2013年09月
2013年09月30日
最強のアメリカ復活
金融危機前も、金融危機後も、世界の時価総額TOP10を見れば、8社は米国企業。GEのような老舗企業と、Googleのような新興企業が競い合い、健全な新陳代謝を実現しているのがアメリカ。国の財政はともかく、米国企業の強さは相変わらず。それに対して日本は、殆ど上位企業が変わっていない！
・QEが崩壊の危機にあった金融市場を立て直した・QEには「金融機関のモラルハザードを助長する」との批判があるが、過去を振り返ると、膨張的金融政策が経済発展の原動力だった。（例）管理通貨制度・今日の金融パニックは、昔のように銀行の窓口ではなく、金融市場で起こる・シェールガスと人口増加で米国経済は復活しつつある・米国経済復活で、長期的な米国の株高、米ドル高が始まる1896年からの長期的NYダウ値動きを見ると、十数年足踏みした後、10倍高になっている。1999年以来14年間続く1万ドルのダウが10万ドルになる可能性
2013年09月29日
アクアマリンふくしま
「カンブリア宮殿」の影響で、福島のハワイアンズに行き、「ついでにどこか」と寄ったのが、「環境水族館」を謳うアクアマリンふくしま。(県立) これが、大当たりで、個人的にはこちらの方が気に入った。はい、福島なのでしっかり、HPに放射線量マップまで出てますよ。(影響なし) 写真は、「大漁旗デザイン展」の優秀作品。
2000年の開館。流石、新しい水族館は展示に工夫がある。以前見たちゅら海水族館は、大型水槽の迫力が魅力だったが、こちらは古生代の魚からの進化や、福島沖でぶつかる親潮、黒潮の中の魚たちの違いなど教育効果が高い気がする。そして、勿論、可愛いアザラシに気持ちよさそうに泳ぐトドも。
「バックヤードツアー」があるのもここの特徴で、これは私も初めて。バックヤードを見ると、改めて、水族館が巨大な設備産業だということがわかる。20万匹の海洋性生物の生命維持をするための水の浄化装置及び熱交換器。アクアマリンふくしま建設に掛かった費用は160億円。さらに、一体幾らのエネルギーを毎日使っているのだろう。その費用が膨大であることは間違いない。それを正当化するだけの成果が求められる。
震災のときは、建物や水槽は無事だったものの、停電になり、自家発電装置の燃料も切れ、水処理が出来ないため、展示されていた生き物が全滅したという。生き物が本来生息しない人口環境で生態系を無視して生きるのは難しい。
2013年09月28日
Tengu MTB Group
昨年からの単身赴任で本格的に復活したサイクリング。時々、往復74kmの大学通勤に使ったり、地元で日帰りツーリングしていた。今年3月には高校生の時以来で高瀬→松山の120kmを一日で走りきり、次の日の80km、3日目の40kmも完走して、自信を深めた。（尤も、この30年で格段に自転車がよくなっている
）７月に知り合った地元のイタリア人Lucaに誘われて夏から始めたのがマウンテンバイク（MTB）。その名のとおり、野山の道なき道を走ったり、登山道や遊歩道を走ったり。小学生の頃、たんぼのあぜを子供用自転車で走った感覚が蘇ってくる。
最近は週に一度くらい大学近くの峰山で練習。しばらく、Lucaのお古を借りていたが、今回新車を購入した。(写真) Konaはカナダのメーカーだが、当然？Made in Taiwan。今や高級車は殆ど台湾製だ。
Tengu Mountain Bike Groupでは一緒にMTBを楽しむ仲間募集中!
2013年09月27日
Spa Resort Hawaiians
先日、ついにスパリゾートハワイアンズへ。
以前は、正直、バカにしていた。「夢のハワイ」だった頃ならわかるが、その気になれば本物のハワイに気軽に行ける時代に、なぜ、東京から3時間かけて偽者に行かなければならないのか？と。
それが行ってみる気になったのは、「カンブリア宮殿」を見て。年間に140万人もが殺到し、それもリピーターが多い。元は、国内有数の常磐炭鉱。閉山の危機を、「東北の地にパスポートの要らないハワイを作る」という奇想天外な発想と、会社全体が一致団結して乗り切る。この辺りの話は、映画「フラガール」にあったとおり。（シマブクロさんのウクレレもよかった！）
それで、実際に見ての感想。踊りは上手い。ひょっとするとハワイで見るより上手いかも。でも、なぜ、踊り子が揃いも揃って皆色白なのか？顔だけ白いということでも無いので、色白な子だけを集めた？それに加えて、本当のハワイと違って屋内でしか練習しないから？
ともかく、日本人の考える｢白人のハワイ」を見せられた感じで、違和感を感じ、ハワイの悲劇の歴史に思いをはせた。アメリカに侵略されつつあったハワイ王国のカラカウア国王は1881年に来日して日本に助けを求める。この時、カラカウア国王は、日本の皇室とハワイ王族で婚姻関係を結び、連邦制にすることを提案している
しかし、当時、国力の乏しかった明治政府は、「そんなことをしたらアメリカに睨まれる」と申し出を断っている。ひょっとすると、ハワイは本当に日本になっていたかもしれないのだ。
2013年09月26日
2013年09月25日
Canisius-Kolleg
昔、長女が夏休みを過ごし、その翌年、うちでホームステイを受け入れたベルリンのカニジウス高校のオーケストラが5年ぶりに来日。カニジウスと小山台高校は何十年にも渡り交流が続いている。カニジウスは私立校で、小山台は都立高。なのに、どうやって交流が始まったのか、聞く機会がないまま今に至っている。今回、「過去にカニジウスとの交流事業に関った人限定」のコンサートが小山台会館（同窓会館)で開かれ、出席。聞いてみて、音楽の専門校でもないのに、そのレベルの高さに驚いた。説明によれば、カニジウスはベルリンの名門校で、オーケストラのメンバーには、ベルリン・フィルハーモニーやベルリン・ドイツ･オペラなどの団員の子弟もいるのだという。ラテン語が必修科目ということで、旧き良き古典学校の伝統を守っているようだ。
以下、パンフレットでの紹介から。
カニジウスコレ−クは1925年、イエズス会の私立の古典語学校（Humanistisches Gymnasium）として創立されました。当初は男子校でしたが、1974年から女子も入学できるようになり現在に至っています。現在生徒数は約900名、教員数は約70名です。生徒は小学校5年生（10才）で入学、9年間在学し、13年生で大学入学資格試験（アビトゥア：卒業試験）に合格して卒業します。カニジウスコレ−クはベルリンではいわゆるエリート校に属し、毎年の入学希望者は定員約100名に対して300名以上になります。そのためドイツでは数少ない入学試験（書類審査、親子面接、筆記試験）が行われます。古典語学校の特徴としてラテン語が必修科目です。それ以外の言語科目は古典ギリシャ語、英語、フランス語、日本語があり、レギュラーの外国語科目として第4外国語まで選択可能です。また、宗教が必須科目になっていることがカニジウス校のもう一つの特徴です。約80％の生徒がカトリックの家族、20％がプロテスタントの家族の子弟です。カトリックの学校ではありますが、宗教の授業はカトリック、プロテスタントの両方で行われています。2008年に来日した同校のオーケストラの演奏は各地で絶賛されましたが、カニジウスコレ−クは普通のギムナジウムであり、音楽学校ではありません。従ってオーケストラはサークル活動になります。入部する時点ですでに楽器が扱えることが入部の前提条件です。年間3、4回のコンサートが行われます。またベルリンフィルハーモニーが毎年1回、ベルリン市内の5〜6校のオーケストラを招き、演奏をさせてくれますが、カニジウスコレ−クはその招待を6年前から毎年受けています。カニジウスコレ−クの音楽活動は他の学校と大きく変わるものではありませんが、ベルリンフィル、ベルリン・ドイツ・オペラなどに所属する親の子弟が生徒の中に多いと言えます。
2013年09月24日
「丸亀製麺」粟田社長の座右の書
あるスジから(笑)、「実は、粟田社長が一番参考にしている本はこれ」と聞き、読んでみた。著者は、アメリカで「業態開発の天才」と言われるPhil Romano氏。繰り返し強調されるのは、創造力の大切さ。
ロマーノ氏が「商売」を始めたのは、12歳のとき。小遣いを稼ぐため、新聞配達の区域権利を別の子供から$9で買ったそうだ。 96軒の顧客がいる午後の配達ルート。はじめの頃の稼ぎは週に$10というから、1週間で元を取っている！
それだけで終わらない。初雪が降ったあとに、「天気が悪い日は、(ポーチではなく)玄関まで新聞を届けるが、そうしたらチップをくれないか? 」と配達先に掛け合う。チップなので、配達先によって違うが、これで通常の給料の倍額を稼げるようになったという。
ロマーノ氏は、「家は裕福ではなかったので、小遣いを貰おうとは夢にも思ったことがない。欲しいものがあるなら、自分で稼ぐしかなかった。」という。しかし、今でも、アメリカで中流家庭の住宅地を歩いていても、子供がレモネードを売っていたりするので、これはやはり、アメリカの起業家精神の伝統というべきだろう。
単に頭がいいだけでなく、こんな工夫と、金儲けを是とする連中とビジネスの世界で戦うのは大変だ。創造力を奪う過保護は則やめないといけない。
ロマーノ氏が「商売」を始めたのは、12歳のとき。小遣いを稼ぐため、新聞配達の区域権利を別の子供から$9で買ったそうだ。 96軒の顧客がいる午後の配達ルート。はじめの頃の稼ぎは週に$10というから、1週間で元を取っている！
それだけで終わらない。初雪が降ったあとに、「天気が悪い日は、(ポーチではなく)玄関まで新聞を届けるが、そうしたらチップをくれないか? 」と配達先に掛け合う。チップなので、配達先によって違うが、これで通常の給料の倍額を稼げるようになったという。
ロマーノ氏は、「家は裕福ではなかったので、小遣いを貰おうとは夢にも思ったことがない。欲しいものがあるなら、自分で稼ぐしかなかった。」という。しかし、今でも、アメリカで中流家庭の住宅地を歩いていても、子供がレモネードを売っていたりするので、これはやはり、アメリカの起業家精神の伝統というべきだろう。
単に頭がいいだけでなく、こんな工夫と、金儲けを是とする連中とビジネスの世界で戦うのは大変だ。創造力を奪う過保護は則やめないといけない。
１．同じもの、同じやり方、同じ味を、人は望まない。普通とは違うもの、新しいもの、見たことの無いものを経験して、胸をときめかせたいと思っている。２．人と違うことを誰よりもうまくやる。私はそれを、自分のビジネスの「差別化ポイント」と呼んでいる。３．私を動かす原動力となるものは、成功の甘い香りではない。失敗することへの恐怖だ。だが、人とは違う新しいことをしようとするとき、失敗を恐れて思い留まったことは無い。４．私は未来の予測はしない。想像するのだ。私の想像力にもあなたの想像力にも限界は無い。５．レストランの仕事は問題解決だといっても過言ではない。不況のときはなおさらそうだ。クラブや団体、組合、ビジネスパーソンのグループなどは、景気･不景気にかかわらず、つねに無料で会合が開ける場所を探している。６．小さな川を挟んで二人の男が歩いていた。ふと気づくと、二人は大声を出さないと話せないほどに離れている。一人が叫んだ。「おーい、どうやって対岸に渡ったんだ？」もう一人が叫び返す。「対岸はそっちだろう」７．私のレストランは、入ってきたお客様に「すごい！」と言わせる店でなければならない。見たものに驚き、食べたものに驚く。そうでなければ、お客様は二度と戻ってこない。私の店も私の料理も、お客様を笑顔にしなければならない。「すごい！」と唸らせる要素をあらゆることに浸透させるのだ。８．「型」というのは、創造力が無く、よりよいやり方を見つけられない人のためのものだ。９．ときに起業家は、自分の目指していたものと現実とが食い違うことを思い知る。１０．レストランが成功するために一番大事な要素は何だろうか。立地、立地、立地ではない。料理、料理、料理である。１１．どれだけ財産を持っていようと、自分がどんなに偉い人間だと自負していようと、人生で一番大切なものはやはり健康である。１２．成功の秘訣は、うまくいくアイデアとうまくいかないアイデアを見極めることだけではない。そのアイデアがどれだけ幅広い顧客層に訴えるかを理解することも重要である。１３．お客様は、ほかにはない特別なことを自分だけが知っているという感覚を愛する。そして、その感覚を家族や友人と分かち合いたいと思う。飲食業ではｃｈっとした神秘性が物を言うのだ。１４．人は誰しも創造性を秘めている。１５．レストラン業界に身を置いていれば、どんなに頑張っていても、ある日突然何かがおかしくなることがある。１６．私はいつもお客様に一定レベルの安らぎを提供して、店に親しみと愛着を感じてもらうように努めている。そうした雰囲気作りをすれば、お客様はレストランに好感を持ち、自分の家に居るかのようにくつろいでくれる。１７．誰もが誰かの子供である。私は全ての人をそういう目で見ている。人は誰しも、愛され、いたわられ、導かれるべき存在としてこの世に生を受ける。だが、それが叶う人ばかりではない。１８．私が最も注目している食の評論家は、お客様である。お客様の評価は、どれくらいの金を使い、スタッフにどんな褒め言葉を使い、口コミでどれだけ評判を広めてくれるかをみればすぐわかる。
１９．物を創る能力は神からの贈物であり、その能力を使うことが神への恩返しである。
2013年09月23日
半沢営業企画部長
ジェジェジェ
ということになるのだろうか。見損ねている「あまちゃん」じゃなくて、昨晩の半沢直樹「最終回」。アノ終わり方は最終回じゃないでしょう。
「半沢直樹次長・・・営業企画部部長職として、東京セントラル証券への出向を命じる！」
大和田常務のしたことは完全な銀行への背信行為。伊勢島ホテルに120億円の運用損失が出ることを知りながら、その情報を握りつぶし、200億円の融資を実行しあわや回収不能に。取締役なので解雇は出来ないが、普通、退職金無しで辞任だろう。一体、取締役会議事録はどう書いたのか?
しかし、だ。証券出向は悪くない。90年代に、銀行から系列証券に出向になった友人らは、そこで証券業務知識を身につけ、その後の金融危機で多くは外資証券に転職。年収1000万円ではなく、同じ厳しい仕事でも、数千万円＋ボーナスになって我が世の春を謳歌したものも多い。邦銀の｢内部ルール」や「意思決定パターン」 が分かっているから、邦銀が抱え込んだ不良債権を外資がバルク買いして大儲けした。
TBSとしては、思いがけずヒットした番組をこのまま終わらすわけには行かないということなんだろう。昨晩終了したばっかりなのに、続編の原作となるであろう『ロスジェネの逆襲』(試読版）がアップされている。
2013年09月22日
昨年、小豆島にオープンした「2013年09月21日
小豆島の小皿
今は芸術祭期間中ではないが、実は、春･夏･秋を通じて展示されている作品は片付けるわけにも行かないので、そのまま展示されている。期間中ほど混まないので、実は、今月が瀬戸芸を見るのに最適。それで、作品そのものを本blogで紹介するのは、blogの趣旨と読者（基本、私の友人)に合わないので、瀬戸芸関連商品から。
写真は、東京藝大大学院生の寺木南さん制作の青磁の小皿「FULL TIDE EBB TIDE」。中央部が小豆島の形に盛り上がっていて、醤油やオリーブ油を注ぐと、小豆島の形が浮かび上がってくる。
単純なアイデアだが、今までなかった
これが観光客に受けて、初期ロットの600枚は完売。現在追加発注して入荷待ちだそうだ。一皿600円。国民宿舎でも使用中。 2013年09月20日
トップになりたきゃ、競争するな
これまでも何度か紹介した、製麺機トップの大和製作所の創業社長による最新刊。｢カンブリア宮殿」を見て以来、ずっと「会いたいな」と思っていたら、先日会うことが出来、この本を頂きました。
副タイトルにある通り、37年前に創業した同社は、製麺機製造会社としては最後発でした。それが、設置面積を節約できるコンパクトな機械づくりと、パートでも安心して使用できる安全設計、そして「おいしい麺はどうやってできるか」という麺そのものの研究、果ては、麺専門店の経営指導にまで踏み込み、多くの繁盛店を生み出してきました。
第6章 ビジネスの本質とは
�＼�長し続ける
�⊆�らリスクを取る
��先に与える
�ぞ霰�を持てることに取り組む
�イい泙晴魴茲気譴討い覆ぁ△�客様の問題を解決する
��心地よい状態を常につくり続ける
�Ш�ある姿をあるべき姿に変えるプロセス
�┘薀ぅ丱襪箸論簑个剖チ茲靴覆�
��お客様を明確にする
��得たい結果を得るためには、先に犠牲を払う
2013年09月19日
池田の桟敷
一見、棚田かと思いますが、これ、「桟敷」なんです。場所は、小豆島の池田港と土庄港の間。
「池田の桟敷」と呼ばれ、亀山八幡宮の祭礼時の見物用で、氏子の家の場所がそれぞれ決まっています。
昨年の「石の文化シンポジウム」でも訪れたのですが、雨でしたので、台風一過の今週リベンジでした。
亀山八幡宮から400mほど西に離れた小高い丘に、
石垣づくりの桟敷が構築されています。
桟敷の規模は、長さは80m、高さは約18m、
6〜8段の階段状。
瀬戸の海に面して、自然の地形を巧みに利用した、
石を野面積(のづらつみ)にした桟敷の傑作で、
古代ギリシアの野外劇場を彷彿させます。
この桟敷は秋祭りの際、太鼓台や御輿、大練りなどを
見物するために築かれたのではと言われています。
構築年代についての資料は見当たりませんが、
『亀山八幡宮奉懸当社御祭礼之図』から文化9年(1812)
以前の構築と推定。
祭礼当日の桟敷の使用権は、村の有力者その他が
占有していましたが、のちになってそれぞれの使用権は
売買されることもあったようです。
ちなみに亀山八幡宮の祭礼は10月16日。
2013年09月18日
日本の大学生の「コスト」
日曜日の讀賣新聞に「大学は本業を忘れずに」という記事があった。
・NYで最も多くの不動産を所有するのは協会と大学（NYU＆Columbia)
・グリニッジビレッジのビルは約3割がNYUの所有
・NYUは上海校も開き、拡大路線
・背景には、米国の大学の生き残り競争の激化
・有名私立大学は高い授業料と、寄付金運用で多額の収入
・お金の大半は人件費となり、人気教授を獲得するため、厚遇を競う
・学費と寮費を合わせた額は州立大学で州内出身の場合、年間平均180万円、私立大学で400万円
・学生ローン残高は120兆円にもなり、延滞率は1割を超えた
・やみくもな人材獲得合戦と学費の高騰には米国内でも批判がある
ちなみに、うちの研究科で見ると、直接経費だけでも学生一人当たり年間300万円掛かっている。間接費も入れれば、400万円くらいになるのではないか。学生が負担しているのは年間約50万円の学費だけなので、学生一人当たり約300万円を国費＝税金から投入している。国や州から一切補助金を受けていない米国の私立大学の学費が年間400万円くらいになるのは当然と思う。日本でも同じくらいの費用が掛かっているのは間違いない。
果たして、その国費投入に見合った学生を育てているのか? 大学院に2年間在籍すれば、そのコストは600万円にもなる。学部の場合は人数が多いので平均的にはこれほどではないが、東大京大クラスになるとこれを上回る年間400万円近い額が一人の学生に国庫補助金から出ている。4年で卒業したとしても、1500万円もつぎ込んでいる
地方国立大学でも、この額は年間100万円程度になり、4年間で400万円。大学進学率が50%を超えるほど「大衆化」した今、これほどの公費を投じる意味はあるのか。問題は、日本では私立大学も含め、「大学」として認可されれば、運営交付金がもらえる事だ。そして、それが当たり前になっていて、それを使う側の大学にも、莫大な便益を受けている学生側にもその認識がないこと。
この記事では米国の大学の｢行き過ぎ」を批判しているが、受益者負担に全くなっておらず、ろくに勉強しない学生に（何しろ、日本の大学生は小学生より勉強しない）これだけの国費を投じている日本の方が余程問題だと思う。
ついでに言えば、留学生にまで同じ学費を適用するどころか、多くは学費の減免措置まで講じている。これら留学生の大半は卒業後母国に帰るし、親が日本で税金を払っているわけでもない。以前も書いたが、私が留学した当時、LBSの学費は�￣儿饋諭´�EU ��その他の3段階あった。当然、�、���になるにつれ増えていく。当時は国庫交付金が出ていたらからなのだが、これはその後助成金が出なくなったことで廃止され、現在は£61,400（約1000万円)に統一されている。
2013年09月17日
済州島の日本軍基地跡
自然遺産に恵まれた韓国最大のリゾートに散らばるのが、旧日本軍の戦争遺跡。
写真は「アルトゥル飛行場跡」で、昭和10年代に整備され、日中戦争で大陸爆撃の際に中継基地として利用されている。写真で、黒く皿を伏せたような形状になっているのは、当時のコンクリート製の格納庫。同様のものが20ほどあったそうで、現在も大半が残っている。上部は草に覆われカムフラージュされている。
この「渡洋爆撃」の際に爆撃機に付いていける護衛戦闘機が無く、中国空軍戦闘機の迎撃にあって毎回多大な損失を出した。このことから、海軍の要請で作られたのが2200kmに達する驚異的な航続距離と戦闘能力をもった「ゼロ戦」だった。
この他にも、海岸沿いの崖に掘られた、特攻船「震洋」の格納庫がある。「どこかで見た風景だな」と思ったら、「チャングムの誓い」で、済州島でチャングムが帝王切開手術をした洞窟だった。当然、時代が違うので、それはあり得なかったということになるが。
2013年09月16日
1995年から続くNHKの長寿番組「2013年09月15日
「半沢直樹」の監督
帰国して真っ先に見たのが、録画しておいた「半沢直樹」(笑)。初回から見ているのですが、19.4%から始まった視聴率は今回32.9%というお化け番組に。
帰りの飛行機の中で読んだ週刊誌の記事にあったのだが、この福澤克雄監督、福澤諭吉の玄孫（やしゃご）、つまり、孫の孫なんですね！
番組が始まった当初、「会社名などが架空なのに、なぜ、大学名は慶應の、それも、経済学部だとか、体育会剣道部とかやけに具体的なんだろう？」と思い、FBでもそう書いたんですが、なぞが解けました。
福澤監督、当然ながら、慶應の出身で、それもラグビー部で社会人を破り日本一になっている。そして、ラグビー日本代表選手。だから、ドラマ上も、半沢は他行にいる体育会同級生から情報を貰ったりしている。
ドラマの大ヒットで、原作者の「池井戸先生も頭取になるまで書く」と話し、引き続き、TBSでドラマ化するようなので、今後が楽しみです。
2013年09月14日
万丈窟(マンジャングル)
今回行ったのはどこも世界自然遺産級なので、スゴカッタ。中でも、「初体験」と言えるのが、溶岩洞窟。日本では富士山に数百メートル程度の小規模のものが見られるが、済州島のものはkm単位だ。
拒文オルムから流れ出た溶岩で出来た溶岩洞窟の一つ、万丈窟(マンジャングル)の一部分が公開されている。全長約7.4km、洞窟内の通路幅は18m、高さは23mというから、電車が複線で通れるほどの広さがある。「今から約30万年〜10万年前に形成された世界最長の溶岩洞窟」ということ。
もし、韓流ドラマのロケ地巡り等で済州島を訪れるなら、これら｢自然遺産」も是非見るべきだ。
2013年09月13日
世界自然遺産
最近、富士山が世界遺産に登録され話題になったが、こちらは正確には、「世界文化遺産」。
富士山は1990年代前半、自然遺産として登録を目指す動きがあった。だが、ごみ処理などの環境問題が障害となり、2003年の政府の検討会で候補から外れた。その後、政府は文化遺産での推薦に方針を切り替えて、12年にユネスコに推薦した。 （日本経済新聞 2013年6月22日)日本で「世界自然遺産」に登録されているのは、知床、白神山地、小笠原、屋久島の4箇所。
済州島は、その世界自然遺産に登録されていると同時に、世界ジオパークでもある。済州島全体がジオパークに認定されているが、世界自然遺産としては、漢拏山、城山日出峰、拒文オルム（岳）溶岩洞窟系の三箇所。今回行けたのは、城山日出峰(写真)と拒文オルムの1部のみ。1950mの漢拏山に上るには一日がかりで、拒文オルムの大部分は保護のため一般公開されていない。
今度機会があれば、漢拏山に登山し、島を自転車で一周してみたい。
2013年09月12日
APGN2013
今回、私が発表した国際会議は第三回アジア太平洋地区ジオパーク・ネットワーク。550人がアジア各国から参加した。
ジオパークとは、世界遺産と同様、UNESCOの制度の一つで、日本ジオパークネットワークによれば以下のとおり。
ジオ（地球）に親しみ、ジオを学ぶ旅、ジオツーリズムを楽しむ場所がジオパークです。山や川をよく見て、その成り立ち としくみに気付き、生態系や人間生活との関わりを考える場所です。足元の地面の下にある岩石から宇宙まで、数十億年の過去から未来まで、山と川と海と大気とそこに住む生物について考える、つまり地球を丸ごと考える場所、それがジオパークです。世界には92箇所の｢世界ジオパーク」（GGN)があり、済州島もその一つ。日本では６箇所が認定されている（隠岐は、今回の会議の中でGGN認定が発表された)。これ以外に、日本ジオパークネットワークが認定した、｢日本ジオパーク」が19箇所あり、その多くはGNN登録を目指している。
2013年09月11日
三多水
海外で会議に出ると、ミネラルウォーターを大量に用意してある。米国で働いていた若い頃、どうもこれが好きになれなかった。「体を動かすわけでもないのに、会議でそんなに水が必要か」というのと、ペットボトルで「勝手にやってくれ」とばかりに出されるのがイヤだったのである。
近年では、日本でも、お茶を汲んでくれる人が居なくなったため、会議でペットボトルでお茶か水がドンと置かれるようになった。
今回の国際会議で、どこへ行っても用意されたのが、「済州三多水」。今回のスポンサーの一社でもあるから当然だが、1995年に済州特別自治道の全額出資によって設立された済州特別自治道開発公社が生産しているということ。
ところで、この三多水の名前の由来なのだが、済州島で、古くから三つのものが多いといわれてきたことに由来している。それが、風と石と女。特に冬は季節風がきつく、済州島の伝統的な家は風を避けるため、石垣に囲まれた低い造りになっている。石は、火山島なので、どこを耕しても石がゴロゴロしている。長年、貧しかったわけだ。そして、女は、漁に出た男が台風にあって遭難することが多く、男が少ないことの裏返し。
ちなみに、これの反対の、「済州の三無」というのもあって、これは、泥棒と乞食と門。厳しい環境の中で、助け合わなくては生きていけなかったので、こうなったということ。しかし、それも、戦後の韓国中央政府からの圧制と虐待で島民の2/3が日本に逃げてくる事態になるまでの話しで、今では、本土から移り住んだ人たちの方が多いという。
ペットボトル入りのミネラルウォーター「済州三多水」は、1998年３月の発売以来、14年連続で韓国でもシェア１位を守っており、現在では全体シェアの５割に迫っている。
済州は、水資源にたいへん恵まれている。100回以上の火山噴火によって形成された済州島は、透水性の高い玄武岩で覆われており、雨水の40％以上が地下に流れ込む。そのため、川はあっても、そのほとんどが、普段は「水無し川」だ。地下に沁みこんだ水は、多孔質の火山噴出物スコリアという天然のフィルターを16〜20年もかけて通過することで、澄んだミネラルウォーターになる。
2013年09月10日
「坂出製麺」？
ホテルのネット環境の悪さから、更新が遅れてしまった。
先週、KIXから済州島に渡る前日、実は丸亀製麺の粟田社長に神戸本社でインタビューさせていただいた。研究のためなので、詳しい内容の公表は控えるが、面白いエピソードを聞いたので、一つだけ公開。
実は、「丸亀製麺｣の名前は、当初、「坂出製麺」になる予定だったらしい。というのも、粟田社長のお父様が坂出(林田)の出身。丸亀製麺出店時には既に亡くなられていたのだが、お父さんへの追悼の気持ちから出身地であり自分のルーツでもある「坂出」の名前を付けようとしたらしい。
ところが、周囲に聞いてみると、坂出が正しく「さかいで」と読めない。香川県民にとっては常識だが、知らない人には「さかで」。大切な店名が読めないのでは困る。
それで、次に考え付いたのが、お父さんの出身校である旧制丸亀中学の「丸亀」。これなら、香川っぽいし、読み間違われることも無い。
こうして、現在、全国749店を誇る、圧倒的No.1の「丸亀製麺」は誕生した。
2013年09月09日
旧軍体質を引き継いだ官僚組織
今回の旅行に持参したのは今年話題のこれ。百田氏のは先に『海賊とよばれた男』を読んだ。こちらも何度泣いたことか。
両方読んで感じたのは、著者の官僚組織に対する反感。軍隊組織も、戦前の典型的な官僚組織であった。それは本当の軍隊すらでも無く、組織の存続と権限拡大を目的とした内向きの組織だった
優秀な官僚組織が国家に必要なのは間違いないが、常にチェック＆バランスを心がけないと、外部圧力に晒されることの少ない組織は、必ず内向きになる。本書に書かれているがごとく、そうした組織は「自分が間違っていると思わない」のだ。
全国民必読の書
148:実際には士官などよりも経験も豊富な下士官の搭乗員の方が腕も判断力もあります。にもかかわらず、帝国海軍では、いくら腕があっても下士官は絶対に中隊以上の分隊長にはなれません。分隊長の判断の過ちで、まずい戦いになったことは枚挙にいとまがありません。208:一体に帝国海軍は第一線で命を賭けて戦った者には非常に薄情です。海軍大学校出身の将校はどんなミスをしても出世していきますが、叩き上げの将兵が報われることは極めて少ない組織です。368:「太平洋戦争当時の長官クラスは皆、50歳以上でしょう。実は海軍は日本海海戦から40年近くも海戦をしていないのよ。つまり長官クラスは海軍に入ってから、太平洋戦争までずっと実戦を一つも経験せずに、海軍内での出世競争の世界だけで生きてきた―」「つまり試験の優等生がそのまま出世していくのよ。今の官僚と同じね。あとは大きなミスさせしなければ出世していく。極論かもしれないけど、ペーパーテストによる優等生って、マニュアルにはものすごく強い反面、マニュアルにない状況には貰い部分があると思うのよ。それともう一つ、自分の考えが間違っていると思わないこと」370:「かっての日本の軍隊について調べれば調べるほど、今の日本の官僚組織に通じるところがあるような気がしたからなの｣「・・・日本海軍の高級士官たちの責任の取り方だよ。彼らは作戦を失敗しても誰も責任を取らされなかった。ミッドウェーで大きな判断ミスをやって空母4隻を失った南雲長官しかり。マリアナ沖海戦の直前に、抗日ゲリラに捕まって重要な作戦書類を米軍に奪われた参謀長の福留中将しかり。福留中将は敵の捕虜になったのに、上層部は不問にした。これが一般兵士ならただではすまなかったはずだ」371:「高級エリートの責任を追及しないのは陸軍も同じだよ。ガダルカナルで馬鹿げた作戦を繰り返した辻政信も何ら責任を問われていない。信じられないくらい愚かなインパール作戦を立案して3万人もの兵士を餓死させた牟田口中将も、公式には責任は取らされていない。ちなみに辻はその昔ノモンハンでの稚拙な作戦で見方に大量の戦死者を出したにもかかわらず、これも責任は問われることなく、その後も出世し続けた。代わって責任は現場の下級将校たちが取らされた。多くの連隊長クラスが自殺を強要されたらしい」
2013年09月08日
済州島
済州島は韓国の最南端に位置する火山島。人口55万人、面積1845㎢というから、日本で最大の島である沖縄本島（1208㎢）よりさらに大きい。（ただし、沖縄本島の人口は129万人。実は、択捉島、国後島の方が大きいがロシアに実効支配されているということで外した）
15世紀初めまでは耽羅という独立国があり、朝鮮語とは違う独自の言語と、文化を持っていた。新羅による朝鮮統一後は、主に新羅に朝貢するようになったが、日本へも朝貢を行い、日本からも使節が派遣されるなど独自の外交を行った。朝鮮王朝の時代には流刑地となり、政争で敗れた王族や両班が流刑にされたという。（Wikipedia)そういえば、昔見た「チャングムの誓い」でチャングムも王宮での陰謀で済州島に流されている。
そうした歴史のせいなのか、１９４８年4月3日には「済州島４・３事件」が発生し、島民の5人に1人にあたる6万人が虐殺されたというから凄まじい。済州島はもともと貧しく、また本土から差別されていたので、日韓併合後は日本へ20万人も移住したという。終戦後、独立した故郷へ戻ったものの、この虐殺にあい、再び日本へ密航した人が多く、1957年までに島民は3万人弱にまで激減したらしい。
和田アキ子のお父さんや、梁石日の両親が済州島の出身ということ。
写真は、済州島の「あまちゃん」（昔の様子を再現)
2013年09月07日
久しぶりの韓国
今朝、関空を発ち、済州島へ。済州島は初めて、韓国へ行くのも久しぶりです。何しろ、前回来たのは20年位前。
その間に、SamsungはTVで世界一の会社になりました。その頃、やはり米国市場で売り始めたばかりの現代自動車は、当初の「安かろう悪かろう」の評判を覆し、北米Car of the Yearを受賞するまでになりました。
今回の印象も、まずは、� 嵌�行機が停止するまで立つ人が居ない」
韓国に交換留学で初めて行った25年前、韓国人は、飛行機がタッチダウンした途端に皆立ち上がり、飛行機を下りる準備を始めてました。「どうせ、ドアが開くまで十分な時間があるから、アナウンスしている通り、停止してからでいいのに」と思ったものですが、 とにかくせっかち。
�⊆屬�きれいになった
ソウルで暮らした25年前の韓国車はいかにも野暮ったくて、性能も悪そうでした。バカ高い関税を設定して輸入車を締め出していたので、「輸入解禁したら、日本車に席巻されるな」と思ったものです。それが、今回、街を走る車を観察すると、相変わらず輸入車をまず見かけないのは変わりませんが（2時間くらい走って、見たのはベンツ１、BMW1、Lexus1、Mini1台のみ）、国産車がすごくカッコよくなった
上の写真は、現代のAvanteという車ですが、これは北米ではElantraという名前で売られていて、2012年北米Car of the Year乗用車部門を受賞したそうです。他にも、KiaのK5（BMW M5を意識? 元Audiのドイツ人デザイナーらしい）やRenault SamsungのSM7（ベースは日産ティアナ）などが気になりました。
実は、もう一つ思ったのが、「運転が普通になった」だったのですが、これは夕飯をともにした現地Rotaryの会長に聞いたところ、「済州島ではもともとソウルのように運転が荒くない」そうで、場所の違いかもしれません。
2013年09月06日
灌頂ヶ滝
今回の上勝シリーズ最後は、観光情報。
私の一押しはこの滝。落差80mある「灌頂ヶ滝」で、同じく町内にある「百間滝」よりも落差がある。
調べてみると、上勝町の年間降水量は3000mmもある（観測地点は隣町の那珂町）。全国平均は1600mmなので、その倍近い。1080mmしか雨が降らない「瀬戸内海式気候」の香川県民からすると驚異的な雨量である。
従って、うどん県の「滝」は、あってもチョロチョロで、多くが節水のため、ポンプ循環式だったりする。
2013年09月05日
香川ビジネス＆パブリックコンペ
私が担当する新入生が入りました。うどん県を代表する「つるキャラ」うどん脳君です。
人気者のうどん脳君の入学は鳴り物入り。TV局３局に、新聞各社、通信社も入り「記者会見」しました。うどん脳君は慣れているようなのですが（台詞ないし）、記者からの質問を一手に引き受けた私は緊張しました。
今後、香川ビジネス＆パブリックコンペへの応募に向け、指導していきます。
・書類応募締め切り（第一次選考） 10月30日 → 結果通知11月15日
・最終選考（公開審査） 12月15日
＊書類審査で選ばれた「公開審査」案については、香川大学ビジネススクールの専任教員が相談に乗ります。
2013年09月04日
上勝百貨店
ごみゼロのため、リサイクル率を上げる、再利用する（リユース）の他、リデュース（最初からゴミになるものを使わない）がある。
日本人は異常なほど清潔好きなので、過剰包装、個別包装が当たり前。当然、大量の包装ゴミが出る。
上勝ではこの包装ゴミを減らそうということで、今年初め「上勝百貨店」がオープン。食品や洗剤などの消耗品を中心に「量り売り」を実施している。
普段自分でこれらを買わないので、値段は比較できなかった。でも、大容量の業務用を買って、それを量り売りするので、少量包装の値段と変わらないのかもしれない。
2013年09月03日
上勝ゼロ･ウェイスト
上勝町は、日本で始めて「ゼロ･ウェイスト（ごみゼロ）」宣言した自治体。世界最多と言われるゴミの34分別を実施し、始めたばかりのときは新鮮さもあってリサイクル率77%
（2003年） 現在では55%まで低下しており、継続の難しさが伺える。それでも、全国平均は20%程度であり、立派な数字だ。上勝町の人口は1853人。面積は110㎢。人口密度17人/ ㎢（日本全体の人口密度平均は343/ ㎢）。ここに一つのゴミ集積場しかなく、かつ、ゴミ収集車も無い。住民は自分でゴミを集積場に持ってくる。
34分別は、一箇所で集中して行っているからできる事。どう分類したらいいか分からないもの、あるいは分解が必要なものは作業員が助けてくれる。家では不可能だ。
今、全国で少子化のため、昔建てた校舎が余っている。廃校になった小学校、あるいは、小学校の余ったスペースにこういったゴミ集積場を設けて作業員を配置すればすぐにでも可能になる。
上勝町では同じ場所に、まだ使える物を誰でも持ち帰りが出来る展示場と、住民の「あげます・欲しい」掲示板もある。これもよいアイデアだ。
2013年09月02日
上勝のヒミツ
「まちづくり推進隊」の仲間と昨日、「葉っぱの町」徳島県上勝町に行ってきました。私は昨年から、これで4回目の訪問です。
初めて訪問した昨年6月、本blogに、「上勝への移住希望者がなぜ増えているのか」についてこんなことを書きました。東京で会社経営を長年した後、こちらに引っ越した方にお話を聞きました。
・きっかけは、上勝が葉っぱビジネスで有名になり、仕事で来るようになったこと
・仕事で通ううち、地元のおばちゃんたちの暖かさが身にしみた
・東京での仕事が転機を迎えたのをきっかけに移住を決断
しかし、「田舎なら親切なのは普通ではないか。干渉されるのが嫌だ、という人も多い。」とさらに聞いたところ、
・上勝には程よい距離感がある
というんですね。
・ある程度距離を置いて、そっと見てくれている感じ
だそうです。
こういったことは、一朝一夕にはできないことなので、地元の伝統なのか？昨日書いた「阿波ラテン説」にも通じると思うんですが、であれば、徳島全体に言えることなのか、上勝だけのことなのか？
今後通って、確かめようと思います。
以下、その後3回通っての私の仮説です。
・訪問する人が触れるのは全住民ではなく、トップクラスのいろどり農家さんだったり、民宿運営者だったり、シェアカフェとかゼロ・ウェイスト・アカデミーなどで働く｢突出した一部の人達」である。
・どの業界でも大抵そうだが、業界トップクラスの人はやはりレベルが高い（IQ+EQ)。勿論、冷たいわけでなく、過度に世話を焼くでもなく、快適な人間関係を保てる。
・町の新しい事業で働く人は、実は殆どが町外から来た人たちで、これもまた、意識も能力も高い人達が多い。
・田舎暮らしを検討する人にとって最大の心配は｢人間関係」なので、何度か通ううち、｢ここはその心配が無い」と確信する。既に、町外から引っ越して活躍している人達がいるのも心強い。
＊移住する
マーケティング的に言えば、
１．「葉っぱの町＋ゴミゼロ＋シェアカフェ」などの情報発信による「集客」
２．情報発信の継続による「見込み客フォロー」
３．足を運んでもらう(販売)
４．移住（顧客化)
ということになります。（c石原明「４ステップマーケティング」）
写真は、シェアカフェから見た雨上がりの上勝。
2013年09月01日
香川県庁舎
瀬戸内芸術祭にあわせて、香川県庁ツアーが好評。県職員がボランティアでガイドしてくれる。9月23日まで毎日午前10時から約1時間。休日には午後のツアーもあり、利用者の便宜を考えた県の姿勢に敬意を表したい。
ツアーが行われるのは香川県庁東館。新庁舎が出来るまでは、こちらが本庁舎だった。竣工は1958年で今年で55年。現在も業務で使われている現役の建物。
設計は、当時まだ東大にいた丹下健三。丹下建築の初期傑作と言われ、出世作ともなった。建設に深く関った人物が、まずは発注者の金子知事(当時)。金子知事はこの県庁舎落成の際に、「建築は総合芸術である」と語ったらしいが、後に「香川県は建築王国」 と言われるくらい建てまくった「デザイン知事」。丹下建築としては、他にも、県立体育館がある。
ロビーの壁画を手がけたのは既に著名な洋画家だった猪熊弦一郎。調度品をデザインしたのは剣持勇など、一流の人達が関っている。ちなみに、猪熊は金子知事と旧制丸亀中学（現・丸亀高校)の同窓生にあたる。
安藤忠雄は建築家を志し、１９６５年２４歳のとき世界の建築を見る旅に出た。その時、大阪を出て最初に見に行ったのがこの香川県庁舎で、これを見て、「オレも丹下のように世界に出るんだ」と決意を堅くしたという。
丹下も安藤も、ル・コルビュジエに私淑していた。「そういわれれば・・・」と思いませんか?
