2013年03月
2013年03月31日
鶴丸亀 観桜の宴
恒例の「鶴丸亀 春の園遊会」が昨晩あり、いつもの東郷元帥記念公園へ。ここは東郷平八郎連合艦隊司令長官（日露戦争でロシアのバルチック艦隊を破った）の私邸跡である。
鹿児島県立鶴丸高校OBと香川県立丸亀高校OBが出会ったことによって始まったこの会も7年目。私は5年前から常連に。鶴と亀で誠にメデタイ。
今回は出席者12人と少なめ。京大出身者が５人と多かったのはいつも通り。会を始めた２人が京大なので。他にも、東大、一橋など国立優位なのは、地方県立高校だから？あれだけ集まって早稲田が他に一人もいないというのは逆に珍しい。
2013年03月30日
大円寺（目黒）
昨日は、渋谷でのLBS同窓会の新会長大塚さんとの打ち合わせへ自転車で。帰り、桜の花が散り始めた目黒川沿いを走る。
途中寄ったのが、目黒の大円寺。行人坂は幾度となく通っているが、こちらに寄ったのは初めて。というのも、先日のセミナーでRobert Campbell先生が推薦していたので。
行人坂に面した小さめの境内だが、見所満載。まずは、行人坂の大火と呼ばれる、明和９年（1772)の大火事の犠牲者を弔うために、石工が50年もの歳月をかけて完成させたという五百羅漢。（写真）「大円寺から出たとされる火は、またたく間に燃え広がりなんと今の山手線を軽くまたぎ、神田、浅草、千住のほうまで江戸の大半を焼け尽くしてしまった」というから一体何人の犠牲者が出たのだろう。五百羅漢の前にある仏像のお顔もいいし、一人ひとり表情の違う五百羅漢は見ていて飽きない。
そのすぐ隣にあるのが、「八百屋お七」の碑。お寺には、お七地蔵と、彼女が恋焦がれた吉三（きちざ）の位牌が保存されている。・・・というわけで、雅叙園に用があるときは是非寄ってください。
すごいのは、このお相手の吉三です。お七の死後、 剃髪して僧になり、西運として、明王院(現在の目黒雅叙園付近)に身をよせました。行人坂を石畳に直したのも、目黒川に太鼓橋を架けたのも、この西運です。
2013年03月29日
世界の経営学者はいま何を考えているのか
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア [単行本（ソフトカバー）]
13:アメリカの経営学者はドラッカーを読まない
日本人ほどドラッカーが好きな国民はいない
15:ドラッカーの言葉は「名言であっても科学ではない」
18:HBRは学術誌ではない←論文を載せても業績にならない
大学での昇格「上位ランクの学術誌に何本論文を載せたか」のみ
・競争戦略論では、企業の究極の目的は「持続的な競争優位」を獲得すること。だが、企業間の競争が激化した現代のビジネス環境では、競争優位が持続しにくい。
・「ハイパー･コンペティション」の中では、積極的な競争行動をとった企業の方が高い業績を上げられる
・イノベーションを生み出す一つの方法は、既に存在している知と知を組み合わせることなので、組織の知が多様性に富む組織はイノベーションを起こしやすい
・企業が知の範囲を広げるために新しい知を探す行動を｢知の探索」、既存の知識を改良するなどして活用することを｢知の進化」と呼ぶ。イノベーションを生み出すには、両者のバランスが重要。
・ホフステッド指数によれば、日本人の国民性は際立って集団主義が強いというわけではない。中国や韓国などアジア諸国に比べれば、個人主義的な傾向が強い。
・集団主義の人は、外部者との競業が苦手。アジアの人々は、米国人よりも外部者を信用しない。
中国人の方が日本人より集団主義というのが面白い。これは中国は広く、元々違う国だったから、同じ地域では集団主義だが、田舎から出稼ぎ者が集まる都会では金しか信用できず、個人主義的行動をとる、ということかも。 2013年03月28日
日本はきもの博物館
しまなみ海道を完走し、尾道駅前で記念品を頂いたのが日曜日の12:30。私はそこから松山から併走した先輩と別れ、福山に向かった。目指すは、日本はきもの博物館。日本で唯一の履物をテーマとした博物館である。
ここ、福山市の松永(もと松永村)は日本一の下駄の産地。かって、着物に下駄が当たり前だった明治･大正・昭和初期には大変な繁栄振りだったという。
実は、こちらの訪問は2回目。今回はオーナーの丸山館長自ら丁寧に説明していただき、さらに理解が深まった。
日本の履物の歴史は、大まかには、「草履→下駄→靴」という変遷を辿る。庶民が下駄を普段履きに出来るようになったのは、大正時代に松永で下駄の大量生産が進み値段が下がったことと、国民の所得水準が上がって実現したのだという。
松永は江戸時代は塩田で栄えた町。塩水を天日で蒸発させ、濃くしたのがかん水。これを最後に釜で煮詰めるときに使う木材を全国から船で運び込み、またその船で全国に塩を出荷していた。この木材を利用し何か出来ないか？というところが出発点だったようだ。
地元に優秀な機械工が居て、いち早く機械化＆大量生産が実現したことから、松永はそれまで全国各地にあった産地を圧倒するようになる。しかし、その松永も、洋装化の波には逆らえず、今では一部のメーカーがサンダルを製造するのみである。
博物館には、日本人が履いてきた各種履物、世界の履物、さらに有名スポーツ選手の競技用靴も展示されている。(写真)
収蔵品である約13000点の「はきものコレクション」のうち2266点が国の有形民族文化財に指定されているという、隠れた名博物館である。
2013年03月27日
太陽光パネル清掃ロボット開発／香大発ベンチャー
香川大学発（＆初）のベンチャー未来機械が太陽光パネル清掃ロボットを開発しました！
「パネル上を自走し、水を使わずに清掃するものとしては世界初。中東やアフリカなどの砂漠地帯で、砂ぼこりの除去が必要な太陽光パネル向けに需要を見込み、２０１４年度中の実用化を目指す。」
ということです。
「日射量が多い中東や北アフリカは、大規模太陽光発電所（メガソーラー）の建設が加速しているが、砂ぼこりの除去が大きな課題となっている。」
らしいです。
実は、2004年に香川大学初の学生ベンチャーとして創業した未来機械には設立当初から接点があり、折に触れ、三宅社長と会ってきました。
創業間もないころ、東京での展示会に出展した三宅社長の様子を見に行ったら、一人でブースを離れられなくて困っていて、代わりに足らなくなった資料のコピーに走ったことを思い出します。
創業して9年、大学発ベンチャーとしての生き残りには成功し、これから飛躍するかどうかです。
2013年03月26日
成熟社会に向いてない間接金融
「まだ、こんなことを言っている人がいるのか！」と暗澹たる気持ちになったのが、昨日の讀賣新聞の記事「届かない緩和マネー」。
相も変わらずの、｢融資しない銀行」への批判記事。しかし、幾ら批判しても銀行融資が増えるわけはない。「時代は変わった」のである。
こに記事にもあるよくある誤解は次の通り。
１．日本の銀行は融資しなくなった
２．日本の銀行は中小企業に冷たい
３．日本の銀行は担保主義で事業を見る目がない
上記のグラフを見て欲しい。バブル期まで日本の銀行貸付残高は長らくGDP対比60%程度であった。バブル期の行き過ぎた金融緩和と、日本経済への楽観的な見方から、銀行融資はGDPを超える水準にまで膨らんだ。明らかに異常な水準だ。これを正常な水準に戻そうとしたのが、「貸しはがし」とか「貸し渋り」とか言われた現象である。
グラフは1997年で切れているものの、その後も貸付残高はあまり落ちてなく、現在も90%前後と引き続き高い水準にある。大企業は銀行融資に頼らずとも、金融市場で直接有利な条件で資金調達が可能なので、大企業向けの融資は低水準であり、実は中小企業向けの融資が多い。世界中どこでも経営基盤の弱い中小企業に貸すのはリスクが高い。世界で一番中小企業に貸しているのは日本の銀行である。
それが可能になっているのは、担保主義と連帯保証。古今東西、銀行に事業に対する絶対的な「目利き」など居ない。高度経済成長の時代は金利が高いうえ、成功する企業の割合が高かっただけの話で、現在のような低金利で回収リスクを補えるだけの十分なマージンなど見込めない。他に、1-2%程度の｢粗利」しかない商売などあるだろうか？
成熟社会で新分野に企業が挑戦するにはリスクが伴う。それをファイナンスする金融はリスクに対応できる「成功報酬型」でなければいけない。つまり、投資家が自己責任でリスクを取るべきで、企業家は銀行が融資してくれたらラッキー位に思っておけばいい。外野が「融資してあげるべきだ」などと軽々しく言うべきではない。
新聞で高説を説く「識者」（今回の記事では立教大学の山口義行教授)には、それ程言うなら自分で融資してあげたらどうですか？と言いたい。自分でリスクは取らないで、安全な所にいて、政府の中小企業政策委員などをやっている。融資で甘やかしても、強い中小企業は生まれない。
2013年03月25日
THE SABOT
日本はきもの博物館の最後のオススメは、コーヒーハウス「サボ」 Sabotというのはオランダ語で｢木靴」らしいです。この建物は、下駄産業最大手で当時隆盛を極めた丸山商店の本社事務所。大正11年の建築で、本格的洋館です。当時福山周辺ではここだけで、異彩を放っていたとか。
博物館見物帰りの休憩に最適。
しまなみ海道
今回のサイクリングの目玉が「しまなみ海道」 今治から尾道まで島伝いに71kmあるサイクリングロードは、橋も自転車で渡れる。
幸い、天気予報を覆す好天、それもチョット霞の掛かった薄日といった感じで、サイクリングには最適な環境。大敵の風も穏やかで、素晴らしかった。
偶然、年に一回のスタンプラリー「しまなみ縦走2013」を開催中。しまなみ海道全行程を回った証拠としてスタンプを集めながら走る。
最後にアンケートに答えて、完走証明書と伯方の塩のお土産を貰った。
2013年03月24日
かわら館
博物館巡りが趣味の一つの私。今回のサイクリングの途中、新たな博物館を発見。その名も「かわら館」
今治市菊間にあり、菊間は昔から四国では瓦の産地として有名。しかし、瓦製造の歴史や、製造工程を知ったのは初めて。またまた｢初体験」である。
展示によれば、
�＾僕修隼彰瑤療擇�瓦作りに適していた
�⊂得�用の｢ダルマ窯」で使う燃料の松が瀬戸内海岸に豊富にあった
�８粁舛糧惰�、製品の出荷のための良港に恵まれた
という条件から瓦作りが盛んになったらしい。
松山方面から国道を向かうと、控えめな看板だったので、「公民館に毛が生えた程度」かと思って行ったら、大間違い。4階建ての巨大な建物であった。
しかし、天候に恵まれた週末だというのに訪問者は我々二人だけ。入場料は今治市立で大人200円。
一体、建設財源はどう賄ったのか？（合併特例債でも使ったか）マイナーなテーマの博物館で、どう考えても入場者は見込めないのに、どう維持費を想定していたのか？
立派過ぎて、変なところで気になった。
2013年03月23日
道後温泉に入った後、温泉前の商店街へ。昔ながらのお土産屋さんが手持ち無沙汰にしている中、一転、客であふれていたのがこの店「2013年03月22日
まちづくり推進隊
後期の授業も終わった3月。春休みで研究に専念できるかと思ったら、時間を取られているのが「まちづくり推進隊」 ほぼ毎週一日でボランティアに近い。
これは三豊市が合併前の旧７町単位で行っている「市民参加型地域内分権」の試み。（県による紹介記事) 私は、昨年の準備委員会から地元高瀬町の委員として関っていたが、2月4日の正式発足とともに理事長に就任した。
これまで市が行ってきた業務の中から、
・交通安全
・防犯燈修繕
・自治会長連合会事務局
・地区衛生組織事務局
・その他、法律上行政が行う義務のない業務
を一括して「まちづくり推進隊」に委託するもの。
まちづくり推進隊には市がこれまで使用していた関連予算がそのまま交付金として交付される。どの業務も一番掛かっていたのは市役所員の人件費だが、これは役所全体で見ていて事業予算に入っていない。つまり、事業移譲することで、役所は職員の採用削減で税収減に対応できる。
これら移譲業務の効率化を図ることで、自主事業の財源にすることも可能。民間団体なので役所と違って法律的な縛りもない。
高度経済成長は税収増をもたらすとともに、「なんでも役所にやってもらえ」 という風潮を生み出した。住民は、「道路を付けます、橋を架けます、福祉を充実させます」という候補者に票を入れ、役所は予算とともに拡大を続けた。
その恩恵に預かった住民だが、一方、地域の問題を自分たちで解決できなくなった。先月豊島の産廃投棄現場の視察に行ったとき、地元の元県議が言った言葉が印象的。
「今では、家の前に猫が轢かれて死んでいても、自分で片付けず役場に電話する」
｢隣の夫婦喧嘩が行き過ぎているな」と思っても、自分では仲裁せず、警察を呼ぶのも当たり前になった。よく新聞で、事件の予兆があったのに、｢警察が対応してくれなかった」という批判記事が出ているが、些細なことでも警察が呼ばれる時代、気の毒な気もする。
人口減、税収減の｢安定社会」で、自助の精神が求められる。
これは三豊市が合併前の旧７町単位で行っている「市民参加型地域内分権」の試み。（県による紹介記事) 私は、昨年の準備委員会から地元高瀬町の委員として関っていたが、2月4日の正式発足とともに理事長に就任した。
これまで市が行ってきた業務の中から、
・交通安全
・防犯燈修繕
・自治会長連合会事務局
・地区衛生組織事務局
・その他、法律上行政が行う義務のない業務
を一括して「まちづくり推進隊」に委託するもの。
まちづくり推進隊には市がこれまで使用していた関連予算がそのまま交付金として交付される。どの業務も一番掛かっていたのは市役所員の人件費だが、これは役所全体で見ていて事業予算に入っていない。つまり、事業移譲することで、役所は職員の採用削減で税収減に対応できる。
これら移譲業務の効率化を図ることで、自主事業の財源にすることも可能。民間団体なので役所と違って法律的な縛りもない。
高度経済成長は税収増をもたらすとともに、「なんでも役所にやってもらえ」 という風潮を生み出した。住民は、「道路を付けます、橋を架けます、福祉を充実させます」という候補者に票を入れ、役所は予算とともに拡大を続けた。
その恩恵に預かった住民だが、一方、地域の問題を自分たちで解決できなくなった。先月豊島の産廃投棄現場の視察に行ったとき、地元の元県議が言った言葉が印象的。
「今では、家の前に猫が轢かれて死んでいても、自分で片付けず役場に電話する」
｢隣の夫婦喧嘩が行き過ぎているな」と思っても、自分では仲裁せず、警察を呼ぶのも当たり前になった。よく新聞で、事件の予兆があったのに、｢警察が対応してくれなかった」という批判記事が出ているが、些細なことでも警察が呼ばれる時代、気の毒な気もする。
人口減、税収減の｢安定社会」で、自助の精神が求められる。
2013年03月21日
瀬戸内国際芸術祭2013
2回目となる瀬戸内国際芸術祭が開幕。これはトリエンナーレなので、今後も3年ごとに開催される予定です。
瀬戸内海に浮かぶ香川、岡山両県の島々を舞台とした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭２０１３」が２０日、開幕した。会期は春、夏、秋の３シーズン合わせ計１０８日間で、春会期は４月２１日まで。 （産経新聞）私も初日の昨日、友人の船で豊島と直島へ。豊島の目玉は豊島美術館ですが、こちらは私は先月見たばかりなので隣のCafeで待機。その後、近くの島キッチンでランチをと思ったが、既に満席＋待ち客多数で断念。
次にバスで、公式ガイドブックに「春のオススメNo.1」と書かれていた横尾忠則美術館を目指しました。
・・・建設中でした。
7月に完成とのことです。次に行ったのが近くの「100年の闇」 国内最後の盲目の旅芸人（ごぜ）小林はるさん(享年106歳)がモデルの鉛筆画が空き家に展示してあります。迫力でした。
解説してくれるのはこえび隊の方なのですが、ボランティアなので正直、当たりはずれがあります。「100年の闇」で昨日解説してくれたのは岡山から来た画家の方。流石、本業とあって、打てば響くといった解説でした。
2013年03月20日
リバース・イノベーション
リバース・イノベーション [単行本（ソフトカバー）]
リバース・イノベーション：新興国市場発のイノベーション→富裕国市場
・今日の取り残された市場
・明日の主流市場
時代遅れの思考
・新興国が裕福になれば、自然と自社の製品の需要が高まる
・新興国の顧客に対しては、既存の製品やサービスのカスタマイズで十分である
・古い技術に基づく安い製品で、貧困国のニーズは満たせる
・リバース・イノベーションで、儲けを出すのは難しい
・低価格市場で競争すれば、自社のブランドを危険にさらす
＊新興国で生まれたイノベーションが、既存企業を破壊させるような新市場を富裕国で生み出す可能性がある
リバース・イノベーションのCEOマインドセット
�／袈醜饂埔譴冒反イ僚顛瓦魄椶�
�⊃袈醜饂埔譴亡悗垢訝慮�や専門性を高める
��はっきりと目立つ個人的な行動で雰囲気を変える
「イノベーションのジレンマ」の新興国版か？2013年03月19日
新しい産業を起こすためには、規制撤廃と失業の山が前提
愛読している、大前研一「ニュースの視点」 ホント、読むたびに、「1995年の都知事選で都知事になっていれば・・・そして、その後国政に出ていれば」と思わずにはいられません。
しかし、正論を言うから人気ないんだろうな。選挙は難しい。
産業競争力会議は、起業家、経営者、学者などあまりに発想が異なる人が集まっているので意見がまとまるとは考えられません。
そして、自民党や役人の多くは基本的にTPPですら拒否する姿勢を示していますから、本気で「競争力のある産業を作ろう」と固く決意している人はいないのだと思います。
私としては、なぜ三木谷氏や新浪氏が協力しているのかと、疑問に感じてしまいます。
2013年03月18日
東京のブランド力
森記念財団都市ビジョン講演会「東京のブランド力〜世界が憧れる5つの魅力〜」に先週出席。
面白かったのは、「"Cool Japan"が全然Coolじゃない」というキャンベル教授からの指摘。氏によれば、最初にこれを観光キャンペーンに使ったのは1996年のイギリス。（Cool Britannia)
これを韓国が真似、1997からCool Koreaキャンペーン。今では外国人訪問者が年間1000万人以上で日本より多い。
これのさらに「3匹目のドジョウ」を狙って日本はやったわけだが、そもそもCoolとは、「独自性があってかっこいい」ということなので、マネのマネではカッコ悪い。キャンベル教授の言葉によれば、「ミミッチイ」のだそうだ。
官僚的に言えば、「実績のある言葉を選んだ」ということなのだろうが、事業目的に逆行している。海外に向けての発信なのに、日頃大好きな「有識者」に聞かなかったのだろうか？「うどん県」の方が余程成功している。
東京の５つの魅力
�� 心地よい安全な街
�� おいしくて健康的な食文化（Michellin★世界最多）
�� ユニークでこだわりの文化・流行
�� 豊かな四季が作り出す歴史と伝統
�� 過去と先端が共生する街
外国人観光客の東京への関心をみると、アジア系では「先進的文化」、欧米系は「伝統・文化」に興味を持っている。→対象により情報発信も変える必要
課題と戦略
（1）自己認識の欠如、観光立国への情熱不足の解消
（2）東京の魅力育成と海外へのプロモーション強化
（3）観光立国のための観光インフラの拡充
2013年03月17日
謝恩会
昨日は大学院の謝恩会。謝恩を｢受ける」側になったのは初めて。
うちはビジネススクールなので、学生の大半は昼間働いている社会人。私が受け持ったのは、歯医者、クリニック経営者、銀行員、電力会社社員、市役所職員、メーカー管理職。皆さん、昼間の仕事も忙しい中、よく頑張りました。
2年間の思い出を聞いていて、多いのは、仕事との両立がいかに大変だったかということ。昼や会社、夜は卒論で何日徹夜したとか、終電で寝過ごして終着駅から5000円のタクシー代をかけて帰宅したことが10回以上あったとか、会社のプリンタで宿題を印刷したのを忘れてそのままにしていて上司に見られたとか。
でも、この体験がタイムマネジメントを含めて、仕事のレベルを上げてくれると思います。
祝卒業
2013年03月16日
Ruboa
「かがわエナジー」第2回目のゲストは、ルボア�蠅領喙卍后�お父様が1961年に創業された会社を引き継ぎ、二代目社長に就任されたのが2004年。一見飄々とされていながら、言葉の端々に鋭さと執念が垣間見られる経営者でした。
東かがわ市の伝統産業（といっても明治後期からですが）である手袋で創業。しかし、手袋の需要は冬に集中するため、「年間を通じて売れるもの」を探した結果、革小物に転換されたそうです。
転機となったのは、1975年の沖縄海洋博。革手袋を作ったあとの端材の革でラグビーボール型の小銭入れを作ったところ大ヒット。これで事業基盤が固まります。
海外の展示会に積極的に出展されている林社長。現在の売り上げはOEMが大半ということですが、自社ブランドを伸ばしていきたいということでした。
日本発のブランドが世界に定着するために何が必要か？私が思ったのは以下の点です。（マーケティングは専門ではありませんが…「感想」ということで）
・「日本製＝高品質」という良いイメージはある
・デザインもよくなってきた
・しかし、西洋路線のデザインでは差別化は難しい
・ブランドとして成り立つためにはStoryが要る
・日本の伝統と結ぶ付けられないか
ユニクロのロゴは日本ではローマ字でしたが、NY進出にあたり、わざとカタカナにしました。MUJI海外店でも、売っている商品のタグをあえて日本語のままにしています。その方がウケるのだそうです。その辺にヒントがありそうな気がしました。
また、人間は、一旦思い込んでしまうと、これを変えるのは容易ではありません。例えば、「高級車＝ベンツ」と頭に入ってしまうと、他の車が入り込むすきは小さくなります。従って、市場的には、これから初めて高級品を買う新興国の新たな富裕層を狙うのがよさそうです。
2013年03月15日
必ず「頭角を現す社員」45のルール
必ず「頭角を現す社員」45のルール: 仕事にもっとハングリーになれ [単行本]
「当たり前」なんだけど、大事だな。
社会に出ればTTPを出来る人が勝つ。しかし、学校では相変わらずの｢知識をテストする」方式。
・私心を排し、会社の歯車の一つとして完璧に役割を全うする。その結果、｢自分が会社を支えている」という意識が生まれ、どんな状況でも突破口を切り開けるようになる。
・仕事は絶え間なく続くものである、ということを認識しており、どこかの段階で一息つくようなことはしない。
・問題が小さなうちに判断し、解決する。こうした｢小さな判断」を積み重ねることで、膨大な選択肢の中から一か八かで一つを選ぶ、といった決断が必要な事態を招かずに済む。
・結果が出なければ、何もしなかったのと同じ − こう考え、やるべきことは徹底してやり、成功するまで継続する。
・無理難題を突きつけられても、その仕事を断らない。断らないことを前提にすれば、思考は常に「どうすればできるか」と考えるところから始まり、それが結果につながる。
・「プロの自覚」を持っている。すなわち、プロとは常に結果を出すことを求められ、常に結果で評価される、ということを理解している。
・集中力を発揮するため、「朝型生活」を取り入れている。
・限られた時間の中で仕事をキチンと仕上げるため、仕事の効率を上げ、ひとつの仕事に掛かる時間を短くしている。
・部下に好かれようとせず、無理難題を押し付け、常に挑戦して結果を出す。こうして、無理を言うことで部下は育つ。そして、結果を出すことで、部下から尊敬される。
TTP＝教えてもらった上、「徹底的にパクる」 2013年03月14日
日章丸事件
海賊とよばれた男 下 [単行本]
先日、映画ARGOを見たが、あれは1979年イラン革命の際に、カナダ大使官邸に匿われたアメリカ人大使館員のイランからの脱出劇を描いたもの。
その種は、1952年のCIAが仕組んだクーデターによるパーレビ国王の復権に譚をほっしている。国王は英米の利権と結びつき、石油の利益を山分け。民衆は貧困に苦しんだ。
さらに、その元をたどれば、イギリスによるイランの半植民地化とそれを打破した、民主政権であったモサデク首相による1951年の石油国有化が原因。これに慌てたイギリスはアメリカと手を組み、軍部によるクーデターを演出した。アメリカの言う「民主主義」も、あくまで「自国の利益にになるなら」が前提である。
その中、イギリス海軍の包囲網をかいくぐり、イランから石油を積んで日本まで持ち帰った日章丸事件は世界の注目を集めた。
14:白人たちに植民地にされたフィリピンもベトナムもインドネシアもマレーも悲惨だった。彼らはいっさいの工業力を与えられず、ただ資源を搾取され、そしてその奪われた資源で作られた製品を買わされるという二重の搾取をされていた。白人たちはそうやって百年も彼らを支配し、ネジひとつ作ることのできない国にしてきたのだ。
15:「アメリカは日本が朝鮮半島や満州を侵略したと糾弾しますが、日本は朝鮮においても満州においても台湾においても、夥しい資本を投入して、さまざまな施設を作り、法を整備しました。ダムを作り、発電所を作り、学校を作りました。おそらく朝鮮も満州も台湾も、この投資を基にこれから大いに発展するでしょう」
90:そんなイランの唯一の近代産業である石油産業はイギリスのものだった。アングロ・イラニアンには8万人のイラン人が働いていたが、その給料は驚くほど安く、しかも上級職に出世することは絶対にできなかった。アングロ･イラニアン本社があるアバダン市には、世界最大の製油所が聳え、その周辺には同社のイギリス人社員のための町が作られていた。街路樹が立ち並び、公園には美しい花が咲き乱れていた。社交クラブ、劇場、テニスコート、さらにゴルフ場まである豪華な町から少し外れたところには、泥と藁で作られた貧しい小屋にイラン人たちがひしめき合うように暮らしていた。
226:この信じられないクーデターを演出したのは、アメリカのCIAだった。アメリカはもともとモサザク政権打倒を目論んではいなかった。イランとイギリスの争いにおいても比較的中立の立場を取っていた。イランの石油国営化によって、むしろそれまでイギリスに独占支配されていたイランの石油利権を手に入れるチャンスと見ていたからだ。一方イギリスはイランの石油国営化が国際的に認められ、既成事実となってくるにしたがって、焦り始めたそこで秘密裏にアメリカと交渉した。それはアメリカがモサデク政権を打倒する代償に、イラン石油の40%の利権を譲渡するというものだった。
227:クーデターの少し前、モサデク政権打倒に失敗してイタリアに亡命中だったパーレビ国王はイランに戻り、ザヘディ将軍に迎えられ、イランは再び王政となった。その玉座はアメリカが用意したものだった。パーレビはザヘディを正式に首相に任命した。CIAが使った金はわずか70万ドルと言われている。パーレビ国王の回想録には6万ドルとなっているが、いずれにしても小型タンカー一隻にも満たない金で、モサデク政権は倒されたのだ。アメリカはただちにイランに対して何千万ドルという経済援助を開始する。その金の多くは国王や支配者層に流れ、多くの汚職を生み、貧富の差を拡大し、イランの民主化を大幅に遅らせた。
298:鐵造は｢石油業法」に、戦前の｢石油統制」の亡霊を見た。この法律はいずれ｢消費者不在」「官僚の統制」につながるに違いないと思った彼はただちに反対を表明したが、他の多くの石油会社はこれに賛意を示した。というのは、激烈な競争に勝つためには、多額の投資をおこなって設備拡張をしなければならず、その体力に不安のある会社にとって、突出した会社を抑える意味合いを持つ｢石油業法」は都合がよかったからだ。これは業界全体の足並みを揃えて管理するのを理想とする、日本の省庁独特の典型的な｢護送船団方式」であった。
2013年03月13日
10回泣いた
海賊とよばれた男 上 [単行本]
出光興産の創業者である出光佐三をモデルとした本。名前は変えてあるが、ほぼ史実に則しているようだ。
官僚主義と正面から戦い、そのために政府と業界団体から執拗な妨害を受ける。戦時統制下で国内で仕事が出来なくなり、満州や東南アジアに進出。一大勢力となるが、敗戦で海外資産を全て失う。次々と海外から引き上げてくる1000人の社員を一人も解雇せず、個人資産を売って給与を払い続ける。
読んでいて10回は泣いた。今、オススメの経済小説。
歳かな？
147:日本という国の悪いところだ。いや官僚の悪いところだ。彼らは国全体の利益を見ようとはけっしてしない。常に目先の利、狭い集団の利益ばかりを追求する。思えば、自分が属した日本陸軍もそうだった。本当の敵である連合軍を前にして、海軍とのつまらぬ利益争いにどれだけ無駄な精力をつぎ込んだか。（戦後、「国岡」に入社した元陸軍大佐）
206:「6千円は君の志にあげるんや。そやから返す必要はない。当然、利子なども無用。事業報告なんかも無用。ただし、条件が三つある。家族で仲良く暮らすこと。そして自分の初志を貫くこと。ほんで、このことは誰にも言わんこと。」（「国岡」に創業資金を提供した資産家の日田）
343:鐵造は「何という矛盾だ」と呆れた。官僚主義の愚かさというものは鐵造（佐三)も十分知っていたはずだったが、この非常時においても、なおそんな馬鹿げたことがおこなわれるとは思ってもいなかった。「ただの空き地を厳重に警護し、日本にとって重要なタンクを放置するとは。こんなことをやっていて、はたして戦争に勝てるのか」
373:大東亜戦争で失われた徴用船＝7240隻
商船 3575隻
機帆船 2070隻
漁船 1595隻
戦没船員･漁民＝6万人以上（戦死率43% 陸軍軍人戦死率20% 海軍軍人16%)
＊海軍は徴用した民間船舶を、護衛もつけずに太平洋に放り出した。船足が遅く、防御手段を持たない貨物船や漁船は米潜水艦や米攻撃機の格好の標的となり、その半数は乗員や貨物とともに沈められた。
2013年03月12日
采配
采配 [単行本（ソフトカバー）]
2011年話題の書。「どこかで聞いたような話」といえばそうなのだけど、やはり、これだけの実績のある人が話すと重みが違う。
プロとしての年収に拘り、プロ野球界で初めて年収1億円を越えた人でありながら、「家で白米が食べれて、鮭でも付いていれば、それで幸せ」という。こういった心の持ちよう（平常心？）も良い結果につながるのかもしれない。
この人は「経営者」だ。
161:自分にない色(能力)を使う勇気が、絵の完成度を高めてくれる
54:一流には自力でなれるが、超一流には協力者が必要
230:オレ流ではない。すべては堂々たる模倣である。
284:引継ぎは一切しない
240:歴史を学ばないということは、その世界や組織の衰退につながる
2013年03月11日
M&A「成功」と「幸せ」の条件
会社が生まれ変わるために必要なこと―M&A「成功」と「幸せ」の条件 (リュウ・ブックス アステ新書) [新書]
以前、高松で開催された日本M&Aセンターのセミナーで頂いて、「PR資料だろう」としばらく放っておいたが、読んでみたら意外と面白かった。
同社は中小企業のM&A仲介で、全国の会計事務所や地銀をネットワークして大きくなり上場した企業。中小企業M&Aの理論に、実話に基づいた話が散りばめられていて非常に分かりやすい。M&A初心者にオススメ。
47:会社譲渡成功の４つのバロメーター
�仝綏兌毀簑蝓∪莵圓�不安問題の解決
�▲魯奪圈璽螢織ぅ�
��社員に新しい夢とビジョン
�ぅ轡淵検叱�果で大きく成長
211:社内ディスクローズ
幹部･社員→歓迎と不安の間を行ったりきたり
火曜日あたりに役員に会議室でキッチリ伝える(理性)
金曜日夜に会食し感謝を伝える（感情)
翌月曜日に社員に発表
214:M&Aを成功に導く注意点
�“詭�保持
「M&Aは秘密保持に始まって、秘密保持に終わる」
�▲螢好�の確定と回避
「この会社を買うときの最大のリスクは何か?」
��社長への気遣い
「社長、もう50万円出してください」→会長になる社長へ革張りの椅子と立派な机をプレゼント
大胆さと繊細さ 2013年03月10日
自分の意志で偉大になる
ビジョナリー・カンパニー 4 自分の意志で偉大になる [単行本]
ビジネス書として異例のベストセラーを続ける『ビジョナリー・カンパニー』の最新作。今回もコリンズ節炸裂です。
綿密な調査から導き出される結論は常識的。でも、その常識的結論を印象に残る言い方をするのがウマい。「20マイル行進」とかね。
不安定な環境下で、長期に渡って躍進を続ける企業「１０X型企業」リーダーの特徴
・狂信的規律：自らの信念を貫くため、狂信的ともいえるほどの厳しい規律を自分に課す
・実証的創造力：社会通念ではなく、実証的データを基に、大胆で創造的な行動に出る
・建設的パラノイア：良いときも悪いときも警戒を怠らない
・Level5野心：個人的な利益を越えて、世界に変革を起こすような大目標を掲げる
１０X型企業が用いる手法
��20マイル行進
「毎日20マイル歩く」というように、長期に渡って一貫性を保ちながら、工程表に従って着々と進む
�⊇瞳發紡海い涜臻と�射
イノベーションを展開するとき、「銃撃」してから「大砲」を撃つ。即ち、低コスト、低リスクの実証的テストを行った上で、目標に向けて経営資源を集中する。
��死線を避けるリーダーシップ
万一に備え手元資金を積み上げる。また、環境変化に注意しつつ目標を達成するなど、リスクの最小化に努める
7社の１０X型企業例
Amgen, Biomet, Intel, Microsoft, Progressive Insurance, Southwest Airline, Stryker
2013年03月09日
「為替」の誤解
「為替」の誤解 通貨から世界の真相が見える [単行本]
経済の本なのだが、私の感想は、「先進国の政治システムが制度疲労しているのではないか」というもの。昨年の米大統領選を見ても、大陸横断鉄道時代から変わらない摩訶不思議な選挙制度を踏襲している。本書にある米国の先進的な「ベンチャー企業の活況」とは対照的だ。
欧州も然り。「欧州全体が博物館のようだ」と評したのは大前研一だったと思うが、EUになって大国化した一方、コンセンサスを重視しているため政治的判断が遅れがちだ。結果として、EUに参加していないノルウェーや、EU加盟国ではあるもののEuroを採用しなかったスウェーデンなどの小国の方が政治改革を進め、経済も好調だ。
日本も、もっと小さな単位で政治的決断が出来る政治システムにしないと、このまま衰退の道を歩みそうだ。
・近年の円高の原因は、市場全体が運用リスクを回避しようとする「リスクオフ」のため
・円高は一時的なもので、欧州債務危機が解消すれば、投資家の目は日本の深刻な財政に向かう
・ドルに代わる基軸通貨は他にない
・米国は人口が増加し、ベンチャー企業が活況であることから、過小需要・過剰供給の「日本型デフレ」には陥らない
・市場は、基本的にリスクオンとリスクオフの間で揺れ動く
・欧州債務危機は長引く
- 「欧州の流儀」へのこだわり
- ドイツ人の「欧州人」としての意識の不十分さ
2013年03月08日
豊島産業廃棄物不法投棄国立公園
先週シリーズで書いてきた豊島事件には、後日談がある。2000年6月の公害調停からちょうど1年、豊島事件を担当していた県環境保健部の元部長が環境大臣表彰「地域環境保全功労者」を受賞したのである。
「多年にわたり、自然環境の保全、公害の防止、廃棄物対策などの環境保全行政の推進に貢献した」として真鍋知事が推薦している。
元部長は、不法投棄事件が兵庫県警に摘発された1990年に環境保健部次長。その後、新設された廃棄物対策室の室長兼環境保健部長として、豊島産廃問題を担当し、1997年に退職。摘発以前にも、産廃行政を担当する環境自然保護課（当時）の課長や課長補佐を務めており、正に豊島事件が進行し、住民が反対運動を手弁当で繰り広げていた時の幹部なのだ。（当時の読売新聞記事より）
当時の担当職員２人は、不法投棄を１０年間にわたって見逃したとして（それも故意にだ）、文章訓告処分を受けている。２人の上司だった元部長はこの時にも処分を受けなかった。
それから１年後、あろうことか、元部長は県知事の推薦で環境大臣賞
これには、１年前に涙を流して県との和解を喜んだ住民も驚愕し、県は本当に反省したのか？と疑問を持ったという。私も、県が運営する「直島環境センター豊島分室」で、県制作のビデオを見たとき、同じ疑問を持った。施設が如何に先進的な処理を行っているかといった調子で、どちらかと言えば、県の宣伝のような内容。それは、700億円もお金をかけたのだから、宣伝したくなる気持ちもわからないではないが、どうしてそんな問題が起こったのかという点に全く触れられてないのだ。事件に関しては、いきなり、2000年の調停調印式の場面から始まるのである。
何れにせよ、ご自身で訪問されることをお勧めする。今年は、2回目の瀬戸内芸術祭。豊島訪問の際には、アートを見るだけでなく、直島環境センター豊島分室も是非。事前予約すれば、住民の方のガイドも付けてくれる。
2013年03月07日
本blogが職場での学習教材に！？
今度2年生になるMBA学生が卒論の相談で訪ねてきた。彼は、ある市役所からの派遣学生。
彼は私の担当学生ではないので、これまで直接話したことはなかった。 しかし、Facebookではつながっており、本blogも毎日見てくれているらしい。彼の職場で、若手職員の勉強会をやっていて、そのテーマに本blogを使ってくれているとか。
「最近、どんな話題で盛り上がった?」と聞いたら、「新聞協会の軽減税率のはなしとカンブリア宮殿水野社長の考え方」ということ。
そういわれると、日頃Facebookで、「苦労して書いた話より、こんな（コイツ）猫の写真の方が人気か・・・」という複雑な気持ちも報われる気がする。
2013年03月06日
かがわエナジー
USTREAMで始まった「かがわエナジー」という地元企業紹介の番組のコメンテーターを勤めることになりました。昨日は記念すべき第1回。何の宣伝もなく始まっているので、「予告編」と言った方がいいかもしれませんが。
実は、私、今回リハーサルと勘違いして、スーツも着ずに、それも打ち合わせに遅れて収録会場に到着。ほぼ、ぶっつけ本番となりました。靴下が緑色なのはそのためです。テーマにあわせたわけではありません。
第1回のゲストは、吉村農園の吉村社長。丸亀で有機農業をされています。
面白いのは、農業を始められたのが9年前の51歳のとき。それまでは、化学品メーカーで研究職をされていましたから、全く畑違いの脱サラです。
通常、「起業」には三つのハードルがあります。
�＿搬欧糧紳�(特に配偶者)
��売れるレベルの商品・サービスが出来るか
�８楜劼�付くか(売れるか)
番組の中では、吉村社長が�，鉢△砲弔い得睫世靴討い泙后���については残念ながら時間切れだったのですが、放送後（生放送です！）に聞いたところでは、やはり、一番苦労したそうです。
今でも一番の悩みだそうですが、「実は、理系出身の方の方が緻密にマーケティングされて成功される人が多い」と言ったら、「本当?!｣と嬉しそうでした。これは気休めで言ったのではなく本当のことです。
営業の得意な社長は、営業力に頼るので、自分のような営業が出来る営業マンを増やすしか売上拡大が出来ません。しかし、営業の不得意な、やりたくない社長が、一生懸命｢売れる仕組み」（＝マーケティング)を考え、人手をかけずに成功される方が居ます。今は、Webがあるのでなおさらです。
いや、営業でさえ、本当のトップになるのは、見込み客が自動的に入ってくる仕組みを作った｢科学的営業マン」で、「気合」だけの営業ではありません。ま、それも必要ではありますが
2013年03月05日
話し方入門
話し方入門 新装版 [単行本]
施政方針演説のついでに、ベストセラー本の復習。これが戦前に出ているというのは、やはり演説の本場だな。
（以下、TOPPOINT 2012年11月号から)
聴衆の中の一人を相手に話すのと同じような、普通の、自然な話し方
�―斗廚文斥佞魘�調する
�∀辰景�が単調にならないよう、声の調子を変える
�６�調したい言葉はゆっくり話すなど、話す速度を変える
�そ斗廚淵櫂ぅ鵐箸料宛紊亡屬鮹屬�
スピーチでは出だしで聴衆の注意をひきつけることが大切
・聞き手の好奇心をかきたてる一言
・続きが知りたくなるような話
・何か品物を見せて、話し始める
・聞き手の最大の関心事と結びつくように話を持っていく
最後に行ったことは長く記憶に残るため、スピーチの終わり方は重要
・最後に、まとめとして、話のアウトラインを手短に話す
・詩的な言葉の引用で締めくくる
・聴衆がもっと聞きたいと思っているうちに終える
聴衆の興味をかきたてる秘訣
・人は、全く新しいもの・古いものには興味がわかない。よって、「なじみ深いことについての耳新しい話」をする
・人々の主な関心事は、「自分自身」であることを忘れない
・座談の場では、相手が自らのことを話すように仕向ける
・目の前に絵が浮かぶような言葉を使う
・身分自身が興味を持っていることについて話をする
「肝心なのは話す内容でなく、話し方だ」 英国議会の諺
2013年03月04日
貝原益軒とフェラーリ
先週行われた、安倍晋三首相の施政方針演説。読んでみたところ、これがいい。近年では最高の内容だったのではないか。
・強い日本
・一身独立して一国独立する（福沢諭吉）
・世界で最もイノベーションに適した国
・世界で一番企業が活躍しやすい国
・世界一を目指す気概
・大学力＆平成の学制大改革
・今、そこにある危機
演説最後の「貝原益軒」の逸話は知らなかった。
「何のために国会議員を志したのか。『この国をよくしたい』『国民のために力を尽くしたい』との思いからであって、間違っても、政局に明け暮れたり、足の引っ張り合いをするためではなかった」私も何人か政治家を直接存じているが、皆、最初は志があった。それが、立ちはだかる「現実」の前に、妥協を重ねるうちに「政治制度のコマ」になっていく。この意味でも、政治制度改革は必要だが、この点についてはおそらく、意図的に触れられていない。
2013年03月03日
泥棒に感謝したい
先週のカンブリア宮殿は、スポーツ用品店で日本一のアルペン（名古屋）。創業以来赤字無しの2000億円企業。アルペンの発祥は、スキー好きだった水野社長が1972年、弱冠24歳にして始めたたった15坪のスキーショップ。
親から500万円借金して始めたのに、創業直後に泥棒に入られ300万円もの店舗在庫を盗まれてしまう。いきなり直面した倒産の危機
水野社長の真骨頂は、ここで「兎に角売らねば」と、安売りを始めたこと。メーカー品を3-5割引セールで売ってしまう。店舗はそれまでにない大賑わい。衣料の平均仕入額は定価の4-5割程度なので、それでも売れれば利益は上がる。
これで危機をしのいだと思ったら、安売りに怒ったメーカー、問屋から品物が入らなくなってしまう。品物が入らなければ売れない。再び、経営危機
ここでも対応が面白い。メーカー、問屋に、「もうやりませんから」と頭を下げるのではなく、「安ければ売れる」ことを実感した水野社長は、韓国に向かう。当時の韓国はニセモノ天国。様々な一流ブランドのニセモノ作りのメッカだった。
そういった韓国メーカーに独自発注。（偽ブランドではない）唯その際に、「一型2000着」が最低発注単位だといわれてしまう。SMLあるとすれば、それだけで2000x3=6000着。色違いも揃えれば、それx色の種類となる。つまり、数万着単位でないと発注できないということ。当然、そんな数を今まで売ったことはない。
ここでも、「無理だ」と諦めるのでなく、水野社長は売り切る当てもないのに、「せっかく韓国まで来たのだから」と（笑）発注してしまう。
日本に帰ってから、「どうやったら売れるのだろう？」と考える。自分の15坪の店では無理だ。どこか誰でも知っている一等地で売りたい。しかし、一等地は賃料が高い。どうしたらいいか？
・・・
思いついたのが、野球場を借りること。野球場なら誰でも知っている。スキー用品を売るので冬場。冬場は野球場は使われてない。
野球場に電話して、「借りたい」と言ったら、そんな例は今までに無かったらしく、「借りて何をするんですか?大丈夫ですか?」と心配されたという。
韓国で仕入れたスキー衣料を、それまで日本で売られていた相場の半額で売ったら人が押し寄せ、スゴイ売上。閉店後、リュックに現金を詰め、盗まれないよう上からスキージャケットを着て店員と飲みに行き、翌朝銀行に行って、「これ預けたいのですが」とカウンターに現金をぶちまけていたと言う。
こうして儲けたお金で店舗展開を始め、そうした経緯から、当初から自社ブランド(PB)開発に力を入れる。PBはメーカー品の5-6割の値段。しかし、安かろう悪かろうではなく、商品開発は自社でやっており、それを売価に見合うコストで作ってくれるメーカーを世界中から探し出す。現在では、メーカー品とPBの割合は数量ベースで半々だという。PBがメーカー品の半額だとすれば、売上でメーカー品：PB＝２：１ということだ。おそらく、PBの方が利益率は高いので、利益は１：１位ではないか。
全てのきっかけは、創業時に泥棒に入られたこと。だから、水野社長は、
「もしこの番組をその時の泥棒が見ていて、まだ元気なら、会って『ありがとう』と言いたい」
とまで言った。
なるほど、逆境は人の力を引き出す。
2013年03月02日
真鍋知事誕生「お金欲しさの運動」と批判
平成10年夏、香川県に真鍋知事が誕生する。豊島事件が始まって以来、3人目の知事だ。（前川→平井）真鍋知事はその年の12月議会で、謝罪はおろか、中間合意で認めた香川県の責任を再び否定し、豊島の住民運動を「お金欲しさの運動」と批判する。その前年に、住民大会で「損害賠償請求を放棄する」と宣言しているにも関らずだ。住民は、豊島の原状回復だけを求めていた。これで、また住民運動は振り出しに戻ってしまう。
それから2年。県外からの厳しい世論の批判を受け、ついに平成12年6月6日、豊島の公害調停が成立する。成立の日には「怨念を繰り返してはいけない」と，住民は豊島を訪れた真鍋知事を港まで迎えに行ったという。香川県は産業廃棄物の撤去を約束し、真鍋知事が豊島住民に対し謝罪した。（写真：廃棄物対策豊島住民会議議長の安岐登志一と香川県真鍋武紀知事との握手）
こうして22年間に渡る住民運動はようやく終結する。事件関係者の結果はこうだ。
不法投棄した産廃業者の松浦：「有罪」罰金50万円
住民：この間の運動費用は自治会費及び自前で数億円の出費
香川県：産廃処理のための設備投資及び処理費用700億円（現在も処理が続いているため推定）
6割は国が負担
2013年03月01日
気韻生動
豊島事件の重い話が続いた。まだ事件の結末までは終わってないのだが、週末になることだし、ここらで休憩。そんな悲劇に見舞われた豊島で、2010年来、注目を集める場所がある。
それが、豊島美術館で、こちらもベネッセによって設立･運営されている。
これには度肝を抜かれた
どう言い表したらいいものなのか、私には語彙がなかったのだが、浅田彰氏はこういったという。
「気韻生動」
「妹島和世氏とともに軽やかな建築をつくってきた西沢氏が、ひとりの建築家として圧倒的な力を発揮した傑作だ。やや自閉的なところもあった内藤氏のアートも、西沢氏の建築と一体になって、大胆に開かれた新境地に到達した。開口部から吹き込む風にリボンが揺れ、床を水滴が転がって、鑑賞者に『気韻生動（きいんせいどう）』を感じさせる。微妙に傾斜した床に撥水剤を塗布するだけで、水滴を水銀のように見せるのがすごい。鹿島の施工も驚嘆に値する」私も、「これどうやって造ったの？」と思ったが、1年近く準備した上で、気温や湿気などの気候で何度か延期した後、ある晩一気にコンクリートを打ったのだという。夜にも関らず、発注した福武財団の若い職員が、「現場を見てみたい」と直島から見に行ったらしい。
帰りのチャーター船は職員で一杯だったが、たった今見た現場の迫力に、皆押し黙ったままだったという。
