2013年10月
2013年10月31日
漂流郵便局
粟島の作品で、私が一番好きだったのは「郵便局」。実際に昔あった郵便局で、現在は港近くに引っ越した旧建物を活かした作品です。
写真右が、使われていた当時の局長。左が、この作品の作家にして局員の久保田沙耶さん。局長さんは笑顔ですが、局員はクールです。
「いつかのどこかのだれか宛の手紙を出したい方は」以下をご了承頂き、下記の方法で漂流郵便局までお送り下さい。それで、官製はがきで、この郵便局宛に出してもらい、それを訪問者が読むという仕組みです。
１ 送って頂いた手紙のご返却は出来ません
２ 手紙の著作権は問う郵便局に譲渡して頂きます
３ 差出人様のご住所は不要です
2013年10月30日
瀬戸内芸術祭→粟島
瀬戸芸について提案しなければならないのに、忙しかったり、体調を崩したりで、ついに最終週に。それで、昨日から大慌てで島を回ってます。
初日は粟島と高見島へ。粟島は地元なので何度も行っていますが、芸術祭で行くのは初めてです。
朝一の会議を終えて、1045の船に乗ろうと5分前に自転車で到着。ところが、まさかの満席で積み残しに
平日ですよ。幸い、粟島までは船で15分なので、行った船が直ぐ引き返して臨時便になって、それに乗りました。粟島に限らないのですが、今回の瀬戸芸はかなりノスタルジックです。瀬戸芸そのものはモダンアート。手法はモダンアートなのですが、テーマがノスタルジックなのです。
粟島で言えば、展示作品数は１２。そのうち、過去をテーマにしたものは６と半分です。例えば、写真の作品は「島の鬼を巡る」（田村友一郎） テーマがノスタルジックで、表現手法はモダン。温故知新ということでしょうか
粟島の歴史や伝説､記憶などを凝縮した鬼瓦｡作家は三豊市指定有形文化財である達磨窯を使用して新たに鬼瓦をつくり始めた｡それらの制作過程をを記録した映像作品と鬼瓦を発表する。
2013年10月29日
卑怯を映す鏡
この「卑怯」というのが価値観として流行すればいいと思うんですが。
44:あの頃はアメリカだけだった点数化序列化が、今は日本を含め世界中に拡がっている。ほとんどどれも客観を装った主観なのに、皆それらを有難がっている。そしてその序列が一人歩きする。三大格付け機関は大量のサブプライム入り証券にトリプルAを与えていたし、リーマンショック時には、リーマンブラザーズ社債を破綻の数日前まで日立や新日鉄より上として推奨していた。73:ノースウェスタン大学の学者は最近、「幼少期に床に落ちた食べ物を拾って食べることで身体が微生物や最近にさらされると免疫系がよく発達する」という論文を発表さえしている。184:メディアが的を外しているから国民は、これ以上とにかくビタ一文も税金を払いたくないという分からず屋、およびお国のためなら仕方がないと諦める人々、に大きく二分されている。どちらも思考停止だ。本質は消費増税が本当に財政再建や景気回復に少しでも役立つのかということだけだ。187:政治家や有名人がいったんしくじった時の、マスコミによる袋叩きは凄まじい。森首相の｢神の国」、麻生首相の「未曾有」、鉢呂大臣の「死の街」をはじめ何人もの大臣を取るに足らぬ失言や失敗で叩きに叩き、辞任に追いこんだ。いったん弱みを見せた人を全マスコミが寄ってたかって叩くのは、正義を装ったリンチであり、その容赦のなさは卑怯そのものだ。[m:67]だから、権力乱用で集団リンチをやっているマスコミが、｢いじめ反対」と言っても白々しく聞こえる。でもそれは、「読者が求めている」ということなんだろう。かつて、ローマ人が競技場で奴隷の死闘を観戦したように、大衆が安全な場所から、権力者がマスコミになぶられ、その地位を追われるのに喝采を送っている。かくして、リーダーになろうとする人材は確実に減っていく。
2013年10月28日
怒れるおっさん会議
田尾さんは、93年に『恐るべきさぬきうどん』の本を出して、今に続く「さぬきうどんブーム」を作り出した人。それが、当初は県内のマスコミや行政から完全に無視されていたとは・・・。オドロキです。今や、「うどん県」なのに。
50:(田尾)瀬戸内国際芸術祭はアーティストにお金を出して作品を作ってもらう方をやっている。けど、税金でやっている限り、絶対大きくなっていかない。だって、経済が成長してないんだから税収も増えんし、そんなにつぎ込むお金ないもん。・・・あれだけ金をかけるんだったら、作品を作ってもらうために金をかけるんではなくて、世界中のアートプロモーターに金を使うとか。1ヶ月くらい、宿泊から何から全部ただで世界中のすご腕のアートディレクター、プロモーターみたいな他人を何十人でもええから招待する。そしたら、世界で有名になりたいっていう若手の作家みたいなのが、日本中だけでないで、世界中から香川に来る。53:(田尾)行政のやるイベントには二つのメンタリティがあると思うんですよ。一つは・・・税金を使っていることや、数字をごまかそう、ごまかそうとするメンタリティ・・・。もう一つは、使った税金に対してリターンが多かったっていうイメージを伝えようとするメンタリティ。(勝谷)税金を使ってリターンで儲かったって言うケースは、おそらくこの国ではありません。あったら、僕らみんな豊かになっているはずでしょう。58:(田尾)売上を伸ばすためには、まず売れるものを揃えることですよね。売れる物があって初めて売上が上がるんだから。宣伝しようがイベントしようが、売れる物がなかったら、売上なんか絶対伸びない。63:(勝谷)芸術祭も、収支決算を出せって話や。収支決算をだましたまま、御用新聞の四国新聞までもが全部そのまんま流してる。70:（田尾)国で大きい項目は何かって言ったら、一番は社会保障費ですよ。それなら社会保障費から手を付けるというのがビジネスのセオリーで、なぜそこで、「高齢化が進むにつれて社会保障費は増えます」っていう大前提で話が始まるのかが、僕には不思議で仕方がない。社会保障費というのは貧しい人を救うのが目的だから、「貧しい人が増えたから社会保障費が増える」というのはわかるけど、戦後ずっと日本国は豊かになっているのに、社会保障費が増えているというのは意味がわからないんです。僕の中では、貰ってはいけない人が貰っているのではないかという結論に達している。74:(田尾)まちおこしで本当に豊かになった地域は見たことないですね。(勝谷)まちおこしという形じゃなくて成功したのは、僕も関与していますが、富士宮の焼きそばですよ。・・・渡辺英彦さんっていうダジャレ好きなオヤジがシャレでやっているから、上手くいったわけで。この人が面白い人で、絶対に行政の力を入れない。82:(田尾)高齢者を税金で面倒をみ始めると、若いもんは自由に好きなように動くようになる。で、親の面倒をみなくなる。だから人口格差は確実に広がる。104:(田尾)ブームになって90年ごろから県内の人間が動き始めて、93年に『恐るべきさぬきうどん』の本を出したら、94年頃から全国的なブームが来て、小さな製麺所に行列ができる現象があちこちで起こりました。県外のメディア、テレビ･新聞･雑誌が次々にブームを伝えた。なのに、香川県のメディアは一切報道しなかったんです。111:(田尾)マスコミが一切報道しないから、紙面なら紙面のまあ5割か6割が共同通信の配信記事、残りの何割かのうちの2割かそこらが大本営発表の記者クラブから流れてくる記事。あとはあたりさわりのないお悔やみ、交通事故のこと、どこそこで犬の子が6匹生まれました、猿の双子が生まれました、小学校で卒業式が終わった後みんなで大掃除をしました、みたいな。問題意識がゼロなんですよ。191:(田尾)補助金が下りたのは、丸亀町商店街というより開発計画を立てた人の手柄。つまりあれはね、商店街の活性化の成功例ではなくて、巨額の補助金を持ってきた成功例だというのが僕の認識なんです。
258:(勝谷）本当はサンフランシスコ条約のときに日本は軍を持ちますよと言わなきゃいけなかった。憲法に書かないといけなかった。でも、全部ちょこちょこやって嘘ついてるでしょ。こういう嘘をついていると、絶対大きな失敗をするんです。原子力発電もそうです。原子力を日本が本気でやるんだったらやるで、例えば原発周りには軍がおらなおかしいです。・・・今もし日本が原子力を本気でやったら、オイルなんて全部原子力タンカーでガンガン輸送して、もう経費半分ですよ。
2013年10月27日
富岡製糸場
日仏工業技術会の主催で、世界遺産登録を目指す「富岡製糸場」へ出かけた。「フランスの技術で造られた工場」という縁である。今回が、JETプログラムで8月にやって来たロブションさんのガイドデビューということで、地元「上毛新聞」の取材も入った。
明治5年（1872)の創業。141年経つ建物が今でも現役で使用が可能なほどよい状態であることに感動。木材で骨組みを造り、その間にレンガ壁を積む「木骨煉瓦造」であることが、功を奏しているようだ。
明治26年まで官営で、その後、三井家に払い下げられる。明治35年に原合名会社への譲渡を経て、昭和14年に日本最大の製紙会社であった片倉製糸紡績株式会社に合併。戦前は実はM&Aは盛んだった。
昭和62年（1987)まで現役で使われていた工場に残る機械は、プリンス社製の自動繰糸機。プリンスは後に日産自動車に吸収される。トヨタ自動車の源流が、豊田自動織機であるのと同様、日本の自動車産業と繊維工業の繋がりは深いようだ。(プリンスは勿論、その後日産の看板車種となったスカイラインの製造元)
2013年10月26日
リーダーシップの本質
アメリカでも20年前に、「リーダー不足」が指摘されていることが面白い。日本はもっと深刻だと思うのだが、この分野の研究は進んでいるのだろうか？
まえがき：人間の未開発能力の一つは、リーダーシップ能力社会で効果的にリーダーの機能を果たしている人間一人につき、5人から10人の、同じ能力を同じくらい持ちながらリーダーの機能を果たしていない人やリーダーになることなど考えてもみない人がいる。13:責任を取ることは、リーダーシップの確信31:リーダには自分だけの立場で話すぜいたくは許されない219:リーダーシップは教育できる<強調>要素の大半は教えることが出来る<条件付>要素には教育では取得できないが、重要であるものが含まれる220:リーダーシップの才能があること≠それが華々しく開化する障害�’Δ售鵑覺躓���規模と複雑性��専門化⇔リーダーはゼネラリスト�ぅ蝓璽澄璽轡奪弋馮殀娠��ジ�職者に対する過酷な批判232:コミュニケーション能力まず母国語による書く能力と話す能力←Public Speech & Debate242:組織がリーダーシップ開発のために行うこと�．蝓璽澄爾寮�在能力を備えてい
[m:67]社会のいたるところでリーダーは必要なのに、リーダーが不足している。
2013年10月25日
知の巨人 ドラッカー自伝
先日、英文で読んだAdventures of a Bystanderのついでに、日経新聞で連載された「私の履歴書」を元に日本だけで出版された本書を読んでみる。
GMでの従業員意識調査結果に基づき、従業員参加の「職場改善プログラム」を導入しようとしたのに、労働組合の反対で導入できず、その成果は1950年代にトヨタで「QCサークル」として導入されたというのが歴史の皮肉として面白い。
労働者のために作られたはずの労働組合が、いつの間にか、労働者のためではなく、自己組織防衛のために存在するようになる。同じことは、市場競争原理の働かないあらゆるところで起きる。日本で言えば、農協もそうだろう。大学も？
父アドルフ：オーストリア･ハンガリー帝国の政府高官＆経済学者毎週ホームパーティ月：政治の会(父)→14歳から出席（会話に入ることは許されない)水：医学･精神の会(母)→14歳から出席（会話に入ることは許されない)金：制限無し→10歳から出席75:ヒトラーはオーストリアの田舎出身で成り上がり者。まともな教育を受けた者なら決して使わないような汚いドイツ語を使う。だから右翼政党のリーダーたちは誰もが真剣に取り合わず、万が一の場合は簡単に牛耳れると思い込んでいた。150:1947GMでの従業員意識調査「従業員が会社や製品との一体感を求め、責任を持ちたがっている」→職場改善プログラム（QCサークル）導入計画UAWの反対「経営陣が管理し、労働者が働く。労働者に対して管理者としての責任まで負わせるということは、労働者に大きな負担をもたらす」＊トヨタで1950年代に導入180:コンサルタントとしての時間の半分はプロボノ（無報酬の公益サービス)として大学や病院、教会などNPOへ
＊マネジメントは企業の専売特許ではない
2013年10月24日
市場経済を信頼しない日本人
「日本は資本主義の国のなかで、なぜか例外的に市場競争に対する拒否反応が強い。市場競争のメリットを十分に理解しているのか?」という疑問から書かれた本『競争と公平感』（大竹文雄)。
上の調査結果にあるとおり、日本人の市場に対する信頼は、汚職やコネが蔓延る中国やインド、ロシアなどよりも低い
これは、日本人が市場競争のメリットを十分に理解しておらず、それは、学校でもまともに教えられていないからではないか、というのが本書の結論である。16:資本主義への支持＝運やコネではなく勤勉が成功につながるという価値観＆汚職が無いという認識208:移民の増加 米低学歴労働者にも大きなマイナスにならない・高学歴の移民が多い・低学歴であっても補完的な仕事についている64:「最近、市場原理主義批判や新自由主義批判が目立つが、これは何を批判しているのか。レッセ・フェールの弊害や｢市場の失敗」はケインズはもとよりそれ以前のマーシャルやピグーも指摘した。ミクロ経済学の常識である。」 小宮隆太郎「私の履歴書」200869:市場競争→最も効率的に商品やサービスが配分される72:教科書に書かれていない！⇔市場の失敗の強調
2013年10月23日
多様な学生を採りながら、OB満足度を同時に上げる方法
ホリエモンの話の次は、「早大改革のためのパネル討論」へ。
パネリストは、
下村博文 文部科学大臣
鎌田薫 総長
熊谷俊人 千葉市長
熊谷博子（映像ジャーナリスト）
白坂亜紀（銀座「クラブ稲葉」等経営）
で、司会が、
三宅民夫 NHKアナウンサー。
当然、全員、早大OB＆OG。
内容は、パネリストの大学に対する文句？に対して、総長が釈明する、という構図が多かった。
Q:学生全員、在学中に一度は留学を。そのための予算措置は国で行う。(下村大臣)
A:早大生の1/4は既に何らかの形で留学している。これを1/2までに増やす計画。（鎌田総長)
私：早大生の1/2は歓迎だが、「お金をあげるから行っておいで」みたいな低い認識で、成果が上がるとは思えない。文科省は、中学生並の学力しかない「大学生」を作るのに既に年間3000億円以上を助成しているが、そんな「大学生」を世界に出したら、日本の恥だろう。
Q:人格を形成する大事な時期に、マスプロ教育では心もとなかったので、娘には早大を勧めなかった（熊谷）
A:全くの誤解。今の早大の各授業のクラスサイズは、XX人以下が3割、YY人以下が4割（細かい数字は忘れた)で、大半は少人数クラスである。（鎌田総長）
私：早大も改善はしているようだが、もともとそういうところ。つまり、その規模もあって、「大学＝社会そのもの」という感じで、自主性がなければ、4年間、本当にほったらかし。求めれば、与えられる。
Q:店には経営者が多く訪れるが、慶應出身者が母校の悪口を全く言わないのに対し、早稲田出身者は「何もしてくれなかった」と悪口ばかり。（白坂)
Q:うちのダンナは慶應卒だが、Home Coming Dayに行って、「あー、いい大学に行ってよかった」と本当に満足している。早大はありがたみを感じさせない。（熊谷）
私：これは昔から早大のお家芸。(笑) 同級生で集まることはあっても、殆どが母校に無関心。結果的に、「母校のために」というのが少ない。しかし、このままでは同窓会の強力なところに負けてしまうのは明白。
かっては地方出身者が多かった早大。現状は7割が関東出身で、慶應と変わらない。「多様性を保つため、もっと地方出身者を入れて」という声が会場からあった。しかし、そうした地方出身OBも、大半は卒業後東京にいついている。
「早稲田と慶應と両方受かったら、大半が慶應を選ぶ」と言われる現状を憂うOBは多い。そこで、私なら、こうする。
・稲門会（同窓会）に推薦権を与える
個性ある学生を採りたいが、面接の手間が膨大というのがジレンマだろう。そこで、熱心なOBに面接してもらい、推薦してもらう。面接するのは、学力テストで一定以上の成績を残せたものだけにし、面接達者な嘘つきの入学を防ぐ。可能なら、最終面接は大学当局がやればいい。OBに権限を与えることで、OBの満足度も高まる。
2013年10月22日
9割の負け組から脱出する投資の思考法
広木さんはマネックス証券のストラテジスト。その語り口は軽妙で、しかもスルドイ。直近では1年前のまだ日経平均が8500円の頃、唯一人2013年春の12500円を主張した。
「市場に投資家がいない。だから、見方が一方に偏ったまま、それを是正･修正する動きが入らない。市場に関るものにとって、市場は常に正しい。それは黄金律である。しかし、あえて言う。ここまで歪んだ日本株式市場は間違っていると。」(2012年10月10日）
15:人は歴史の教訓から多くを学ばないものであり、そのことこそ歴史が教える一番重要な教訓である。（オルダス･ハックリー）27:バブルの修正に20年掛かった63:バリュー株と小型株→α！＊バリュートラップ（バリュー株がいつまで経っても評価されない）＊タダのボロ株79:利食いと損切りの比率を3:1にする 例）15%:5%Trailing Stopの活用244:普段は何をやっても儲からない。10年に一度のバブルのときだけ勝負すべし。土井雅紹 『勝ち抜け！サバイバル投資術』106:債権国にとって、金利上昇は国益「日本の借金」が世界最悪なのではなくて、「日本の政府部門」のGDP債務比率が世界最悪174:リスク要因�＼�長戦略に対する期待の剥落�⊂暖饒�税先送り議論を巡る混乱�Ｊ胴颪龍睛酸�策の変更�て�本の製造業は復活できるか�チ汗こε�な債務問題
[m:67]夢や目標は曖昧なほうがいいのです。方向性を示すだけでいいのです。あまり具体的に考えてはいけません。未来のことを事細かに考えたところで周りも変われば自分も変わります。(松本大)
2013年10月21日
大隈塾
次世代の日本のリーダーを早稲田から育てるべく、田原総一郎氏が中心になって2002年に始まったのが「大隈塾」。「各界を代表するキーパーソンを招き、政治経済のあらゆる側面に光を当てた討論中心の教育」が行われているらしい。
週末の稲門祭（Home Coming Day)で、その特別編があり、ゲストは堀江貴文氏。ホリエモンの話をナマで聞いたのは初めて。その感想は、「純真な男なのではないか」ということ。
・子供のときから頭は良かった（30分のテストを5分で解いて満点だった)
・一方、運動は苦手
・走るのが速いとモテるが、勉強が出来るのは評価されない土地柄（八女市）
・宇宙とかに興味を持っていたが、周りと話が合わなかった
・久留米大付属（私立の進学校)では勉強していなかったが、「東京に出たい」と一念発起し、半年間猛勉強して東大へ（家が貧しく、私大は対象外）
時代の寵児としてもてはやされていたとき、あるインタビューで、「出身地が嫌い」というのを聞いて、疑問を持った。若いときそう思っていても、30歳を過ぎて、まして経営者であれば、嫌なことは忘れて、郷里のいいところに目を向けるべきだと思っていたからだ。未だに、「八女が嫌い」なんていっているのは、コンプレックスを乗り越えられてない証拠だと思った。
コンプレックスは仕事をやる上で強力なモチベーションになるが、いつまでもコンプレックスがエネルギー源では、部下が付いて来なくなるし、考えが「歪む｣ので、経営判断を誤る。会社が小さく、目立たないときは許されることも、大きな組織になって、存在感が大きくなれば、許されなくなる。コンプレックスに折り合いを付けておかないと、その変化に気づかない。
私自身は、今でも、（当時の法律の枠組みの中で）ホリエモンは無罪だったと思っているが、日本の権力中枢に敵を多く造りすぎたため、ああいうことになってしまったのだろう。世の中には、「オジン殺し」と言われる経営者がいるが、ホリエモンはその逆だ。自分の才覚を頼りに、「正面突破が好き」（今回の彼の発言から)なので、権力者から礼儀を知らない無礼者と思われる。
今は、上記のコンプレックスも解消されたということなので、復活して欲しいと思う。
2013年10月20日
独立系ベンチャー･キャピタリストと事業創造
昨日、表記シンポジウムが「招待客のみ」で行われた。理由は、後で揚げ足を取られることなく、身元のしっかりした人たちだけで、真剣に議論したいから。
そんな会だったので、ここに内容を公表することは避けるが、適度なサイズ、適度な親近感に、問題意識の高さで大変面白かった。主催は、クラッシック・キャピタルの山本さん。他に独立系VCの雄として、NTVP(村口さん)、GVC(コーバーさん)が参加。
一橋大学ICS教授でもあるコーバーさんが話したことの中から、一つだけ紹介する。 （公開されている研究の話なので)
「米国の研究で、米VCの30%がハンズオンを重要な機能としているのに対し、投資先の方は１％しかハンズオンを重要と考えてない」
これは米国のVCがハンズオンを投資の基本としており、投資先もそれを期待しているという一般的認識に反する。投資先側はVCによる「ハンズオン」を、投資先コントロールの一種として捉え、「自分たちはプロだから、余計な口を出すな」と思っているのかもしれない。
どの調査かを聞きそびれたので、今度、確認したい。
2013年10月19日
列強の政策しのいだ日本の朝鮮統治
歓迎すべき本が出た。これまでも一部の日本の研究者による同様の研究はされてきたが、どんなに客観的な研究をしても、「日本人が朝鮮統治を正当化しようとしている」との一言で葬られてきた。「史上最も苛酷な植民地支配」といった民族主義の視点に立つ暗黒史観が今も韓国と北朝鮮で徹底的に教えられる。それ以外のことを言おうものなら、親日派として血祭りに上げられる。
私が始めて、日本による朝鮮統治の客観的研究に触れたのは、延世大学国際学部大学院に交換留学で行っていた時、上智大学から客員教授で来ていた今井圭子先生から。現在は同大学の名誉教授になっておられる。
同じ結論であっても、この本は、米国人研究者によって出版されたことに意義がある。「日本の朝鮮統治は現実主義と相互主義に裏打ちされた、より穏健でバランスの取れた政策の下に実施され、戦後韓国のあの驚異的な発展の奇跡の礎になったとの結論を下すに至った」 というのがアキタ教授の結論である。
欧米は植民地を、工業原料の供給源と、工業製品の市場と見なしていたので、工業化のための投資を殆どしなかった。これに対し、日本は、朝鮮で初めてのダムを作り、発電所を作り、その電気で化学工場を建設した。李朝時代の腐敗した貴族政治が一掃され、能力主義の近代的官僚制度が導入された。その官僚制度は戦後も温存されたので、近年まで、韓国の統治制度は日本とよく似ていた。
2013年10月18日
Adventures of a Bystander
初版が出たのは1979年。当時、既に70歳になっていたドラッカーによる自伝。ウィーンで幼少期から一家と交流のあったフロイトや、イギリスでのケインズ、そして、アメリカに渡ってから出会うアルフレッド･スローンなど、登場人物が華麗なのは流石。
私が最も面白いと思ったのは、ドラッカー自身が、「今の自分のキャリアがあるのはこのおかげ」と言っているシティでの3年間だ。(1934-37) ナチスから逃れるためロンドンへの移住を決断したものの、職のあてはない。そんな時、父の友人から、「ロンドンに行くなら、これをシティで働いている息子に持って行ってくれ」と頼まれる。それが、1.5mもある大型のはと時計だったのだが、それが縁で、この息子が働いていたFreedberg & Co.というマーチャントバンクにアナリスト兼エコノミスト(後に役員秘書）として雇われることになる。
ドラッカーがシティで働いたのは25歳から28歳にかけて。彼にとっては、フランクフルトでの新聞記者に次いで二つ目の仕事。ここで出合った人達（その多くは、ドラッカーと同じユダヤ人で、大成功した人達）の影響で、彼の仕事観が形成されていく。
日本語訳も出ているようなので、ドラッカー本に興味のある人は、どうやって人間ドラッカーが形作られたのか理解するうえでオススメ。
116: It is fashionable today to trace the beginning of England's decline back to Victorian or early Edwardian days. But surely a main factor was the decimation of England's leaders in World War I and the demoralization of the survivors. England lost a larger portion of its young officers than the other countries did - the others were not committed to the code of the gentleman which demanded recklessness.
188: I was told that I was a great success as a merchant banker; Freedberg & Co. certainly treated and paid me as if I were. When I finally decided to leave, they tried to dissuade me, promised me a full partnership within a few years, gave me a princely present - a first-class cabin on a two-week luxury cruise through the Mediterranean to New York for my wife and myself - and retained me for two years in a pure sinecure as their New York investment adviser. But I never enjoyed the work very much, and never felt that I was doing it well. Still, I looked forward to each day at the office. For the people were fascinating, both the members of the firm and the firm's clients.
189: And before he reached his mid-twenties he had joined up with another tuberculosis victim from a northern clime, an Englishman whose name was Cecil Rhodes. Freedberg did the financial work for the rapidly growing Rhodes empire. He also was charged with recruiting Rhodes's staff. Fifty years later, when I knew him, he still told with great glee that because of him, Rhodes, the English Jingo and straitlaced Protestant, had had only German-Jewish business partners - Oppenheimer, Beit, Barnato, and Albu. Freedberg left South Africa in the 1890s completely cured, came to London, and started a stock brokerage firm to handle the financial dealings of the Rhodes companies, the gold and diamond mines in South Africa, the copper mines in Rhodesia, and the de Beers diamond trading monopoly.
194: This was the first time that Freedberg & Co. had been invited into the closed fraternity of major City banks, and to an absolutely foolproof deal at that. But Freedberg said, "No, the man is a crook." And he stood his ground, even though both Mosells threatened to leave the firm. Three months later the promoter disappeared, and with him the half a million pounds he had gotten out of the major London merchant banks. "How did you know he was a wrong one?" we asked Freedberg. "It was sticking out all over," he answered. "I really can't figure out how all of you managed to miss it. The fellow came prepared with answers to every question. Honest men don't, and don't have to."
206: The British were not going to subordinate themselves to the Dutch and the Dutch were not going to subordinate themselves to the British. It was Paarboom who hit upon the solution: two companies, both called Unilever, one British and one Dutch, both managed by the same people and owning each other. A few years later he was the first to realise that young Opel brothers in Germany could not manage the automobile company they were about to inherit, and did not want to manage it, but also would not be permitted by the German government and German public opinion to sell it to any automobile manufacturer in Europe. He conceived the idea of selling Opel to General Motors in Detroit, worked out the terms in his head, then sold the deal first to GM and then to the Opels. Thereafter he had a waiting list of would-be clients and took only the very richest, beginning with the richest of all, the Queen of the Netherlands.
209:"I won't invest unless I can also make a contribution and do something for the company into which I buy. I stopped long ago wanting to get paid for being clever. Now I get paid for being right." (Paarboom)
2013年10月17日
マルチコプター
先日、「中国製ラジコンヘリコプターが凄い」という記事を紹介したばかりで、ホンモノを見る機会がありました。先週末の「現代源平屋島合戦絵巻」です。
このイベントのU-STREAM配信を行ったのが「まちTV．かがわ」 。こちらが写真のマルチコプターを動員して、今回のイベントの空撮を行いました。
これは、DJI S800という機種だそうで、本体価格19万円。離陸から着陸までの様子も見せていただき、大満足。一方、こんなのが世界中で軍事目的に使われたら怖いなー。
- サイズ：80ｃｍ（モータ間の距離）
- 離陸時の重量 ：６ｋｇ
- ペイロード： ２ｋｇ（カメラとカメラ架台含む）
- 飛行時間 ： １６分（機体重量６ｋｇ、Ｌｉｐｏ６Ｓ１００００ｍＡｈ搭載時のカタログ値）
- ロータタイプ ： Ｈｅｘａタイプ（専用６枚式ペラ）
- ホバリング精度： 垂直±0.5ｍ、水平 ±２ｍ
- 飛行風速： 8m/S 以下
2013年10月16日
現代源平屋島合戦絵巻
昨年、瀬戸内芸術祭のプレイベントとして開催され、今回は会期中の開催となった現代源平屋島合戦絵巻。今回初めて見に行きましたが、これは楽しい。
内容は、源氏軍と平家軍になぞらえた白組と赤組が、これまた史実になぞらえたスポーツ競技や歌で競い合うというもので、いわば｢市民運動会」 。でも、それが歴史というストーリーが加わることで、面白さが倍増している。
イベントは、両軍がそれぞれの陣地から決戦場まで約一時間かけて行軍するところから始まる。写真は、全軍の入場後、両軍の総大将（源氏総大将が浜田香川県知事で、平家が大西高松市長）が宣言しているところ。
私は最後まで居れませんでしたが、今年の結果は、「源氏軍が勝利し、昨年の雪辱を果たした」ということです。
2013年10月15日
中四国対抗ビジネスプランコンテスト
一昨日の日曜日、香川大学で開催された「第2回 中四国対抗ビジネスプランコンテスト」に香川大学チーム（A：MBA学生チーム B：学部生チーム）のアドバイザー＆審査員として出席。
結果、昨年、岡山大学で開催された第1回（私は不参加)に引き続き、岡山大学の連勝でした。実を言うと、審査員全員の点数を合計したところ、�々畧鄲膤�Aチーム ��香川大学Bチーム �２�山大学チーム で全く逆の順位だった。香川大学チームのアイデアと切り口の方が優れているというのが大半の審査員の評価でした。
ところが、岡山大学側から「香川大学チームのアイデアは検証されてない」「前を向いてプレゼンしてなかった」という指摘があり、一部の審査員がそれにつられて岡山大学の点数を加点した結果、逆転が起こったのでした。私は、当初から、それらの香川大学チームの欠点も考慮した上で、総合評価して点数をつけていたので変えませんでした。
というわけで、香川大学チームにとっては残念な結果になりましたが、ここは十分な準備をして望んだ岡山大学チームを称えるべきなのでしょう。幾つかの判断ポイントに対して、小規模ながらWebアンケートを実施し、その根拠を提示していたのでした。
なお、賞金はスポンサーである大和製作所のご厚意で10万円→15万円に増額された上で、３チームに5万円ずつ配られました。上記のような経緯があったためです。ありがたいことです。
岡山大学には「ベンチャー研究会」があり、年間を通して活動しています。今回、出場したのもこの研究会チームです。一方、香川大学にはこれに類するサークルがなく、今回のコンテスト出場のために数週間前に作られたチームです。うちにも創らねば！
2013年10月14日
優柔不断からの脱却
「民衆が最後まで支持するかどうかは、その人が支持するに値する権力者であるかどうか」
結局、民衆は、この人に付いていって大丈夫かどうかを利害関係から見ている、ということなのか？
・決断するときは、大衆の支持をあてにしてはならない大塩平八郎の一揆は8時間で鎮圧された。それは、君主でも、権力者でもない平八郎では何も出来ないと民衆が見抜き、共に立ち上がろうとはしなかったから。・人間は欲望の動物父親を殺された恨みは忘れても、財産を取られたうらみは生涯忘れない。従って、ことを決するときは、自分の行動の結果、誰にどういう利害が及ぶかを十分考える必要。・懲罰を与えるときは一気に、恩賞は小出しにする・ヨーロッパでは、脅迫や詐欺などによって結んだ契約は破っても差し支えない・どこの国でも、騙される人間が充満している政治、経営といったものは、だまされる存在を前提として初めて成立するもの。意思決定は、騙す立場に立って行うべき。
2013年10月13日
「学びXテクノロジー」が起こすイノベーション
Khan Academy: ウェブ上で最も多くの人に利用されている教育プラットフォーム
これは、本当に教育が変わりますね 本当は、既に多くの｢学校」は不要になっているのかもしれません。
やる気さえあれば世界中どこでも、殆どコストを掛けずに学べる。
→世界的競争は増える(特に、先進国に生まれただけでさしたる能力がなくとも多大な恩恵を受けていた労働者)
→自己管理できる人と、出来ない人の差がますますひらく
これは、本当に教育が変わりますね
本当は、既に多くの｢学校」は不要になっているのかもしれません。やる気さえあれば世界中どこでも、殆どコストを掛けずに学べる。
→世界的競争は増える(特に、先進国に生まれただけでさしたる能力がなくとも多大な恩恵を受けていた労働者)
→自己管理できる人と、出来ない人の差がますますひらく
・ビデオレッスンは全て無料・完全習得学習生徒は学習内容を十分に理解した上で、もっと高度な内容に進む・マイペース学習の速度を一人一人の生徒が管理する・今年、小学校に入る全世界の子供の65%が、将来、今はまだ無い仕事に就くいかにして学ぶかを子供に教えることが重要・様々な年齢が混じっている方がいい年上の子は年下の子に対し責任を持つ。年下は年上を尊敬し、そのマネをする。・夏休みは時間とお金の無駄世界中で校舎などの教育インフラがもぬけの殻になり、生徒が学んだことを忘れる・コンピュータによるマイペース学習は、途上国をはじめ、全世界に公平な環境を整備する
2013年10月12日
平和を誤解している日本人
平和主義者が両方に居るほうが危ない
・人間が戦争をするのは、脳に前頭葉があるから(心理学者)人は考えすぎて「ありもしない危険」を作り出す・国家目標と国益は、国によって違う概して西洋は「発展主義」で、東洋は「平和主義」国際関係において、まず「外交交渉」で自らの要求を主張し、次に「宣言」・歴史を振り返ると、冷戦時代の米ソのように、いつか必ず戦うと両者が思っているときはなかなか戦争にならない逆に「揉め事が起こっても、話し合いで解決できる」と平和を信じ、平和に浸っているときの方が、戦争が起きやすい・戦争は設計して行うもの政治上の要請に従って戦略を決め、それによって戦術、戦闘の仕方、武器の採用を決める。戦争を設計するという考え方が、戦前、戦後を通じて、日本では育っていない。・日本が、戦争を政治の延長として設計していたら日米開戦は避けられた日本が反省すべきことは、戦争を設計せずに、戦争に突入したことこのことを反省しない限り、日本は再び大きな過ちを繰り返す
2013年10月11日
ジェネリック医薬品
「肩がこる」から始まった今回の体調不良。「そのうち治るだろう」と放っておいたのはいつものことなのだが、初期対応を間違え、冷やすべきところを温泉で温めたり、揉んで貰ったことで症状が悪化。ついに、腕のシビレで仕事が手につかず病院に行ったのが一昨日。
整形外科でレントゲンを撮ったところ、「首の骨が真っ直ぐ」になっていると言われ、褒められているのかと思ったら、ダメなんだそうです。 そのせいで、神経が圧迫され、腕がシビレているらしい。
結果、処方されたのは、鎮痛剤＋筋肉弛緩剤＋消炎パップ剤(+胃腸薬←慢性胃炎のため)。つまり、「治療法がないので、痛みを和らげながら、自然治癒を待ってね」ということですね。
処方箋をもって、病院前の薬局で処方してもらいましたが、何も言わなくても、ジェネリック医薬品のあるものはジェネリックを処方してくれます。 医師会の反対で長く掛かりましたが、厚生省もやっと本気になったということでしょう。
おかげで、指定された薬をそのまま購入するのに比べて、半額くらいで済んだはずです。
一方、何も言わずに2週間分処方されるのは相変わらず。2週間分の薬を貰っても、1週間で治って、残りは捨てたというケースは多いはずです。患者に一言、「薬はどのくらい出しておきましょう?」と聞けば済むこと。私のように、職場と病院が近ければ、再診も簡単です。
これをやるだけで、さらに薬剤費を2割くらい減らせそうな気がします。
整形外科でレントゲンを撮ったところ、「首の骨が真っ直ぐ」になっていると言われ、褒められているのかと思ったら、ダメなんだそうです。
そのせいで、神経が圧迫され、腕がシビレているらしい。結果、処方されたのは、鎮痛剤＋筋肉弛緩剤＋消炎パップ剤(+胃腸薬←慢性胃炎のため)。つまり、「治療法がないので、痛みを和らげながら、自然治癒を待ってね
」ということですね。処方箋をもって、病院前の薬局で処方してもらいましたが、何も言わなくても、ジェネリック医薬品のあるものはジェネリックを処方してくれます。
医師会の反対で長く掛かりましたが、厚生省もやっと本気になったということでしょう。おかげで、指定された薬をそのまま購入するのに比べて、半額くらいで済んだはずです。
一方、何も言わずに2週間分処方されるのは相変わらず。2週間分の薬を貰っても、1週間で治って、残りは捨てたというケースは多いはずです。患者に一言、「薬はどのくらい出しておきましょう?」と聞けば済むこと。私のように、職場と病院が近ければ、再診も簡単です。
これをやるだけで、さらに薬剤費を2割くらい減らせそうな気がします。
2013年10月10日
シマポン
今週出席した「社会貢献でメシを食う」＠高松青年会議所のパネリストとして登場したのがシマポンの真鍋社長。残念ながら、未だに直接お話したことはないのですが、地元では有名人で、共通の知り合いも多いので、「ま、そのうち会えるだろう」と思っていた方です。
真鍋社長は、香川随一の進学校高松高校(野球部）→東大(野球部副将)→ 東大大学院（野球部副監督)→2005リーマン・ブラザーズ証券→2008同証券破綻後マイナーリーグでインターン→2010RBS→2012同社退社＆創業、という方です。
シマポンは何かというと、「島＋ポン菓子」 。高松出身の真鍋社長ですが、小豆島で起業されました。「瀬戸芸｣もあるし、島で起業したほうが話題になるという読みでしょう。戦略的です。
で、何が言いたいかというと、こうした「仕事のできる人」がソーシャル･ビジネスに入ってくることの意義です。これまで、 ソーシャル･ビジネスの主役は、意図は分かるんだけど「戦略も、組織もない」という人が大半でした。結果、何も成果を出せない。
真鍋さんのような、ビジネスでしっかり稼げる人が、ビジネスをやるのとと全く同じ戦略と組織運営を持ち込んで初めて成果を出せるんだと思います。母校のLBSでも卒業生の一定割合はNPOやソーシャル･ビジネスに進んでいきますが、平均年収数千万円を稼ぐ同級生と同じスキルを身につけた人が別の目標に向けて努力するから成果を出せるわけです。
今回の講師の竹井さん（本の著者）が、「アメリカのNPO代表は1000万円くらいの年収は取っている」と言っていましたが、それもプロだから当たり前なんですね。本人にしてみれば、｢自分はビジネスでなら何倍も稼げるが、この組織目標に賛同するからこれでやっている」という意識な訳です。
2013年10月09日
人を世に出す
先週の「カンブリア宮殿」はグラフの北川社長。録画していたものを一週間遅れで見た。
写真が、北川社長のデザイナーとしてのデビュー作である、富久錦のCI。(1992) 富久錦はグラフの地元加西市の造り酒屋。この時の、「3回断った」というエピソードが面白い。
当時の北川社長は、大学卒業後地元に戻って家業の印刷会社に入ったばかり。富久錦はそれまで銘柄毎に大きく違っていた日本酒のラベルが問題だと感じ、CIを導入しようとしていた。大手の広告代理店に提案させてみたが納得がいかない。そこに偶然現れたのが新入社員の北川氏。聞いてみれば大学ではデザインを学んだというので、感想を聞いたら、「加西の『土』が感じられませんね。」 この一言に可能性を感じ、「試しにやってみてくれ」と依頼する。
ところが、会社に帰って報告したら、役員全員から反対される。
「ただの印刷屋が、やったこともないのに、そんな地元の名門企業の大事な仕事を受けてどうする。断って来い!」
そこで、仕方なく断りに行く。
「実績が無いので、出来ない」
しかし、先方の専務はこう言ったそうだ。
「見積もりだけでも出してくれ」
会社に帰ると、父親から聞かれたという。
「ちゃんと断わってきたか?」
「いや、『見積もりだけでも出してくれ』と言われた」
2回目、これはどうしても断らなくてはならないと、北川氏は震える手で、自分の常識をはるかに超える高額の見積書を作った。これを持参して、「何を考えているんだ!」と怒鳴られると思っていたところ、
「ま、こんなもんでっしゃろ」
とあっさり受け入れられてしまう。何も言えなくなってしまった北川氏は帰社し、さらに三度目の正直と、断りに出直す。
そこで、正直に、会社から断れと言われたこと、自分としては、デザイナーとして是非やってみたいことを率直に話す。そうしたところ、それを全て理解したうえで、発注してくれて出来上がったのが写真のデザイン。日本酒として斬新なロゴは話題となり、富久錦の売上も大きく伸びたという。
番組にも出てきたこの専務はエライと思う。自分の感覚を信じ、なんら実績のない若者に全てを任せた。それは、万一変なのが出来てくれば、あるいは出来てこなければ、「これは払えない」と突っぱねるつもりだったのかもしれない。番組では説明が無かったが、この専務はオーナー一族で、これで失敗しても自分の地位が脅かされることはなかったのかもしれない。
そうだったとして、サラリーマンでは出来ない判断をしたところがエライ。こういった人が居なければ、才能が世に出てこない。
今や大御所となった安藤忠雄は独学で建築を学んだ人で、徒弟制度の建築業界で、普通だったらこれほどまでになれなかったと思う。金額が大きく、やり直しがきかない建築を実績のない人になかなかやらせない。仕事が来なければ腕も磨けず、成長できない。
それが出来たのは、双子の兄弟の北山孝雄が1970年代当時既に一定のブランドを確立していた浜野商品研究所の副社長として兄を起用したからだろう。 その辺の事情は、浜野安宏の『35歳から伸びる人、止まる人』に詳しい。（タイトルと違って、当時、一世を風靡した浜野氏の自伝的本です）
2013年10月08日
小豆島は世界のマグマ研究の聖地
今年も「石のシンポジウム」が週末にありました。今年で三回目のテーマは、「石の魅力創造」。ま、それほど、中身は変わってないと思いますが。(笑)
小豆島は、今からおよそ8,000万年前にできた花崗岩類の上に、約1,500万年前から1,300万年前に瀬戸内火山岩類が噴出した後、1,000万年以上にわたる浸食を受けて、台地状の山地が形成され、現在の姿になりました。
小豆島が瀬戸内海の島々の中で、寒霞渓に代表されるように、美しく神々しい地形が形成されたのは、小豆島が瀬戸内海火山岩類の噴火の中心で、大量の火山噴出物から形成されているためです。小豆島は、瀬戸内火山帯の中で最大の火山でした。
マグマ研究の世界的な権威である神戸大学の巽好幸博士は、世界で初めて、地下数十キロメートルのマントルと直結した安山岩（サヌキトイド）を小豆島で発見されました。
小豆島は世界のマグマ研究の聖地であり、この星の石の魅力が凝縮されています。
シンポジウムでは、この星で起きた奇跡、瀬戸内海・小豆島の誕生とそこからはじまった石の物語を魅力満載でお届けします。
2013年10月07日
残念石
大阪夏の陣・冬の陣で破壊された豊臣大阪城を覆うように作られた徳川大阪城。3期に分け、63藩、64大名が10年に渡って建築に携わり、今に残る石垣の高さは高さ32m、総延長12km、使われた石材は100万個を超える。
石材のほとんどは、瀬戸内海の島から海運で大阪に運ばれた。中でも、小豆島はその最大の採石場であった。「残念石」とは、その際に、採石場に取り残されたもの。寸法が合わなかったものとか、最後に余ってしまった石と推定される。
同志社大文化遺産情報科学研究センターが積み出し港跡を発見し、今回の「石の魅力創造シンポジウム」で発表した。これだけの石が運び出されたにもかかわらず、江戸初期の話で、運び出し方法については、文献も言い伝えも残っていなかったらしい。ひょっとすると、西国武将がその運搬技術を勝手に築城に用いるのを恐れた幕府が意図的に記録を残さなかったのかもしれない、というのは私の想像。
2013年10月06日
戦略を実行できる組織
流行の「社会貢献」。仕事が出来る人がやるならいいんだけど、仕事が出来ない人が気持ちだけでやっても結果が出ないから意味がない。
・戦略の実行を阻む最大の要因は、「日常業務」前進するための戦略は重要だが、｢緊急の仕事」のために「重要な仕事」が先送りされる・日常業務を行いつつ重要な戦略を実行するためのカギ�＼莵垰愽犬亡陲鼎い胴堝阿垢�目標の達成に向けた新たな活動を測定する「先行指標」を決め、その活動にチームの労力を注ぐ。��行動を促すスコアボードをつけるチームの現状がわかるように、先行指標と遅行指標の推移を、ビジュアルなスコアボードに記録する。��アカウンタビリティのリズムを生み出す最低でも週に一回ミーティングを持ち、実績を報告する。時間は20-30分程度にし、スピーディに進め、最重要目標を前進させるアカウンタビリティのリズムを確立する。
2013年10月05日
アサヒビール四国工場
四国で唯一のビール工場「アサヒビール四国工場」は西条にあります。（小規模地ビールは除く）
なぜ、西条か?それは、ここは石鎚山系の湧き水が豊富だから。瀬戸内は瀬戸内海式気候で雨が少なく、水不足の地域が多いのですが、ここは例外です。何しろ、全世帯水道料金がタダ
それで、広瀬邸を熱血ガイドの三浦さんにギリギリまで引っ張られた後、西条へ。予約のツアーに丁度間に合いました。
映像鑑賞（Corporate)→工場見学→試飲
という流れで、試飲まで1時間。朝から既に80km走っていた私は映画で寝てしまった。
工場見学では、本来の好奇心を発揮し、女性ガイドを質問攻めに。「今年4月入社、研修を終えてガイドし出したのが今月から」という首藤さんを鍛える。学生のときは走り高跳びの選手だったらしいです。試飲では３杯まで。ま、30分くらいしかないので、その位しか飲めません。しかし、隣で６杯飲んだツワモノも
しかし、上には上がいて、毎日のように来る地元の人もいるそうです。勿論、隣の公園で寝てから新居浜に戻りました。お昼抜きだったし
2013年10月04日
重要文化財 旧広瀬邸
展示館の隣にあるのが、旧広瀬邸。流石は、住友家の代表。スゴイ建物です。
明治時代に建てられた日本家屋ですが、ところどころ、洋風の影響が見られます。それは、明り取りのための天窓であったり、洋式階段であったり、現存する中で日本で最も古いと言われる洋式便所
建物中央部の部屋には天窓があるため、大きな日本家屋に付き物の薄暗さがありません。今回、私が注目したのは、増築された新座敷の軒。（写真） 惚れ惚れします。
旧広瀬邸の母屋は、明治１０年（１８７７年）に現在の場所から北約４キロメートル離れた旧金子村の久保田で竣工され、同１８年からの広瀬邸移転に伴い、乾蔵・米蔵などと共に現在地に移築されました。
明治２２年には付属の新座敷と庭園が大阪の棟梁 八木甚兵衛と、植木屋 清兵衛の手によって竣工されました。その後、大正・昭和初期にかけて、南庭や中之町池（亀池）周辺の整備が行われ、今日みる姿となりました。
2013年10月03日
広瀬歴史記念館
新居浜観光最大のオススメは広瀬歴史記念館だ。
近代産業遺産に関心の高い方には見逃せない場所。今回、2回目、10年ぶりくらいで訪問した。歴史というのは済んでしまったことなので、簡単に対抗できない。そういう意味で、強力な地域資源なので、地域おこしはまず歴史を振り返ることから始めた方がいい。
住友が財閥になったのは、この別子銅山の開発によって。1973年に閉山されるまで、江戸初期から282年間に渡って75万トンもの銅を生み出し（銅地金換算）、住友に莫大な利益をもたらした。元々、銅精錬業を生業としていた住友は、この利益を元に両替商を始め、明治になって、それは住友銀行になる。
しかし、その別子銅山も、江戸の終わりには赤字になっていた。掘りやすいところは掘りつくし、採掘コストが上がっていたのである。そこに、明治政府が接収にやってきたので、住友家では「売り時では」という意見が大勢を占めていたという。これに、果然と反対したのが広瀬で、彼は西洋技術の導入で採掘コストを下げられると睨んでいた。
広瀬の主導で、別子銅山は近代化を遂げ、明治以降の住友の財閥化を支える。広瀬はこの功績で、明治10年に住友家総理人（後の総理事）となり、経営の全権を委ねられる。資料館には、この際の、「委任状」も展示されている。
こうして、住友は所有と経営の分離を成し遂げ、近代企業として大発展する。
幕末・明治の動乱期に、政府による接収や住友の経営難による売却から別子銅山を守り、その開発の近代化を推進した広瀬宰平。彼はまた、わが国の産業育成にも力を注ぎ国家の発展に貢献しました。この記念館は、広瀬宰平の足跡を通して新居浜の生い立ちと日本の近代産業の歩みをたどる施設です。
2013年10月02日
CENTURION
今度はドイツ車が仲間入りしました。私にとっては、初のフルカーボンCENTURIONです。
実は一月前に高松の自転車屋で購入していたのですが、忙しくて取りにいけたのが一昨日。初めて乗ったのが今日です。仕事の帰りに37km 1.5h 25km/h。ウーン、タイムは変わらんな
でも、まだ慣らしなんで、これから徐々にスピードは上がるかと。今日なんて、ポジションが決まらず、上半身がガチガチでしたので。
CENTURIONは8.6kg。これまでのGIANTは9.2kg。600g減るだけで価格は3倍か。
2013年10月01日
大学の会議
大学の会議は時間通りに始まることの方が稀。
昨日の学部横断の学内会議でも時間になっても、議長である教員免許更新講習実施部会長が会議を始めない。15人委員が居て、8人来ていたので、過半数の成立要件は満たしている。
「なぜ時間通りに来ている我々を差し置いて、遅刻者を優先するのか？」と問いただしたところ、「十分に審議してもらうため」と言われた。今年度になってから、この委員になり出席し始めたが、未だかって「十分に審議」などしたことが無い。そもそも、出席者のほとんどには関係のない話で、意見など出たことのない会議だ。誰かが責任を取りたくないために、「審議した」という証拠を残すためだけに行われているとしか思えない。
こうやって、大学教員間を大げさに言えば「反社会的ルール」が支配しているのだから、彼らが教える学生がどうなるのかは目に見えている。毎年、莫大な税金をかけて（国立大学全体で一兆円以上になる）、社会のルールを守らない、社会の役に立ちそうにない学生を量産している。
彼らを採用した企業は大変だ。同じ給与なら、しっかり教育された外国人を取りたいというのも分かる。
そして、5分後、一人の遅刻者を加えて会議は始まった。5分ｘ8人＝40分の時間がムダになった。後ろに控えている4人の事務局も加えれば12人で60分。自ら｢待つ」という判断をした議長はこれに加えない。
会議中、発言するものはなく、議長が資料に書いてあることを読み上げて25分後会議は終わった。最も賢明だったのは、欠席した6人の委員だった。
昨日の学部横断の学内会議でも時間になっても、議長である教員免許更新講習実施部会長が会議を始めない。15人委員が居て、8人来ていたので、過半数の成立要件は満たしている。
「なぜ時間通りに来ている我々を差し置いて、遅刻者を優先するのか？」と問いただしたところ、「十分に審議してもらうため」と言われた。今年度になってから、この委員になり出席し始めたが、未だかって「十分に審議」などしたことが無い。そもそも、出席者のほとんどには関係のない話で、意見など出たことのない会議だ。誰かが責任を取りたくないために、「審議した」という証拠を残すためだけに行われているとしか思えない。
こうやって、大学教員間を大げさに言えば「反社会的ルール」が支配しているのだから、彼らが教える学生がどうなるのかは目に見えている。毎年、莫大な税金をかけて（国立大学全体で一兆円以上になる）、社会のルールを守らない、社会の役に立ちそうにない学生を量産している。
彼らを採用した企業は大変だ。同じ給与なら、しっかり教育された外国人を取りたいというのも分かる。
そして、5分後、一人の遅刻者を加えて会議は始まった。5分ｘ8人＝40分の時間がムダになった。後ろに控えている4人の事務局も加えれば12人で60分。自ら｢待つ」という判断をした議長はこれに加えない。
会議中、発言するものはなく、議長が資料に書いてあることを読み上げて25分後会議は終わった。最も賢明だったのは、欠席した6人の委員だった。
