2013年01月
2013年01月31日
「付加価値貿易」統計
「あればいいのに」と思っていた、付加価値額による貿易統計がついに発表されました。やはり、「米国様様」で当面、頭は上がらないな。
BOPビジネスというコンセプトもありますが、低価格で提供する必要があるため、全て現地完結型。先進国の高い人件費を支えるだけの付加価値はないですね。
BOPビジネスというコンセプトもありますが、低価格で提供する必要があるため、全て現地完結型。先進国の高い人件費を支えるだけの付加価値はないですね。
経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）と世界貿易機関（ＷＴＯ）は16日、付加価値の流れを追う新しい貿易統計を公表した。これによると、日本の輸出先は米国が最大となり、輸出総額に基づいた従来の統計で最大だった中国を上回った。対米の貿易黒字は従来の６割増となり、日本経済における米国市場の重要性が一段と鮮明になった。
貿易黒字は中韓向けでほとんどなくなり、米国向けでは360億ドルと６割も増えた。中韓への半製品などの輸出が米国の最終消費に行き着いていることを示している。
2013年01月30日
CMU
帰国しました。結局、今回は滞在の大半で体調が悪く、なんとか気力を振り絞って打ち合わせと現場視察をこなし、後はホテルでひたすら寝ていました。何しろ大事故の翌日出国したので、緊張が緩和されるとともに、体へのダメージが出てきたのかもしれません。出張先で寝込むというのはツラい。
さて、今回訪問したチェンマイ大学で気付いたこと、聞いたこと。
・キャンパスが広い！249haあり、日本で最大級の筑波(258ha)や広島（250ha)並み。広いので、学内をバスが巡回運転している。
・学生数4万人、学部学科数26を誇る総合大学
・タイ国内の大学ランキングでは、学部にもよるが、平均して3位くらいらしい
・タイ北部ではダントツに良い大学なので、「タイの京大」という人もいる
・大学なのに制服がある（女子大生は白いシャツに、黒いスカート）
・TIMES世界大学ランキングでは80台であり、日本の地方国立大学並
・なのでさらに上を目指す学生は、インラック首相のように、海外留学を目指す
写真：卒業式は終わっていましたが、大学正門前で記念撮影している卒業生がいました。フランス語学科らしいです。
2013年01月29日
人口減少社会の処方箋
人口から読む日本の歴史 (講談社学術文庫 (1430))
讀賣新聞1月21日から。歴史人口学者の鬼頭宏・上智大教授。
・人口減少社会の到来は数十年前から分かっていた
・1974年の『人口白書』で、「2010年から減少」と予測→「出生率を下げるべき」と主張
・合計特殊出産率1.4が続けば2100年に人口4000万人
・「静止人口」をどこにするか？→人口構造が安定→社会が安定
・日本には「人口政策」がない（人口拡大を目指した戦前の反省）
・望ましい人口規模←国民がどんな社会を望むか
・高度成長以前の里山が広がるような社会→8000万人
・江戸時代→4000万人
・新興国の経済成長で今後外国人が来てくれなくなる可能性
・日本は3度文明が成熟・停滞し、人口減少した時代→外からの刺激で文明システムが転換し人口増
�‘貶庫�期→稲作
�∧唇陀�期→貨幣経済
�９掌邑經�→近代化
個人的には、「外国人の受入」を提案したい。
１．それぞれの大学が世界的に見ても特徴ある、「わざわざ留学したい」教育をする
２．優秀な留学生の半数が日本に残り定住
というシナリオ。
LBSなんか、MBA400人中9割が留学生。約半数がイギリスで就職し、平均給与2000万円以上だから、年間の税収増20億円位ある。これが毎年続くから、10年で200億円
ここタイでも、5年後には労働人口の減少が始まる。タイは今経済成長著しく、そんなこと誰も考えてないようだが、これは日本の1980年代後半のバブル経済を彷彿させる。尤も、タイの場合、既に周辺国からの労働者受入は日本より進んでいるので、それで乗り切れるかもしれない。
2013年01月28日
タイのLCC
土曜日の夕方チェンマイに着きました。実は、交通事故の後遺症で首が痛くなり、どうも調子が悪い。「首が回らない」とは正にこのこと。と思っていたら、機内の冷房効きすぎで風邪を引いてしまい、そのまま大学宿舎で夕食も取らずに寝てました。（タイ国際航空、毛布を頼んだのに、用意なし
）バンコク出発前のランチは、他のLBS同窓生と。Damianはロンドン出身で、コンサルティング会社のバンコク事務所で働いています。Philippはスイス出身で、NOKというLCCの役員です。Cherieはバンコク出身で、家業である長靴製造メーカー役員です。LBSの留学費用は親から借りて、卒業後コンサルティング会社で働いて返したとか。タイ同窓会の代表で、今回中心になってランチをアレンジをしてくれました。
Philippから聞いた話だと、スワンナプーム国際空港のオープンとともに閉鎖されていた旧空港（DON MUANG)が国内線専用空港として再オープンし、そこを拠点に国内LCCが飛んでいるらしい。旧空港は市内からも近く、便利ということ。今回は、そんな事情も知らず、バンコク⇔チェンマイをタイ国際航空にしたが、次回は利用してみたい。
写真：チェンマイ空港に駐機するNOK Air
2013年01月27日
タイの大学
バンコク2日目の朝。ホテル近くの公園を散歩していたら、卒業式のガウンを着た女性がカメラマンと照明係を伴って撮影していたので、声を掛けてみました。
「なんでKittyちゃんなの？」
「好きだから。Kittyちゃん知っている?」
「そりゃ知っているよ。日本で生まれたんだよ。」
以上、英語です。
「どこの大学？」
「シーナカリンウィロート大学」
「何を勉強したの?」
「ビジネス」
ということでした。
この時期に卒業ということは、日本と同じ学期なのかな？と思い調べてみたところ、「各学年は2学期制をとり、1学期は5月中旬から9月下旬まで、2学期は11月上旬から3月中旬まで」ということです。
2013年01月26日
在留邦人5万人
昨日ランチを取った後は、ホテルに戻って仕事。出発前に片付ける予定だった仕事が、交通事故騒ぎで手につかなかった。寝不足ではかどらなかったが。
夕食は、1年余り前からこちらで起業した昔の同僚と。バンコクで街を歩くと、至る所で日本語が飛び込んでくる。調べてみると、在留邦人だけで約5万人。以下、国別の在留邦人数上位10位。(単位千人 2011年10月)
１．米国 398友人の話によれば、タイへ進出する日本企業は順調に増えており、仕事も順調だという。一方、景気がいいので、従業員が定着しないことが悩みだとか。
２．中国 141
３．ｵｰｽﾄﾗﾘｱ 75
４．英国 63
５．カナダ 57
６．ブラジル 57
７．タイ 50
８．ドイツ 37
９．韓国 30
１０．フランス 29
タイと日本の交流の歴史は古く、タイ国日本人会は大正2年（1913年）9月に設立されており、今年は創立１００周年
今年はさらに盛り上がりそうだ。2013年01月25日
Bangkok
木曜夜高松空港を出て、羽田経由で無事バンコクに着きました。水曜日は事故の衝撃で余り寝られず、昨晩は、ANAの深夜便がEconomyでやはり余り寝られず（大学に移ったことを自覚・・・）、朝6時にバンコク到着したものの、ホテルにチェックインで着るまでホテル近くのカフェでお茶。深夜便は翌朝することが決まっている場合でないと意味がない。
ランチは事前に同窓会名簿で連絡を取っておいたMBA2012のイタリア人Paoloとホテル近くのイタリアンLa Palaで。店もイタリア人がオーナー経営者で、たまたま隣にやってきたやはり常連さんもジェノバ出身のイタリア人と、たちまちミニ・イタリア。
世界中どこへ行っても同窓生がいて、「LBS同窓生」というだけで会ったことも無い同窓生が会ってくれ、しかもそれぞれが各階で活躍している人材で何かあればすぐ相談に乗ってくれる、というのがLBSの強みです。Paoloは2000年にLBSに来るまではコマツで働いていて何度も日本に来ていたとか。卒業後は、10年で既に7カ国に住み、バンコクには昨年夏に現地法人の建て直しで赴任したとか。
写真はランチの帰りに通りかかった銀行の建て看板。こんなカードだったら欲しいような。
2013年01月24日
死ぬかと思った
ご心配をおかけしました交通事故。幸いかすり傷と打撲で済み、今朝、無事目を覚ましました。あー、生きているって素晴らしい
制限速度60kmの国道で交差点に進入、右折する対向車と接触。私の車は写真の通り、左前方が大破。
衝突の瞬間は、マジ死ぬかと思いました。実際、おそらく、昔のエアバッグがない車で、シートベルトもしてない状態だと、フロントガラスを突き破って前に飛び出しているか、あるいはハンドルで肋骨を折って重傷になっていたと思います。たった100万円の軽自動車でもこの安全装備は、考えてみれば凄いことです。
昨日の朝、FBに「今日は8件のアポだ！」と近況を書いて出て、この事故。事故の背景に、このところの忙しさで気が急いていたことは否めません。おまけに、「暇な（のに儲かっている）経営者が優秀」と書いたのに、自分はこのテイタラク。珍しく？反省しています。
言い古された言葉ですが、｢余裕を持って運転」ですね。
そんなわけで、今日はこれだけで。今晩からタイ出張に向かいます。
2013年01月23日
仕事が出来る人の行動習慣
「仕事ができる」と言われる人の13の行動習慣
IBM→PAOS（コンサルティング）→人材コンサルティングという方。IT業界出身者らしく、「普遍的な仕事力＝OS」「専門力＝アプリケーション」とし、「能力開発がアプリに偏っているが、OSを良くしなければ意味がない」という例えが分かりやすい。
能力＝行動習慣（クセ）の結果
仕事が出来る人の要件
�．哀蹇璽丱訖雄�
�⊆�主的・主体的な人材
��コミュニケーション能力
仕事が出来る人の行動習慣
�‖佻知蓮（鷙陝ο⇒蹇α蠱�
��普遍的な仕事力 OS
�Ｂ遽曚靴神賁舂蓮‘擦魑罎瓩紳梢佑�ら真摯な気持ちで真似ぶ
�ぞ霾鷦�集力
�ゾ霾麋�信力 SNS 本 新規性
��人脈形成力
�Т超�適応力
��有言実行力 Walk the Talk
��指導力
��論理的思考力 「虫の目」
��想像力 「鳥の目」
��表現力
��異文化適応力OSの構築
自立の三要素＝Vision+Value+Strategy
2013年01月22日
アタッカーズ10訓
決定版!「ベンチャー起業」実戦教本
これも起業本としてクラシックですね。巻末の「アタッカーズ10訓」がいいです。
１．「DO」「DO NOT」を見極める
やるべきこと、やってはいけないことといった事業の鑑識眼を事例から学んでいく
２．事業はある時点でレバレッジをかけろ
１つやって、２つ目をやって、３つ目をやったら、次は一気に30に増やすことを考えろ
３．事業家としての倫理観を持て
資金提供者、スタッフなどの協力者を獲得し、公器としての企業を運営する倫理観を持つ
４．プロトタイプをつくれ
最初に1つ成功させ、プロトタイプを作り上げて拡大していく
５．パターンを見抜き、事業を構想せよ
既存ビジネスを観察・分析し、パターンを見抜き構想を広げる
６．やると決めたら徹底的にやる
徹底を欠いた人で成功した人はいない。実行をとおし、経営感覚を磨き続ける。
７．自分と違う意見の仲間を持て
自分と同じ思考パターンではなく、違う角度からものを見る人とチームを作る
８．質問する力を持って問題を打開せよ
「なぜ？」を5回繰り返す。徹底的に現場で質問を繰り返し、自らの思考で打開する。
９．最後の一回勝てばいい
最後まで諦めずトライし続けた人が成功を収める。勝つまで勝負を続ける。
１０．Just do it!
チャンスは無限にある。あらゆる分析、評論をしているだけでは前に進まない。
「見えない大陸」←Cyber＋Borderless+Multiple 2013年01月21日
大学改革
強い文教、強い科学技術に向けて―客観的視座からの土俵設定
財務省主計局主計官の神田眞人氏の本。まだ読んでないのだが、「浜田純一・東京大学長や山中伸弥氏ら多くの識者との対話を収録し大学改革の方向性を提案」しているらしい。（讀賣新聞1月17日）
以下、新聞のインタビュー記事から。（同上）
「三重苦」
�‘�本は人口減少や高齢化など歴史的岐路に
・教育は全段階で改革が必要だが、大学は『聖域』とされてきた
・少子化で既に私大の4割は定員割れし、収支赤字
・全入時代で、推薦・AO入試が半分を占め、無競争による質の低下
��大学の国際競争力の低下
・世界大学ランキングで400位以内に入った日本の大学が16に激減
・アジアの追い上げ＋欧米も競争強化＆留学生の活躍
�Ｌち粛�の財政赤字
・公的債務のGDP比は破綻したギリシャや戦前の日本よりもひどい
・大学予算は優遇してきた
大学人や文科省は危機感共有?
・志ある人々の改革意識は高まり、各種提案がなされているが苦戦
・学内の意思決定過程が硬直的、非効率
・学部・教授会の意向重視⇔学長
予算配分
・横並びの支援から改革へのインセンティブ予算へ転換
・情報の透明性＆説明責任
・自主財源の充実
再編の道筋
・国際的な科学研究競争の最前線を重点強化
・教養教育
・大学、学問の業績、共感の評価方法を改善
・飛び級
・授業料の差別化（良い大学が高い授業料を設定）
800近い大学の役割再編
・最高水準の国際競争力を持つ研究大学
・地域を支えるコミュニティーカレッジ
・その融合型
最後の点、常識的に考えると、
・最高水準の国際競争力を持つ研究大学→旧帝大＆限られた私大
・地域を支えるコミュニティーカレッジ→私大
・その融合型→地方国立
ということになるのか？しかし、それだと現状の追認で「再編」というほどでもない。
財務省主計局主計官の神田眞人氏の本。まだ読んでないのだが、「浜田純一・東京大学長や山中伸弥氏ら多くの識者との対話を収録し大学改革の方向性を提案」しているらしい。（讀賣新聞1月17日）
以下、新聞のインタビュー記事から。（同上）
「三重苦」
�‘�本は人口減少や高齢化など歴史的岐路に
・教育は全段階で改革が必要だが、大学は『聖域』とされてきた
・少子化で既に私大の4割は定員割れし、収支赤字
・全入時代で、推薦・AO入試が半分を占め、無競争による質の低下
��大学の国際競争力の低下
・世界大学ランキングで400位以内に入った日本の大学が16に激減
・アジアの追い上げ＋欧米も競争強化＆留学生の活躍
�Ｌち粛�の財政赤字
・公的債務のGDP比は破綻したギリシャや戦前の日本よりもひどい
・大学予算は優遇してきた
大学人や文科省は危機感共有?
・志ある人々の改革意識は高まり、各種提案がなされているが苦戦
・学内の意思決定過程が硬直的、非効率
・学部・教授会の意向重視⇔学長
予算配分
・横並びの支援から改革へのインセンティブ予算へ転換
・情報の透明性＆説明責任
・自主財源の充実
再編の道筋
・国際的な科学研究競争の最前線を重点強化
・教養教育
・大学、学問の業績、共感の評価方法を改善
・飛び級
・授業料の差別化（良い大学が高い授業料を設定）
800近い大学の役割再編
・最高水準の国際競争力を持つ研究大学
・地域を支えるコミュニティーカレッジ
・その融合型
最後の点、常識的に考えると、
・最高水準の国際競争力を持つ研究大学→旧帝大＆限られた私大
・地域を支えるコミュニティーカレッジ→私大
・その融合型→地方国立
ということになるのか？しかし、それだと現状の追認で「再編」というほどでもない。
2013年01月20日
センター試験
かっては「共通一次」といわれたセンター試験。私が受けたのは1982年の第3回目。
寒いさなかに行われる入試。うちの実家は讃岐山脈のすそ野にあり、試験会場の高松までは途中小さな峠を越さなくてはならない。ここは雪が降ると、凍結して通れなくなる。大事をとって、前日は善通寺の同級生宅に泊めてもらったのが懐かしい。
以来30年の月日が流れ、今回初めて監督として参加することに。「全ての受験生に平等に」が至上命令なので、非常にしっかりしたマニュアルが作られている。30年間でさすがに進歩したようだ。この間に英語のヒアリングテストが導入され、ICレコーダーに問題の入ったメモリを挿してイヤホンで聞く。音量も調整できるし、この試験だけは巡回もするなと言われていて、これなら聞きやすい。
こんな「完璧に管理」された入試を体験して思い出したのが、自主映画からCM制作を経て、劇場映画へ進出した大林宣彦監督の成城大学での受験体験。
これは、この間に起こった「大学の大衆化」を如実に表す。かってエリートのものだった大学は、独自の価値観やおおらかさがあったようだ。大衆化していろんな人が行き始めれば、一般的に理解を得やすい一律なルールが適応される。センター試験はその頂点だろう。一体、どっちがいいのだか。
ちなみに、受験生から一番苦情があるのは、試験監督の「居眠り」らしい。受験生に実害はないと思うのだが（笑）、「自分は大変なのに」という腹いせか？そんな訳で、携帯も、本も、飲み物も持ち込み禁止と、全く受験生と同じ待遇。
仕事で忙しくて一分もムダにしたくないときに、朝8時から夜7時までタ〜ップリ時間があるのに、大半を手持ちぶさたで過ごさなければならない、この苦痛。今日も苦行が続く。
寒いさなかに行われる入試。うちの実家は讃岐山脈のすそ野にあり、試験会場の高松までは途中小さな峠を越さなくてはならない。ここは雪が降ると、凍結して通れなくなる。大事をとって、前日は善通寺の同級生宅に泊めてもらったのが懐かしい。
以来30年の月日が流れ、今回初めて監督として参加することに。「全ての受験生に平等に」が至上命令なので、非常にしっかりしたマニュアルが作られている。30年間でさすがに進歩したようだ。この間に英語のヒアリングテストが導入され、ICレコーダーに問題の入ったメモリを挿してイヤホンで聞く。音量も調整できるし、この試験だけは巡回もするなと言われていて、これなら聞きやすい。
こんな「完璧に管理」された入試を体験して思い出したのが、自主映画からCM制作を経て、劇場映画へ進出した大林宣彦監督の成城大学での受験体験。
そのころ、ボードレールに憧れていまして、入学試験中にポケットからウイスキーの小瓶を出して飲みながら答案を書いた。すると、試験官の先生が「良き香りがいたしますな」と。「先生も一献いかがですか」「頂戴いたしましょう」。ウソみたいなホントの話です。うーん、マンダム。
これは、この間に起こった「大学の大衆化」を如実に表す。かってエリートのものだった大学は、独自の価値観やおおらかさがあったようだ。大衆化していろんな人が行き始めれば、一般的に理解を得やすい一律なルールが適応される。センター試験はその頂点だろう。一体、どっちがいいのだか。ちなみに、受験生から一番苦情があるのは、試験監督の「居眠り」らしい。受験生に実害はないと思うのだが（笑）、「自分は大変なのに」という腹いせか？そんな訳で、携帯も、本も、飲み物も持ち込み禁止と、全く受験生と同じ待遇。
仕事で忙しくて一分もムダにしたくないときに、朝8時から夜7時までタ〜ップリ時間があるのに、大半を手持ちぶさたで過ごさなければならない、この苦痛。今日も苦行が続く。
2013年01月19日
私の履歴書 森喜朗
大学3年の時から読んでいた日経新聞を取らなくなってからもう10年になる。理由は、「ネットの普及で要らなくなったから」なのだが、唯一気になるのが「私の履歴書」。いわずと知れた著名人による自伝だが、新聞連載のためなのだろうか、それぞれの個性が出て面白い。
昨年12月の森喜朗元首相のを偶然読んだら面白く、結局、先週の連休にバックナンバーを取り寄せて全部読んでみた。
森さん、状況をよく見ている。優れた状況判断力を持っていたと思うのだが、首相より女房役の方がよかったのかな、というのが読んだ感想。
・父・茂喜も早大。親子二代のラグビー部。終戦はトラック諸島北部水曜島の守備隊長として迎えた。
・復員した途端、農地を小作農に「自主解放」してしまった
・昭和28年から9期連続無投票当選で根上町長を36年間務めた
・喜朗はラグビー部推薦で早大商学部に入学するが、病気で退部。大学も退学しようとするが、大西鐵之祐監督に、「ラグビーだけが大学じゃない。早稲田精神を身につけて世の中の役に立つ人間になれ。」と一喝されて思いとどまる。
・同郷の先輩に勧められ、雄弁会に入会。2年先輩に西岡武夫、1年先輩に青木幹雄、同級生に深谷隆司、1年後輩に玉沢徳一郎、2年後輩に小渕恵三。直近の卒業生に海部俊樹、藤波孝生、渡部恒三。（雄弁会の黄金期?）
・将来は政治家を目指すことにし、そのステップとして新聞記者を志望
・雄弁会の縁で自民党代議士の紹介を貰い、産経新聞に入社
・日本工業新聞で二輪メーカーや農業機器メーカーを担当。ホンダの四輪進出をスクープ。
・担当していた井関農機から誘われて、愛媛3区今松治朗代議士の秘書に（井関から出向）
・5年間秘書を務めるが、昭和42年の選挙で今松氏が落選し、まもなく急死し、郷里に戻ることを決意
・今松氏が内務省出身議員で岸信介元首相の直系議員だったおかげで、石川県から初出馬した森氏に岸信介が応援来てくれる
・昭和44年12月27日の第32回総選挙でトップ当選（32歳）
昨年12月の森喜朗元首相のを偶然読んだら面白く、結局、先週の連休にバックナンバーを取り寄せて全部読んでみた。
森さん、状況をよく見ている。優れた状況判断力を持っていたと思うのだが、首相より女房役の方がよかったのかな、というのが読んだ感想。
・父・茂喜も早大。親子二代のラグビー部。終戦はトラック諸島北部水曜島の守備隊長として迎えた。
・復員した途端、農地を小作農に「自主解放」してしまった
・昭和28年から9期連続無投票当選で根上町長を36年間務めた
・喜朗はラグビー部推薦で早大商学部に入学するが、病気で退部。大学も退学しようとするが、大西鐵之祐監督に、「ラグビーだけが大学じゃない。早稲田精神を身につけて世の中の役に立つ人間になれ。」と一喝されて思いとどまる。
・同郷の先輩に勧められ、雄弁会に入会。2年先輩に西岡武夫、1年先輩に青木幹雄、同級生に深谷隆司、1年後輩に玉沢徳一郎、2年後輩に小渕恵三。直近の卒業生に海部俊樹、藤波孝生、渡部恒三。（雄弁会の黄金期?）
・将来は政治家を目指すことにし、そのステップとして新聞記者を志望
・雄弁会の縁で自民党代議士の紹介を貰い、産経新聞に入社
・日本工業新聞で二輪メーカーや農業機器メーカーを担当。ホンダの四輪進出をスクープ。
・担当していた井関農機から誘われて、愛媛3区今松治朗代議士の秘書に（井関から出向）
・5年間秘書を務めるが、昭和42年の選挙で今松氏が落選し、まもなく急死し、郷里に戻ることを決意
・今松氏が内務省出身議員で岸信介元首相の直系議員だったおかげで、石川県から初出馬した森氏に岸信介が応援来てくれる
・昭和44年12月27日の第32回総選挙でトップ当選（32歳）
2013年01月18日
朝鮮紀行
朝鮮紀行〜英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)
私にとって、「教養」といえば友人の麻生川静男さんなのだが、彼に薦められて読んだのがこれ。イザベラ・バードは19世紀のイギリス女性旅行家で、王立地理学会特別会員でもあった。バードは日本にも来ていて、『日本奥地紀行』を残している。
客観的な見方と、好奇心、冒険心にかけてはイギリス人は一流だと思っているのだが、こういった性格は紀行文を書かすと活きてくると思う。
彼女は1890年の終わりごろ、明治で言うと20年末に朝鮮を旅行して、当時の両班の振る舞いについて書いています。その内容が、とにかく凄まじいんです。日韓併合前の李朝の頃ですね。彼女が偏見を持たずに朝鮮を訪れ、そして「え、そんなにエグイことをやるの？」と感じたようなことは、自国民である朝鮮の人にとっては当たり前だから、わざわざ書き残されてはいないわけです。一方、イザベラ・バードは率直に書き遺しています。
それは、彼女が理性的で、健全な批判精神を持っていたからです。例えば朝鮮の人々は、室町時代にも、江戸時代の日本にも十数回、朝鮮通信使という形で来ており、日本旅行記を書き残しています。そういった本を、私は数冊読みました。しかし、それはイザベラ・バードが書いたものとは全く違うものでした。当時の朝鮮人が書いたものは公式文書だったので、下手なことを書くと自分の首が危ないという事情もあったのでしょう、全く退屈する、単調な読み物にすぎませんでした。
いずれにせよ、質の良い外国人の旅行記というのは、文化の本質を知るのに大変良い資料です。日本について知りたいのであれば、江戸末期に来ている外国人の旅行記を是非お読みになるようお勧めします。
麻生川静男
1894年以降3年余りで4度訪問（62歳）
34（序章）：政治、法律、教育、礼儀、社交、道徳における清の影響は大きい。これらすべての面において朝鮮はその強力な隣国の貧弱な反映にすぎない。
このように旧態依然とした状況、言語に絶する陳腐さ、救いがたくまた革新のないオリエンタリズムの横溢する国に、本家には国をまとめる民族の強靭さがあるのに、それを持たない心のパロディたる国に、西洋による感化という動揺がもたらされたのである。
33：知識階級は漢語（1000年前の！）
ハングル蔑視・・・女性、子供、無学のためのもの
58：北京を見るまではわたしはソウルこそこの世でいちばん不潔な町だと思っていたし、紹興に行くまではソウルの悪臭こそこの世でいちばんひどいにおいだと考えていた。
271：医療設備も救急隊もなく、傷病兵は身包み剥いで置き去りにするのが清国の習慣（1894日清戦争）
序：朝鮮についていくらかでもご存知のすべての人々にとって、現在朝鮮が国として存続するには、大なり小なり保護状態におかれることが絶対的に必要であるのは明白であろう。日本の武力によってもたらされた名目上の独立も朝鮮には使いこなせぬ特典で、絶望的に腐敗しきった行政という重荷に朝鮮はあえぎつづけている。・・・最も顕著な悪弊を改革する日本の努力は、いくぶん乱暴に行われはしたものの、真摯であったことは間違いない。（駐朝イギリス総領事ウォルター・C・ヒリアー卿）2013年01月17日
中嶋学長推薦図書
『なぜ、国際教養大学で人材は育つのか』には、学長推薦図書リストが載っている。1年間の海外留学が必須となっている学生は留学先にこれらの本を持参することになっている。
私も読んでない本があるので読んでみたい。
留学期間中に、全学の必読書である『武士道』（新渡戸稲造著）のほかに、次項の「学長による推薦図書」の中から2冊以上を熟読してください。帰国後、批評的な思考に基づく感想を留学中の体験に照らして、日本語で2,000字〜4,000字（形式は随意）の感想文を作成し、履修チームに必ず提出してください。感想文は、学長が読まれた後、卒業時に返却されます。
私も読んでない本があるので読んでみたい。
必読書
- 『武士道』新渡戸稲造著、矢内原忠雄訳（1905年、岩波文庫） Inazo Nitobe, Bushido: The Soul of Japan – An Exposition of Japanese Thought
“日本及び日本人の道徳的規範を日本の精神的土壌において解明し、国際社会にアピールした本書は、今日の時代においても光彩をはなっており、日本の文化的伝統 を知るための古典的著書である。AIU学生は、英語で書かれた原本と矢内原忠雄の名訳を在学中に必ず熟読して欲しい。”
推薦図書 ※以下から２冊以上読む。
- 『万葉秀歌』 上・下 斉藤茂吉（1938年、岩波新書）
“著名な歌人による万葉集の選歌とその解説を読むこと自体が教養である。“ - 『三酔人経綸問答』 中江兆民著 桑原武夫・嶋田虔次訳・校注（1887年、岩波文庫）
“明治中期に政治・思想そして国際関係を酔いに任せて三人のインテリが形の傑作問答集“ - 『菊と刀−日本文化の型』（The Chrysanthemum and the Sword） ルース･ベネディクト著 長谷川松治訳（1946年、講談社学術文庫）
“日本に来たことのないアメリカの女性文化人類学者が見抜いた＜恥の文化＞の日本人論“ - 『文明の生態史観』 梅棹忠夫著（1966年、中公文庫）
“従来のイデエオロギー的世界観理論に関わる文明論モデルを提起するとともに、イスラム圏を西洋と東洋の『中洋』ととらえた野心作“ - 『論文の書き方』 清水幾太郎著（1959年）（岩波新書）
“社会学者であり行動する知識人として知られた著者が文章表現の根本を説いた名著。“ - 『文明が衰亡するとき』 高坂正堯著（1981年、新潮選書）
“畏友でもあった国際政治学者の深い教養に裏付けられた文明論であり、日本への警告でもあるが、とくに＜ヴェネツィアの栄光と挫折＞は圧巻”
2013年01月16日
日本の大学の宿痾
なぜ、国際教養大学で人材は育つのか (祥伝社黄金文庫)
先日の新聞記事で改めて国際教養大学（秋田）に興味を持ったので、中嶋学長の本を読んでみる。
「日本の大学の宿痾」・・・教えている方が既得権にドップリつかって「世界で活躍」してないんだから、そりゃ無理でしょう。
特徴
・全授業英語
・少人数制（1学年100人でスタート）
・海外留学1年間必須
・4年で卒業1/2
・31カ国161人の留学生
・1年生は留学生と寮生活
結果
・入試偏差値 東大･京大レベル
・就職率100%
127:『武士道』必読書
156:企業が大学生の質の悪さに気付いた
･幼稚
・英語力低下←中学英語派生語入れても400語（韓国3000-4000語）
69:日本の大学の宿痾
�＼こΔ燃萍�できる人材を育成できない
��大学改革が遅々として進まない←教授会が既得権益化
2013年01月15日
学歴革命
学歴革命 秋田発 国際教養大学の挑戦
既に国際教養大学での取り組みについては何度か書いたので、ここでは繰り返さない。2012年に出た本書で注目したのは、この革新的な大学を構想し、創った中嶋学長その人。恥ずかしながら、この本で初めて、中嶋学長が現代中国研究の政治学者であることを知った。
1936年長野県松本生まれの中嶋学長の人生は波乱万丈だ。小学校で敗戦を経験し、教科書に墨を塗る。高校生の時、松本随一の薬局だった家業が倒産（原因は父親の株式投資の失敗）し、一家で夜逃げ。生活苦の中から社会主義に目覚め、中国研究を目指して東京外大に進学。（しかし、試験はフランス語で受験し、受験者中最高点）在学中は 学生運動に没頭。
1960年に大学卒業後、左翼系の世界経済研究所への就職を経て、東大大学院に進学。中国研究を続けるうちに、『毛沢東語録』で有名な「実践論」や「矛盾論」 が、実はソ連哲学教科書のほぼ丸写しであることに気付き、中国共産党に疑問を持つ。
大学院終了後、母校の東京外大に助手として採用される。1966年に文化大革命の中国を訪問。当時は、朝日新聞はじめ多くのマスコミが文化大革命を「人間革命」として礼賛していたという。
訪中した中嶋学長は文化大革命の本質を「人間の尊厳を貶める政治的集団暴力」と見破り、『中央公論』に論文「毛沢東 北京脱出の真相」を発表する。これが当時台湾の副総裁だった李登輝の目に留まり、「なぜ日本に住んで、中国にも一度しか行ったことのない人間にこれほど正確な中国分析が出来るのか」と関心を持たれ、後に来日の際に面談している。
後に、東京外大の学長として大学改革に取り組むが、教授会の既得権に阻まれて挫折したまま退官。そこにミネソタ州立大学の閉校で困っていた秋田県から、「校舎を利用して新大学をやってもらえないか」との依頼があったのが、国際教養大学開校の経緯だ。
2013年01月14日
手帳術
「結果を出す人」の手帳の秘密
ビジネスマンにとって永遠の課題の一つが「手帳」かもしれない。
私も、会社支給の手帳から始まって、バイブルサイズのFilofaxを買ったり、電子手帳を使ってみたり。米国駐在時は会社派遣で外部の「時間管理術」研修に出て、A5サイズのシステム手帳を使ったこともあった。A4サイズの書類が二つ折りにしてそのまま綴じられるので便利だったのだけど、日本に帰国して電車で移動するようになると大きすぎて邪魔になった。あれは、やはり、車で移動する人向けだ。
結局、過去10年ほどは証券印刷大手の宝印刷のものを頂いて使っていた。見開きが一週間で、左側に時間管理、右側にメモ欄がある。1時間ごとにメモリが振ってあるのがいい。巻末の会社法関係の付録も仕事柄役立った。スーツの内ポケットに入ることが前提だ。
ところが、昨年、宝印刷も直接顧客以外への配布を止めてしまった。私がVCの仕事を離れ、教員になってしまったので顧客と見なされなくなったのかもしれない。
何れにしろ、そんなことで10年続いた習慣が途切れた状態。暫定的に、ある銀行のを使っているが、皆さん「手帳」どうしてますか? この10年でユビキタスになったこともあり、手帳の使い方を見直したいと思っている。昨年は何度かGoogle Calendarと手帳スケジュールの齟齬が生じたし。
そんなことで上記の本も読んでみた。タイトルと違い、手帳に関する記述は殆どなくて、中身は「時間管理術」の本だった。
152:信号待ちは架空の役員と話す ←この使い方は面白い。流石スーパーサラリーマン
・自分がやっている今の仕事を簡潔に説明する
60:睡眠時間6時間 ←わたしの場合夏は6時間＋昼寝 冬は7.5時間・・・出来れば年間通し6時間にしたいが
41:価格交渉はしない ←費用対効果 これはありうる
「これでやって」
2013年01月13日
経営者の条件
新訳 経営者の条件 (ドラッカー選書)
三連休です。新年に読み返すのにふさわしい書。
�‘鬚了�間を知れ
成果を上げるには、自分の「時間」の管理を行う必要がある。まず、自分が時間をどう使っているかを記録し、不要な仕事があれば排除する。そして、自由になった時間を集約して、成果を上げるために使う。
�△匹里茲Δ聞弩イ�出来るかを問う
成果を上げるためには、自らの果たすべき「貢献」を考えなければならない。貢献に焦点を合わせることで、組織全体の成果に注意を向けるようになる。また、顧客の視点から物事を考えざるを得なくなる。その結果、仕事が変わる。
��人の強みを生かす
成果を上げるには、利用できる限りの「強み」を動員しなければならない。特に人事においては、人の強みを最大限に発揮させるように配慮すべきである。
�ず任盻斗廚覆海箸暴乎罎垢�
成果を上げるには、重要なものに「集中」する必要がある。仕事に優先順位をつけ、最も重要なことから始め、一度に一つのことしかしない。
優先順位の決定原則
・過去ではなく、末来
・問題ではなく、機会
・横並びではなく、独自性
・無難で容易なものではなく、変革
�グ媚弖萃蠅鮴気靴�行う
成果を上げるには、重要な「意思決定」に集中しなければならない。問題の根本をよく理解して決定し、その意思決定の早さを重視してはならない。
2013年01月12日
未解明なお2222万件 「消えた年金」
民主党躍進のきっかけであり、政権交代の原動力でもあった「消えた年金」問題。その後、調査に4年間で3569億円をかけ、「持ち主不明の年金記録5100万件のうち6割を解明した」ということ。
依然、2222万件が未解決だというのだが、 残りの解明は容易ではない。これまでの調査でも、紙の記録台帳とコンピューターの記録を着き合わせるだけで、一人当たり2200円掛かっている。それだけの費用をかけて該当者を見つけても、戻る年金は平均で年約4000円。（日経新聞12月2日)
この問題には三つの視点があると思う。
�’�金をどうやって管理するかと言う業務上の問題
�⊆�給者資格者を給付側である国が探す義務があるのかと言う制度上の問題
��そもそも年金を国が提供する必要があるのかという国の役割の問題だ
これまで焦点だったのは、主に�，澄�「旧社会保険庁のずさんな管理」が問題となった。そんな状況にしたのは強すぎる労働組合だったが、年金問題が労働組合の支持を受ける民主党躍進のきっかけになったのは面白い。
その職務怠慢は非難されるべきだが、問題の根本は、社会保険番号が振られていないことにある。100人以上の従業員がいる民間企業で社員番号のない会社はない。それを１億人を対象に番号なしで管理するのはどう考えても無理だ。社会サービスを受けられる制度を持つ先進国では全て導入されている。
それが、日本では「プライバシー保護」という表立っては反対しにくい名目で、グリーンカードもマイナンバーも葬り去られた。プライバシーと言ったところで、99%の国民には誰も関心を持たない。「実名で顔出し」が原則だったはずのFacebookでも、日本では名前を分かりにくくしていたり、顔写真を出していなかったりするので、日本人は自意識過剰なのかもしれない。「自分はプライバシーを保護されなければいけない重要人物」だと思いたいのか。
今回明らかになったのは、番号を導入しなければ、それだけ「余分なコストが掛かる」という単純なこと。それが数千億円の単位なのだから、年金制度自体を揺るがすほど巨額だ。プライバシー保護には、相応の対策と、起こってしまった場合の回復策と刑法を含む再発防止をすればよい。あくまで、費用対効果の問題だ。
�△寮�度問題では、面白いエピソードを紹介しよう。私の友人の一人はインド北部の小さな村の出身だ。数年前に帰省した彼は、若い頃日本で働いていたと言う老人と話した。
月額にして5万円は、彼の村では平均年収に相当する。引退した老人に、毎月、年収相当額の収入が日本からもたらされることになった。彼は、今では、村一番の大金持ちだ。・・・これで人生が狂わないことを祈りたい。
これは日本の律儀さを象徴するエピソードだが、「そこまでする必要があるのか」という疑問は残る。国内で｢支給漏れ」となっている人も、これだけ社会問題になったのだから、｢知らない」と言うほうがおかしい。少しでも心当たりがあれば、自分から申し出るはずだ。正確な記録の保管は国の責任だが、年金制度自体の維持が危うい時に、数千億円もかけて受給資格者を給付側が探し出す責任があるとは思えない。
最後に、��そもそも国が年金制度を実施しなければならないのかと言う問題。国が行えば、どうやろうと非効率になる。だから、「民間で出来ることは民間に」というのが大原則だ。民間金融機関が行う私的年金は幾らでもある。「年金が消えた」という問題も聞かない。老後資金が心配な人は、私的年金で積み立てればいいだけの話だ。
中には、「計画的なことが苦手」とか、「積み立てていたが途中で取り崩さざるを得なくなった」など様々な理由で、老後資金が無い人がいるだろう。今までも、保険料を納めてなかったので年金がなく、他に収入もない人は生活保護に頼っていた。国による基礎年金制度を無くせば生活保護受給者が増える可能性があるが、それでも、国の非効率さを考えれば、 二つの制度を維持するよりかは安くなると思われる。
依然、2222万件が未解決だというのだが、 残りの解明は容易ではない。これまでの調査でも、紙の記録台帳とコンピューターの記録を着き合わせるだけで、一人当たり2200円掛かっている。それだけの費用をかけて該当者を見つけても、戻る年金は平均で年約4000円。（日経新聞12月2日)
この問題には三つの視点があると思う。
�’�金をどうやって管理するかと言う業務上の問題
�⊆�給者資格者を給付側である国が探す義務があるのかと言う制度上の問題
��そもそも年金を国が提供する必要があるのかという国の役割の問題だ
これまで焦点だったのは、主に�，澄�「旧社会保険庁のずさんな管理」が問題となった。そんな状況にしたのは強すぎる労働組合だったが、年金問題が労働組合の支持を受ける民主党躍進のきっかけになったのは面白い。
その職務怠慢は非難されるべきだが、問題の根本は、社会保険番号が振られていないことにある。100人以上の従業員がいる民間企業で社員番号のない会社はない。それを１億人を対象に番号なしで管理するのはどう考えても無理だ。社会サービスを受けられる制度を持つ先進国では全て導入されている。
それが、日本では「プライバシー保護」という表立っては反対しにくい名目で、グリーンカードもマイナンバーも葬り去られた。プライバシーと言ったところで、99%の国民には誰も関心を持たない。「実名で顔出し」が原則だったはずのFacebookでも、日本では名前を分かりにくくしていたり、顔写真を出していなかったりするので、日本人は自意識過剰なのかもしれない。「自分はプライバシーを保護されなければいけない重要人物」だと思いたいのか。
今回明らかになったのは、番号を導入しなければ、それだけ「余分なコストが掛かる」という単純なこと。それが数千億円の単位なのだから、年金制度自体を揺るがすほど巨額だ。プライバシー保護には、相応の対策と、起こってしまった場合の回復策と刑法を含む再発防止をすればよい。あくまで、費用対効果の問題だ。
�△寮�度問題では、面白いエピソードを紹介しよう。私の友人の一人はインド北部の小さな村の出身だ。数年前に帰省した彼は、若い頃日本で働いていたと言う老人と話した。
ある時、日本から通知が来て、「あなたは日本の年金受給資格があります」と書いてある。わけも分からず手続きを取ったら、10万円もの入金があった。「これはスゴイ」と思っていたら、ナント、それから隔月でずっと振り込まれてくる！貰えるのは一回だけだと思っていた。
月額にして5万円は、彼の村では平均年収に相当する。引退した老人に、毎月、年収相当額の収入が日本からもたらされることになった。彼は、今では、村一番の大金持ちだ。・・・これで人生が狂わないことを祈りたい。
これは日本の律儀さを象徴するエピソードだが、「そこまでする必要があるのか」という疑問は残る。国内で｢支給漏れ」となっている人も、これだけ社会問題になったのだから、｢知らない」と言うほうがおかしい。少しでも心当たりがあれば、自分から申し出るはずだ。正確な記録の保管は国の責任だが、年金制度自体の維持が危うい時に、数千億円もかけて受給資格者を給付側が探し出す責任があるとは思えない。
最後に、��そもそも国が年金制度を実施しなければならないのかと言う問題。国が行えば、どうやろうと非効率になる。だから、「民間で出来ることは民間に」というのが大原則だ。民間金融機関が行う私的年金は幾らでもある。「年金が消えた」という問題も聞かない。老後資金が心配な人は、私的年金で積み立てればいいだけの話だ。
中には、「計画的なことが苦手」とか、「積み立てていたが途中で取り崩さざるを得なくなった」など様々な理由で、老後資金が無い人がいるだろう。今までも、保険料を納めてなかったので年金がなく、他に収入もない人は生活保護に頼っていた。国による基礎年金制度を無くせば生活保護受給者が増える可能性があるが、それでも、国の非効率さを考えれば、 二つの制度を維持するよりかは安くなると思われる。
2013年01月11日
2013年01月10日
ハーバード白熱教室
『パブリック・スピーキング』第5章最後に登場するのは「ハーバード白熱教室」で日本でも有名になったハーバード大学のマイケル・サンデル教授。
本で取り上げられていたのは、東大で行われた「イチローの年俸は高すぎるか?」だったが、これはNHKに著作権があるようで、YouTubeには正規には上げられてないようだ。上のは、Harvardで行われたもの。
日本では大人数での対話型講義は不可能だという悲観的な予想を見事に裏切り、大成功に終わりました。(p200)
サンデル教授がやっているのは、「異なる考え方をする自己と自己が正面衝突するように、それぞれの意見を引き出し整理しているだけ」というが、では、なぜ日本で普段からできないのか?
対話型講義のための方法（p205)
�〇�前の準備
・問題設定（どの順番で議論させるか）
・論点整理（議題に対して事前に考えうる限りの意見を箇条書き）
��議論進行
・議題説明→対話→まとめ
・分類に当てはまらない意見が出れば、無理に分類しない
「自分なりの意見を持ってよく、人と違うのが当たり前」
2013年01月09日
War for Talent
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
同じく、8日の讀賣新聞「Nippon蘇れ 私の処方箋」から、村山斉（東大カブリ数物連携宇宙研究機構長）。
この方、「機構長の仕事は、宣伝、人材集め、研究資金獲得だ」と覚悟し、世界行脚をしているということ。優秀な頭脳を外国から日本に引き抜くに当たり、様々な障害に直面しているという。
・ 配偶者の職が見つかりにくい
・外国人が生活するバリアが高い（未だに、多くの物件で大家に断られる）
・資金力の違い（米国の大学なら、実験物理学者を招くのに、数億円の初期資金を提示することも）
総じて、優秀な人材に「来てください」という姿勢の米国に対し、日本は「採用してやる」という姿勢で、いつ公募するかも不明なら、交渉の余地もない。何を言っても、「前例がない」「私では判断できない」で、新しいことをやるのが難しい。「給与はいくらか」と聞いても返事がない。
給与に関して、私も、大学に応募するまでは、「そんなバカな」と思っていたのだが、実際応募して、面接で聞いても教えてくれなかった。大学教員をやっている複数の友人に聞いてみたが、皆「最初の給与を貰うまで分からなかった」という。
正に、「採用してやる」という姿勢なのだが、
・博士課程を終えた20代の独身研究者を終身雇用で採用することが前提となっており、中途採用に対応してない
・途中から入ると、民間に比べ極端に不利なことが分かっているので、誤魔化すために提示してない
・採用は教授会が決めるが、給与計算は事務が行うので、正確な金額は採用側が知らない
という背景があることが分かってきた。
私も、書類審査後突然電話があり、「X日X時に採用面接を行うので来てください」といきなり言われてビックリしたことを思い出す。候補日の選択肢もなければ、時間まで指定されている。都内ならまだしも、面接には飛行機に乗って高松に行かなければならない。そこまでいうなら、当然、「旅費は出るのですね？」と確認したら、出ないという。ビジネススクール卒業時の就職活動では、企業側からロンドンから東京までの往復交通費も出たし、日程も当然調整できた。
優秀な才能を取ろうと世界有数の大学が努力しているのに、世界ランクに入ってもないような日本の大学が「採ってやる」という態度でエラそうにやっている。こんな調子で二流校が一流校になれるわけがない。
2013年01月08日
公立大学
1月6日の讀賣新聞「Nippon蘇れ 私の処方箋」から、国際教養大学（秋田）の中嶋嶺雄学長。2004年の開校以来卒業生就職率100%を誇り、今では、入学も「旧７帝大並みに難しい」という。
・意思決定システムの機能不全教授会が意志の決定学長が改革を提案しても、教授それぞれの立場や利害が絡み、合意が難しい 国際教養大学→学長の強い権限・日本の大学＝教養教育が失われた語学力を含めた教養教育は人格形成に欠かせない・学位が学力の保証になっていない国際教養大学では4年で卒業できる学生は約半分・教員の意識改革3年任期の年俸制⇔年功序列信賞必罰（高い評価を受ければ昇給、基準を満たさなければ再契約なし） 学生の教員評価重視
2008年に卒業した一期生が、他校の就職難を尻目に、名だたる一流企業に入り話題となり、その後は人気がうなぎ登りに。企業側からの評価は東大よりも高く、日本一だ。新設校でも、「やれば出来る」ことを証明した形だが、幾つかの成功要因があったと思う。
１．新設校でしがらみがなかった
２．県立大学であり、スポンサーである県と大学間で合意が取れれば、学長がリーダーシップを発揮できる仕組みがある
３．中嶋学長に「こうやったら出来る」という戦略があった
国際教養学部しかない単科大学。定員は開校時の100人から175人に増えている。授業料も535,800円（公立文系で横並び）を昨年度から696,000円に値上げした。それでも、米国の私立大学が年間授業料300-400万円取っていることを考えると、運営補助金の投入無しでやっていくことは難しいことが分かる。
地方大学の進み方として、この「公立大学」方式というのは面白い。国立は、何をやろうとしても、「全国横並び」が前提となり、改革が遅々として進まない。四国でも、元々私立で定員割れしていた高知工科大学が県立になって授業料も下がり人気となった。
ただし、それには、
１．県の財政が健全である
２．公費を投入してもそれに見合うリターンが地元にある
ことが前提となる。
「リターン」 には、
１．学生の在学中の消費（国際教養大学では学生数と寮生活を考えると高が知れている）
２．教員の地元での消費＆納税
３．地元への人材供給（国際教養大学の場合、一流企業に人気で大半が首都圏で就職）
があるだろう。
秋田県がこれをどう考えて公費を投入しているのか興味のあるとことだ。
３．地元への人材供給（国際教養大学の場合、一流企業に人気で大半が首都圏で就職）
があるだろう。
秋田県がこれをどう考えて公費を投入しているのか興味のあるとことだ。
2013年01月07日
iPhone Keynote 2007
『パブリック・スピーキング』3人目はSteve Jobs。取り上げるのは、2007年1月9日のKeynote Address。
iPhoneが発表されるという噂のなかで、世界中から集まったプレスやファンを焦らせながら期待を高めていく。
Jobsのプレゼンテーションへのこだわりは有名で、蔭山氏は、「おそらくジョッブズは、商品を開発する前に、プレゼンテーションを先に考えていたのではないか」という。（p90)
例えば、Macbook Airを発表したMacworld Conference & Expo 2008では、その薄さを演出するため、Airを紙封筒から出して見せたが、「ジョッブズは、先に封筒からノートパソコンを出すというプレゼンテーションを作り、そのためにあとから商品を作ったのではないか」と推察している。
「そうとでも考えない限り、これほど鮮やかな演出を生み出すことはできない」
2013年01月06日
地球ができた時から、道は舗装されていると思ってる
元旦の讀賣新聞記事で一番面白かったのが、特別編集委員の橋本五郎と曽野綾子の「新春対談」。
道路舗装率99.9%で日本一の香川県でいじめが多いのかどうかは、都道府県によって判断基準が違っていて、比較が難しい。比較的客観性のある「少年犯罪率」や「校内暴力発生件数」で見ると、確かに上位にある。相関性を統計分析したら面白いかもしれない。
その意味でも、野外での集団活動を経験させるボーイスカウトは有効だと思う。うちの子達は全員入れた。
道路舗装率99.9%で日本一の香川県でいじめが多いのかどうかは、都道府県によって判断基準が違っていて、比較が難しい。比較的客観性のある「少年犯罪率」や「校内暴力発生件数」で見ると、確かに上位にある。相関性を統計分析したら面白いかもしれない。
その意味でも、野外での集団活動を経験させるボーイスカウトは有効だと思う。うちの子達は全員入れた。
橋本 「国民目線」という言葉に、私は大いなる違和感を覚えます。普通の国民が考えないことを考えるのが指導者でしょう。国民目線に従わなければ政治家じゃないというのはポピュリズム（大衆迎合政治）です。
橋本 一番大きな問題は、自然の中にいないことだと思います。文明化された都会の生活の影響が一番大きいんじゃないですか。
曽野 偏ってしまったんですね。お嬢ちゃまとお坊ちゃんになったから、これを何とか是正しないといけない。私はせめて、各県に未舗装の道を１０キロくらいずつ残しておいて、修学旅行の時、そこを走らせたいですね。スコップを積んでおいて、何かあったらちゃんと生徒に土木工事をさせるんです。
橋本 舗装の下に土があるということが分かるかどうかですね。
曽野 それが分からないんです、みんな。地球ができた時から、道は舗装されていると思ってるんです。
橋本 田舎で生まれ育った子は陰湿ないじめをしません。自然の中に生きているからです。
2013年01月05日
失敗の効用
皆さん既に結果をご存知の今年の箱根駅伝。優勝は、昨年19位の日体大だった。30年ぶりの優勝というから、いかに長く優勝から遠ざかっていたか。
丁度、昨日話題にしたのが、Harry Potter作者J.K.Rowlingによる「失敗の効用（The Fringe Benefits of Failure)」だった。Rowlingは大学卒業後7年で、短い結婚生活の後シングルマザーとなり、職はなく、「現代の英国で可能な限りの貧困」になる。
Simply because failure meant a stripping away of the inessential. I stopped pretending to myself that I was anything other than what I was, and began to direct all my energy into finishing the only work that mattered to me.しかし、この「失敗」が、「自分が本当にやりたいことは何か」を考えさせ、「自分にとって重要なたった一つの仕事」、つまり、Harry Potterの完成に集中させる。
日体大も、昨年の19位という屈辱がなければ、今年の優勝はなかった。昨年、13年目になる別府監督は選手の前で初めて悔し涙を流したという。その姿が選手を奮起させ、また、「部員全員のコンディションを整える」という原点の見直しにつながった。「食事に気を使い、就寝時間を守り、準備体操を怠らない」 陸上選手の基礎中の基礎を徹底させたという。
体調を整えるのは、大きな仕事をする人に共通していること。レベルの高い戦いは、大事なことを教えてくれる。
2013年01月04日
J.K. ROWLING, Harvard Commencement Address 2008
二人目のスピーカーは、『ハリー･ポッター』シリーズの作者J.K.Rowling。2008年にHarvard大学の卒業式で行ったものだ。
構成は、前半が「失敗がもたらす利益」、後半が「創造力の大切さ」になっている。イギリス人らしいユーモアがあり、随所で笑いを取りながら、非常に深刻な話を聞かせる。大したテクニックも使ってないのに、彼女の本同様、話に引き込まれていく。
彼女は、人類の罪から逃れることを選択せず、「枕元の読み聞かせ」が力を持つと信じて徹底抗戦することを選びました。そうして生まれたのが知恵と勇気と魔法を駆使してモンスターに立ち向かう物語『ハリー･ポッター』シリーズです。そしてこのスピーチで、魔法は創造力であり、モンスターは社会の残酷さであり、そのモンスターと戦うのはみなさん自身であると、強く迫っているのです。（p84）個人的には、このフレーズが心に残った。大の大人になっても、他人のせい、親のせいだという「子供」が多いのに驚く。それを一喝しない大人が悪い。
There is an expiry date on blaming your parents for steering you in the wrong direction; the moment you are old enough to take the wheel, responsibility lies with you.
2013年01月03日
Yes, we can
『パブリックスピーキング』では、各章の最後に名パブリックスピーキングが紹介されている。どうせ今週は休みでblogを読む人も少ないので（笑-UUは通常の半分以下だ)、毎日一件ずつ紹介しよう。
最初に紹介されるのが、オバマ大統領。昨年の再選を賭けてのPresidential Debate初回では思わぬ失態を演じたが、スピーチのうまさでは定評がある。著者の蔭山氏が選んだのは、2008年11月5日シカゴでの大統領選勝利演説。キャンペーンの合言葉 ”Yes, we can" が思い出される。
蔭山氏も言うように、とにかくカッコイイ。立ち振る舞い、声、原稿全て。「あの素晴らしい原稿は誰が書いているのか」と話題になり、それが当時27歳のジョン・ファブロー氏というのでさらに驚いた。この演説では、リンカーン大統領やキング牧師にも触れられ、また、彼らの名演説の一説が取り入れられている。そうすることで、アメリカの歴史の中に自らを位置づけている。
面白いのは、オバマ大統領がこの演説で取り上げた106歳になる実在の黒人女性に倣い、鳩山元首相も2度行った所信表明演説の両方で、最後に地方で暮らす一人のおばあさんを取り上げたこと。（p44)
「これで、国民からの共感が得られるはずだと、鳩山由紀夫の演説担当の側近議員は判断したのかもしれません。しかし、あまり効果的ではありませんでした。・・・オバマの演説でおばあさんの例が共感をもって受け入れられたのは、個人をアメリカの歴史に接続できたからです。そして、黒人であるオバマ大統領自身の来歴とも接続できたからです。・・・しかし、鳩山由紀夫の演説では、おばあさんは、ただ苦労しているだけで、歴史とも鳩山由紀夫の個人の来歴とも接続できていません。このように、十分な分析なしに表面的なテクニックのコピーに走ってしまうのは、スピーチのことを考え続けるチームがいないからだろうと思います。このシナリオの書き方は、菅直人前首相の演説にも引き継がれていましたが、やはり効果をあげていません。」
「このように日本の首相の演説でさえ、ほとんど聞くに堪えません。例外的に、田中角栄や小泉純一郎などの天才による優れた演説が、一部存在するだけです。」
2013年01月02日
人を動かすコミュニケーション術
パブリックスピーキング―人を動かすコミュニケーション術
ロンドン留学中何度も感心したのが、パブリックスピーキング。それは、卒業生によるスピーチであったり、国会での政治家の演説であったり、教室での学生のプレゼンテーションであったり。総じてレベルが高く、中でも最高レベルのものになると、｢こんなの日本では聞いたことがない」というレベルであった。
最初に、聴衆を念頭に入れたアイスブレークがあり、ユーモアを交えながら、力強い声で聴衆をひきつける。少しでもそうしたレベルに近づきたいと、たまにめぐってくるプレゼンテーションでは彼らを真似、準備した。その甲斐あって、相変わらず教室ではなかなか議論についていけないものの、準備の出来るプレゼンでは時折高評価を貰えるようになった。
ところが、帰国したら、また苦戦している。大学の先生になり、講演を頼まれる機会が増えたが、聴衆のノリが違うと言うのか、なるべくインタラクティブにして飽きさせないようにと聴衆の参加を求めても反応がない。研修の講師など、「心は終了後の懇親会」で上の空、という場面もある。
日本人に合わせて、もう一工夫必要、と思って新年最初の本に選んだのがこれ。なるほど、まず、「自意識の安全地帯」から引きずり出さないとダメということね。視線は｢殺すぞ」か！
PS=リーダーの演説法
�，覆�PS？
7： なぜ学長の講話は眠くなるのか→聞き手とコミュニケーションが取れてない
��PSのシナリオ
66： フルネームだけで始める
58： 立ち止まらせる→イメージさせる→コミットさせる
��PSの演出
104： マイク＜生 100名まではOK
99： 座る場所：対面(対話)の会話量を１とすれば、横並び(作業)は３、角を挟んだ斜め(会話)では６
106： 照明は明るく（今のプロジェクターは明るいので、殆ど暗くする必要は無い)
��PSの演技
164: 「自意識の安全地帯」から引きずり出せ！
・YES/NO→どちらにも手を挙げなかった人を指名して答えさせる
・隣の席同士で議論させる
168: 余計な間を削る→有効な間をどう取るか
170: 徹底した訓練をして、全部忘れて舞台に立つ
�ゼ汰�
・左右に揺れてないか
・手が使えているか
・視線は「殺すぞ｣
2013年01月01日
開かれた日本に
明けましておめでとうございます
大晦日の産経新聞にあった岡本行夫氏の記事。いつの間にか「MITシニアフェロー｣なんですね。MITはQS World University Rankings 2012-13で世界一。常に世界トップクラスであったMITですが、QSで世界一になったのは初めてのようです。
いずれにしても、大学ランキングでTop10を英米が独占しているのはいつも通りです。米国に比べればはるかに小国で、日本に比べても経済規模が半分以下の英国が４校（Cambridge, Oxford, UCL, Imperial)入っているのは流石です。
さて、昨年も2回引用した岡本氏の新聞記事。今回の記事で改めて衝撃を受けるのは、｢日本の自閉度」です。
・ 輸出入総額のＧＤＰ比率で日本はＯＥＣＤ加盟３４カ国中最下位
・ＤＨＬ社が発表する各国のグローバリゼーションの度合いで、日本はベトナムやサウジより劣る世界第４２位（先進国中最低）
人口減少の中で｢自閉」していけば、この先、ジリ貧です。日本国民が中央政府に「競争」を望まないのであれば（TPPに対する世論などから推察）、道州制にして、国内での地域間競争を促すことで、他国との連携と競争に慣れさせることが必要だと思います。
大晦日の産経新聞にあった岡本行夫氏の記事。いつの間にか「MITシニアフェロー｣なんですね。MITはQS World University Rankings 2012-13で世界一。常に世界トップクラスであったMITですが、QSで世界一になったのは初めてのようです。
いずれにしても、大学ランキングでTop10を英米が独占しているのはいつも通りです。米国に比べればはるかに小国で、日本に比べても経済規模が半分以下の英国が４校（Cambridge, Oxford, UCL, Imperial)入っているのは流石です。
さて、昨年も2回引用した岡本氏の新聞記事。今回の記事で改めて衝撃を受けるのは、｢日本の自閉度」です。
・ 輸出入総額のＧＤＰ比率で日本はＯＥＣＤ加盟３４カ国中最下位
・ＤＨＬ社が発表する各国のグローバリゼーションの度合いで、日本はベトナムやサウジより劣る世界第４２位（先進国中最低）
人口減少の中で｢自閉」していけば、この先、ジリ貧です。日本国民が中央政府に「競争」を望まないのであれば（TPPに対する世論などから推察）、道州制にして、国内での地域間競争を促すことで、他国との連携と競争に慣れさせることが必要だと思います。
