2013年06月
2013年06月30日
強者55人が白状した私の好きなうどん店ランキング
現在の讃岐うどんブームの火付け役である麺通団団長の田尾和俊さんに地元で会う。元々、『恐るべきさぬきうどん』の著者にして出版元の社長だったのが、四国学院大学（善通寺)の教授になって早10年。
大学内に編集部を設け、学生達と『インタレスト』というフリーペーパーを創っています。これが、かって田尾さんが編集長をつとめ、人気となった『タウン情報かがわ』を髣髴とさせるよい出来です。ナツカシー。
今月出たばかりの2013early号では、「強者55人が白状した私の好きなうどん店ランキング」を特集。この7年ぶりの企画で、フリーペーパーにも関らず、事前申し込みだけでほぼ掃けてしまう人気ぶり。この特集は、今後『インタレスト』の恒例になるでしょうね。ランキング解説とともに、県内のうどん屋に取材して聞いた様々なエピソードを紹介しています。こんな具合。
明らかに緊張している県外客が、別の人が「トイレはどこですか？」と聞いていたのにつられて「トイレ小」と注文しました。すかさず大将が「温かいの? 冷たいの？」って返しました(笑)。
団長：これ絶対、がもうの大将の鉄板ネタになっている(笑)。
H谷：ちなみに「トイレ小」は「温かいの」ですよね。
団長：「冷たいの」が出たら、それは病気(笑)。
2013年06月29日
香川の長寿企業
香川で最も古い会社である「波多野塗料」の波多野社長とお会いした。
波多野塗料は1582年創業というから、戦国時代。 漆の植林・精製・卸を京都で始め、その後、商都として発展した大阪に明治時代に移転。大阪空襲で被災したため、親戚の居た高松に戦後移転している。
高松に移転してから転機となったのは、先代が大阪での会社勤めから戻って、14代目を継いだとき。漆事業の将来性に不安を抱き（集金も、盆暮れの年に2回だけだったとか！）、大阪の塗料メーカーと代理店契約。工業用塗料を販売するようになり、毎月入金がある「普通の会社」を目指し、事業の近代化を図っていく。法人化したのもこの頃。（昭和33年）
その後も、塗装工場を始めたり、一般向けに塗料を売るためホームセンターを始めたりと、多角化に挑戦した。これらの新規事業は、時代が変わり、その後撤退したが、「環境に合わせて変化していかなければ生き残れない」のは老舗企業も同じだ。
2013年06月28日
「事業創造論」終了
昨晩をもって、今期の「事業創造論」は終了。授業最終回は、「事業計画発表会」で、これまで授業で取り上げた様々な企業＆起業家のケースを参考にしながら、自分達の計画をグループごとに発表します。
最近は、大学も幼稚化しているようで、成績も「みなよく頑張った」式が多いのですが、これでは学生のためにならない。私は厳しく差を付けます。
LBSに留学した当初、返ってきた試験点数の殆どが50点台でショックを受けました。しかし、先生の説明を聞いて納得。「60点以上だったら『優』、70点以上だったら『来年からこの授業を教えてもいい』」というのです。
世界中から優秀な学生が集まるビジネススクールです。学生の中には、先生のレベルを超える人がいても不思議はない。そうしたときに、正当な評価が出来るように、試験は平均点が50点台になるよう作られ、採点されているのです。これは、先生が謙虚でなければ出来ず、教える側の良心であるとも言えます。「なるほど、大英帝国の矜持は教育にある」と思いました。
さて、発表の内容なんですが、残念なことにこじんまりしたものが多い。「食っていければいい」あるいは、「儲からなくても、地域貢献になればいい」的な。
社会的企業家も授業で取り上げていますし、その役割を否定するわけではないのですが、皆がNPO的な経済活動ばかりでは、高齢化でただでさえ減っている税収が益々減ることになります。
雇用を増やし、ドカンと儲けて、 キチンと納税することこそ事業家としての最大の社会貢献であり、しっかりした事業も出来ないのに、社会貢献が先に出てくるのは本末転倒です。
ビジネススクールまで来て勉強しようという志の高い学生には、高い目線で頑張ってほしいと思います。
2013年06月27日
これが日本の生きる道
クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道 [単行本]
著者の｢道州制しかない」という主張はこの20年間全く変わっていません。私もこれしかないと思っています。
21世紀に入り、国家のパラダイムが変わったにも関らず、20世紀後半の工業国家モデルから脱しきれない日本。今日、世界で反映している国の二つのタイプ・ボリューム国家：人口、労働力のボリュームと低コストの人件費を強みとして、工業国家モデルで急成長している。BRICsが代表。・クオリティ国家：人口3-10M 一人当たりGDP\4M+ 高付加価値＋高生産性人口は少ないが、世界からヒト、モノ、カネや企業、情報を呼び込む吸引力と、グローバル市場で勝てる競争力を持つ。スイスやシンガポールが典型。（WEF「国際競争力ランキング」� ��◆�スイスの国家競争力が強い理由（一人当たりGDP$81K 政府債務残高GDP比41%)�々颪�企業を支援しない企業に対する補助金のようなものが全く無い。よって、弱い産業は潰れ、強い産業だけが残り、自ずと国際競争力が強くなる。�▲�ラフトマンシップ（大学進学率＜3割)スイスでは、国民の7割が専門職か農民。専門職の社会的地位は高い。クラフトマンシップが大事にされているため、スイスの産業は強い。�０槎院平邑�の3割)移民が新しい産業を興し、その中で強くなった会社が世界に出て行って発展している。日本がクオリティ国家になるために・規模を小さくする必要→道州制・各道州がそれぞれ戦略を立て、自立したクオリティ国家になる
2013年06月26日
「本物の資本主義」の生き方
僕は君たちに武器を配りたい [単行本]
東大法学部卒業後、マッキンゼーに入社。本書では、「東大の助手とマッキンゼーで迷うなどというものは『前代未聞』『正気の沙汰ではない』とまで言われていた」と書いてあるが、1980年代ならいざ知らず、1997年でもそんなものだったのだろうか？
現在は、京都大学産学官連携本部イノベーション･マネジメント･サイエンス研究部門客員准教授という大変長い肩書きだが、これは本人のせいではないだろう。どちらが本業かは知らないが、「エンジェル投資家」と名乗っている。少なくとも収入はこちらの方が多いことは間違いない。マッキンゼーで若くして高給を貰った身にとって、京大准教授の給与だけでやっていくのは不可能だ。
私も社会に出て長年高い授業料を払って身に付けた知恵が満載。大学生の娘に勧めたら、「もう読んだ」と言われた。読んだからと言って、「身に付いた」わけではない。
40:オンラインゲームに多くの人がハマるのは、その世界では「努力」の有効性がまだ存続しているから？41:勉強できてもコモディティ・全産業で｢コモディティ化」が進んでいる。賃金を下げないためにはコモディティになるな！・生き残るためには「スペシャリティ」な人になること。「唯一の人」になれ！�．肇譟璽澄�[m:139]�▲┘�スパート[m:139]��マーケター 新しい要素の組み合わせで「差異」を作り出せる人＋顧客が共感できるストーリー�ぅぅ離戞璽拭�・自分の働く業界について、ヒト、モノ、カネの流れを徹底的に研究しろ・イノベーションのチャンスは｢今しょぼい業界」・「TTP」と「逆の発想」�ゥ蝓璽澄�・革命的なことを成し遂げるリーダーの多くは、ある種の人格破綻者か、新興宗教の教祖のような自己愛の塊（203)・「この社長はどういうコンプレックスに突き動かされているか」藤野英人�Εぅ鵐戰好拭�(投資家)56:｢本物の資本主義」が日本にやってきた・一部の「頭のいい人」ではなく、｢より安く、よりいい商品｣をつくる人間が社会を進歩させるシステムが資本主義・資本主義には3つのモデルチェンジ、「略奪」「交易」「生産性革命」があった・日本を支えてきた｢擦り合わせ産業」はもはや通用しない・「ものづくり」にはこだわるな！国に頼るな！239:日経の記事を鵜呑みにすることは投資家として最もやってはいけないこと
2013年06月25日
日本式モノづくりの敗戦
日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか [単行本]
ゴーン社長による日産自動車のリバイバルはいい例ですね。あのまま行っていたら、日産は潰れていた。当時の日産社員の目は死んでいましたが、今はイキイキ働いている。少なくとも能力のある人は。
アップルの高収益
・部品の供給メーカーを固定化せず、条件の変化に応じ、常に最適な相手と取引する「水平分業方式」でコストを下げる
・低付加価値の生産･組立工程を外注し、自らは開発、販売という高付加価値業務に特化する「ファブレス」
日本企業では、利益の追求ではなく「従業員共同体の維持」が企業目的になっているので、水平分業化・ファブレス化がなされない
新興国市場に最終消費財の市場を求めるのは間違い
・他国メーカーが既に参入しており、競争が激しい
・低価格の製品が求められるが、日本の製造業は、低価格製品での比較優位を持っていない
日本製品の市場シェアは落ちているが、ブランド力は健在→普通のモノを高く売る
日本経済停滞の原因は、企業の経営者の判断能力が弱いこと。これを変えるには、外国企業による日本企業の買収が望ましいが、官民こぞってそれを阻んでいる。
戦略の失敗を戦術の妙で補うことは出来ない。変化に弱い日本的組織の弱点が顕在化している。2013年06月24日
ハーバード･ビジネススクールを巣立つ君たちへ
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ [単行本]
『イノベーションのジレンマ』で衝撃のデビューを飾ったHBSクリステンセン教授による人生論。MBAでは目標達成のための戦略、組織作り、モチベーションなどなど学ぶが、経営理論で学んだことは人生にも役立つという。
章立てが面白い。
第１部 幸せなキャリアを歩む
第２部 幸せな関係を築く
第３部 罪人にならない
１、２部はよいとして、３部しかない章のうちの一つが、「罪人にならない」とは
クリステンセン教授のHBS同級生Jeffrey Skillingはエンロン事件で逮捕されている。スキリング氏はHBS卒業後、マッキンゼーにおいて史上最年少でパートナーに昇格。その後エンロンのCEOとして年収１億ドル以上を取っていた。不正などしなくても十分稼げる人である。「人間の欲望には限界が無い」ということか？これはクリステンセン教授のクラスだけが特別なのではなく、私もHBS卒の知人から、「5年毎の(大)同窓会のたびに、XXが逮捕された」というような話が出ると聞いた。それだけに、ここで扱われている問題は「資本主義の士官学校」といわれるHBSにとって深刻なものだ。
LBSでも卒業後５年ごとに大同窓会が開かれる。LBSでは同窓会に出ても、逮捕どころか離婚の話しさえ殆ど聞かず、平穏な人生を歩んでいる人が大半。極限までやるHBSとの校風の違いを感じる。
FT Global MBA Ranking 2013
2013年06月23日
温泉失格
温泉失格 ~『旅行読売』元編集長が明かす 源泉かけ流しとこの国の温泉文化の真偽~ (徳間ポケット) [新書]
週末なので旅行の話題。『旅行読売』元編集長として全国2000湯以上に入ったという著者の本。
まずは、理想の「1時間に1ターン」を実施しているのは全国かけ流し温泉の1割以下という衝撃の事実が明らかにされる。「1時間に1ターン」とは、風呂の湯が1時間に１回入れ替わるだけの流量があるということ。これは豊富な湯量が確保されていないと出来ない。当然、お金も係り、大半の温泉では実施不可能ということになる。
流量が少ないと不衛生になる。また、むやみに加水したのでは有効成分が薄まる。そこで、湯をフィルターで濾す「循環システム」が生まれた。なので、むやみと源泉かけ流しをありがたがり、循環システムをさげすむ「源泉かけ流し原理主義」はよくないということだ。
兎に角、入浴前には必ず前と後ろを良く洗う！ということが大事ですね。風呂好き日本人の大切なマナーです。
99:源泉かけ流し原理主義
「源泉かけ流し＝清潔」は間違い
源泉かけ流しでも流量が少ないと汚いから循環システムが生まれた
8:理想の「1時間に1ターン」を実施しているのは全国かけ流し温泉の1割以下
11:温泉法 環境省
公衆浴場法 厚生労働省（唖然とする対応)
＋
施行条例 知事（政令指定都市→市長 特別区→区長)に丸投げ
81:温泉というものは、地中のさまざまな成分が地下水と混じりあって地表に湧出するもの。だから、そもそも沸いた時点で加水されている。
2013年06月22日
ホウレンソウ禁止？
ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる [単行本（ソフトカバー）]
流石、劇団を主宰していただけあって、人間をよく理解してます。日本の大部分の会社には成果主義は適さないでしょう。｢狩猟系」が必要な特定の会社だけ。
一方、この特異なやり方が、創業者が居なくなった後も続けられるのか?興味深々です。ちなみに、末来工業は上場しているので、誰でも株が買えます。
・｢常に考える」というスローガン
社員一人一人が自分の頭で常に考え、実行する。そして失敗すれば、すぐに改める。これを繰り返すことで、考えるということを身につける。
・残業は原則禁止。残業代の節減だけでなく、社員の私生活の充実や勤務時間内の仕事の効率を上げる。
・中小企業最大の欠陥は、社長が何事にも頑張りすぎてしまうこと。
・製品開発については、担当者に全ての権限と責任を与え、上司が口を挟むことはない。部下の問題解決能力や判断能力を養う。
・失敗をマイナスと見てしまうと、社員は試行錯誤をしなくなる。未来工業では失敗はマイナス評価にならない。
・タイムレコーダーがない。このように社員を信頼することで、社員は意気に感じて仕事を頑張る。
・安定を望む日本人には、成果が残せないと収入が減る成果主義は向かない。また、人が人を公平に評価することなど出来ない。よって、末来工業では成果主義を採用しない。
・ヒット商品でも毎年何らかの改善を行う。結果的に改悪になることもあるが、その場合、元に戻してまた考える。「改善を止めなければ失敗にはならない」
2013年06月21日
18分の法則
最高の人生と仕事をつかむ18分の法則 [ペーパーバック]
これはシンプルだがパワフル！
よく考えると、夏休みの宿題攻略と余り変わらない。(笑)
自分にとって真に大切なことに集中するためのテクニック
・何もかもやろうとせず、1年を通じて集中するテーマを5つに絞る
（仕事に関連したテーマを３つ、個人的なテーマを２つ）
・テーマを絞ったら、テーマごとに具体的に行うべきことを記す「やることリスト｣を作成し、やるべきことを把握する。
・やることリストを作成したら、｢予定表｣に書き込んでスケジュールを立てる。その際、やることリスト全てが予定表に収まるとは限らないので、項目に優先順位をつける。
・やることリストに、3日間手付かずのものが残っていれば、次のいずれかの処理をする
�，燭世舛房孫圓垢�
�⇒縦衂修冒箸濆�む
��そのままにしておく
�ぁ屬い弔瞭�かリスト」に移す
・時計のアラームが一時間毎に鳴るようにして、音が鳴れば1分間手を休め、それまでの1時間の過ごし方を振り返る。そうすれば冷静さを保ち、より多くの成果を上げられる。
・1日の終わりに5分程度、その日何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを考える。
・上述の作業を網羅した「18分の日課」を実行する。すなわち、朝5分でやることリストを見てプランを立て、昼間は1時間ごとに1分仕事を振り返り、夜は5分で一日を振り返る。
2013年06月20日
デジタル時代の人間関係の原則
人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則 [単行本]
原則は変わっておらず、デジタルで人間関係にレバレッジが効くようになったと思う。SNSがなければ、数百人の友達と関係を継続できることはなかった。emailで世界中の友達と時差とコストを気にせずコミュニケーションが取れるようになり、さらに、SNSでアドレス変更も不要になった。それをどう活かすかはあなた次第。
�．屐璽瓮薀鵑鯔笋瓩�
批判的な発言は、ブーメランのように投げたものに戻ってくる。
「批判しない、非難しない、小言も言わない」ことが人を動かす力
��美点を肯定する
相手の美点を肯定するという原則は、今日のような、コミュニケーションの精神が往々にして敬意に欠ける時代のための原則
�６�い欲求を起こす
人を動かしたければ、まずその人の中に強い欲求を起こす。
人に好感を持たれる6原則
�〜蠎蠅隆愎瓦瓦箸亡愎瓦鮖�つ
�⊂亟蕕鯔困譴覆�
�Ｌ樵阿鮓討�
�は辰鯤垢�
�チ蠎蠅砲箸辰峠斗廚覆海箸鯱誕蠅砲垢�
��人をちょっと幸せにする
2013年06月19日
丁寧を武器にする
丁寧を武器にする [単行本（ソフトカバー）]
私はこのblogを10年間続けています。この5年間は毎日です。続けられたのは、
・時間のあるとき、書きたいことのあるときにタイトルだけでも下書きしておく
・毎日見てくれる人がいて、反応があるのが嬉しい
というパターンが出来たから。
「商売が続く」というのも、そういうことなんでしょうね。
・エスコヤマの「小山ロール」は兵庫県三田市の辺鄙な場所で一日最高1600本売れる
・一個の商品を深く掘り下げて考えることで、初めて基礎力がつく。丁寧にケーキを作り上げる感覚を身につけたら、接客を担当した時も、小さなことに目を配れるようになる。
・小さなことをおろそかにする人は、必ず大きなこともおろそかにする。小さなことにどれだけ丁寧に取り組めるかによって、その人の仕事に対する意識は決まってくる。
・何であれ、継続することは一種の才能。大変なことを毎日続けるカギは、効率的で、自分が楽しんで続けられるような方法を考えること。
・今は「足りている時代」 そんな時代に必要なのは、ニュースが絶えない店作り。
・リサーチやマーケティングは、過去のもの。ものづくりでは、人がいいなと思う過去の基準より、自分が何を伝えたいのかという今の自分軸の方が大切。
2013年06月18日
バカのバカによるバカのための政治
日本をダメにしたB層の研究 [単行本（ソフトカバー）]
「B層用語辞典」なるものから本書は始まる。
温暖化 3.11の原発事故以後はあまり語られなくなったなどなど、なかなか鋭い。
格差社会 普通の社会のこと。格差が無い社会は不健全。
カリスマ キリスト教の概念。超自然的・超人間的な資質。近年の日本では、髪を切ったり、コンビニ弁当をプロデュースしたりする。
事業仕分け B層向けのSMショー
｢庶民感覚」「国民目線」・・・こういうものをリーダーに求め始めたら終わりだと私も思う。リーダーには「庶民感覚」を超えた大所高所からの判断をしてもらわなければ困る。そうでなければ、例えば、国会議員一人当たり年間1億円掛かるといわれる報酬と経費を払う意味がない。
一方、情報の非対称性に守られ、既得権益化し、まともに仕事をしていない機関も存在するので、チェック＆バランスの機能強化は必要だ。
はじめに：バカのバカによるバカのための政治→バカの生活が第一
素人が玄人の仕事に口を出す時代
61:専門家の意見と主婦の不安を同列に扱う世の中は狂っている
2013年06月17日
シェアカフェ・・・ついに訪問！
山道の奥の奧。「まさか、こんなところに？」と思うようなところにあるのがシェアカフェ。
途中何度も、「山しかないよ。行き過ぎたんじゃ？」と引返そうと思ったのですが、車をUターンさせるスペースも無い山道で仕方無しに進んでいたら、小さな小さな「Cafe→」の看板。「葉っぱビジネス」で有名になった徳島県上勝町で、起業人材育成を手がける大西さんの新しい試みです。
店舗を運営するのは県内外から来た12人の店長。日替わりで、それぞれの個性を生かしたサービスを提供します。店舗経営には初期投資がかさみ、家主との交渉など手間も掛かりますが、それを済ませた「起業体験施設」です。直接お客様の顔の見える店舗は、お客様の反応を見て直ぐに改善し、その効果が直ぐに出るので、教育効果も高いと思います。
それにしても、四国で一番小さな町（人口1850人）の山の奥の奧に人を引っ張ってくる大西マジックはすごい！話題づくりをしながら、露出しすぎて「消費」されないよう、コントロールされてます。町内あちこちに増えていくといいですね。
３ナンバーの車では無理なところなので、向かうには小さな車がオススメ。出来れば、地元住民の圧倒的支持を得ている軽で！
2013年06月16日
うらら
うらら(1) (KC KISS) [コミック]
金曜日、香川最大のWeb制作＆運用会社ゴーフィールドの「第2回ユーザーカンファレンス」に出席。香川の会社で、「ユーザーカンファレンス」なんてやっているところ無いんじゃないかな。外資IT企業でも活躍した森田さんらしい。
それも、キッチリしたユーザーカンファレンスでなく、全く仕事に関係の無い「瀬戸内を皆で盛り上げよう」的飲み会であった。ま、こういう余裕がブランドをつくるんだよね。
ゲストのお一人は、瀬戸内を舞台とした作品『うらら』を講談社KISSに連載中の漫画家ひうらさとるさん。2007年にドラマ化され「干物女」ブーム?を巻き起こした『ホタルノヒカリ』の原作者です。
漫画家は人気商売なので、時代の半歩進んだ感性を持っている人が多いですが、ひうらさんが瀬戸内を舞台にしたのも「何かある」。ご自身も出産を機に東京を離れ、ご主人の出身地に移住し、田舎で執筆中。PCで描き、ネットで出版社に送るので、全く問題ないとか。
2013年06月15日
Men at Lunch
今週はEU Film Days 2013 in 高松。毎年5月に行われる日欧Friendship Weekの一環で無料上映。高松ではオーストリア、スペイン、アイルランド、オランダの映画全４本の上映があったが、仕事の都合で金曜日のアイルランド映画Men at Lunchだけみた。
1932年9月、完成間近のロックフェラーセンター69階で、鉄骨の上に座って昼食を食べる11人の建設労働者。あまりにも有名な写真だが、実は、誰が撮ったのか、労働者は誰なのか分かっていなかった。写真家は新聞社で働く社員であり、新聞のために写真を撮る労働者という考え方が当時一般的であった。まして、建設労働者となると何万人もいて、ある意味、誰でもよかった。
写真は今でも売れ続け、現在でも米国でもっとも売れる写真なのだとか。それだけ「移民」に対する共感があるのだろう。
その写真の謎を追ったこの映画、最後に、建設労働者のうち2人がアイルランドの小さな村の出身だということが判明する。一人はNYで死に、もう一人は郷里に帰って、村で死んだ。
2013年06月14日
学習する組織
学習する組織――システム思考で未来を創造する [単行本]
TQC活動が盛んな日本企業は｢学習する組織」の成功モデルであったはずだが、この体たらく。戦略の失敗を戦術の上手さで補えないことは歴史が証明している。戦略を否定するのもまた誤りではないか。
どうすればよいかを経営トップが考え、他の人全てをその「大戦略家」の命令に従わせることなど、もう不可能になったのだ。将来、真に卓越した存在になる組織とは、組織内のあらゆるレベルで、人々の決意や学習する能力を引き出す方法を見つける組織だろう。
チームの中核的な学習能力
�〇屬琉蘋�
・自己マスタリー
・共有ビジョン
��内省的な会話の展開
・メンタルモデル
・ダイアログ
�Ｊ�雑性の理解
・システム思考
2013年06月13日
父の十訓
民俗学の旅 (講談社学術文庫) [文庫]
北川フラムさん推薦図書の続き。37pにある「父の十訓」が素晴らしい。
宮本常一は小学校しか出てなかった。成績優秀だったが、貧しい家庭事情から「これ以上父母に負担を掛けてはならないように思った」（p35）のである。13人の同級生で村に残ったのは常一一人だったという。裕福な家庭では中学に進学し、後は周防大島の風習として島外に出稼ぎに出たのだ。
1年間父の手伝いで百姓をした大正12年3月に祖母が無くなる。その葬式に大阪から帰ってきた叔父が「常一を大阪に出して勉強させないか」というのである。厳しい父は簡単に許すと思えなかったが、意外にも、あっさりこれを承諾する。
「世の中へ素手で出ていくには体がもと手であるから、どんな苦労にも耐えられるようにしておかねばならぬが、一年間百姓させてみてもう大丈夫だと思う。何をさせて見ても一人前の事はできるだろう」
そして、翌月大阪への出発の際に言ったのが次の言葉。これだけの事を、小学校もろくに出ていない瀬戸内海の島の百姓が言える。いかに戦前の教育水準が高かったのか。いかに現在の学校教育はお金だけ掛けて、社会の役に立ちそうにない学生を量産しているのか。そのための投入されている莫大な税金を考えると恐ろしくなる。
（１）汽車に乗ったら窓から外をよく見よ、田や畑に何が植えられているか、育ちがよいかわるいか、村の家が大きいか小さいか、瓦屋根か草葺きか、そういうこともよく見ることだ。駅へついたら人の乗りおりに注意せよ、そしてどういう服装をしているかに気をつけよ。また、駅の荷置場にどういう荷がおかれているかをよく見よ。そういうことでその土地が富んでいるか貧しいか、よく働くところかそうでないところかよくわかる。
（２）村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなことがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへはかならずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない。
（３）金があったら、その土地の名物や料理はたべておくのがよい。その土地の暮らしの高さがわかるものだ。
（４）時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。
（５）金というものはもうけるのはそんなにむずかしくない。しかし使うのがむずかしい。それだけは忘れぬように。
（６）私はおまえを思うように勉強させてやることはできない。だからおまえには何も注文しない。すきなようにやってくれ。しかし身体は大切にせよ。三十歳まではおまえを勘当したつもりでいる。しかし三十すぎたら親のあることを思い出せ。
（７）ただし病気になったり、自分で解決のつかないことがあったら、郷里へ戻ってこい、親はいつでも待っている。
（８）これからさきは子が親に孝行する時代ではない。親が子に孝行する時代だ。そうしないと世の中はよくならぬ。
（９）自分でよいと思ったことはやってみよ、それで失敗したからといって、親は責めはしない。
（10）人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大事なものがあるはずだ。あせることはない。自分のえらんだ道をしっかり歩いていくことだ。
2013年06月12日
大地の芸術祭
大地の芸術祭 [単行本]
今でこそ「大地の芸術祭」より有名になった感のある「瀬戸内芸術祭」だが、勿論、「大地の芸術祭」の方が先。第一回目の大地の芸術祭は2000年の開催。以降、3年おきに開催されているが、これを見た福武聰一郎さんが、「瀬戸内海でもやりたい」と総合ディレクターの北川フラムさんに相談したのがきっかけ。2010年に始めて開催された瀬戸芸では延べ来場者数が94万人と、いきなり大地の芸術祭の3倍に上った。
現在、香川大学ビジネススクールで公開講座「アートと地域活性化」を実施中。前半終了しましたが、後半だけの参加も可能。(無料)
その公開講座の推薦図書リストに入っているのがこれ。大地の芸術祭の発端、生みの苦しみ、歩みが書かれていて興味深い。一見自由に見える芸術の世界でも、「既得権益者」が蔓延っているのだと再認識。
越後妻有：2005年6市町村が合併
東京から2時間 760km2 75千人 65歳以上30%
大地の芸術祭 ３年毎の大祭
�。横娃娃闇� ３２カ国 １４８組
�■横娃娃廓� ２３カ国 １５７組
��２００６年 ４０カ国 ２２５組
�ぃ横娃娃糠� ４０カ国 ３５３組
20:まちづくりにアート
1995 県庁の渡辺斉(役人離れ) ＋ 博進堂(印刷会社)
26:地元既得権者の反対
会議、説明会 4,5年で2000回
・それまでアートを中心にしたまちづくりの具体例が無かった(日本)
・街中でのパブリックアートの設置は多かったが、それほど市民に指示されていない
・｢現代美術は分からない」というアレルギー
・アートは金が掛かる
・地域にもともとある旧来の美術団体が反対
・演劇、音楽など他ジャンルが｢美術」を仲間とは捉えないで足を引っ張る
2013年06月11日
建築資料にみる東京オリンピック
旧岩崎邸庭園の隣に先月開館したばかりの「国立近現代建築資料館」へ、建築家の友人樫原さん（デザインヌーブ）と向かう。せっかく行くなら専門家についてもらったほうが楽しいのでお願いした。神戸生まれの樫原さんだが、お祖父さんは丸亀中学(旧制)の出身で、丸亀高校の先輩ということになる。
開館記念特別展示は「建築資料にみる東京オリンピック」。1964年に出来た国立代々木競技場を中心とした展示。設計を担当した丹下健三の一次資料が豊富に展示してある。
しかし、その提供元はハーバード大学
なんと、丹下健三は全ての資料を、長年在籍した東大にではなく、ハーバードに寄付していた。国立大学の無責任体制を信じてなかったのかもしれない。
よく知られたとおり、代々木競技場はつり橋と同じ構造で、屋根をワイヤーで支えている。この難工事を施工したのは清水建設(第一体育館)と大林組（第二体育館)。その段取りと職人たちの技術にも思いをはせたい。
1964年に開催された東京オリンピックは、戦後日本の復興を象徴する歴史的大事業であった。その舞台となった競技場施設は、未来へと向かう国家と国民の意思表明として、当時可能な技術の粋を尽くしてつくられたものだった。
なかでも、丹下健三設計の、国立代々木競技場は衝撃だった。先駆的な吊り屋根構造により、伝統と近代の融合を表現、モダニズムの新たな地平を切り開いた。ここにおいて、日本の近代建築の存在が、世界に示された。
そして今日、東京は二度目のオリンピック招致に向けて動き出している。メイン会場となる新国立競技場建設にあたっては、希望に満ちた新しい時代の象徴とすべく国際的な設計競技が催され、激戦の末に建築家ザハ・ハディドが勝ち残った。現代建築の一つの未来を暗示する、力強い建築が提案されている。
国立代々木競技場と新国立競技場。半世紀をまたぎ、日本の未来のために構想された、この新旧二つの｢国家プロジェクト｣が開館記念特別展示として紹介される。訪れる人に、建築という文化の豊かさと、未来への希望を感じ取ってもらえればと思う。
名誉館長 安藤忠雄
2013年06月10日
丸亀高等学校創立120周年記念同窓会
今年は丸亀高校の創立120周年。東京丸高会でも記念行事をということで、昨日、サントリーホールを貸しきっての記念式典と、記念コンサートが行われた。その後は、いつもの石垣記念ホールで祝賀会。
出演したのは、琴平出身の森末先輩とその娘さん2人。出演はなかったが、末娘も声楽家ということで、音楽一家。丸高2年のとき、The Thundersというエレキバンド
を結成し、文化祭で演奏しようとしたら、「伝統ある丸高でエレキとはなんだ
」という反対の声が上がり、校長自ら演奏を見て判断することになったのだとか。結果は、
・・・
出演者プロフィール
| 森末由文 | 琴平生まれ丸高S44年卒。国立音大卒、東京フィハーモニー交響楽団首席奏者を20年務める。 現在関西フィルハーモニー管絃楽団の首席奏者。 NHK音楽の広場、名曲アルバム「題名のない音楽会」等テレビ、ラジオに多数出演。 音楽コンクールの審査員、後進の指導にも力入れている。 |
| 森末夢美 | 由文氏長女。桐朋学園大ヴァイオリン科卒、同大研究科修了。 在学中からプロヴァイオリニストとなり、インペリアルレコードよりメジャーデビュ−。 多数のCDを発売。 「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」のリーダーとして活動、多数のテレビに出演した。 現在、日本シンフォニーコンサートマスター。 |
| 森末麗美 | 由文氏次女。国立音楽大附属中学，附属高校音楽科を経て、東京音楽大音楽学部器楽科卒業。 在学中より多数の演奏会に出演。日本クラッシック音楽コンクールピアノ部門全国大会で入賞。 ブライダルや式典などで演奏活動も行っている。 |
「丸高生らしく、制服を着てやるなら良かろう」
ということで出演可能に
同じ時代の、同じ香川の観音寺第一高校を舞台にした小説＆映画「青春デンデケデケデケ」を思い出す。当日は、丸高始まって以来のエレキバンドということで、校舎からは人影が消え、ほぼ全員が会場の体育館に集合。大変な人気で、その後バイオリンの道に進んだとは言え、この時の熱狂が忘れられず、つらい稽古にも耐えられたような気がする。
（本番中の写真撮影禁止ということで、準備中の丸高吹奏楽部）
2013年06月09日
ビジネス書より古典
四国ベースになったので勉強会には最近行ってないのだけど、石原明さんの「高収益トップ３％倶楽部」会員である。4月勉強会のゲスト講師はライフネット生命保険の出口社長(当時)。そのダイジェストから。
・ ビジネス書を読む時間があったら、ぜひ"古典"を
・「人間がつくる世界」というものを深く理解しない限り、会社経営などできるはずもない！
・人間の頭というのは「とても好き嫌いの激しい臓器」であり、自分の見たいものしか見ないし、あるいは見たいように事実を変換してしまう
・「事実を事実として素直に見る」というのはことのほか難しいもので、それを身に付けるために、「古典」に触れてほしい
・国語（言葉）で考えることを止め、算数（数字）で考える
昨晩の
2013年06月07日
「決断筋」の鍛え方
いま、決める力 ワクワクする未来をつかむ「決断筋」の鍛え方 [単行本（ソフトカバー）]
これはバランスの取れた｢決断」方法だな。
決断力とは筋肉のようなもので、鍛えないとたるむ。
・わたしべ長者決断法：毎日一つ決断する
・公開宣言効果：決断することを周りに宣言し、実行する
「決断恐怖症」の克服
・ファースト「だけ」アクション
・末来の分かれ道理論：決断した場合、しなかった場合それぞれの、将来のメリット･デメリットをイメージする
ゴールが曖昧なまま決断すると失敗する「ゴール力」欠乏症
・WHY-WHY法：まず、なぜその決断をするのかを考え、考え付いた理由の中で一番大事な理由を優先して決断する
・3年後イメージ法：決断した3年後について、自分が求めているゴールがどうか、具体的にイメージしてみる
理屈だけ、「アタマ」だけで決断しようとすると失敗する。「ココロ」のワクワクを大事にして決断する。
決断の正しいプロセス
�．錺�ワクゴールの明確化
�▲皀離汽掘僻獣粘霆燹法楹海辰廚船薀ぅ鵝弊�約条件）を決める
��情報収集
�ち�択肢の比較検討
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�Ε侫 璽好肇▲�ション
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時間を忘れて過ごせてしまう→ワクワクサイン 2013年06月06日
既得権益の壁
「アベノミクスの三本目の矢」成長戦略がついに発表された。内容はある程度事前に漏れていたので、サプライズは無かった。サプライズが無かったので、内容を既に織り込み、サプライズを期待していた株式市場は下落。内容が不十分との声もあるが、方向性は正しいのだから、実行することの方が大事。2006年に小泉政権がまとめた「新経済成長戦略大綱」以来、「成長戦略」は毎年のように策定されているが、まともに実行できないまま7年が過ぎた。何しろ、政権が毎年変わるのだから、実行部隊である官僚も「やってられない」という心境だろう。
最大のテーマは「規制緩和」で、そこに立ちはだかるのは「既得権益の壁」。既存の業者にとっては、規制によって競争が緩和され、業界への参入障壁になる。官僚は規制が権威の源泉になっている。
前回国の仕組みが大きく変わったのは戦後。占領軍の指導の下、財閥は解体され、「戦争協力者」は公職追放され、憲法が変わった。これらの政策の妥当性はともかく、この時期にホンダやソニーなど多くの元祖ベンチャー企業が出たことは偶然ではないだろう。
その前は、明治維新。この時は、「欧米列強の植民地にされてしまう」という危機感の中で、内戦はあったものの、自ら国の仕組みを変えた。
1867年 大政奉還(明治維新)
1945年 敗戦
でこの間、78年。1945+78=2023年。そろそろかな、という気がしている。
2013年06月05日
強い組織、強い会社を作る、指導力と統率力
上司が「鬼」とならねば部下は動かず―強い上司、強い部下を作る、31の黄金律 [単行本]
Amazonのカスタマーレビューで好き嫌いがはっきり分かれる本。内容のない本ではこうはならないので、それだけで気になる本といえる。2001年に出た本が未だに版を重ねているので支持は受けているようだ。
高い評価をつけている人は、「優しさがあるから、部下の成長を願い叱れる」といい、低評価している人は、「こんな人材育成方法など古い」という。
さて、どちらでしょう。
・「やさしい上司」は、実は部下の指導育成を放棄した人
結果的に、仕事をえり好みしたり、仕事より私生活を大事にする自己中心の社員を生み出す
･鬼の指導者とは、できそうもないことに部下を挑戦させ、部下がそれを成し遂げれば、ココロのそこから褒めるような指導者。
・統率力のある人は、部下に命令や強制と感じさせずに、命令や強制を行うことが出来る。そのカギは、部下の理解、納得、信頼、尊敬を得ること。
・部下を甘やかさず、言うべきことを言うことで、部下に信頼される
�〔仁瓩砲茲辰読�下を動かす
��部下の仕事を正当に評価する
�Ｌ枠呂鮗┐掘�部下が出来るまで繰り返し教える
・人材育成の要点
�／祐峩軌蕁�道徳と精神強化の教育を行い、人として最低限持たなければならない資質を回復させる
��意識教育：組織優先の意識で行動するための教育を行う
凡人が集う一般の会社と、プロスポーツではわけが違う。個性や自主性などと言っている場合ではない。 2013年06月04日
七転八起
讀賣新聞に「七転八起」というコラムがあって、創業社長ではなく、いわゆる「サラリーマン経営者」の失敗談とそれを克服して社長になるまでにフォーカスを当てている。当たり前だが、「入社以来全てが順調で、気が付いたら社長でした」という人はまず居ない。むしろ、左遷されたり、仕事で大失敗をして、それを機に仕事のことを本気で考えた人が多い。失敗は成長の糧なのだ。
昨日の記事に登場したのはジーユーの柚木社長。（讀賣の記事はまだonline公開されていないようなので、リンクは別のインタビュー記事）
柚木社長は、伊藤忠のエリートサラリーマンから、米系ファンドへ転職。｢本社の意向に逆らえない」のに嫌気が差して、ファーストリテイリング（ユニクロ)に再転職。転職を決めたのは、柳井社長の「世界一を目指す」という熱弁に圧倒されてだとか。
そこで2002年に始めた新事業が、低農薬栽培の野菜販売SKIP。役員会では柳井社長以外の全員が反対したという。
新会社の社長を任され、「俺がやればうまくいく」と自信満々で始めた事業は、26億円の損失を出して1年半で撤退。完全に自信喪失。
「お金を返してください」
辞表を出した柚木社長に、柳井社長はこう切り返したという。
「勉強を生かせ」
「10倍返しだ」
「授業料を使って『お先に失礼』はない」
そして、ジーユーの副社長を経て、社長に就任したのが2010年。2009年に990円ジーンズがヒットしたものの、その後はまた不振。「二度と会社を潰せない」とポジショニングを見直し、それまでの「ユニクロの廉価版」から、ユニクロのベーシック路線とは違う「トレンドファッションを安く」提供し、急成長。２０１２年８月期の売上げ５８０億円、経常利益50億円と絶好調らしい。
「君ほどの大失敗を経験した人は他にはいない」
柳井社長は今も言うのだとか。
失敗は(逃げなければ)大きな財産になる。
2013年06月03日
美術の栄光
6月1日から今年も、北川フラム先生による「アートと地域活性化」公開講座開始。北川先生は当研究科の客員教授であり、瀬戸内国際芸術祭2013の総合ディレクター。
話しが脱線に次ぐ脱線なのはいつも通り。(笑) 「日本には全く展望がない」とかキワドイことを口にされます。
今朝の授業で私の心に響いたのは、「美術というのは、他人と違ってほめられる唯一のこと。これこそが、美術の栄光」 という言葉。確かに、学校教育の「正解主義」の中で、他人と違ってほめられるのは美術くらいかもしれません。音楽でさえ、基本は楽譜通りに演奏し、歌うことですから。
ところで、今年開催中の第二回瀬戸芸。今回最大の危機は、「マスコミに消費されること」だそうです。ビートたけしなど知名度の高いアーティストの参加やAndo Museumの開館で、マスコミの関心がそちらに集中する気配を感じた北川さんは、開催前マスコミ向けのオリエンテーションで、「大島を見て。それが無理なら、せめて、女木島・男木島を歩いて回って」と訴えたということです。
隔離施設を作った大島。今ではすっかり「アートの島」となった直島も、かっては製錬所の煙害で禿山の島でした。隣の豊島は、産廃の大規模不法投棄が長年行われた島。
「負の歴史」に向かい合うことで、初めて島の再生がある。
2013年06月02日
GREEとmixi
GREE田中社長が高松で講演。ソーシャルゲームをやってなかったり、株式投資にも縁のない人にはGREEと言っても分からず、主催者は「個人資産3500億円の男」を強調。尤も、これは2011年の株価がピーク時の話。現在は時価総額2360億円（5月末）で、個人資産1128億円ということになる。何れにしてもスゴイが、上場企業の社長をやっている限り、自社株を売るわけにはいかないので、あくまでペーパー上の話。
GREEの創業は2004年2月。当時楽天の社員として、趣味で個人の時間を使いSNSを開発＆運営。当時一番困ったのは、月1万円のレンタルサーバが会員数が増えるに連れ直ぐに10台を超え、毎月10万円以上サーバ代を個人で払う羽目になったことだとか。新入社員の給与で足らず、カードローンでしのぎ、ボーナスで返済したらしい。
個人ではもう無理と判断し、12月に会社設立。その時には会員は10万人を超えていた。そのうちの一人は私だ。
2005年7月にVCのGCPから1億円を調達している。実は、GCPはSNSで先行するmixiにも投資しており、「二股をかけた」ともいえる。その後、mixiとの差は縮まることなく、皆、勝負付いた、と思っていた。
転機になったのは、SNSを業界トップで勢いのあるmixiとではなく、自分たちの意向を反映させたかったKDDIと2006年に資本提携したこと。これにより、携帯向けのSNSでトップに立てた。この点、ヤフオクに完全に負けて、会社存続の危機にあったDeNAがモバオクでYahoo!に先駆けてモバイルに活路を見出したのと似ている。
その後、ソーシャルゲームで大ブレーク。今ではゲーム会社と言ってよく、奇しくも、DeNA（モバゲー）とはライバル関係。一方、SNSで大成功したmixiはその後次の収益源を見いだせず、社長交代の事態になっている。
ネット業界の栄枯盛衰は激しい。
2013年06月01日
「失われた30年」の国債残高
昨日本blogで、一人当たり実質GDPの長期推移を示し、敗戦が「失われた30年」をもたらしたことを書いた。そこで、今度は、長期の政府債務残高名目GDP比を見てみたい。
上記がそれ。統計のある明治23年以来、戦時期も含めて、現在の債務残高水準は最悪だ。前回GDP比200%を超えた後どうなったか。
前回と今回の違いは確かにある。激しい物価上昇は、戦争による生産設備の破壊と戦後の復興需要を背景とした日銀券の増発、あるいは戦時中行われていた物価統制の効力がなくなったことなどで生じている。そして、昭和9-11年（1934-36年）平均の消費者物価（東京）を１とすると、昭和28年（1953年）平均では286.2倍に達してしまった（旧総理府統計局統計）。この激しい物価上昇で、戦前や戦争中発行された国債の多くを購入した個人層は、保有する国債の実質的価値が99.7％なくなってしまったことになる。
・前回は戦争で生産設備が破壊され、需要に供給が追い付かないインフレ状態で、現在は世界中が生産能力過剰
・前回は国全体が貧しかったが、現在は政府は破産状態でも、民間には1500兆円の個人資産がある（負債を引いた純資産で約1000兆円)
しかし、これらは、爆弾の導火線が長いだけで、「猶予期間が長いだけ」ともいえる。古今東西、ハイパーインフレか緊縮財政（支出減＆増税）による恐慌かしか起こったことがない。
