2014年04月
2014年04月30日
伝え方が9割
１年前に出た本だが、正直、「タイトルが大げさだ」と思っているうちに読むのが今になってしまった。読んでみて・・・
もっと早く読んでおければよかった
これを読むと、確かに世の中「伝え方が9割」で、伝え方次第で人生が変わる気がする。売れっ子コピーライターがその技法を明かした本だが、読んでいて、「あれ、これどこかで読んだことある」という気がしてきた。それは、ディール・カーネギーの『人を動かす』。
参考文献には入っていなかったが、本書に流れる「相手の立場に立って伝え方を工夫し、相手に自分のやってほしい行動をとらせる」という考え方は、『人を動かす』そのもの。これは、「まねた」というより、不変の法則だからだろう。
１．伝え方にも技術があった！・0%だったものが、アリになれば人生は変わる。・伝え方には、技術がある・資格では差がつかない。伝え方で差が付く。・プロに学べば、時間を短縮できる２．「ノー」を「イエス」に変える技術・コトバは「思いつく」のではなく「つくる」ことができる・「イエス」に変える３つのステップ�ー�分の頭の中をそのままコトバにしない�∩蠎蠅瞭�の中を想像する�Ａ蠎蠅離瓮螢奪箸醗戝廚垢襪�願いを作る「相手の頭の中を想像する」７つの切り口�〜蠎蠅旅イ�なこと��嫌いなことを回避�Ａ�択の自由�でГ瓩蕕譴燭ね��イ△覆晋堕蝣�相手が「寂しがり屋」「自分が好き」�Ε繊璽爛錙璽�化�Т脅�３．「強いコトバ」をつくる技術・誰にでも、「強いコトバ」はつくれる＝心を動かすエネルギーのあるコトバ５つの技術�．汽廛薀ぅ宰��▲�ャップ法（伝えたいコトバの正反対のワードを前半に入れる）��赤裸々法�ぅ螢圈璽繁��ゥ�ライマックス法（いきなり「伝えたい話」をしない）・長文を１０分でパワーアップする�―个世��▲侫�ニッシュ��タイトル
・メールは感情30%増量でちょうどいい
2014年04月29日
Kitchen by Ito Style
湯河原にはフレンチの名店がある。その名は「エルルカン・ビス」フランス料理に日本料理の技法を生かしたことで有名な伊藤淳一さんがオーナーシェフ。しかし、元来フレンチが好きでもない私はそこに寄ることはなかった。ドライバーなので外に食べに行くと飲めないというのもネック。
今回は、箱根ジオミュージアムに寄ってから湯河原パークウェイで行ったら、湯河原到着が丁度夕食時になった。「どこかないかな」と探していたところ、湯河原パークウェイの急坂を下った直ぐのところに良い感じの店を発見。店頭には真っ赤なFIAT500が置いてある。店名はKitchen by Ito Style。
聞いたところ、エルルカン・ビスの姉妹店として営業していた「鮨あんりえるるかん」を閉店＆改装し、今年の3月20日に新装オープンしたばかり。鮨も好評だったらしいが、職人さんが辞めてしまい、自分たちでできる洋食に変えたということ。
そのせいだろう、カウンター席が立派。その向こうには大きな窓から庭が見える。元は古い別荘だったとか。テーブル席からは森と一体化した庭にシャガが満開。自分の別荘なら庭の手入れが大変だが、これなら好きな時に食事付で楽しめる。
カウンター横にキッチンがあり、若い二人のシェフがカウンターの目の前で仕上げをする。ひょっとして、伊藤さんの息子さん？それは確認しなかった。
2014年04月28日
箱根ジオミュージアム
東京に戻った週末、箱根へ。昨年から続けているジオパーク調査の続きだ。今回は出張届を出さなかったので、自費。出したら出したで旅程などが制限されるため。
昨年末〜今年初めのジオパーク調査では、全国に6ヶ所ある「世界ジオパーク」を訪問した。これら世界認定のジオパークを含め、日本には合計33ヵ所の「ジオパーク」がある。ジオパークを名乗るためには、日本ジオパーク委員会の審査を受け、合格しないといけない。さらに、4年に一回の更新のための審査がある。
2012年にジオパーク認定を受けた「箱根ジオパーク」では、4月17日に拠点施設として箱根ジオミュージアムがオープンした。館長にごあいさつし、専門職員の山口さんから解説を受ける。
私は駅で貰ったパンフレットを頼りに、車で向かったのだが、パンフレットには住所と大雑把な地図しか出ていない。Google Mapに住所を入れて着いたのは、大涌谷の駐車場。どこにも、「ジオミュージアム」のサインはなく、不安はMAXに。
結局、「黒たまご館」の地下にあるのを見つけたのだが、駐車場側から誘導するサインが殆どない。聞いてみれば、「国立公園なので、自由にサインが出せない」ということだったが、「では、あのお土産の看板は何
」ということになる。地上階は観光客でごった返しているのに、ミュージアムは閑散。せっかくの興味深い展示が、これではもったいない。
2014年04月27日
空襲で焼け残った根津
なぜ、根津神社も含め、谷中・根津・千駄木に江戸情緒が残っているか？最大の理由は、空襲で焼け残ったから。
昭和21年9月に出版された『消失地図帖』の「浅草区・下谷区」部分が上記の地図。薄くピンク色になっているのが焼失した地域で、白く残ったのが焼失を免れた地域。上野公園から谷中・根津にかけて焼失を免れたことがわかる。国立博物館、上野動物園も大丈夫だったようだ。
元々、この「上野の山」は徳川家の菩提寺である寛永寺の広大な境内だった。それが、戊辰戦争の一つ、「上野戦争」で大半の建物が焼失。その後に作られたのが上野公園だ。広々していて、防火には有利だったのだろう。
しかし、その隣の谷中・根津・千駄木は従来通りの木造住宅密集地域で、そこが焼失を免れたのは奇跡的だ。そこが空襲されなかったのは、「占領後、東大にGHQを置く予定だったから」という話も聞いたが、どうなんだろう？（実際は、思っていたより便利が悪く、日比谷の第一生命ビルに決まったとか）
2014年04月26日
根津神社
江戸風情が残っていることで人気の根津。そこに引っ越しで一月近くなるが、普段は四国に居るので、滞在はまだ2回目である。
その中心にあるのが、根津神社。元は六代将軍家宣の屋敷であったらしい。1706年に完成した権現造りの完成形が幾多の家事や戦災を乗り越えて現存しているのは奇蹟。
この連休中はつつじの見頃。(写真は根津神社HPより)
宝永二年五代将軍綱吉は兄綱重の子綱豊（六代家宣）を養嗣子に定めると、氏神根津神社にその屋敷地を献納、世に天下普請と言われる大造営を行なった。
翌年（1706）完成した権現造りの本殿・幣殿・拝殿・唐門・西門・透塀・楼門の全てが欠けずに現存し、国の重要文化財に指定されている。
2014年04月25日
社会人学生
以前上場していたベンチャー企業の創業経営者から久しぶりに連絡をいただいたのは、3月のはじめ。「先輩、よろしく」とのことだったので、どういうことかと思ったら、「早稲田に入学します」とのこと
この方、現在50代後半で、普通に大学を卒業し、一旦就職したのち会社を退職、大学院に入り修士号も持たれている。今でこそ日本でも、大学院卒の起業家は増えているが、その頃ほぼ皆無であった。会社を創業したのは、大学院を卒業し、二回目の就職を経た後である。
20代後半で創業された会社を上場させ、香川では数少ない上場企業となった。その後、事業の浮沈があり、最終的に大手企業に持ち株を売却して経営者を退いたのが8年前。私が驚いたのはむしろそれ以降で、英検1級、証券アナリストにそれぞれ合格。その飽くなき知的好奇心は尊敬に値するだけでなく、元来が「実践派」なので、事業に投資にそれを活かしている。
そして、今回、早稲田の4学部を受験。見事、3学部に合格し、社会科学部を選んだとのこと。その昔、夜学だった社学は現在は他の学部同様、全日制になっているらしい。
今日は、同じく早稲田に通っている娘と3人で、大隈庭園のUni.Cafe125でお茶。3年生の娘は、この「後輩」の娘さんよりも若いが、「先輩」。「大先輩」となる私としても、このような「後輩」ができたことはうれしい限りだ。
2014年04月24日
稲盛和夫の実学��
授業で使うため読み直したので、新たにメモ。
37:商売というのは、値段を安くすれば誰でも売れる。それでは経営はできない。お客さまが納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない。
42:京セラでは、まだ会社が小さかったころから、月次決算資料が部門別に出るようにしていた。私は会社にいるといきも、出張に出かけるときも、細かい部門別になっているその資料にすぐに目を通すようにしていた。その部門の売上、経費の内容を見ていくと、ひとつの物語のようにその部門の実態がわかってくる。その部門の責任者の顔を思い浮かべながら、「こんなに無駄な経費を使っている」「材料代が売上に占める割合が大きすぎる」と経営上の問題がひとりでに浮かび上がってくる。
95:人間というのは面白いもので、「五升買えば安くします」と言われれば、ついつい買ってしまって余分に使ってみたり、乱暴に使ってこぼしてしまったりするものなのである。しかし今使う分しかなければ、それを大事に使うようになる。だから、今一升要るなら、一升しか買ってはならない。
148:社員の行動にどこかおかしな様子がある場合、不正に対し厳しい社風があり、周囲の者が清廉潔白であれば、すぐに目立つようになり、必要な処理がなされるであろう。しかし、おかしいと思われることを指摘することが「裏切り」であるかのように思わせる雰囲気が社内にあれば、問題は隠蔽されてしまう。このようにして社内に少しぐらいの不正には目をつぶろうという雰囲気が生まれると、やがて組織全体が膿んでいき、いつか必ず会社の屋台骨を揺るがすほどの問題になっていく。
2014年04月23日
比喩の力
地元の私立大学でも非常勤講師として、経営学部の学部生を教えている。前期の「中小企業論」の教科書は、『稲盛和夫の実学』にしてみた。大学の偏差値は低く、普段ほとんど本も読まない学生が多いが、教科書を読んだ学生から、「比喩が面白くて、分かりやすい」という感想が出た。「他の教科書なんか、何千円もするのに、読んでも意味が理解できない」とも言う。『実学』は文庫で定価524円だ。
例えば、「資産か、費用か」では、「バナナの叩き売り」の話が出てくる。 なるほど、これなら学部の学生でも理解できる。稲盛氏の経営者としての力は、こういった経営の話を一般社員にも分かりやすい比喩で伝えられるところにある。
『実学』を読むと、京セラの発展は、セラミックスの技術力とともに、管理会計を中心とする経営のイノベーションに支えられていたことを再認識できる。
極端な話だが、たとえば町でバナナの叩き売りをやるとする。まず青果市場でバナナを一箱仕入れる。駅前で叩き売りをしようと、手近の人百屋に行って、「リンゴ箱を一つ分けてくれ」と言い、空いたリンゴ箱を三百円で買う。リンゴ箱の上にかける大きな布も要るので、隣の雑貨屋で一枚千円で買う。棒がないと叩き売りにならないので、二百円で手に入れる。こうして商売の道具を一式そろえる。バナナは一房五十円で二十一房を仕入れた。それを百五十円で売ることにする。一房売れば百円儲かるわけだ。そこで日が暮れるまでに幸い全部売れたとしよう。売上が三千円あって、仕入れた原価は千円だから、儲けは二千円あるはずである。ところが、勘定してみるとお金はそんなにはない。リンゴ箱に三百円、布に千円、棒きれに二百円と道具に千五百円払っているので、手元には五百円しか残らないわけだ。仮にそこへ税務署が来て、「あなたは二千円儲かったから、その半分の千円を税金として払え」と言うとする。手持ちの五百円から、なぜ千円もの税金を払うことになるのか問うと、「リンゴ箱と布と棒は費用ではなく資産だ」と言う。「千五百円の資産と五百円のお金で二千円になり、それに税金がかかる」というのである。税務署はリンゴ箱はりっばな財産だというが、明日には次の土地に移るので捨てていかなければならない。リン゛コ箱を分けてもらった八百屋に行って、買い戻してほしいと言っても、「タダならもらってやるよ」と言われるのがおちである。布だって、おろしたてのパリッとしたものであってこそ、バナナがおいしそうに見え売れるのだ。結局、リンゴ箱も布も棒きれも資産としての価値はない。何度も繰り返して使えて、その価値が残るものは、会計上資産とすることになっているが、「本当に財産としての価値を持つものなのか、そうでないのか」というのは、経営者が判断すべきものである。そして、その判断の善し悪しの結果はすべて経営者の責任である。経営者にとって捨てる以外に方法がないものは、資産とは言えない。経費で落とすべきである。リン゛コ箱は三千円の売上を上げるために使った経費であって、八百屋でまたお金を払って買い戻してくれるような資産ではないからだ。(p52-54)
2014年04月22日
引き算の介護
風邪を引いた頭でできることと言えば、録画しておいたビデオを見る位しかない。なので、昨日まで3日間は、TVを見て寝て、TVを見て寝ての繰り返し。
その中で印象に残ったのは、「ガイアの夜明け」で紹介されていたデイサービスセンター「夢のみずうみ村」(山口県)。デイサービスセンターに通っても、要介護状況が改善することは殆ど無く、介護保険にかかる費用は毎年膨らんでいっているのが全国の現状だ。その中で、「夢のみずうみ村」では、施設利用者の9割に要介護状況の改善がみられるという。
何が違うのか？そこには、以下のようなポイントがあった。
・「箱入り老人」を造らない
他の介護施設が、「介護」に囚われ、職員が何でも手伝ってあげようとするのに対し、ここでは、出来ることは全てやらせたうえ、出来ないことにも少しづつ挑戦させる。体を使わなければ、状況は改善しない。
・「引き算の介護」
このことを、ここでは、こう呼んでいた。「何をしてあげるか」足し算で考えるのではなく、「何をしなくても自分でできるか」引き算で考える。
・「バリアアリー」
介護施設どころか、全ての公共施設で「バリアフリー」化が進んでいるが、こちらは敢えて、「バリア有り」。床に段差はある、逆に、手すりはない。手すりの無い代わり、手をつけるタンスや机などはある。これも、本来で来ていた身体機能を復活させるためということ。
・金銭感覚の刺激
ユーメという施設内通貨を流通させ、施設内や施設が運営する飲食店で働くことで稼げる。稼いだユーメは施設のサービス利用に使える。さらには、ユーメでギャンブルも出来る。射幸心は頭を活性化させ、ボケ防止になる。
以上、至って合理的。 施設利用者の9割に状況改善がみられるというのも納得。ところが、介護保険では、要介護状態が改善すると、施設が貰える保険料は減るので、効果が上がれば上がるほど、経営は苦しくなる。これは、大きな矛盾で、経営のことを考えれば、施設利用者の介護状況を治さない方がいい。
状況の改善に対して施設にボーナスを払い、悪化に対してペナルティとしたらダメなんでしょうか？
2014年04月21日
Dinner Lab
風邪で3日間寝込んでしまったので、記事が引用中心に。てきめんにアクセス数が下がった。(^_^;)
さて、今日本で話題のLabといえば、理研の小保方ラボだろうが、こちらは、NYで長年働いている友人（Arc Mediaの竹内さん）から教えてもらったアメリカでの新商売。以下、竹内さん寄稿の紹介記事から。（日経産業新聞 2014年1月29日）
ディナー・ラボ （Dinner Lab）www.dinnerlab.comは2012年8月にグルメ都市として有名なニューオリンズでスタートをした会員制のポップアップ・ディナーパーティーの企画運営会社。2013年には、ニューヨーク、ロスアンジェルスにも進出し、すでに会員の定員に達している。2014年春には、サンフランシスコ、ワシントンなどでもスタートする予定で、イベント型の新しいダイニング・サービスとして注目を浴びている。
ラボ（実験室）という名前が示唆すように、有名レストランで修業を積んだ新進気鋭のシェフをゲストシェフに迎え、自由で創作的な料理を新しい物好きな食通の客に披露する。大テーブルを囲む和やかな雰囲気の中でグルメファンの率直なコメントが飛び交うというシェフにとっては、貴重な実験の場となっている。「ポップアップ」とは、「突然、一時的に出現する」という意味。同社が主催するディナー・パーティは、毎回異なる場所で開かる。いつも、思いがけないロケーションが選ばれるため、会員は、料理のみならず、その会場にも興味深々である。ニューヨークでは、ブルックリンのオペラ・ハウスや、ビール醸造所などで開かれた。年間会員費は都市によって異なり、＄150-175である。毎週水曜日に3週間後のディナーパーティについての、案内が会員にメールにて送信され、会員はオンラインでチケットを購入する。イベントは午後6時半と午後9時にそれぞれスタートする一日2回のローテーションで開かれる。一回につき約40-50人が参加している。料理のジャンルは、アジア、中近東、アメリカと多岐にわたるが、デザートだけのディナー・パーティも好評であった。
会員層は21歳から80歳で、職業も様々であるというのがアメリカらしい。今年も積極的に開催都市を増やし、競争が激しいレストランビジネスにおける、新進シェフの活動の場を広げることをディナーラボは目指している。
互いに会員とはいえ、見ず知らずの人と座り、食事をする。なるほど、アメリカではウケそうなビジネスだ。でも、日本で成り立つかどうか？それを、「新鮮」と思って楽しめるか、変な人と隣になったらどうしようと「不安」に思うか。東京ならいけるかも。
2014年04月20日
うどん県は糖尿病ワースト１
今朝は、まちづくり推進隊高瀬で支援している「健康づくり応援」活動の見学で朝日山森林公園へ。前半は、健康管理士による糖尿病予防の講演、後半はヨーガの講習があった。
うどん県は、一人当たりうどん消費量全国一であるとともに、糖尿病ワースト１。糖尿病の原因は、食べ過ぎと運動不足ということなので、うどんを食べるから糖尿病になるということではないが、うどんと一緒に野菜を食べず、逆に天ぷらなど高カロリーのものを付けてしまうのが良くないらしい。
野菜摂取量は全国最低である。同時に、運動量も全国最低水準で、この組み合わせが糖尿病につながっている。確かに、東京では何も運動していない人を見つける方が難しいが、こちらではその逆。何か継続的に運動している人を見つける方が難しい。
美味しいうどんを食べ続けるためにも、うどんの前に野菜を一皿と、せめてうどん屋へは歩いて行こう。
2014年04月19日
Sari Sari
弘法大師生誕地「善通寺」さんへのお参りと言えば、昔は、善通寺駅まで汽車で行き、そこから「赤門通り」を通って、歩いて行っていた。
マイカー普及後、善通寺は寺の裏手に巨大駐車場を作り、ほとんどの参拝客はこちらに駐車して裏からお寺に入っていく。そのため、赤門通りは廃れ、シャッター街となった。
お寺の繁栄とは関係なく、廃れていく街並みを見て「さみしいな〜」と思っていたのだが、先日、地元の方に新しいカフェに連れて行ってもらった。
「サリサリ」は酒の小売店だった古い木造家屋と、裏の民家をそのまま利用している。所謂、古民家カフェの一種。訪れたのは、平日の夜9時過ぎだったが、我々以外にも若い女性3人組客が居た。8時を過ぎれば人通りのなくなる一角で、11時まで営業しているらしい。（LO10時）
場所は、「堅パン」で有名な熊岡菓子店の並び。これからの善通寺観光は、お参りして、サリサリでお茶して、堅パンをお土産に買って、宮川製麺所でうどんで決まりだな。
2014年04月18日
讃岐の美狂人
「讃岐の美狂人 三人展」と題された展示が丸亀で開かれている。前衛生け花作家の中川幸夫の3回忌に合わせた企画で、中川の作品集のデザイン装丁を手がけたのが洋画家の今井實、そして作品を撮影したのが写真家の新居義久。「同時代にこの3人が丸亀で出会ったことが、中川幸夫を生んだ」と言われる。
展示は、まさに中川の作品が撮影された新居の写真スタジオ「フォトス」で行われている。スタジオは現在、新居の弟子だった高橋さんがそのまま使用されており、よって、会期は短い。
明後日までなので、急げ
2014年04月17日
ヨウコソLBSへ！
LBSの現役生から嬉しいメールを頂いた。今年夏卒業予定のMBA2014は、2年前、私が日本同窓会長として最後に選考に加わり、送り出した年である。その代のJapan Club Presidentになった高野さんは、2年越しでInfo Sessionに来てもらい、それが縁で、受験相談に乗っていた。その高野さんから、「無事業務を終了し、MBA2015の南雲さんに引き継いだ」とのご連絡。
このJapan Club、実は私が在学中の25年前
代表をしていた。当時の主な活動は、現地の日系企業代表にLBSに来て講演をしてもらうこと。現在では、Sushi Night, Tatoo（学園祭）、Japan Trip（LBS学生120名が参加する各国旅行中最大の参加者を集める人気旅行に→上記動画）、Sake Tastingなど多岐にわたっている。この20年、日本経済の低迷で、海外トップランクのBSでの日本人学生の存在感は軒並み減少したと聞いている。その中で、LBSでは、Japan Clubの活動で、その存在感は減少するどころか、増した感じさえする。日本人受験者向けの日本語サイトもJapan Clubが運営していて、こうした地道な活動で、優秀な日本人MBA受験生がLBSを選択してくれている。
受験者への相談から、合格後渡航前準備、在学中のJapan Clubでの活動、卒業後のネットワーキングと一貫して日本同窓会が係わっているがLBSの強み。日本から始まったこの仕組みが評価され、2008年に表彰された最大の理由になった。
2014年04月16日
パワーポイント資料作成のうまい経営者には要注意
地元の起業家で、エンゼルとしてもベンチャー企業に投資している経営者曰く、「パワーポイント資料作成のうまい経営者には要注意」。これまでのベンチャー投資は「3勝7敗」、そのダメだったところの多くはこれだったとか。実は、これはVC業界でも言われてきたことだ。
もう20年くらい前に読んだドラッカーの"Adventures of a Bystander"（邦題：『傍観者の時代』）にこんな場面が出てくる。当時、ドラッカーはロンドンの小さな投資銀行に勤めていて、そこに「素晴らしい投資話」が舞い込んでくる。どう考えてもいい話なので、ロンドン中の著名投資銀行が投資を決める。ドラッカーの居た銀行でも、非常に優秀な若手パートナーが、「せっかく大銀行と並んで投資できる機会なのに、投資しないのなら会社を辞める」とまで言って投資をしようとするのだが、普段ちゃらんぽらんに見えるオーナーが頑として首を縦に振らない。
ところが3か月後、ロンドン中の大手銀行から大金を集めた「由緒正しい」人物は、忽然と姿を消すのだ。社員から「どうして彼が悪者だと分かったのか？」と聞かれたオーナーがこう答える。
「ぷんぷん匂ってたよ」
「どうして揃いも揃って皆気づかないんだい」
「あいつは全ての質問に対する答えを用意していた。誠実な男ならそんなことはしないし、する必要もない」
これは詐欺事件だが、綺麗な資料作成に拘りすぎる経営者というのは、「プライオリティの付け方が間違っている」 ケースだ。ベンチャー企業なのだから、実績が無いのは当たり前。会社の実態を作るべく、そこに時間を掛けなければならない。その一環として、資金調達をし、投資家にプレゼンもしなければならないが、その資料作りに時間をかけすぎるのは本末転倒だ。
そこが分からない経営者は、そのつもりが無くても、そんな調子でやっていれば事業に失敗して、投資家に迷惑をかけてしまう。そのうち、実体のないのを補おうと資料作りに精を出して、資金調達することが仕事になってしまっていたら、それは「投資詐欺」に近い。
2014年04月15日
多長根
世の中の多くの問題は、「よかれ」と思って始められたことが、思わぬ副作用をもたらしたり、状況が変わったのに止められずに延々と続いて起こっている。また、新たな仕組みに寄生して生きる既得権者が徐々に増えていき、やがてはそれが当たり前となり、進化を阻害する。
「思わぬ」と書いたが、「少し考えれば、その位の予測はつくでしょう」ということも多い。時折指摘されているように、余りに世の中が便利になり（その筆頭が日本！）、なんでも手軽に出来るようになったことが人々の思考力を鈍らせているのかもしれない。
私の好きな言葉に、「多長根」がある。確か、新将命さんの『リーダーの教科書』で読んだのが最初。
多：多面的に考える
長：長期的に考える
根：根本に戻って考える
決断を求められる立場にいる人は常に意識したい言葉だと思う。
2014年04月14日
心臓のタコメーター
図書館に行って、自転車関係本を一気読み。特定のテーマを調べるときは、ノートの真ん中にテーマを書いて、四隅に書名、そして、関連本をまとめて読むのが効率的。
全ての本で強調されていたのが、心拍計の重要さ。元CG編集部で、その後NAVIに移った下野氏によれば、心拍計は「心臓のタコメーター」であり、レースする人はスピードではなく、これだけ見てレースしているらしい。自転車の場合、エンジンは自分自身なので、早く遠くまで走るためにはこれを鍛えるしかない。
先日、「フルカーボンの新車にしたのにタイムが変わらない」と嘆いたが、これも、下野氏によれば、「イイ自転車は下りがイイけど、それ以外ではほとんど差が出ない」ということらしい。心拍計購入検討してみます。まずはヤフオクで。(笑)
[m:83]ロードバイクに乗るときに読む本 エンゾ早川2007
全ての本で強調されていたのが、心拍計の重要さ。元CG編集部で、その後NAVIに移った下野氏によれば、心拍計は「心臓のタコメーター」であり、レースする人はスピードではなく、これだけ見てレースしているらしい。自転車の場合、エンジンは自分自身なので、早く遠くまで走るためにはこれを鍛えるしかない。
先日、「フルカーボンの新車にしたのにタイムが変わらない」と嘆いたが、これも、下野氏によれば、「イイ自転車は下りがイイけど、それ以外ではほとんど差が出ない」ということらしい。心拍計購入検討してみます。まずはヤフオクで。(笑)
[m:83]ロードバイクに乗るときに読む本 エンゾ早川2007
80:upupペダリング
大腿骨2本を太鼓のばちのイメージで
upを意識
膝頭をアゴにぶつける感じ
82:三角ペダリング
126:ハートレートモニターPOLAR
[m:83]サイクリング入門 三浦恭資2007
60:コーナー
Slow in, Fast out
Out In Out
Lean with
58:ペダルは「踏む」より「回す」
[m:83]ロードバイク熱中生活 下野康史2011
23:心臓にタコメーター
30:TREK CRZ(廃版）
154:イイ自転車は下りでイイ
[m:83]より速く、より遠くへ！ロードバイク完全レッスン 西加南子2012
42:平日3回＋週末2回＝週5回
74:心拍計 POLAR CS500
150:早寝早起
2014年04月13日
家電メーカーをダメにした「エコポイント」
ちょっと古い記事だが、面白いのを読んだので紹介。一橋大学イノベーション研究センター青島矢一教授の研究によれば、2009年から2011年に実施された「家電エコポイント」がきっかけで、日本の家電メーカーがその後苦境に陥ることになったという。
何が起こったかというと、
�．蝓璽泪鵐轡腑奪�後の景気対策で、6900億円の予算を使い、家電エコポイント制度を導入
�△修�8割は薄型TVの購入に使われ、実質的には薄型TVの購入促進事業
��TV一台当たりの消費電力は130kw→109kwに16%削減されたものの、新規購入が増えたことでCO2排出量は173万トン増加
�だ�策の後押しで、SHARP堺工場、Panasonic尼崎第三工場が2009年稼働開始
�サ涎磴帽馥蘯�要が拡大したことで、国内生産が追い付かず、輸入品比率が急拡大
�ν�入品が定着する一方、価格競争で太刀打ちできなくなった国内メーカーが苦境に陥る（SHARPは倒産の危機、Panasonic＆SONYは大リストラ、日立は国内生産撤退）
という結果だ。
青島氏は、「家電エコポイント事業では、環境省、経産省、総務省が、それぞれ異なる目的から事業を支持した」という。環境省はTV消費電力の削減によるCO2の削減が目的だったが、集中的な生産でCO2排出量が増えたのは前述のとおり。TV1台当たりの消費電力は減ったものの、エコポイントが無くても、アナログ放送の終了で自然と達成できていたことである。
経産省は、日本の家電メーカーの国際競争力を後押しするのが目的であったが、結果は輸入品の定着による、日本のTV業界の壊滅的被害だった。2012年3月期決算では、Panasonic、SONY、SHARP3社で15000億円もの純損失を計上している。
総務省の目的は、地上デジタル放送対応TVへの切り替えを一気に進めることだったが、これだけは達成できたといってもいいだろう。ただし、これも、もともとアナログ放送を2011年7月に中止すると決まっていたのだから、6900億円もの税金を使う意味があったかどうかは疑問だ。
青島教授は、現在行われている再生エネルギーの全量固定価格買取制度(FIT)でも、同じことが起こると予想している。42円/kwhという買取価格は破格であり、安い海外品の流入を招くというのだ。
この点では、FIT導入で先行したドイツで一時世界最大の太陽電池メーカーとなったQセルが、買取価格の下落とともに、安い中国製との競合に敗れ、倒産してしまったことが記憶に新しい。その例があったにも関わらず、42円という世界一高い買取価格にしたのはどういうことか？
官庁との付き合いで思うのは、「責任を取る仕組みがない」ということだ。管理職は、2-3年でどんどん交代するので、政策の結果が出るころには他の部署に移っている。政策決定の時にも、各種「外部委員会」が作られ、「その決定に従った」形がとられる。
責任を取る仕組みがない一方、実績を上げてもそれが直ちに評価される仕組みもない。これでは、「考えるな」「働くな」と言っているようなもので、その場その場で「予算を使うことが唯一の実績」になってしまう。誰が入ってもそういう行動をとるようになっており、組織設計が悪いと言わざるを得ない。
2014年04月12日
図書館
大学では毎月、新刊本の案内が業者によって配られる。それだけ、本を買う先生が多いということだろう。大学教授の紹介写真というのは、大抵、研究室の本棚の前で撮られる。インターネットの時代になって久しいが、それだけ、今でも、「これだけ本を読んでます」というのが研究者にとっては「信用」なのだろう。
一方、もともと研究者でない私は、本を所蔵するという習慣がない。仕事に必要なものから娯楽まで、年に数百冊読むが、ほとんど買わない。大半を図書館で借りることで済ませている。
昔は、それでも近くに図書館がなかったり、欲しい本が無かったりで買うことがあった。しかし、18年前に大崎に引っ越したら、徒歩3分のところに図書館があり、しかも、所蔵されて無い本でも他館から確実に取り寄せてくれるし、他館にもない場合は必ず買ってくれる。それで、買う習慣が無くなってしまった。
本はいったん買うとなかなか捨てられない。それが、買わなければ、所蔵スペースも処分のことも考えなくていい。しかも、必要があれば、またいつでも借りれる、ということで「近所に図書館のある生活」を長年謳歌していた。
今回、根津に引っ越して困っているのが、図書館。最寄りの図書館は隣の文京区の根津図書室。近くのコミュニティセンターにある「分館」で、小さい。本郷まで自転車で行くか？
一方、もともと研究者でない私は、本を所蔵するという習慣がない。仕事に必要なものから娯楽まで、年に数百冊読むが、ほとんど買わない。大半を図書館で借りることで済ませている。
昔は、それでも近くに図書館がなかったり、欲しい本が無かったりで買うことがあった。しかし、18年前に大崎に引っ越したら、徒歩3分のところに図書館があり、しかも、所蔵されて無い本でも他館から確実に取り寄せてくれるし、他館にもない場合は必ず買ってくれる。それで、買う習慣が無くなってしまった。
本はいったん買うとなかなか捨てられない。それが、買わなければ、所蔵スペースも処分のことも考えなくていい。しかも、必要があれば、またいつでも借りれる、ということで「近所に図書館のある生活」を長年謳歌していた。
今回、根津に引っ越して困っているのが、図書館。最寄りの図書館は隣の文京区の根津図書室。近くのコミュニティセンターにある「分館」で、小さい。本郷まで自転車で行くか？
2014年04月11日
なぜ中国は世界帝国になれないのか
引越が終わらないので、本を読む時間がない。やっと読んだのは昨年話題になったこれ。
著者は、戦略を5つのレベルに分けている。
�‖臉鑪�（情報戦、外交、経済取引）
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�サ蚕�例えば、一番低い�サ蚕僖譽戰襪蓮◆嵋っ討量臣耄┐�高い」とか「兵士が熟練している」といったこと。�だ鐔僂砲覆襪函�日本海海戦での連合艦隊の「丁字戦法」がある。未だに無謀な��作戦の代名詞になっているのが、大東亜戦争での「インパール作戦」である。�∪鎔萓鑪�は、戦争地域となっている地域全体を対象とした戦略だが（例えば、「太平洋戦争」）、著者は国家としての運命を決めるのは、さらにその上の「大戦略」であるとしている。
吉田茂は敗戦に当たって、「戦争に負けて外交で勝った歴史もある」と言ったそうだが、こうした外交や、情報戦、経済取引まで含めて、国家として中長期的に繁栄するための戦略である。
中国は、孫氏以来の伝統もあり、自分たちは戦略に長けていると思い込んでいる節がある。しかし、「彼らの歴史の中には、互いの主権を用心しているような他国がひしめく世界で生きていくような知恵が残されていない」と指摘するところは、ルーマニア生まれのユダヤ人である筆者らしい。
「歴史のアナロジー」と題する、1880年代のドイツとの比較が面白かった。当時のドイツは、イギリスを産業革命で追い抜き、世界で一番勢いのある国だった。鉄鋼、化学、金融など主要産業で世界一となり、当時のイギリスでは、「大学でドイツ語なしで学べるのは英文学だけ」と言われるほど、あらゆる分野で世界の最先端であった。国民年金も、健康保険も、労災保険も全てドイツで初めて導入された。統一されたドイツ全土に単一の鉄道網が敷かれ、120もの私鉄がバラバラにサービスを提供するイギリスとの効率の差は歴然だった。
しかし、急速な台頭で自制心が利かなくなり始める。ドイツ人は次第に傲慢になり、「世界的な大国にしなければならない」と考える。1900年に、それまではバルト海だけに展開していた小さな海軍は、大洋でも作戦展開できるよう、19隻から38隻に倍増された。
こうしたドイツの急速な拡大に周辺国は、それまでの互いの対立を放棄し、同調してドイツに対抗し始める。イギリスは、アジアでの台頭著しい日本と同盟を組むことで、「新興国」同士が同盟を組むことを先手を打って防いだ。これは、欧米諸国が欧米以外の国と対等の立場で結んだ初めての条約であった。
その10数年後、「戦略思考は自分たちの得意分野だ」と自惚れていたドイツは、第一次大戦に突入する。長く苦しい総力戦を戦い、国土は荒廃し、敗戦したため賠償で塗炭の苦しみを味わうことになる。
確かに、現在の中国と共通点がある一方、技術革新でも既に世界をリードしていた当時のドイツとは違う点も多い。何れにせよ、興味深い一冊。
2014年04月10日
長崎の鼻
高松の観光名所トップ３と言えば、�〃�林公園、��玉藻城（高松城）、�２暗隋頁�間50万人）だろう。屋島の観光客数は高度成長のピーク時200万人を超えていたが、観光の多様化で現在はその1/4程度。栗林公園もほぼ同様。
標高292mのメサの上からの瀬戸内海の眺望は絶景で、昭和9年に備讃瀬戸は国立公園第一号に指定された。今年は国立公園指定80周年で、様々なイベントが開催されている。
私も屋島には何度も登っているのだが、今回は、海岸沿いに走ってみた。屋島の先端にあるのが「長崎の鼻」で、「鼻のように突き出したところ」ということだろう。ここには、幕末につくられた砲台跡がある。ここからの景色も、上から見るのとはまた違い、おすすめ。
1853年（嘉永6年）ペリーが軍艦を率いて浦賀に渡航して以来、国内では、海防の必要性が強く叫ばれるようになりました。讃岐では、1863年（文久3年）幕府の命を受けた高松城主松平頼聡が高松の港を守るため、ここに砲台を築きました。 （現地の看板から）
2014年04月09日
高専
地元の高等専門学校（高専）の先生と地元でイロイロお話し。大学に入ってからリクルーティングや産学官連携で地元の企業を100社以上回ったが、技術系での高専の評価は高い。「大卒よりも使える」という声もある。
高専の歴史をひも解いてみると、大学と区別するため、「研究」をせず「技術開発」出来る人を育てることに特化している。民間企業では、「研究」をしているわけではなく、技術部門でも「開発」をしているわけだから、企業での評価が高いのは当然だろう。
改めて調べてみると、
１．戦後の「教育民主化」で、戦前の複線型教育制度が廃止され、現在の6/3/3/4制の単線型教育制度が導入される。これに伴い、旧制「専門学校」の多くが、大学に格上げされる。（例えば、香川県立農業専門学校→香川大学農学部）
２．産業界から戦後の急激な工業化に対応するための、旧制工業専門学校の復活要請。1958年「専科大学法案」が国会に上程されるものの、野党が「戦前の差別的な複線型教育制度を復活させるもの」として反対し、廃案。
３．1961年、工業分野に限り、かつ、研究目的を外して、「高専法案」成立。
という経緯があったらしい。
しかし、1970年代は10倍以上の志願倍率があり、超難関だった高専も、大学への進学率が高まるにつれ、人気が落ちているようだ。2005年度には、高専平均で初めて志願倍率が2倍を切り、一部の高専では定員割れで2次募集も行われている。
高専自身が大学風になることを止め、原点に立ち返って、大学との差別化をするとともに、受験生や進路指導者も高専を見直してよいのではないか。
2014年04月08日
祖谷温泉
日曜日、予定していた今年初の「しまなみ海道」サイクリングが天候不順で延期となり、一日ぽっかりと空いた。新年度早々忙しかったので、午前中は溜まっていたプライベートのメール処理などしていたが、この春、まだ花見をしてないことに気づいた。そこで、FBで花見相手を募ったところ、唯一反応いただいたのが高校の先輩。高瀬まで駆けつけてくれるという。
爺神山で鳥坂まんじゅうを肴に花見を始めるが寒い。寒いので、「温泉に入ろう」ということになり、誘われるままお隣徳島県の祖谷温泉へ。かっては「秘境」を売り物にした祖谷だが、長年の土木工事の結果、あっけなく到着。しかし、もともと急峻な山肌に無理やり道路をつけているので、年がら年中工事をやっている。一体維持費がどれだけ掛かっているのか恐ろしくなる。
前回、私がこの温泉に入ったのは約40年前。夏休みの家族旅行だった。その時は、道路わきに車をとめ、崖路を延々と河原まで下りて行った。河原の一角に穴が掘ってあって、そこから温泉が湧いていた。周りには脱衣所も何もない。当然、無料。
それが祖谷温泉だったが、今回行ったら、余りの違いに愕然とした。崖が削られ、道路は拡張され、そこにホテルが建っている。その脇にはケーブルカーがあり、これで河原まで下りていけるようになっていた。ケーブルカーの終着駅と一体となった建物が現在の祖谷温泉。露天風呂と書かれているが、屋根の着いた「半露天」。湯温は昔から温く39度ほど。夏はいいのだが今日の天気では寒すぎ。
以上で、一人当たり入浴料は1500円。自分で歩いて下りさえすれば無料だった時代を知っているので、何となく納得がいかない。次回は、ホテル内の内湯（500円）でいいかな。（笑）
2014年04月07日
少年少女国連大使
JCI（青年会議所）が、「少年少女国連大使」という事業を行っています。現在、本年度の「大使」を募集中です。応募締め切りは5月9日、募集対象は「小学6年生〜中学3年生男女」です。
「国連ミレニアム開発目標（UN MDGs）に掲げられる開発途上国の問題に対して、少年少女国連大使が提言を行う」というもので、これはいい体験になりますね。自己負担分は10万円ということです。
広い世界を見て、世界水準を知ったうえで、自分の領域に取り組むことで、質が高く、インパクトのある仕事が出来ます。四国を含めて、地方の子供たちほど是非こういうことに参加してもらいたいです。
2014年04月06日
2014年04月05日
車は完璧すぎてはいけない
伊丹十三は、車好きでもあり、ロータスエランやポルシェなどを所有していたらしい。『ヨーロッパ退屈日記』には、「この役がもらえたらロータスエランを買おう」と決めた話が出てくる。以下は、30年前の学生時代に読んだ記憶なので、一部不正確かもしれない。
あるとき、ロータスの技術者と話をする機会があり、伊丹が、「ロータスは未だにオイル漏れがするね」と言う。技術者の答えが奮っている。
「オイル漏れのしない車を作るくらいは簡単なことだ。しかし、そうすると、人は機械に頼って、自分で安全管理することを怠ってしまう。だから、機械が完璧でないことを思い出させるために、わざとオイル漏れするようにしてあるのだ。」
伊丹は、「負け惜しみを」と思いつつも、「そうかもしれない」と考える。そこまで考えて車を作るとは、流石シェークスピアを生んだ国だと。
この行動心理学的な考え方は、近年注目されてきた。経済学でも、従来は、「人間は合理的な行動をする」ことを前提に理論化されてきたが、誰しも経験がある通り、人は非合理的な行動をしばしば行う。その結果として、バブルが生じたり、経済破たんを起こしたりする。
福島原発事故でも、原発事故を恐れるあまり、原発の安全神話が作られてしまった。安全神話が作られてしまうと、それに沿わない小さな不具合や事故も「あってはならない」ということになり、隠蔽したくなる。なぜなら、そこに待っているのは、安全神話の崩壊につながる過剰反応だからだ。
今後、機械の設計も、組織の組立も、社会の仕組みも、「人がどう捉え、どう反応するか」を長期的に考えて行う必要がある。世の中の大きな問題は、大抵、良かれと思って作られたことから始まっているのだ。
2014年04月04日
カンブリア宮殿「苦境にあえぐ地方商店街！奇跡の再生術」で触れられなかったこと
TV東京「カンブリア宮殿」は2週連続で四国の話題。先々週は、内子フレッシュパークからり直売所の野田名誉会長で、先週は丸亀町商店街の古川理事長。両方とも、本学MBAコースで非常勤講師をお願いしており、学生は詳しい話を聞ける。
丸亀町商店街の番組で気になったのは、事業費に関する説明が無かったことだ。説明が無ければ、商店街改修に掛かった事業費は商店街で賄ったと考えるのが自然だろう。私のところにも、番組を見た友人から、「丸亀町商店街は素晴らしい！高松は素晴らしい！香川は素晴らしい？」という感想が寄せられているので、誤解の無いようにもう一度簡単に書く。
丸亀町商店街の再生事業には69億円が掛かっている。そのうち商店街が投資したのは2000万円だけで、残りは全て税金が投入されている。それは、商店街再生による経済効果を見込んでのことであり、そのお金が投資以上のリターンをもたらすかどうかは10年以上検証しないと分からない。これだけの資金が投入されれば短期的に賑わうのは、当たり前のことだ。
勿論、それだけの公金が投入されたのは、
・長期ビジョンを持った（元）理事長が商店主達をまとめたこと
・「所有と経営の分離」により商店街の欠点を克服できる実施可能なプランを作ったこと
にあり、商店街が自主的に動いた結果であることは間違いない。
2014年04月03日
武雄市
「Facebook課」とTSUTAYA（CCC)に図書館運営を業務委託したことで有名な武雄市に行ってきた。人口は5万人。面積は195㎢で、人口密度は254人/㎢。高齢化率は27%というから、まさに平均的な地方小都市。
初めて来た街の印象は、「特徴がない」。街には1300年続く武雄温泉があるものの、周辺には嬉野や湯布院など有名温泉が目白押しで、知名度では劣る。
それが、2006年の市町村合併後初の市長選挙で当時36歳の樋渡市長が初当選し、以来、その政策で全国的に注目を集めている。
武雄市図書館は以前からあったものを、カフェ部分を設けるなど改装の上、CCCを指定管理者として契約。オープンして1年間の来場者は92万人で、それ以前の3.6倍になったという。余りに話題になったためか、貸出冊数で見ると市内が56%で、武雄市以外の佐賀県内が32%、県外が12%もある。駐車場を見ても、県外ナンバーがかなりいる。現在の最大の問題点は、予想外に多い来場者による駐車場の混雑だという。
従来型の公共図書館を支持する向きからは、「市民図書館としての機能がないがしろにされている」との声もあると聞くが、本を借りることも、買うこともできるうえ、そのままカフェで本を読むこともできるので、利用しやすい。こんな図書館が身近にあればいいのに、と思う。
2014年04月02日
尾道空き家再生プロジェクト
「尾道空き家再生プロジェクト」の視察で、尾道へ。考えてみれば、昨年3度も尾道へ行っているが、何れも「しまなみ海道」サイクリングの後で、尾道駅から輪行したのが2度、隣の福山までそのまま走ったのが1度で、街を見たことがなかった。
感じたのは、「歴史には敵わない」ということ。「再生」するためには、「素材」が良くなければいけない。元々大したものでなければ、再生しても良くならないので、再生する意味がない。そのよい「素材」が生まれるためには、一定期間以上の繁栄による富の蓄積が必要だ。貧しい地域には文化も育たない。
その点、尾道は鎌倉時代以来、商港都として繁栄してきたという。
（以下、尾道商業会議所記念館パンフレットから）
第1期黄金時代：1169年、後白河院領備後国大田庄倉敷地の指定を受けて、公認港となった尾道は天然の良港として発展。
第2期黄金時代：1671年、河村瑞賢により西回り航路が開拓され、北前船の寄港地として発展。商人の街として活気づく。
第3期黄金時代：1878年、第六十六国立銀行が尾道で設立（その後、合併を経て、現在の広島銀行に）。1895年には住友家の重役会議が尾道で開催され、銀行業務進出を決定。（その後、合併を経て、現在の三井住友銀行に）山陽鉄道の尾道駅開業はじめ、汽船による大阪航路や外国航路の寄港地となるなど西日本における商業の中心地として、多くの豪商が誕生。
写真は、現在、カフェ＆ゲストハウスとして使われている町屋「あなごのねどこ」です。
2014年04月01日
理化学研究所
ついに、理研の調査委員会が、「STAP細胞を捏造」と判断した。早稲田にとって、本業の研究＆教育での久しぶりの明るい話題と思っていたのに、残念だ。その背景に、「予算の獲得競争」があったことは間違いない。
私が大学に入って驚いたことの一つは、「お金とは稼ぐものではなく、貰ってくるもの」という意識である。民間企業が「何か価値のあるものを提供してその対価を得る」ことによって成り立っているのに対して、大学では教員が研究案を提示し、予算を貰って初めて研究ができる。そこに競争があるのは間違いないが、論文を学術誌に載せることが目的になってしまい、「大半の研究が再現できない」ということが、海外の調査によっても明らかになっている。STAP細胞の場合、余りに話題になったため世界中で再現実験が行われたが、大半の研究は検証もされないというのである。
今では、独立行政法人となった理化学研究所だが、元はと言えば、三共製薬の創業者である高橋譲吉や、日本資本主義の父ともいわれる渋沢栄一によって設立された民間の研究所だ。研究資金の枯渇を、研究成果の事業化によって乗り切り、戦前は資金潤沢で束縛がなく、「研究者の楽園」と言われた。その流れをくむ企業は、理研ビタミン、リコー、リケンなどがある。
いわば、日本の研究開発型ベンチャーの魁であったが、戦後GHQの命令で解体された。後に株式会社として再出発し、政府出資を受ける。それはやがて特殊法人となり、2003年に現在の独立行政法人となる。
良い研究を行うためには、独自財源が必要だと改めて思う。それは国も含めて、「どこからか貰ってくるもの」でないほうがいい。
