2012年12月
2012年12月31日
The Queen Sequence
昨日は大掃除。今日は千葉へ地元｢香川西高」の全国高校サッカー試合応援へ。お蔭様で、初戦突破しました
試合のほうはほぼリアルタイムでFBに載せたので、移動中にiPhoneで読んだ産経新聞から、こんな話題を。英紙TIMESの｢今年の人」はエリザベス女王だったということ。（米誌TIMEではない） 「60年間に及ぶ無私の奉仕が、女王の君主制を再び創造した」と称賛した。
・Diamond Jubileeの水上パレードを苦境にある国庫に頼らず寄付金のみで実施するよう要請
・ロンドン五輪開会式では、監督の要請で007主役と共演し、ヘリから飛び降りる演出で世界を驚かす
オリンピック開会式での演出は良かったですね。愛犬のコギー達も可愛かった
(もう一度見たい人は上のYouTubeで！）
では、皆さま、良いお年を
2012年12月30日
全従業員を人生の勝利者にする
先日、四国経済産業局主催の「地域から大切にされる経営者」創出セミナーに出席。CS日本一（トヨタディーラーとして利益率も日本一!）で知られるネッツトヨタ南国（高知）の横田相談役による講演があった。
『人が輝く人間性尊重の組織づくり』
タイトルとしては、よくある話。しかし、哲学者ではないかと思うほど深く考えられた内容に参ってしまった。
印象深かった話を一つだけ挙げておくと、
「真っ白の絵のないジグソーパズルをしたことはありますか」
横田さんは実際に社員にやらせてみたことがあるそうだ。最初は絵が印刷された普通のジグソーパズル。女子社員二人で15分で完成。次に、同じパズルを白ペンキで真っ白にしてしまう。これを同じ人にやってもらうと30分経っても1/4しかできてない。「1時間以内に完成したら、お昼おごってあげる」と言ったら55分で完成したらしい。
教訓
１．こういったインセンティブは短期的効果は確かにある
２．しかし、もっと大事なのは、人生目的（完成像）を描くことなく仕事をしていることだ。絵のないジグソーパズルと同じで時間ばかり掛って、結果が出ない。
高松での講演会の常で、質問時間になっても誰も質問しない。例によって、私が口火を切る。
「『社員採用を一番重視している』と言われたが、具体的に、どういう採用活動をして、どうやって人物の判断をしているのか？」
・人の価値観や性格は研修では変えられない
・従って、会社の価値観を共有できる人にだけ入ってもらいたい
・そのために、兎に角、採用に時間をかける
・候補者一人当たり30時間くらい色々な社員が面接する
・採用担当だけでなく、多くの社員が面接することで、入社後も面接した社員全員が「自分の責任だ」という意識を持つ効果もある
・社内の隅々まで見てもらい、数十人の社員に会ってもらい、自ら「この会社が自分に向いているか」を選ばせる
・横田相談役が社長時代には、自分の時間の半分を社員採用に使っていた
・社長が自分で採用活動をすると、内定を出しても来てもらえなかったりして、自分の会社に如何に魅力がないかを痛感する
・残りの半分の時間は、どうやって自社の魅力を高めるか、に使った
これだけやっても、「採用精度」は年1%位しか上がらないという。しかし、通常60%と言われる採用精度は、ネッツトヨタ南国では毎年1%の改善を30年続けることで、現在は90%程度あるということ。なるほど、「継続は力」だ。
同社の経営理念：全従業員を人生の勝利者にする
そこに「甘え」はない。
2012年12月29日
心身統一法
幸福なる人生
中村天風では『運命を拓く』が有名だけど、新たにこんな本が出たので読んでみた。内容は『運命･･･』と殆ど同じ。
「人の心と体に備わっている潜在能力をフルに発揮させ、幸福な人生を生きる」･･･大事ですね。
・常に積極的な心の持ち方をする
→「感応性能」を強くする
�ヾ冉依彖任旅慌�
・人の思考は、心の奥にある観念要素により組み立てられる。この観念要素が消極的だと、思考も弱弱しいものになる。
・観念要素を更改するには、
「寝る前に消極的なことが頭に浮かんでも気にかけない」
「寝床に入る前、鏡に映った自分に『お前は信念強くなる』と言い、朝目がさめたら『今日は信念強いぞ』と言う」
「消極的な言葉は使わない」
「積極的な人と接する」
�∪儷亡冉阿陵楡�
・心に積極性が欠けていれば、何事も成し遂げられない
・仕事をするとき、その仕事に対し自分がどんな気持ちを持っているかを自分で検査する
・人の消極的な言葉に動かされない
・取り越し苦労はしない
・どんな場合でも本心良心に背かない
��神経反射の調整
・神経系統の生活機能が乱れると、心の安定が失われる
・クンバハカ（ヨガ）
肛門を締め、臍下丹田に力を込めて息を止める
これから熟睡すると言うとき、実在意識が念頭に置いたことは直ちに潜在意識に入る。2012年12月28日
経営者自伝を教科書に！
私の手が語る (講談社文庫)
25日の産経新聞に、
創業者の自伝で英語を学ぶ 本田宗一郎氏ら１５人が教科書に
という記事があったんですが、英語の教科書だけでなく、そもそも国語や社会の教科書にドンドン入れるべきですね。
今一番日本で足らない職種は「経営者｣です。プロ経営者然り、起業家然り。考えてみれば、教科書で企業家が出てきた覚えがない！こんな状況で、経営者に憧れて経営者を目指す人が少なくて当然です。
日本の経営者は沢山名著を残しています。
本田宗一郎 『私の手が語る』
藤澤武夫 『経営に終わりはない』
小倉昌男 『経営学』
盛田昭夫 『MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略」
松下幸之助 『道をひらく』
稲盛和夫 『生き方』
柳井正 『一勝九敗』
など幾らでもあります。こういう「生きた」物語を読んでこそ、将来の経営者が生まれてこようというものです。
2012年12月27日
「赤字」の海と「利益」の小島
「赤字」の海と「利益」の小島―事業の４割は不採算なのに改善しないワケ
日本の大企業にはとても当てはまる。
・大半の企業は、全事業の40%が赤字で、20-30%の事業が利益を稼ぎ、赤字事業の損失を埋めている。
・体系的に収益性を管理するプロセスがない
・マスマーケット時代の枠組みに支配されている＝機能別組織
・顧客や製品ごとの収益性やサプライチェーンの生産性に関する分析がされていない
収益性を向上させる柱
�仝楜匆礎佑僚纏襦文楜劼留�れたニーズを理解し、満たす）
�◆屮痢次廚噺世Δ戮�事業の明確化（集中と連携）
�０貳屬砲覆譴詈�野を持つ
・収益マップをつくる
注文明細ごとの損益計算書を作って事業を分析し、顧客ごと、製品ごとの収益性を見る
・CFO=CPO(Chief Profit Officer)
�々蘯�益部分、低収益部分、不採算部門がどこにあるのか
�⊆�益性管理のために継続的な組織的プロセスを作る
��収益性を意識する企業文化を作る
2012年12月26日
お手伝いと就職力の関係
お手伝い至上主義でいこう！ ― 子どもの就職力を高める「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」習慣
12/22讀賣新聞の「人生案内」で、心療内科医の海原純子さんが、「大学を出たのに就職せず、昼間は家で寝て、夜はパソコンや携帯電話に夢中で、家族に暴力も振るう」という甥っ子の相談に対して答えたていたのに注目した。
・おいごさんの苛立ちは、社会の中で自分の居場所がないことから
・学生は大学に在籍さえしていれば社会的な立場を与えられるが、卒業すると自ら努力しないと場は確保できない
・場を確保する力は、子供の頃から、家族の一員として家事や兄弟の世話をしたり、社会活動を通して自分の役割と責任を見つける訓練で身につく
ナルホド！家事の手伝いや兄弟の世話というと、モラル的な側面から語られることが多いが、これらは将来の就職に直結していたのだ。
引きこもりや就職しない若者について、「精神病なので仕方ない」ような解説にどうも納得がいかなかったが（では、なぜ急増しているのか?）、子供のときに大人の「社会人」になるために必要な体験をしなかったことによる一種の「発達障害」だと考えれば納得がいく。
・子供が家事をする機会→家電製品の普及などで明らかに減っている
・兄弟の世話→少子化でこれも減っている
・社会活動→一人で遊ぶゲームに時間が奪われているのではないか？
などと思って本を検索してみたら、『お手伝い至上主義でいこう！ ― 子どもの就職力を高める「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」習慣』というのが出ている。こちらはまだ読んでないが、このような内容のようだ。
（著者より）
この本の主題は、どうやったら自立できる子どもを育てられるか、です。｢ヒマと貧乏とお手伝い｣と｢放牧型イベント｣を中心に、さまざまな方法を紹介しています。
・子どもは貧乏にせよ。ジジババ対策が鍵
・子どもはヒマにせよ。ゲームやテレビやメールに時間を奪われるな
・子どもにはお手伝いをさせよ。お手伝いを勉強よりもダイジと位置づけよう
そのほとんどは、これまでわが三谷家で実践されてきたもの。これまでも著作の中で少しずつ紹介してきましたが、今回はそれを再整理し、かつ、大幅に書き加えて１冊の本としました。特に増えたのは、｢ケータイ戦争｣｢高校進学｣などの具体的事例と、3人の娘たち自身の声です。
今、大都市圏で過熱する小中学受験は、多くの燃え尽きた子どもたち、生きる力に欠けた子どもたちを生んでいると感じます。毎日長時間に及ぶ学習塾通いのために、親が全てを準備し他には何もさせず、さらには学校に対して｢負担だから宿題を出すな｣とまで要求する･･･。結構、普通に見かけます。
それでは、ダメなのです。勉強はできても、働くことの意味を知らない、段取りの下手な、仲間のいない、ひいては就職力のない子どもたちになってしまうのです。自立どころか、ニートまっしぐらの道です。そこからどうやったら抜け出せるでしょう？
｢与えすぎない｣、｢ヒマと貧乏とお手伝い｣、｢放牧型イベント｣が、私が出した答えです。そしてその中核が｢お手伝い至上主義｣。それがこの本で少しでも多くのみなさんに、伝わってくれればと願っています。
2012年12月25日
大和製作所
図解 不況でも繁盛するラーメン・うどん・そば店の教科書
「大和製作所」と言っても、業界以外の人は知らないだろうが、製麺機械最大手メーカー。瞬く間にダントツ日本一のうどん屋になった「丸亀製麺」は他の多くのチェーン店と違い、各店で麺を打つが、その機械は全てここのもの。
「うどん県」坂出にある当社は、当然、うどんの製麺機から始まり、現在では蕎麦やラーメンの製麺機も製造。さらに、ラーメン･うどん･蕎麦店を開業したい人のための学校も運営してる。その学校の「教科書」がこれ。とても分かりやすく、且、実践的。商売で成功するには、情熱と戦略が無ければならないが、戦略のほうはこれでかなり行けそう。
藤井社長は、根っからの機械屋で、高松高専を出て就職した川崎重工では航空機の機体設計をやっていたという。37年前に機械設計業で独立し、自動機械の設計を志したものの、当時オイルショックの直後と言うこともあり、全く仕事がなかったという。
唯一仕事依頼があったのが製麺機。食べるために始めたものの、「男子一生の仕事として物足りない」と思っていたという。ところが、始めてみると置くが深く、凝り性の藤井社長は「面の虜」になり、数年後には製麺気の製造販売に特化することを決断。寝食を忘れて一心不乱に製麺機作りに没頭したという。
その後、麺研究所を設立し、機械だけでなく、麺そのものの製造に着手する。さらに、よい機械をつくっても売れない、「物を作ることより物を売ることの方がはるかに難しい」と気付き、うどん学校の運営を始め、今日の大和製作所がある。
2012年12月24日
技術流出防止
日本メーカーでリストラが起こる度に、技術が韓国･中国に流出してきた。今また、かつてない規模のリストラが業績不振のシャープ、パナソニック、ソニーなどで進行中。さらに技術流出が進むのか、それとも、液晶などで世界シェアでトップの韓国メーカーにもう日本企業から学ぶものはないのか?
シャープで長年研究開発に携わり、現在は立命館アジア太平洋大学で教える中田行彦教授のインタビュー記事が讀賣新聞12/22にあったので以下に抜粋。詳しくは、中田教授が書いたディスカッションペーパーがあるので興味ある方はそちらを。
＜状況＞
・ これまでも日本企業の退職者が海外のライバル企業に再就職したり、休日に海外で技術指導してきた
・人を通じた流出が多い
・転職先で喜ばれれば、貴重なノウハウも教えてしまう
・製造装置には液晶メーカーのノウハウが盛り込まれているが、同様の製造装置を海外メーカーが大量購入する
・技術の目利きが出来ず、国内より先に海外に最先端技術を提供してしまった例
・シャープのIGZOは東京工業大学の細野教授が10年間に渡って科学技術振興機構の資金で開発したが、特許使用を最初に認められたのはサムスン
＜防止策＞
・従業員との機密保持契約
・秘密情報の仕分け
・重要技術に携わった技術者を定年後2,3年再雇用
中田教授は防止策に上げてなかったが、そういった重要技術者に大学に来てもらうのもいいのではないかと。ご自身がそうされているんですから。企業定年はまだ実質的に60歳。国立大学の定年は65歳。多くの私立は70歳。待遇はよくないですが、定年後の収入としては悪くないし、「末来の技術者を育てる」という楽しみがあります。
シャープで長年研究開発に携わり、現在は立命館アジア太平洋大学で教える中田行彦教授のインタビュー記事が讀賣新聞12/22にあったので以下に抜粋。詳しくは、中田教授が書いたディスカッションペーパーがあるので興味ある方はそちらを。
＜状況＞
・ これまでも日本企業の退職者が海外のライバル企業に再就職したり、休日に海外で技術指導してきた
・人を通じた流出が多い
・転職先で喜ばれれば、貴重なノウハウも教えてしまう
・製造装置には液晶メーカーのノウハウが盛り込まれているが、同様の製造装置を海外メーカーが大量購入する
・技術の目利きが出来ず、国内より先に海外に最先端技術を提供してしまった例
・シャープのIGZOは東京工業大学の細野教授が10年間に渡って科学技術振興機構の資金で開発したが、特許使用を最初に認められたのはサムスン
＜防止策＞
・従業員との機密保持契約
・秘密情報の仕分け
・重要技術に携わった技術者を定年後2,3年再雇用
中田教授は防止策に上げてなかったが、そういった重要技術者に大学に来てもらうのもいいのではないかと。ご自身がそうされているんですから。企業定年はまだ実質的に60歳。国立大学の定年は65歳。多くの私立は70歳。待遇はよくないですが、定年後の収入としては悪くないし、「末来の技術者を育てる」という楽しみがあります。
2012年12月23日
誰が中流を殺すのか
誰が中流を殺すのか アメリカが第三世界に堕ちる日
アメリカで人気のブログHuffington Post。著者はギリシャ生まれで、16歳のときにイギリスに渡り、ケンブリッジMBAらしい。
先般の大統領選を見ていても、ダイナミックな経済に比べ、政治システムはどうなの?と思うことが多い。1.5年にも渡る大統領選は鉄道で大陸横断していた時代から変わっておらず、この長い選挙戦が誹謗中傷合戦に拍車をかけているとも言われる。
うわさには聞いていたが、「ロビー産業」規模は3000億円規模というからスゴイ。筆者の言うとおり、これではロビー活動する特定の利益団体に議会が牛耳られてしまう。
一方、「金融業が拡大したから製造業の雇用が減った」というのはどうか？金融業に関らず、製造業は衰退していた。金融業が伸びなければ、もっと悲惨な状況になったのではないか。ただし、金融機関の合併による巨大化を許したことは間違いだったね。大きすぎて潰せない。
・金融化が進むアメリカ経済
1973-85 企業収益に占める金融業の比率 Max16%
90年代 21-30%
金融危機直前 41%
・急増するロビイストとロビー活動費
2009年 登録ロビイスト 13,700人 支出額35億ドル←利益団体
（2002年の倍の支出額）
上下両院の議員数 535人の26倍！
議員一人当たり$6.5M
「一人一票」という民主主義の基本原理をないがしろに
様々な利益団体がロビイストを使って団体に有利な政策を導く一方、ロビイストを持たない中流層は、自分たちに必要な雇用や年金などの政策を実施してもらえない
・提言
�．蹈咼ぅ好箸琉徒�を防ぐため、政治資金を公的なものに限る
�▲宗璽轡礇襯瓮妊�アを使って政府と市民が語り合い、両者の新しい関係を築く
�３砲了伊榁譟頁�撃機、潜水艦、ICBM）の一つを無くすなど、不要な国防費を削減
�ぅ妊螢丱謄�ブ等の金融商品の規制、銀行業務と証券業務の分離、大手銀行の解体等を行う
�ヂ膸�な話を伝えない既存メディアに代わり、FB等を利用した市民ジャーナリズムが、その役割を果たす
�Χ睛札轡好謄猜儚廚涼悉錣箸覆襪茲Α�皆で大手銀行から預金を引き上げ、地元の銀行や信用組合に移す
2012年12月22日
あおいくま
母さんの「あおいくま」
NHK総合で毎週月曜日夜10時からやっているのが、「ファミリーヒストリー」 なぜ「家族の歴史」でないのかは分からないが（笑）、この間帰宅してたまたまつけてみた。香川の観光キャラクターが［青い鬼」で気になったから。
「コロッケ〜逆境から生まれた“あおいくま”〜」
ものまねタレント・コロッケが、いつも心の支えにしている言葉「あ・お・い・く・ま」。貧しかった幼少時代に母が笑って教えてくれた「あせるな、おこるな、いばるな、くさるな、まけるな」という教えだ。肥後もっこすと呼ばれた頑固者の祖父、純愛を貫き通した祖母、貧しさも笑顔で跳ね返し、女手一つで子どもたちを育て上げた母。時代に翻弄されながらも、精一杯生きるそれぞれの姿にコロッケのルーツがあった。
コロッケ、苦労人だったのね。「あおいくま」イイネ。子供でも覚えやすいし、確かに、この年で人生を振り返ってみて、これには真実がある。
2012年12月21日
民主主義への誤解
今回の選挙でも、「議会制民主主義」を全く理解してないのではないか?と思うような報道や発言が目立ったので、「危険だな」と思っていたところ、京大の佐伯教授がよいコラムを書かれていたので紹介。
・各種新聞社やテレビ局が行う世論調査は１年間で総計２００回を超える
・あまりに「民意」に媚（こ）びている
・その「民意」なるものはいったい何ものなのか、誰もわかってはいない
・議会主義と民主主義はイコールではない
・議会主義とは、われわれが直接に政治に参与して政治決定にかかわるのではなく、それを代表の手に委ねる、というシステム＝主権者であるわれわれは、直接にはその主権を行使しない
・主権者にできることは、ただ代表を選ぶことだけ
・議会主義とは、むしろ「民意」を直接に政治に反映させない工夫
・代表を選び、彼らの討議に委ね、また、官僚という「プロ」の協力を必要とする
・不安定でご都合主義の「民意」によって政治が不安定化することを避けよう
・この数年の世論中心型政治は、議会主義を攻撃し、「民意」による民主主義をそこに持ち込もうとするもの
・議会主義とは、個々の政策それ自体よりも、「代表者」の信頼性や人物そのものを見極めるわれわれの眼力にかかっている
・各種新聞社やテレビ局が行う世論調査は１年間で総計２００回を超える
・あまりに「民意」に媚（こ）びている
・その「民意」なるものはいったい何ものなのか、誰もわかってはいない
・議会主義と民主主義はイコールではない
・議会主義とは、われわれが直接に政治に参与して政治決定にかかわるのではなく、それを代表の手に委ねる、というシステム＝主権者であるわれわれは、直接にはその主権を行使しない
・主権者にできることは、ただ代表を選ぶことだけ
・議会主義とは、むしろ「民意」を直接に政治に反映させない工夫
・代表を選び、彼らの討議に委ね、また、官僚という「プロ」の協力を必要とする
・不安定でご都合主義の「民意」によって政治が不安定化することを避けよう
・この数年の世論中心型政治は、議会主義を攻撃し、「民意」による民主主義をそこに持ち込もうとするもの
・議会主義とは、個々の政策それ自体よりも、「代表者」の信頼性や人物そのものを見極めるわれわれの眼力にかかっている
2012年12月20日
男のように考え、レディのようにふるまい、犬のごとく働け
景観にかける―国立マンション訴訟を闘って
讀賣新聞の月替わりの連載で楽しみにしているのが「時代の証言者」。著名人が自分の人生を振り返って毎日連載していくので、言ってみれば、日経の「私の履歴書」讀賣版である。
今月は高島屋元常務の石原一子氏。1979年に東証一部企業初の女性取締役になった方。満州で満鉄社員の子として生まれ、東京女子大学の学生寮で終戦を迎える。その後、一橋大学に移り、就職したのが「男女平等」を標榜していた高島屋。そんな高島屋でも、入るときは平等でも「結婚すれば退社」が当たり前だったらしい。そんな時代背景の中、孤軍奮闘してきた石原さんの歩みが綴られていてとても面白い。
石原さんが1980年に翻訳したのが、アメリカのキャリアウーマン研究家デレクAニュートン氏のベストセラー本
Think Like a Man, Act Like a Lady, Work Like a Dog
「本には、圧倒的な男性優位の世の中で、社会に食い込む処方箋がまとめられていました。たとえば、アリストテレスの『男性はあらゆる物を測る尺度である』を引いて、企業社会では男性がルールを作りゲームのスコアを付けるから、そのルールを身につけて上達するように励まないと成功しないと忠告しています。」（12/19「時代の証言者」より）
＜この年、歌手･山口百恵が引退。主要企業の約7割が4年生大卒女子の採用を行わず、早稲田大学の女子学生が「私たちの就職手帳」で企業名を公表＞
現役引退後も、景観法ができるきっかけになった国立マンション訴訟の先頭に立ち、『景観にかける』を出版されている。
2012年12月19日
ロロロッサ
2週間前のGSMシンポジウムでお会いしたのが、同じ三豊市在住の小林さん。当研究科の修了生(MBA)です！小林さんは卒業後、地元でイタリア野菜を作っています。ロロロッサって文字化けかと思ったら(笑)、Lollo Rossaのことで、イタリアのレタスらしいです。あの赤みが掛かったチョット苦いヤツですね。
今年から加工品も始めてまして、新商品の「レモンのはちみつ漬け」と「レモンのマーマレード」(当然、有機)をこれから試食です
農業の「6次産業化」ということが言われますが、農業生産だけでの付加価値は中々付けにくい。利幅を見ると、1次産業より2次産業(製造)、2次産業より3次産業（流通）の方が大きい傾向があります。これを、「マーケティング」というくくりで総合すると、1+2+3=6次産業に。そこには、マーケティングの出来る人（マーケッター・プロデューサー・・・）が必要です。
地方のMBAがこういう方面で活躍してくれるといいな。
2012年12月18日
問題解決の思考と技術
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術
新版が出たので読み直してみる。MBA1年生の必読書ですね。恐ろしいのは、教えているほうに「問題解決法」を全く勉強してない人がいること！それぞれ専門分野があるとは言え、「仕事」をする上での基本ですからね・・・。
１．思考編
・ゼロベース思考→[規制の枠」を取り外す
顧客にとっての価値
・仮説思考→常にその時点での結論を持ってアクションを起こす
アクションに結びつく結論
Bestを考えるより、Betterを実行
情報収集に時間を使いすぎてはいけない
２．技術編
・MECEでとらえ、最後に優先順位
フレームワーク
・Logic Tree
３．プロセス編
・課題設定
・解決策の仮説
・解決策を検証･評価する
・Solution System Sheet
問題解決のための３つの行動規範「ポジメン」「ロジシン」「パラテン」 ポジティブ・メンタリティ（＝けっしてあきらめず前向きに物事をとらえる）
ロジカル・シンキング（＝論理的に考える）
パラダイム転換（＝従来の枠組みからの転換を目指す）
2012年12月17日
ビジネススクール（MBA)って何？
中高の同級生が高校の社会科の教師をやっている関係で、高校社会科「公民部会」の研修講師を務めることになった。
幹事の先生と打ち合わせの結果、演題は「ビジネススクール（MBA)って何？」に。BSとかMBAとか時々聞くけど、高校の先生は大学を出てそのまま教師になっているので、殆どの人が「知らない」というのだ。座学だけではつまらないので、BSの特徴であるケーススタディも入れ、�．譽�チャー �▲院璽好妊�スカッション ��グループ発表 �い泙箸瓠，箸い�四部構成で2時間とした。
ケースは予め配布し読んできてもらった。ケースを配るだけでは読まずに来る人も想定されるので、前日に、「ディスカッションポイント」を送り、考えてきてもらうことに。「宿題がでる研修は初めて」という声も上がったが、読んでないとディスカッションにならないので、強行。
その甲斐あって、グループディスカッションも盛り上がり（写真）、テンポ良く限られた時間で成果を出す感覚を体験していただけたと思う。高校の先生には、生徒に｢就職だけがキャリアではない」ことを伝えていただきたい。
・ BS=経営大学院
・トップクラスの殆どは入学に実務経験が必要
・トップ校の卒業生初任給（30歳）は1500万円くらい
・「高給過ぎる」との批判があるが、じわじわと上昇傾向（20年前は1000万円くらいだった）
・初任給が入学前の給与の倍以上になっており、これがBSの「付加価値」
・1881 Wharton 1908 HBS "Westpoint of Capitalism"
・1875 商法講習所→東京商科大学→一橋大学
・1880 大阪商業講習所→大阪商科大学→大阪市立大学
・1978 慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)
・ 経営者としてのキャリアパス
・ケースメソッドによる実践教育
・香川大学BSの特徴
2012年12月16日
｢忠臣蔵」の決算書
「忠臣蔵」の決算書 (新潮新書)
12月14日は赤穂浪士討入りの日。これにちなみ、こんな本を読んでみた。（もっとも、新暦では1月３０日らしい)
47人が討入りを果たした赤穂事件。これだけの人数が軍事行動を起こすにはお金が掛かる。しかも、彼らの雇い主であった赤穂藩は前年3月14日の主君浅野内匠頭による刃傷事件の直後に取り潰されている。
実は、首謀者である大石内蔵助自身が記し、討入り直前に亡君浅野内匠頭の正室瑤泉院に提出した「出費明細書」がある。これによれば、軍資金となったのは、赤穂藩の財産処分で得た700両（約8000万円)の資金。当初は討ち入りのつもりはなく、討ち入り以前に資金の6割以上を主君の墓や仏事費、御家再興工作費などで使用している。討入りを決断したのは、御家再興の望みがなくなったときだ。
その後、最も費用が掛かったのが、旅費や江戸での逗留費で約3000万円。上方と江戸の間で頻繁な人の行き来があったことがわかる。急進派による暴発も抑えなければいけなかった。次に多いのが、隊士への生活補助金で約1500万円。 50人以上の失業者を1.5年にわたって食べさせたと考えれば、一人当たり1年間200万円。奇しくも現在の生活保護並である。
意外と少ないのが、討入りの「直接費」である討入り装備費で、これは約150万円。一人当たりの装備費は3万円。武器は刀と槍のみで鉄砲は使ってないし、しかも多くの隊士がマイ刀・槍を持参したのだろう。
戦闘そのものより、準備期間の生活費や旅費･交通費が費用の大半を占めているところが、現在の戦争にも通じていて興味深い。
『預置候金銀請払帳』
仏事費 127両(18.4%)→京都柴野瑞光院
御家再興工作費 65両（9.4%)
江戸屋敷購入費 70両（10.1%)
旅費･江戸逗留費 248両（35.6%)→江戸の同士暴発抑制
会議･通信費 11両（1.6%)
生活補助費 132両（19.0%)
討入り装備費 12両(1.7%)
その他 30両（4.2%)
2012年12月15日
「日本の組織の悪さが全部出た」ミッドウェー海戦
1942年6月4日、連合艦隊の主力母艦４隻を投入し必勝を期したミッドウェー海戦。結果は1日でその虎の子の空母４隻全てと3000人の将兵を失う大敗となり、太平洋戦争の転換点になった。 先週のBS歴史館を見逃したので、再放送を録画し、視聴。
一番驚いたのは、日本海軍の緻密な図上演習。すごくよく出来ている。さらに驚いたのは、その図上演習で、敵空母が予想外に早く現れ、演習開始早々に空母２隻（赤城・加賀）が沈没してしまうこと。これは実際に起こったことと同じだ！
この図上演習では、演習のルールを審判役であった宇垣参謀長官が自ら破り、勝手に一隻だけの沈没にしてしまう。なぜなら、空母２隻が沈んでしまったらそれで日本側の敗北が決定的になり、作戦が続けられないからだ。
どうして、作戦の見直しをしなかったか? 実は真珠湾攻撃の図上演習でも空母が２隻沈没する結果となり、当初予定の作戦参加空母を４隻から6隻に増やしている。宇垣のルール変更に同席していた山本長官も異議をとなえなかった。一つには、開戦以来の連勝による「今度も大丈夫だろう」という奢り、もう一つには、山本の「米国の戦力が整う前に、叩きたい」という焦りがあったと言われる。こうして、図上演習で｢敗北」したミッドウェー作戦は見直しされることなく実施された。
さらに驚愕するのは、これだけの大失態を演じた作戦立案者も、現地指揮官であった南雲司令長官も、その上司である山本連合艦隊司令長官も一切責任を問われてないこと。真珠湾での失敗で早々に太平洋艦隊司令長官キンメルを更迭し、28人抜きでニミッツを抜擢した米海軍とは対照的である。海軍中枢のほぼ全員が海軍兵学校卒の中で、国家利益より仲間内の人間関係を優先した結果だ。この傾向は日本の組織に今も続く。
諜報戦にかけては陸軍の方が熱心だったようで、ミッドウェー作戦実施以前に、陸軍が独自に海軍の暗号を解読し、「米軍に情報が漏れているのではないか」と警告している。にも関らず、「そんなわけはない」と根拠の無い自信で同じ暗号を使い続けた。
今回ゲストで出た田原総一郎のコメント｢総括をしない日本」 が総括している。
一番驚いたのは、日本海軍の緻密な図上演習。すごくよく出来ている。さらに驚いたのは、その図上演習で、敵空母が予想外に早く現れ、演習開始早々に空母２隻（赤城・加賀）が沈没してしまうこと。これは実際に起こったことと同じだ！
この図上演習では、演習のルールを審判役であった宇垣参謀長官が自ら破り、勝手に一隻だけの沈没にしてしまう。なぜなら、空母２隻が沈んでしまったらそれで日本側の敗北が決定的になり、作戦が続けられないからだ。
どうして、作戦の見直しをしなかったか? 実は真珠湾攻撃の図上演習でも空母が２隻沈没する結果となり、当初予定の作戦参加空母を４隻から6隻に増やしている。宇垣のルール変更に同席していた山本長官も異議をとなえなかった。一つには、開戦以来の連勝による「今度も大丈夫だろう」という奢り、もう一つには、山本の「米国の戦力が整う前に、叩きたい」という焦りがあったと言われる。こうして、図上演習で｢敗北」したミッドウェー作戦は見直しされることなく実施された。
さらに驚愕するのは、これだけの大失態を演じた作戦立案者も、現地指揮官であった南雲司令長官も、その上司である山本連合艦隊司令長官も一切責任を問われてないこと。真珠湾での失敗で早々に太平洋艦隊司令長官キンメルを更迭し、28人抜きでニミッツを抜擢した米海軍とは対照的である。海軍中枢のほぼ全員が海軍兵学校卒の中で、国家利益より仲間内の人間関係を優先した結果だ。この傾向は日本の組織に今も続く。
諜報戦にかけては陸軍の方が熱心だったようで、ミッドウェー作戦実施以前に、陸軍が独自に海軍の暗号を解読し、「米軍に情報が漏れているのではないか」と警告している。にも関らず、「そんなわけはない」と根拠の無い自信で同じ暗号を使い続けた。
今回ゲストで出た田原総一郎のコメント｢総括をしない日本」 が総括している。
・作戦重視、情報軽視（作戦ありき←情報は上司の裁可を得るための｢後付」）
・組織の不統一（日本海軍：軍令部⇔連合艦隊)
・山本五十六｢空母を中心とする新しい海戦」を生み出した元祖
・５月１日図上演習→宇垣参謀長官(審判役) 「待て」→ルール変更！
・海軍の暗号は解読されていた→待ち伏せ
米軍おとり電報「ミッドウェーは真水が不足している」→日本軍「AFは真水が不足している」→AFはミッドウェー
陸軍が独自に解読し海軍に警告していたのに変えなかった「根拠のない自信」
・水上飛行機に寄る索敵で雲の下の敵空母部隊に気付かず
・準備万端のミッドウェー基地に対する攻撃は不十分
・ダメージコントロールという発想がない→敗北主義的
・天皇にまで虚偽報告
連合艦隊の編成表には沈没した赤城・飛龍も！
・生還者を隔離し、敗戦を隠蔽
・南雲司令長官→生還 責任問われず！→要職を歴任→１９４４年サイパンで戦死
海軍の指揮官は全員海軍兵学校卒→強い結束力→仲間を守る
・陸軍「戦争規模を再考しなければならない」→「致し方ない」→「国民の精神によって乗り切らねばならない」
・1937以降の特別会計の7割を使って造られた航空母艦を一日で喪失
・日本人らしい技巧的・自己満足的な作戦
2012年12月14日
標語外交との決別
昨日の、岡本行夫氏の記事の続き。
「標語外交との決別」というのが面白い。
・日本は「世界への貢献」だの「アジアと欧米の架け橋」だの、旗印を掲げて何もしない
・中国との「戦略的互恵関係」もそう。互恵と言いながら、中国は自分たちの利益がかかることで、ただの一度も譲ったことはない。
・日本はこうした標語を作ると、思考停止と不作為に陥る。それが最も楽だからだ。
日本中にあふれる「標語」への苦言は本blogでも過去2度に渡って書いている。なるほど、標語を作って、ポーズだけつくり、やった気になるのは「思考停止」以外の何者でもない。
尖閣でも、この「思考停止と不作為」で、中国の宣伝の一方、日本は何もしてこなかった。何もしてなければ、国際世論は「日本は中国の主張を認めているのではないか」という見方になる。
・日本は軍事大国に囲まれ、地政学的に不安定。経済状況も厳しい。
という前提から、岡本氏は安全保障の「教科書的」選択肢を示す。
・どこかの国との同盟
・武装中立
・集団安全保障
集団安全保障は、国連の取り組みが代表的。大国の利害が絡まない、かつ、小規模な紛争解決には効果を発揮しているが、大国の利害が絡んだ紛争には全く無力であることを歴史は示してきた。
武装中立というのは、スイスなどの永世中立国が取っている手法。スイスは国民皆兵制であり、小さな国を針鼠のようにして守っている。重軍備が必要だが、「国防軍」と名称を変えるだけで反対が出るような国では実現のめどは立たない。
従って、「日本はどこかと軍事同盟を組むしか選択肢がない」というのが岡本氏の結論。勿論、これは、岡本氏が外務官僚としておそらく最重視してきた「日米同盟」の追認でもある。「アメリカの犬」と言われようが、「では、対案を示せ！」というのが本音ではないか？（私の推定)
日本で面白いのは、「アメリカの犬」批判をするグループほど、「では、どうやって国を守るのか」の対案がないこと。世界の常識では、「平和＝軍備（でなければ平和が守れない)」だが、日本はその点、ぶっ飛んでいる。それが、いいのか悪いのか。
「標語外交との決別」というのが面白い。
・日本は「世界への貢献」だの「アジアと欧米の架け橋」だの、旗印を掲げて何もしない
・中国との「戦略的互恵関係」もそう。互恵と言いながら、中国は自分たちの利益がかかることで、ただの一度も譲ったことはない。
・日本はこうした標語を作ると、思考停止と不作為に陥る。それが最も楽だからだ。
日本中にあふれる「標語」への苦言は本blogでも過去2度に渡って書いている。なるほど、標語を作って、ポーズだけつくり、やった気になるのは「思考停止」以外の何者でもない。
尖閣でも、この「思考停止と不作為」で、中国の宣伝の一方、日本は何もしてこなかった。何もしてなければ、国際世論は「日本は中国の主張を認めているのではないか」という見方になる。
・日本は軍事大国に囲まれ、地政学的に不安定。経済状況も厳しい。
という前提から、岡本氏は安全保障の「教科書的」選択肢を示す。
・どこかの国との同盟
・武装中立
・集団安全保障
集団安全保障は、国連の取り組みが代表的。大国の利害が絡まない、かつ、小規模な紛争解決には効果を発揮しているが、大国の利害が絡んだ紛争には全く無力であることを歴史は示してきた。
武装中立というのは、スイスなどの永世中立国が取っている手法。スイスは国民皆兵制であり、小さな国を針鼠のようにして守っている。重軍備が必要だが、「国防軍」と名称を変えるだけで反対が出るような国では実現のめどは立たない。
従って、「日本はどこかと軍事同盟を組むしか選択肢がない」というのが岡本氏の結論。勿論、これは、岡本氏が外務官僚としておそらく最重視してきた「日米同盟」の追認でもある。「アメリカの犬」と言われようが、「では、対案を示せ！」というのが本音ではないか？（私の推定)
日本で面白いのは、「アメリカの犬」批判をするグループほど、「では、どうやって国を守るのか」の対案がないこと。世界の常識では、「平和＝軍備（でなければ平和が守れない)」だが、日本はその点、ぶっ飛んでいる。それが、いいのか悪いのか。
2012年12月13日
経済こそパワーの源
12日付讀賣新聞の衆院選特集「対論 外交・安保」は岡本行夫氏と明石康氏。岡本氏のタイトルは、「経済こそパワーの源」。
「アメリカで日本の衆院選が全く関心を呼んでない」らしい。
理由
１．日本の経済力が後退し、存在感が希薄になった
２．選挙結果に関らず、日本は変わるまいとみられている
こういったことは、私もたまに海外に行くと実感する。
・ODA 現在は世界一だった1997年の半分（日本が世界一というのはやりすぎで、その効果検証も必要ですが)
・自由貿易の旗手だったのに、今はTPP交渉に参加すらしてない
・日本だけ防衛費も減り続けている
岡本氏も指摘しているが、「国内だけでやればいい」というのはとても危険。そう思って努力しなくなった途端に民間企業の競争力は落ちる。
大航海時代に先鞭をつけたポルトガルは1755年のリスボン大震災をきっかけに内向きになり、その後、西ヨーロッパの最貧国となった。私のロンドン留学中、寮の掃除をしていたのはポルトガル人のおばさん達。イギリス人のやりたがらない低賃金の汚れ仕事を長年担ったのはポルトガルからの出稼ぎ労働者である。
既に、原発の停止によるLNGの莫大な輸入増で貿易収支は赤字。かろうじて所得収支の黒字で経常収支は黒字を維持しているが、経常収支まで赤字になれば、資金は流出し、国債は国内消化できなくなる。そうなれば、GDP200%を超える国債残高が一体何を意味するか、その時になって分かっても遅い。
「アメリカで日本の衆院選が全く関心を呼んでない」らしい。
理由
１．日本の経済力が後退し、存在感が希薄になった
２．選挙結果に関らず、日本は変わるまいとみられている
こういったことは、私もたまに海外に行くと実感する。
・ODA 現在は世界一だった1997年の半分（日本が世界一というのはやりすぎで、その効果検証も必要ですが)
・自由貿易の旗手だったのに、今はTPP交渉に参加すらしてない
・日本だけ防衛費も減り続けている
岡本氏も指摘しているが、「国内だけでやればいい」というのはとても危険。そう思って努力しなくなった途端に民間企業の競争力は落ちる。
大航海時代に先鞭をつけたポルトガルは1755年のリスボン大震災をきっかけに内向きになり、その後、西ヨーロッパの最貧国となった。私のロンドン留学中、寮の掃除をしていたのはポルトガル人のおばさん達。イギリス人のやりたがらない低賃金の汚れ仕事を長年担ったのはポルトガルからの出稼ぎ労働者である。
既に、原発の停止によるLNGの莫大な輸入増で貿易収支は赤字。かろうじて所得収支の黒字で経常収支は黒字を維持しているが、経常収支まで赤字になれば、資金は流出し、国債は国内消化できなくなる。そうなれば、GDP200%を超える国債残高が一体何を意味するか、その時になって分かっても遅い。
2012年12月12日
Captain Cook
昨日は母の誕生日。誕生日に家に居て祝えたのは30年ぶり。いつもより早く帰宅し、近所の居酒屋へ。一番喜んだのは、帰宅後、孫から掛かってきた電話。（メールで促した
）風呂から出たらやっていたのがBBC地球伝説。キャプテン・クックの話で、丁度、昨年、卒業20周年の同窓会でイギリスに行ったとき、彼の故郷であるYorkshireに寄ったので見てみる。写真は、Whitbyに建つ銅像。カモメの格好のトイレ。
WhitbyにはMuseumもある。学校で習ったのは、「三回の世界航海で、NZを発見し、オーストラリア東海岸の測量をし、両方ともイギリスの領土となった」だが、素晴らしい才能とリーダーシップの持ち主だったことが分かった。
「クックの卓越した航海術により、エンデバー号は巨大なサンゴ礁から抜け出すことに成功し、祖国への帰港も果たす。野菜摂取も考慮した食事管理を徹底させたおかげで、壊血病で命を落とす船員が１人も出なかった。それは当時の常識では到底考えられない偉業であった。」
クックが船員の健康を大事に考えたのは、彼の生い立ちも関係しているだろう。彼は、Yorkshireの雇われ農夫の家に生まれ、17歳から働いている。たまたま職を得たのが港町で、そこで彼は海に憧れ見習い船員となる。数学と天文学を必死で習い、英国海軍に入隊し水兵となる。そこから最後は艦長にまで上り詰めるわけだが、海軍士官学校を出ていない水兵がここまで出世するのは極めて稀。自ら水兵の経験があるからこそ、船員の健康に気を使ったのだろう。
2012年12月11日
讃岐国屏風浦「五岳山」
弘法大師生誕地、善通寺のすぐ裏にあるのが香色山（こうしきざん）。そこから西に連なる5つの山は「五岳山」と呼ばれている。昔は、「讃岐国屏風浦」とも。
日曜日、寒風に時折雪が混じる中、香色山・筆ノ山・我拝師山（がはいしさん）に登山。春から続けている香川大学公開講座「讃岐ジオサイト探訪」の今年度最終回。
五岳山の基盤となっているのは、約8000万年前の花崗岩類。そこに、香色山では流紋岩が、筆ノ山・我拝師山および中山では讃岐岩質安山岩が貫入している火山岩頸となっている。これに対し、火上山（ひあげやま）は讃岐層群起源の凝灰岩類を讃岐岩質安山岩がほぼ水平に覆うキャップロック構造をしている。このため、すべりやすい凝灰岩類をすべり面として、地すべりによる緩斜面を北側に形成している。緩斜面は果樹園として利用されている。
三山を登山し、18000歩。岩場を含む急斜面をよく歩いた。60代中心の一般参加者の健脚に脱帽。
2012年12月10日
焼き豚P
先週のシンポジウム内容紹介のトリは「豚」。
GSM卒業生を代表する起業家の安藤健介社長。食品会社らしからぬ社名の「パイプライン」は、安藤社長の趣味がサーフィンであることから。
一目見て「やんちゃ」だとわかる、その言動。(笑) でも、成功する起業家の一つのパターンなんだよね。例えば、今ではお坊さんのように見える現代の「経営の神様」稲盛和夫氏も、｢子供のときはガキ大将だった」と明かしているし、JAL再生時のエピソードで、「昔のJALの余りにマニュアル通りの対応に、『お前はバカか!』とお絞りをぶつけたことがある」と言っている。(^_^;) 「情熱」がなければ起業はできない。その情熱が向う方向が研鑽によって正しい方向に変わってくればOK。
安藤社長は、入学時には既に「焼き豚で起業する」と決めており、入学早々から、一日も無駄にせず動き出している。「起業したい」といいつつ、「あーでもない、こーでもない」と勉強中を装う｢万年起業家」とは違う。
在学中に製品発売にこぎつけ、その過程で、当時マーケティングを教えていた資生堂出身の西山教授を中心に指導を受けている。目的がハッキリしているとき、何倍もの速さで知識は身に付く。それも学んだことを実践しながらなので、頭で理解するだけでなくて、文字通り、「身に付く」。
となれば、目的意識のないまま半数を超える高校生が大学に進学する事態は全くムダだといえる。米国私立のように、国費を使わないならまだいいが、日本では国立は勿論のこと、私立大学であっても平均で1/3程度は文科省からの運営助成金で賄われている。
やりたいことが決まっている学生が少ないのは普通。それでも、「在学中にやりたいことを見つける」という目的は必要だろう。
2012年12月09日
2012年12月08日
2.5人称の視点
犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 (文春文庫)
今週は、大学の男女共同参画推進室主催で、柳田邦男先生を呼んで「あなたは人生にどんな答えを出すか」と題した全学研修があった。柳田邦男先生といえばノンフィクション作家として有名。「先着290名」とあったので慌てて申し込んだが、行ってみたら医学部のすり鉢状になった臨床講義室には空席が目立ち、肩透かしを食らった感じ。出席者は私と同年輩以上が多く、「柳田邦男も過去の人になりつつあるんだな」と思う。
お年のせいもあるのか、元々なのか、淡々と話される。講演者としては、正直、物足りなかった。内容は、『犠牲(サクリファイス)』に書かれたご自身の次男の自殺体験、『声に出せない あ･か･さ･た・な』の天畠大輔、『末来につなぐいのち』の藤野高明、『夜と霧』のV.E.フランクル、 『福島、飯館 それでも世界は美しい』の小林麻里、『雪とパイナップル』の鎌田實、『臨床の知とは何か』の中村雄三郎、『生命ある限り』のE.キュプラー・ロスの紹介など本の紹介が多かった。
医学部関係者をメインに対象としていたので、「2.5人称の視点」ということが結論？これは、
1人称 自らの死
2人称 親しい人の死
3人称 専門家として関る他人の死
として、「専門家（3人称）として、専門性、冷静さ、豊かな経験が大切だが、患者(1人称）、家族（2人称)の心情を慮ることも大事」である、ということ。
乾いた3人称の視点→潤いのある2.5人称の視点
2012年12月07日
「対話による協働」で創造性を引き出す
月曜日のシンポジウムに戻る。
パネリストとしてKSB加藤社長にご登場いただいたが、加藤社長が現在熱心に取り組まれているのが、「対話による協働」で創造性を引き出すこと。詳しくは、リンク先の44pにある記事を見ていただきたいのだが、加藤社長が1991年に高松に戻ってきて経営に参加してから20年の取り組みの歴史を見ると興味深い。
１．｢見える化」など経営基盤の整備
オペレーション改善で生産性向上
２．「プロブレム・ゴール・モデル」(すごい会議)を導入
縦横の序列を排除して、部門間や人と人の結節部分を強化し、収益向上
３．「対話による協働」で創造性
演劇ワークショップなど
「基本」が出来てないところに、一足飛びにレベルの高いことをやろうとしてもダメ。当たり前のことが当たり前に出来るようになってから、共通の目標に向って戦える組織をつくり、さらに今、個々の社員の能力を伸ばしている。
KSBは全国の地方放送局の中でもトップクラスの収益力らしい。縮小する市場の中で確実にシェアを伸ばしており、今後の展開が楽しみである。
３．「対話による協働」で創造性
演劇ワークショップなど
「基本」が出来てないところに、一足飛びにレベルの高いことをやろうとしてもダメ。当たり前のことが当たり前に出来るようになってから、共通の目標に向って戦える組織をつくり、さらに今、個々の社員の能力を伸ばしている。
KSBは全国の地方放送局の中でもトップクラスの収益力らしい。縮小する市場の中で確実にシェアを伸ばしており、今後の展開が楽しみである。
2012年12月06日
ベンチャー政策はどこに？
昨日の讀賣新聞に出ていた河野龍太郎氏の意見に共感。記事のURLを探したが、出てないようなので以下に要点をまとめる。
・デフレが低成長を引き起こしているのではなく、低成長の結果がデフレ
・成長率80年代4.2%→90年代1.3%→2000年代0.6%
・潜在成長率も大幅に低下
・金融財政政策の本質は、所得の先食い、需要の前倒し
・マクロ安定化策だけで豊かになった国はない
・構造問題の解決が必要だが解決には時間
・問題先送りで、金融財政政策で対応したため事態悪化
・マクロ政策は新たな付加価値を生み出さないし、構造問題解決にもならない
・付加価値の源泉は労働力、物的資本、技術革新の三つ
・技術革新のない社会で労働力が減ると、資本は過剰になり資本収益率が低下→設備投資減
・労働力不足には高齢者や女性の活用積極化すべき
・移民の検討
＜成長戦略＞
・TPP参加不可欠→外需取り込み＋規制改革→技術革新
・所得収支の重視→国内貯蓄をより収益率の高い投資へ有効活用(今は金融機関を通じ、国債消化)
・低成長時代に対応した社会保障制度、財政改革
・今の社会保障は高度成長末期に作られた「大盤振る舞い」型
・将来世代の犠牲で成り立つ異常な状況
・低成長時代に入ったことを認めたくない社会とリンク
・積極的な政策でデフレから脱却できても低成長率は変わらず、実質購買力が下がるだけ
・金融政策が問題解決の決定打ではない
・潜在成長力の引き上げが重要
以上、何も難しいことはなく、経済学の教科書どおり。シュンペーターが丁度100年前に『経済発展の理論』(1912)で明らかにし、その正しさは歴史が証明してきた。
河野氏の＜成長戦略＞に一つ付け加えたい。それは、「ベンチャー政策」だ。技術革新の担い手の主役はベンチャー企業である。米国では技術革新の大半をベンチャー企業が担っているという調査もある。実際、米国食品医薬品局（FDA）の新薬承認件数をみれば、2004 年以降、
ところが、今回の選挙における各党の政策を見ても、ベンチャーのべの字も見当たらない。これでどうやって、技術革新を起こすのか？iPS細胞のように 有望な技術に毎年100億円政府が研究助成するのも必要。でも、その技術は製品開発されて「商品」とならなければ、投入された税金は永遠に回収されない。それを担うのはベンチャー企業である。
2012年12月05日
うどんが回る空港
高松空港に着いて、荷物を待っていると、そこに現れるのがうどん！
ご丁寧に、天ぷらうどんときつねうどん。それに、なぜか固定されている釜玉うどん。乗客に大うけのこのアイデアを考えたのが、月曜日の「地域振興と人材マネジメント」シンポジウムのパネリストのお一人である、高松空港ビル株式会社の山下社長。
大学卒業後、県庁で定年まで勤められた後、こちらへ。その名のとおり、高松空港の発着ターミナルを運営する会社で、出資者は香川県、高松市、全日本空輸株式会社、日本航空株式会社、株式会社日本政策投資銀行、 株式会社百十四銀行、他57名、ということは今回まで知らなかった。
実は、これは、手荷物受取所のベルトコンベアを回転寿司のベルトコンベアに見立て、鮨を流している大分空港のことを知っていた山下社長が、社長になって最初にやったこと。釜玉が固定されているのは、これは陶器製で、最初荷物と一緒に流したら、「2週間で割れてしまった」ため。現在固定されているのは2代目だそうだ。
2012年12月04日
「地域振興と人材マネジメント」シンポジウム
4月にGSMに入ってから初めて、私が担当でシンポジウム開催。「地域振興と人材マネジメント」と題し、ファミリービジネス研究所（FBI)及び、昨年設立されたGSM同窓会との共同開催。
基調講演は、FBIの青井倫一先生（慶応ビジネススクール教授→明治大学ビジネススクール教授）と、大澤真先生（日銀→PwC)にお願いした。
後半のパネルディスカッションは、地元KSB瀬戸内海放送の加藤社長、GSM4期生で起業家として活躍中の「
月初の月曜日、それも夕方5時からという厳しい時間設定にも関らず、80名を超える方に参加いただき感激。内容については、追って追記します。
2012年12月03日
RPGが育てた新世代経営者
25歳で最年少上場した村上社長については、沢山報道されている。インタビューを読んでいて、「確かに違う」と思うのだが、どうしてこういう経営者が現れたか？という研究者の観点で見て、面白い点がいくつか。
・両親双方の祖父が経営者
この点は、｢普通」 事業家は事業家の家に生まれて、経営が何かを見ながら育つ。
・小中学生のときにドラクエにハマル
レベルを９９まで上げて、最終画面クリア！しかし、その時感じたのは｢虚しさ」だったという。｢リアルを変えるほうが面白い」と気付き、それからは「早く会社をやりたくて仕方なかった」らしい。
・「教授も人の子ですから」
早稲田に進学した村上社長は、大学のビジネスプランコンテストに応募して優勝する。「早稲田のビジネスプランコンテスト優勝」というブランドと、「1年間学内のインキュベーション施設無料使用」という特典を獲得するため、村上社長はコンテスト審査員の先生の授業には、全て最前列の真ん中に座り、必ず最初に質問したという。「教授も人の子ですから」
「志X戦略X戦術」の三拍子が揃った類稀なる経営者。私は、特にドラクエに注目した。
ドラクエに代表されるRPGは、いわば、人生の疑似体験が出来る。目標に向って戦略を立て、戦術も磨かなければ勝てないのはビジネスも同じ。しかも、｢やり直しがきく」ことも教えてくれる。失敗しても、気を取り直して、又やればいいのだ。これが起業へのハードルを下げてくれる。
早い時期にこうしたゲームに熱中するのは経営者教育として悪くない気がする。しかし、ゲーム好きが皆経営者になるわけではない。
分かれ道は、それを極めたとき、村上社長のように、「虚しい」と感じて離れるか、大人になってもドップリつかってやり続けているか、にある。そこには、元々持っていた「資質」、村上社長の場合で言えば、事業家の家に生まれて、小さい頃から教え込まれてきた｢教育」の影響が大きい。
2012年12月02日
営業は断ることから
先週の四国経済事情のゲスト講師は、日プラの敷山専務。創業社長の息子さんである。社長は79歳にして未だ現役。
世界一の水族館用水槽会社として有名。モンテレーも、美ら海も、旭山動物園も、水槽は全てここが作った。単に、受注して水槽を作るだけでなく、水槽をどうデザインするか、果ては、水族館経営をどうするかまで提案できるのが強みとなっている。旭山で人気を博した｢水中トンネル」も日プラからの提案である。
何しろ、発注側は殆どが始めて水族館をつくるわけだが、日プラはこれまで世界中で何十という水族館をつくってきている。
・営業は「待ち」のスタイル
・だが、一度問い合わせがあれば、世界中どこへでも出かけていく
・これまで水族館をつくったことが無い大陸は南極大陸だけ
・大半のケースでは、発注側の計画がよく練れてないので、「そんなのでは作ってもうまく行かない」と断る
・話し合いの結果、規模を縮小したり、逆に大きくしたり、あるいは計画を中止したり
・「日プラのやった水族館が潰れた」というのがよくないので、開館後の採算まで考えて提案する
・世界には500-600の水族館があり、その半数は日米で占める
・日本に約１００館、米国に１５０館
・欧州人は海に関心が薄く、水族館は少ない
・水族館をつくるのは豊かな国
・現在、水族館ラッシュなのは中国
・中国経済はバブルだと思うので慎重にやっている
・特に、日本との緊張が高まり、日本企業が部品の輸出を絞ったり、現地工場を閉鎖し雇用が減ると｢負のスパイラル」に陥る可能性がある
・そのことは中国政府首脳も分かっているので、反日デモを許しても、途中で押さえにかかる
・世界の家電市場で圧勝しているのはサムソン
・未だに｢日本製の方がいい」と思っているのは日本人だけ
・そのサムソンでも部品の多くは日本製
・結局、日中韓が仲良くするのがお互いの国益
会社の今後については、
・水族館が大型化して、一件あたりの金額が大きく、業績がぶれる
・このため、年間を通して安定的に売れるアクリル商品を開発したい
とのことでした。
2012年12月01日
伊能忠敬 “日本”を知らしめた男
木曜日に帰宅したら、NHK「BS歴史館」で「伊能忠敬 “日本”を知らしめた男」をやっていた。夕飯を食べながら見入ってしまう。
「江戸後期、５６歳の隠居が測量の旅に出て、全国を１７年かけて歩き回り、初の実測日本地図を作った」というのは誰もが学校で習って知っているだろうが、今回知ったのは以下の点。
・測量を始めたきっかけは、｢地球の大きさを測りたい」と思ったから
・江戸時代、自由に｢他国＝違う藩」に行くことは出来ないので、幕府に｢蝦夷地測量」を申し出る
・当時の幕府はロシア船の蝦夷侵入に困っており、期待しないまでも｢試しに」と許可を出す
・江戸から北海道まで歩き、現地の測量を実施するが、その膨大な費用の8割は自費だった
・当初、56歳の隠居に何が出来ると懐疑的だった幕府だが、出来上がった地図の精密さに驚く
・そこで、全国地図を作らせることを決め、幕臣に取り立てて、幕府の直轄事業となる
・以後、全国の諸藩に協力を求め、大測量事業を展開する
・出来上がった全国地図は幕府の最高機密となるが、徐々に流出
特に注目したのは、シーボルトやペリーがその地図の出来栄えに驚き、日本が植民地化を免れた一因になっていることである。｢これほど科学技術が発達した国を武力で征服するのは簡単ではない。交易したほうが得策。」となったわけだ。一隠居の情熱が国を救った
「地図をつくるには数学や天体観測技術、地球の自転に対する理解など先端知識が必要。このため、ペリーは正確な地図がつくれるのは文明の進んだ西洋の数カ国に限られると思っていた。」
見逃した方は、来週金曜日午後8時〜再放送。
