時の11時から13時までを1時間6回転、その前後3時間ずつを半分の3回転とすれば、ピーク時「600食ｘ2時間＝1200食」、前後が「300食ｘ6時間＝ 1800食」で、1日合計が3000食となる。＠500円で日商150万円だ。ちなみに、県内の繁盛店で日商30万円というところだろう。1日に30万円売るということは、年商で1億円を超える。小麦粉が原料のうどんは原価は安いので、個人店ならオーナー取り分は1/3位残るだろう。これが、正月期間中だけとはいえ、日商150万円なら文字通り、ドル箱である。

当時「うどん学校」も始めていたが、鳴かず飛ばずだった。昭和時代には「体験型」はまだ早すぎたのだろう。平成になり、団体客が減って土産売り上げも減る一方、個人旅行客の心を捉えたのは「うどん学校」だった。店で食べればせいぜい500円のうどんを、1500円払って自分で作るのだ。

いつの時代も、才覚のある人が生き残る。

shikoku88 at 08:35｜Permalink│Comments(2)│四国 | 旅行

2014年07月22日

白骨街道

昨日は、JICA日系人研修生たちを連れ、地元のバスツアー。「丸亀城→MIMOCA→宮川製麺所→善通寺→金毘羅さん」と私の得意な場所ばかりになっているのは、偶然ではない(笑)。中南米から来た3世を中心とする日系人に日本の歴史と文化を学ばせ、誇りを持って帰ってもらいたいとの意図である。

さて、善通寺境内には地元の人でも殆ど知らないパゴダがある。これは、大東亜戦争時の悪名高いインパール作戦での犠牲者を弔うために作られた、ビルマ式のパゴダだ。善通寺にあった第11師団は初代師団長が乃木大将という名門部隊であった。

この部隊がインパール作戦に投入されたのは昭和18年。コヒマの激戦地で戦ったらしい。全く補給のない中、戦いは最初から劣勢で、翌年に退却を開始。食物も自分で調達しなければならず、飢餓、マラリア、赤痢、敵弾、雨季の雨に翻弄され、屍が累々と続く撤退路は「白骨街道」と呼ばれた。

今年は、そのインパール作戦から70周年。ここ数年で経済発展著しいミャンマーや、インパール方面（インド）に出かける際は、70年前のこの無謀な作戦と、それを立案・実施した日本人の集団としての弱点も考えてほしい。

私がなぜ興味を持ったかというと、中学校「技術」の臨時教員がインパール作戦の生き残りで、「白骨街道」での想像を絶する話を聞かされたからだ。本来の担当教員は若い先生だったが、その先生が病気で入院し、代理で派遣されたのが既に定年退職されていた年配の元先生だった。そうして、史実に「肉付け」がされていく。

教室での、「余談」は大切だ。

shikoku88 at 08:58｜Permalink│Comments(0)│四国 | 史跡・公園

2014年07月21日

ブラジル人の独立志向

一昨日は、大和製作所にご協力いただき、日系中南米人とうどん作り体験。ラーメン学校最終日の藤井社長にも指導の合間を縫って、研修生と交流していただいた。

そこで藤井社長から研修生に質問があった。

「皆さんの中で、将来独立したいと考えている人はどれだけいますか？」

10人全員の手が上がった

これには、私も藤井社長も驚いた。

次の質問は、

「どういう商売で独立したいと考えていますか？」

答えは、半数が今やっている仕事の延長線で、コンサルタントや会計士など。家がもともと商売をやっているので、それを継ぐという人も二人いた。それで残りの半数が、飲食業

これもオドロキで、今回来ている研修生は全員が大学を出ている。そのうえ、大学院を出た人と、現在仕事をしながらMBAを目指している人が半分。かなり高学歴の人たちで、現地で大企業に勤め日本並みの給与を取っている人が大半。日本で、これだけの高学歴で、飲食業をやりたいという人は稀だ。

そこで戻って調べたのが、GEM調査。15年前から、私の母校のロンドン・ビジネススクールと米バブソン大学が世界主要国を対象に調査している。その「起業活動指数」が上記の表で、日本は調査が始まって以来万年最下位。

そして、ブラジルはやはり上位にいた。

この調査で明らかなのは、「豊かな国ほど起業活動度合いは減る傾向にある」ということ。豊かになれば、敢えてリスクを取って起業しようという人が少なくなるのは道理だ。しかし、豊かでも起業活動が盛んな国もあり、大国では米国が筆頭。小国では、シンガポール及び北欧諸国に多い。

次になぜ飲食業志望なのかだ。日本は世界有数の飲食店の激戦地で、飲食店一店舗当たりの人口は140人である。これは、オーストラリアの700人に比べて格段に少なく（＝飲食店が多い）、競争は厳しい。結果として、日本の食の品質に対する値段は世界一安くなっている。

おそらく、ブラジルは拡大を続ける人口に対し、飲食店数が少ないと考えられる。加えて、研修生と話したところ、「（アメリカと同じく）チップ制度なので、人件費が安く、オーナーは儲けやすい」という声が聞かれた。ウェイターやウェイトレスは収入の半分くらいがチップであるようだ。そして、その分を税務申告しているひとは少ない。

shikoku88 at 08:27｜Permalink│Comments(0)│仕事 | LBS同窓会

2014年07月20日

これ以上のものは世界のどこにもないであろう

そう瀬戸内海を賞したのは、シルクロードの命名者でもあるドイツ人地理学者リヒトホーフェンである。今年は瀬戸内海国立公園指定80周年で、現在、様々な記念イベントが進行中。

今週から来ているJICAの日系中南米人を連れ、昨晩は、チームラボの「デジタルアート祭り」に行ってきた。高松港に海水で霧のスクリーンを創り、そこに動画を投影するというもの。ダイナミックでなかなか見ごたえがある。

8月8日まで開催。無料だが、チケットぴあの発行手数料が108円かかる。

shikoku88 at 08:04｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│四国 | 史跡・公園

2014年07月19日

高松市選挙不正

正に前代未聞の大事件だと思う。そして、これはどこかの「悪人」がやったことでなく、おそらくこれまで平凡に勤めてきた市役所職員が結託して起こした「組織犯罪」である。組織犯罪であるということは、その組織風土に問題がある。「その場」でそういうことが起こったら、今回逮捕された市職員でなくても同じことをやっていた可能性があるということだ。

事件の概要は記事を読んでいただくとして、この事件にはいくつかのレベルでの問題がある。

１．組織風土
票が合わなかった（と思い込んだ）ところまではミスだ。ところが、高松選挙管理委員会の事務局長は、それを白票をダブルカウントすることで、辻褄を合わせようとした。それも、一人でやったのではなく、部下に指示してやらせた。「その位やっても・・・」という甘えがあったのだと思う。それを「お互い様」と内部論理を優先する組織風土があったと思う。

２．おざなりな調査
実際に投票した有権者から、「自分が投票したのにゼロ票はおかしい」と調査依頼があった時、不正を働いた当人らに調査を命じた。その際に、封印してあった票を保管する箱を開けて、隠蔽工作を行った。当の本人は取材に対し、「個人的には不自然に思うが、選挙は正規の手続きを経て確定しているので再点検はできない」と説明している。本人は調べられたくないからそういっているのだが、高松市もそれを公式見解として事件を葬り去ろうとした。

発展途上国での選挙不正を話に聞くが、明治23年（1890）以来選挙をやってきた日本で起こった選挙の不正。真相解明と、高松市がどういう改革を行うかに注目だ。

shikoku88 at 18:10｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│四国 | 政治

2014年07月18日

Lifting Your Dreams

売上高1817億円、経常利益216億円、従業員3227人（2014/3）を誇る現在香川県で最も好調な企業がタダノである。自走式のクレーン車で世界最大手。その主力工場をJICA研修生と見学した。

何もかもが大きい。写真は、最新の100t釣りAll Terrain車で、一番小さな部類。これまで100tクラスでも車軸重量が国内基準を超過するため、一般道の走行が出来なかった。従って、ブーム（荷物を釣る腕）と、車体を分解して運び、作業現場で組み立てなければならなかった。本機では、荷重部分でのより高張力な鉄骨採用と、荷重がかからない部分でのアルミの多用で軽量化に成功し、分解せずに自走できるようになった。

タダノの歴史を見ると、戦後すぐに当時最新の油圧技術に注目し、これをクレーンに採用したところが大きい。名著『イノベーションのジレンマ』にも掘削機業界における「破壊的イノベーション」の例として油圧技術が出てくる。それまで主流であったケーブル式で大手であったメーカーは、当初は限定的な利用しかできなかった油圧技術を無視したため、その後油圧技術が進歩し主流となった時に、淘汰されてしまった。

「最新のイノベーションは何か」と聞いたところ、「ブームの形状」だという。ブームの断面形状は当初加工のしやすい四角形から始まり、強度の出る6角形、8角形と進化してきて、現在はなめらかな円筒形に近づいている。しかし、これは加工が難しく、世界でも円筒形のブームを作れるのは限られたメーカーらしい。

四国は長らく交通の便が悪く、大市場への運搬費にハンデがあったため、付加価値の高いモノづくりを目指した。このため、ニッチ市場で高いシェアを誇るいわゆる「ニッチトップ」企業が多いのが特徴である。

shikoku88 at 09:39｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 四国

2014年07月17日

まず知らないと愛せない

市長座談会の肝心の内容。昨日の報告の通り、最後は尻切れトンボだったのだが、内容は後日「広報誌」に載るはずなので、そちらに譲るとして、こちらが私の意見。

＊地域資源に目を向ける必要

＊庄内半島や仁尾の歴史建造物など地域資源はある

＊今の子供の親世代が認識せず、SCや県外の娯楽施設に行くことが余暇のメインになっている

＊地元の良い点を認識せずに育てば、Uターンする確率は低い

＊現状、高学歴であればあるほど地域外へ流出している

以前も書いたが、地元で昔と一番変わったと思うのは、「地元の子が地元のことを知らない」こと。私が育った頃にには大型SCもなく、遊びに行くのは自転車で1，2時間かけ海や山へ。近所には里山もある。

今では、親自身が休日にはSCに行くことが余暇になっていて、連休には、車で京阪神等に出かける。家族でのTDL訪問が1年で一番の楽しみという家庭も多い。親が、「地元には何もない」が口癖で、子供は進学して都会に出たらどうなるか？優秀であるほど戻ってくるはずがない。

shikoku88 at 08:20｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 四国

2014年07月16日

お役所仕事

市役所から、「市長との対談を広報誌に載せるので、NPO活動について話してほしい」という依頼があり、市役所に行った。開始予定時間の9時までに7人のNPO代表が全員集合し、広報担当者からお決まりの挨拶があった。

「本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます」

そして、対談は始まったが、広報担当者は後ろで議事録を取っているだけで、仕切らない。市長も、パネルの一人という認識で、どちらかというと聞き役に回っている。

結果、「まずは、それぞれのNPOが現状を話してくれ」と始まった話は、ある人は3分で終わり、ある人は10分以上話し、一回りするだけで1時間掛かった。

そこからは参加者が互いに興味を持った相手に質問したり、自分の意見を言ったり、フリーディスカッションの様相を呈した。「あと1時間しかないのにどうやってまとめるのかな」と思っていたが、終了時間になっても、そのまま議論は続き、終了する気配がない。

私が終了時間を間違えたのかと思って、確認したら、やはり終了予定時間であった。私は次の仕事があるのでこれで失礼したため、議論は尻切れトンボとなった。

何が、「本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます」だろう？7人もの人を呼び出しておいて、本音ではなんとも思ってないのだ。本気で、相手の時間が大切だと思っていたら、2時間の予定時間内で最大の効果を上げ、参加者に「今日は有意義な議論が出来て良かった」と感じて帰ってもらえるように、最大の努力をするはずだ。市役所員が3人も参加して一人は写真を撮り、後二人は議事を仕切らず、二人して書記をしていた。録音もしているのだから、課長が仕切ればいいのだ。

ドイツのサッカーの強さは、その経済と同様、必要な改革をやってきたからという分析がある。日本の労働生産性の低さが、こうした非効率な、行き当たりばったりの会議にあるのは間違いない。こんなことやっていて、賃金を上げる、あるいは労働時間を減らすなんて、そりゃ無理だ。

shikoku88 at 07:50｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 今日の出来事

2014年07月15日

日系人研修

JICAでは世界に300万人いるといわれる日系人を対象に、毎年様々な研修プログラムを日本で実施している。日本人を祖先に持つ人たちを梃に、日本のソフトパワーを強化しようという意図なのだろう。そこで私が昨年JICA四国に提案した香川大学でのMini-MBA研修が昨日から始まった。

特徴は、
１．MBAコースで実施している内容を2週間で体験してもらう
２．従って、日本とのビジネス、日本でのビジネスを意識した内容にする
３．地元の会社見学受け入れ先企業に特典として、社員を無料で参加してもらう
ということにした。

世界各地のJICA事務所で募集してもらい、応募者の中から面接等を経て選らばれたのがブラジル7人、パラグアイ1人、メキシコ1人、ドミニカ1人の計10人。ふたを開けてみると、MBAホルダーが2人、現在ブラジルでMBAコースに通っている人も2人と、かなり高学歴。中には、ブラジルで日本企業に勤めながら、週末は大学で財務を教えているという人までいた。半数が銀行もしくは、財務系のコンサルタントで、金融関係が多い。これは、日系人が高学歴で現地の良い仕事に就いていることの証か。

三世が8人で、四世が1人と二世が1人。一世の出身地を聞いてみると、最も多かったのが山口で、次が広島。ブラジルで日系人会に入っている人もいて、聞いてみたが、一番多いのは沖縄出身者なのだという。なのに、今回一人も沖縄出身者を祖先に持つ人がいなかったのは、何か、沖縄系の日系人は違う志向を持っているのかもしれない。

ブラジル人の母国語はポルトガル語、他の3人はスペイン語ということになるが、授業は英語が得意な人が大半のため、英語で進めている。英語が分からないと、分かった人がポルトガル語やスペイン語で補ってくれる。なかなかいい雰囲気だ。

shikoku88 at 07:50｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 教育

2014年07月14日

地名論

先週末の土曜日、公開講座「アートと地域活性化」の最終回。

そこで、北川フラムさんが好きだという詩が二編配られた。最初が、若い時好きだったという「水中花」（伊東静雄）。もう一つが、歳を経てから好きになったという「地名論」（大岡信）。

その北川さんが、芸大では仏教彫刻が専門で、同時に、芸大全共闘を一人で引っ張っていたというのが面白い。一体、仏教彫刻と学生運動がどう結びついているのかいつか聞いてみたい。そして、「フラム」は本名で、ノルウェー語で「前進」という意味なのだそうだ。父親は良寛研究家だというが、どうして良寛とノルウェーが結びついているのかも聞いてみたい。

　　　水道管はうたえよ
　　　御茶の水は流れて
　　　鵠沼に溜り
　　　荻窪に落ち
　　　奥入瀬で輝け
　　　サッポロ
　　　バルパライソ
　　　トンブクトゥーは
　　　耳の中で
　　　雨垂れのように伸びつづけよ
　　　奇体にも懐かしい名前をもった
　　　すべての土地の精霊よ
　　　時間の列柱となって
　　　おれを包んでくれ
　　　おお　見知らぬ土地を限りなく
　　　数えあげることは
　　　どうして人をこのように
　　　音楽の房でいっぱいにするのか
　　　燃えあがるカーテンの上で
　　　煙が風に
　　　形をあたえるように
　　　名前は土地に
　　　波動をあたえる
　　　土地の名前はたぶん
　　　光でできている
　　　外国なまりがベニスといえば
　　　しらみの混じったベッドの上で
　　　暗い水が囁くだけだが
　　　おお　ヴェネーツィア
　　　故郷を離れた赤毛の娘が
　　　叫べば　みよ
　　　風は鳩を受胎する
　　　おお
　　　それみよ
　　　瀬田の唐橋
　　　雪駄のからかさ
　　　東京は
　　　いつも
　　　曇り

shikoku88 at 21:02｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 仕事

2014年07月13日

THE ANGEL'S SHARE 『天使の分け前』

昨晩は月に一度のFILM NIGHT。詫間のArcanoで美味しいイタリアンを食べながら、地元在住の欧米人と映画を見る。

昨晩のチョイスは、グラスゴーを舞台にしたTHE ANGEL'S SHARE 『天使の分け前』。一緒に見たのは、アイルランド人のGagaとグラスゴー出身のDavidなのでふさわしい。2012カンヌ審査員賞受賞作品（監督：ケン・ローチ）だ。

グラスゴーは産業革命発祥の地で、James Wattはグラスゴー大学に工房を持つ技術者だったし、彼が大学に工房を持つことを助けたのは『国富論』のAdam Smithだ。

これだけの輝かしい歴史を持つグラスゴーだが、近年は、機械や造船などの製造業が衰退し、失業率＆犯罪率も高い。映画は観光で訪れるだけではわからないイギリス、特に北イングランドとスコットランドのかっての工業都市の酷い現実を見せてくれる。

麻薬をやりながら犯罪を繰り返す若者ロビーが、恋人の妊娠をきっかけに、再生を誓う。罪の償いで強制された社会奉仕作業の監督ハリーは、それを助け、チャンスを与えてくれる。しかし、周りはそれを許さない。ロビーは「大逆転」を狙って、ある犯罪を犯すのだが、それを肯定的に描くのがイギリスらしい。流石、海賊の子孫だ。

shikoku88 at 10:45｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│映画･TV | 飲食店

2014年07月12日

大チョンボ

このblogを書き始めて10年、毎日書くようになって5年になるが、その目的は、
・友達に読んでもらうため
・自分の思考をまとめるため
・自分の記録のため（日記）
の三つ。大きな体調変化なども書くことが多いので、例えば、「いつ、どういう状況で風邪をひいているか」が分かり、対策を立てるのに役に立つ。「検索」できるのは大きい。FBが自分の投稿だけでも検索できればいいのだけど、それは敢えてしないのかな？

今日は、今週あった大チョンボの反省を忘備録として書く。

今週の大チョンボとは、「アポのすっぽかし」。こちらからお願いした件で時間を取ってもらっていたにもかかわらず、忘れていたのだ。私の場合、一日の平均アポは3件。年間で約1000件のアポがあって、すっぽかし事件は年に1件程度。1/1000ではあるが、こうした事で築き上げた信用を一瞬でなくすこともあるので、二度と起こらないようにしないといけない。

「事故」の多くは、複数の要因が重なって起こる。再発防止のためには、分析して、その要因を取り除く必要がある。

＜間接要因＞
・来週からのJICA研修の受け入れ準備と授業、出張が重なり、先週から研究室で連泊する状況だった
・そのため疲労が蓄積していた

＜直接要因＞
・アポ依頼のメールを出してから出張に出かけた
・途中回答を電話でいただいたが、確定したらスケジュールに入れようと、その際に入れなかった
・その後、確定の連絡をメールでいただいたが、出張でメールが溜まっていて見落とした
・そもそも学生からの依頼で知り合いを紹介するためのアポだったが、「確定してから」と思い、学生をCCに
入れてなかったので、学生も気づかなかった

【再発防止策】
・研究室での連泊はしない（深夜に帰宅し、早朝に出たとしても、やはり普段のリズムの方がよい）
・仮にでもスケジュールに入れておく
・複数人が関係するアポの場合は、CCで入れておく（メール数が増えますが・・・）

shikoku88 at 08:27｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│仕事 | 今日の出来事

2014年07月11日

資産防衛の経営

本郷孔洋の経営ノート〈2014〉資産防衛の経営 [単行本]

本郷孔洋

東峰書房

2014-04

この「はじめに」には笑ってしまった。

―ホントは、経営ノートを書いている場合ではない
経営ノートの出版は、これで4年目です。エラそうに、書いていましたら、私が代表を務める税理士法人も、昨年ぐらいから、さまざまな問題が噴出してきました。
「実は、つぶれるかもしれない」

本が出版された今年2月の時点では、「危機は続いている」そうで、先に本を読んでいたら、講演の時に、「危機は克服しましたか？」と質問できたのだが、この本は講演のお土産に頂いた。（笑）

ここまで正直に書く経営者は居ないのではないか。本当に危機なら書かないだろうし、書くと決めたら、そんな事情まで書かないだろう。経歴によれば、「早稲田大学第一政経学部を卒業後、新聞記者を目指し就職試験に臨むが不合格に終わる」とある。それで、会計の道に進み、公認会計士となるのだが、ひょっとして（新聞）記者を諦めきれてないのではないだろうか？なので、経営危機も、サラッと他人事のように書いてしまう。

しかし、経営とは、当事者としてどっぷり浸かって取り組みながらも、一方、客観的な第三者の目を持てるかどうかに成功が掛かっている。ひょっとしたら、大経営者なのかもしれない。

2:ホントは、経営ノートを書いている場合ではない
2012年の終わりごろから、このままでは、弊社はつぶれるか、明日はないのではないか？と感じていた。

15:本当にデフレか？
モノはデフレだが、サービスはデフレになっていない。
モノだけ売ってはダメ、サービスを付加しなければ利益が取れない。

116:手詰まり事業の後は、残存者利益
BCG Advantage Matrix
①分散型事業
②特化型事業
③規模型事業
④手塚理型事業
⑤残存者利益の享受？

shikoku88 at 08:11｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 仕事

2014年07月10日

希望のつくり方

希望のつくり方 (岩波新書) [新書]

玄田有史

岩波書店

2010-10-21

ベンチャー業界で昨今流行っているのが、「ピボット」という言葉。ベンチャー事業が事業計画通り行くことは稀で、やり始めると同時に、なんらかの「修正」を余儀なくされることは多い。初期ベンチャーが生き残れるかどうかは、この「修正」が的確に出来るかどうかに掛かっていることが多く、その大き目の「事業転換」をピボット（Pivot）と称している。バスケットボールで片足を軸に、一瞬で方向転換するアレだ。

人生も「修正」の連続。挫折した経験がないためか、大学院生でもちょっとした壁を乗り越えられず、「修正」できない人が入るのは気になるところ。昨年も、ある指示に対して、ちょっとした障害で、「出来ませんでした。以上！」という報告に驚いた。目標に対する執着がなく、従って、工夫がない。一瞬、小学生に話しているのかと錯覚した。

希望が持ちにく今日

・フリーターに共通して欠落する「希望」

・希望＝気持ち+何か（将来こうありたいという具体的なこと）＋実現（実現のための道筋を考えること）＋行動

・希望を社会や個人が取り戻すことは可能「希望の物語性」
①修正：希望の多くは簡単に実現しない。大事なのは、失望した後に、次の新しい希望へと、柔軟に修正すること。
②挫折：過去の失敗を自分のものとしてとらえなおし、自分の言葉で表現できるようになれば、未来の希望を語れる。
③無駄：当初は無駄と思えたことでも、後に教訓となることは多い。無駄となるかもしれない努力を厭わず、学習の姿勢を持つことが、希望を生み出す。

shikoku88 at 17:02｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 教育

2014年07月09日

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫) [文庫]

池井戸潤

講談社

2009-09-15

三菱自動車のリコール隠し事件に題材を得た小説。「半沢直樹」と同じ作者で、流石、読ませる。中学生の末娘が先に読んで面白そうだったので、借りてみた。

ドキュメンタリーではないので、内部の動きがこの小説に近いものがあったのかどうかは不明。しかし、事故原因を特定していたにもかかわらず、多大な費用の掛かるリコールを避けるため事故をユーザーの「整備不良」とし放置したため、事故再発を防げず、ついには死亡事故を起こしたという「結果」は事実のままである。

外から圧力の掛かることの少ない組織が、組織目的を忘れ、内向きの政治に明け暮れるというのは日本で繰り返されてきた問題。三菱自動車がそうなりやすかったのは、唯一の財閥系自動車メーカーとして、販売台数の半分がグループ用であるなど、慢心しやすい体質であったというのは正しいだろう。

小説では、流石の財閥グループも同社を見捨て、同業他社に吸収合併されてしまう。実際の三菱自動車はグループの支援を得て、再建途上である。昨年もリコール問題が出ているが社風は変わったのだろうか？

上112:ホープ自動車という、時として官僚以上に官僚的といわれる社風の中では、社員の関心事はひたすら、外にではなく、内へと向く。

上183:ホープグループの親方企業、ホープ重工の元自動車部門という伝統は曲がりひねくれて、「俺たちは偉いんだ」という根拠もなく勘違いしたエリート意識へと直結している。

上208:要するに、一つの社名の下、様々な部門がお互いの利益を確保するためにしのぎを削り、権謀術数からみあっているのがこのホープ自動車の体質なのである。

下36:徹底した階級意識と選民意識。この従業員35000人の集団に蔓延するその感覚は地下水脈のように組織の根底を流れる血脈であり、それは否定するより克服して慣れるしかない代物なのだと。

shikoku88 at 06:47｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 仕事

2014年07月08日

恐竜株式会社

きょうりゅうかぶしきがいしゃ (ほるぷ創作絵本) [大型本]

富田京一

ほるぷ出版

2012-09

週末、ご近所の原田さん一家をご招待。香川大学の学生がインターンシップで東京に来ていて、企業で人事を担当されている原田さんと、うちの娘も含め、お互いに面白いかと思いお誘いしたのだ。

原田さんには3歳になる息子さんがいて、高齢化が進むマンションのアイドルになっているのだが、持ってきたお気に入りの絵本が、『きょうりゅうかぶしきがいしゃ』。恐竜を現代によみがえらせ、それぞれの特徴を生かして、仕事に当たらせる会社という話なのだが、もう、抱腹絶倒。

かなりよく考えられていて、体の大きなアルゼンチノサウルスはのしのし歩いて工事現場の地固めをしているし、アンキノサウルスは尻尾のハンマーで杭打ちをしている。東北の復興需要で工事要員が不足している今、「本当に欲しい」と思う人もいるのではないか。

絵本は侮れない。以下、出版社の紹介文から。

「はいもしもし。こちらきょうりゅうかぶしきがいしゃです。」
受付のお姉さんが電話を受けると、背中に大きな帆を持つ恐竜、スピノサウルスが出動し、川をさかのぼって屋形船を助けに行きます。スピノサウルスと屋形船の向こうには、東京スカイツリーやアサヒビール本社ビルが見えます。
この会社、「恐竜株式会社」では多くの恐竜が飼われていて、受付に相談事が舞い込むとその内容に合わせた恐竜が出動するのです。大きな体を活かして百貨店の催し物の宣伝、足の速さを活かして緊急輸送便、ビルの解体現場や建設現場でも大活躍です。実はこの受付のお姉さんにも秘密があるのですが・・・そこは読んでのお楽しみです。

shikoku88 at 13:11｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│本 | 教育

2014年07月07日

五重塔修復計画

三豊市には、四国で２つしかない明治期の五重塔の一つがある。（ほかに二つあるが、それらは戦後の建立）それが、70番札所本山寺の五重塔。もう一つは、お隣の善通寺にある。

明治時代につくられた塔は100年以上経ち、やや傾きかけているという。現在、整備委員会が修復に向け塔の調査を進めている。

先週、その委員長をされている多田善明先生に誘われ、空撮を見学。この映像を元に、3D画像を作り、修復計画を立てる。

個人で買える機材とソフトでここまで出来るようになったというのはスゴイ。

shikoku88 at 09:21｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│四国 | 史跡・公園

2014年07月06日

人間探求（文学作品熟読）プログラム

「大学生が本を読まない」と言われて久しく、その対策で、今や多くの大学で、教養系の本を読ませるために課題設定をしている。私は大学院でしか教えてないが、大学本部からの依頼で、学部生向けの「人間探求（文学作品熟読）プログラム」に課題図書を出したのが一年前。課題図書は丁度、2013本屋大賞を受賞した『海賊と呼ばれた男』にした。

その課題に対する感想が届いたので、返信したのが下記。組織は、作った時から腐敗を始める。常に組織目的に照らし合わせた改変が必要で、その目的自体が不要になったら廃止をためらうことはない。

「小善は、大悪に似たり（大善は非情に似たり）」という言葉があります。これは、「自己満足のために行う小さな善行は、それが善意から発したものであっても、結果として人を深く傷つけるのと変わらない場合がある」といった意味なのですが、この善意というのが曲者です。

日本の組織は、こうした「善意」を基に、「性善説」で設計されることが多いため、時を経るに従い組織目的が忘れられ、本来目的を達成するためのツールである組織存続自体が目的になってしまいます。組織内で政治的に上手く立ち回れる人間が権力を持ち、XXさんの言う「上役がどれだけ得を得るか」という状況になることもしばしばです。

善意だから許されるのではなく、善意だからこそ、その善意が裏切られないように、しっかりとした計画と実施、そして、常に目的に照らし合わせた修正があらゆる組織や制度に必要なことを学んでほしいと思います。そして、目的を終えた組織や制度は廃止するのが一番です。

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2014年07月05日

三代目浦島太郎

地元の三豊市にある荘内半島には浦島伝説がある。何しろ、荘内半島自体が昔は浦島と呼ばれ、そこには、浦島太郎と両親のお墓に、浦島神社もある。

浦島太郎が産声を上げたのは燧灘を望む漁村の「生里（なまり）」。太郎が「鴨の越（こし）」で、いじめられていたカメを助けたことから物語は始まる。・・・禁じられていた玉手箱を「箱浦」で開けてしまう。箱の中から白煙が立ち上り、太郎は白髪の老翁に。そして、その白煙は紫の雲となって「紫雲出山（しうでやま）」にたなびいた。（四国新聞「21世紀へ残したい香川」

その荘内半島に、現代の浦島太郎が登場したのは戦後のこと。現在は三代目の山田要さんが務められている。60歳から始められた三代目も今年で90歳に。写真の通り、元気でおられるが、地元ではそろそろ「次を探さないと」という声も出ている。

現代の浦島太郎は、亀とではなく、幼稚園児と花畑で遊んでいる。

shikoku88 at 08:11｜Permalink│Comments(0)│TrackBack(0)│四国 | 旅行

2014年07月04日

二式飛行艇

現在、武器輸出解禁で「売る、売らない」と話題になっているのが、世界最高性能を誇る飛行艇US-2（新明和工業）。Made in Japanなのに、何故にUSなのかはさておいて、そのご先祖も大戦中にやはり世界最高性能を誇っていた。

それが、川西飛行機の二式飛行艇、通称「二式大艇」である。新明和工業は戦後、川西飛行機が再編されて誕生した会社だ。二式大艇は167機生産されたが、現在残っているのは自衛隊鹿屋航空基地に保存されている1機のみ。そして、その機は香川にあった詫間海軍航空隊所属の31号機だ。昭和20年には海軍の全飛行艇部隊を詫間に集結させていた。

現在、基地の跡地は、香川高専詫間キャンパス（元詫間電波学校）と民間工場となっている。道路わきには、「二式会」の碑が佇んでいる。

碑文

昭和十九年建設された第十一海軍航空廠詫間工場で苛酷な作業の中　全員が信頼と連隊の強い絆に結ばれ

飛行艇を修理し戦場へ飛び立たせた　共に働いた方達と結成した二式会である

会員一同　思い出の地に平和を願って建立する

shikoku88 at 07:49｜Permalink│Comments(0)│四国 | 史跡・公園

2014年07月03日

まじめなのに結果が出ない人

まじめなのに結果が出ない人は、「まわりと同じ考え方をしている」という法則 (単行本) [単行本]

カスピアンウッズ

三笠書房

2013-12-13

どれも常識的で、奇抜なところはないのだが、普遍的な法則が説明されている。

中身のないニュースの「消費」は、国家的大問題。意味のない情報を垂れ流すマスコミを、我々が無視するしかない。私の場合、「この情報は自分の『行動』を変える可能性があるか」どうかで、そのニュースを吟味するかどうかの判断基準にしている。行動が変わらなければ、結果が変わるはずもなく、行動を変える可能性がないなら、情報の価値がない。

仕事で成果を出すために

・人間は、自分の目で見て、実際に経験したことしか信じない。よってリーダーは、社員に説教するのではなく、「記憶に残る行動」を残さなければならない。

・暗いニュースを追わない。悲観的な記事を読み続けると無力感に襲われ、やる気や判断力が鈍り始める。

・皆が流行に乗っている時、あわててはいけない。「うまい話には裏がある」

・事業計画を立てても、計画通りにはならない。「とりあえずやってみながら調整する」

・「大きな市場」を狙わない。ドイツの中堅企業（ミッテルスタント）はニッチ市場に専念することで、世界に市場を広げている。

・模造品が出回る今日、製品の質とアフターサービスを売りにすることが大切だ。これらは、そう簡単にまねできない。

・最初に市場に進出することは、必ずしも得策ではない。状況を見極めてから参入する方がいい場合もある。

・消費者の不満に目を向け、そして将来どんな不満を抱くか想像しよう。そうすれば、画期的な新製品を生み出せる。

・選択肢が多すぎると、人は精神的なストレスを感じる。そのため、消費者には選択肢を与えすぎない方が良い。

・顧客との関係を長続きさせる上で重要なこと。それは「ベスト」を目指すことではなく、「安心感」を与えることだ。

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2014年07月02日

元祖たこ判　小前

三豊でおやつと言えば、元祖「たこ判」小前。先週末、L500Vの試走に荘内半島を一周したついでに寄ってみる。

着いたら、看板娘のトシ子ばあちゃんが長椅子で横になっている。「どしたん？」と聞いたら、体の調子が悪いらしい。

たこ判の方はもう何年も前から嫁さんが引き継いでやっているので、注文の方は問題なかったが、心配だ。その傍ら、トシ子ばあちゃんのひ孫らしい小学生が店を手伝っていた。世代交代は進む。

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2014年07月01日

ミラL500V

昨日ユーザー車検したことを書いたが、その車がこれ。窓もドアロックも変速機も手動。ドリンクホルダーもエアバッグもないスパルタンな仕様。シートベルトをしなくても警告音もないので、シートベルト着用率の低いうどん県民にとってはよいかも（笑）。私は着用しますが

（ミラバンL500Vについては、このオーナーの方のHPに詳しい）

昨年譲っていただいたドイツ車は、異音の出ていた後部車軸ベアリングを交換し、故障していたウインドウォッシャーは自分で修理した。今回は、走行距離が66000kmしかなく、駆動系には全く問題なし。ただ、16年間屋外駐車でメンテナンスもされてなかったようで、塗装の痛みが激しい。洗車してWAXを掛けてみたが、クリアが飛んでしまっている天井は無理。剥がれかかっている天井の内貼りはどうしたものか。

週末、試しに荘内半島をドライブしてみたが、これが楽しい

4MTを駆使し（笑）、ワインディングを攻める。今の背の高い軽自動車と違い、車高が低いので安定している。路面が近いので、スピードを出さなくても、スピード感がある

車はどんどん進化し、安全になっているが、一方で、本来危険な乗り物なのに、それを乗る人が認識できなくなっている。大型化し、安全装置も充実し、遮音性能も上がり、鉄の鎧に包まれた安心感。それで、音楽を大音量で聞きながら、片手に飲み物（あるいはスマホ）を持って、平気でスピードを出す。

環境性能は上げなければならないが、「これでいいんじゃ

」という気がした。

shikoku88 at 09:01｜Permalink│Comments(0)│その他 | 今日の出来事

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