2012年08月
2012年08月31日
Mothers≠成長企業
とある東証マザーズ上場企業の株主総会に参加。出席株主は1000人余りの株主のうち15名程度。
この会社、6年前に上場。多くの新規上場企業と同様、この会社も上場したときの業績が最高で、それ以降低迷。当然、株価も低迷している。
PBR0.5、自己資本比率67%、配当利回りは3%あるので、今から配当目的で買うにはよいかもしれない。今回は役員改選だったので、質問した。
「大半の役員の持ち株数が私より少ない。ゼロという人もいる。役員は現状の株価が安いと思ってないのか？」
本当は、たった数百万円分の自社株も買わないくせに、低迷する業績のなかでのうのうと役員報酬をとっている役員に直接回答してもらいたかったが、社長が代表して答えてしまった。
「インサイダー取引との関係もあり、買うタイミングが難しい。上場してから外部から招聘した役員も多く、取得は自主性に任せている。」
前半は言い訳にしか過ぎない。その気があれば、役員持ち株会にするなり、タイミングを分散して買うなり、幾らでも方法はある。社長が一言、「株主への責任として、100万円分くらいは買ってください」と言えば済むことだ。
ここの会社は、上場企業としては珍しく、社長個人で今も過半数の株式を保有するオーナー社長。社長の権力は絶大で、いつまでたっても他の役員が自社株を持たないのは、「うちは社長の会社」という意識があるように思う。役員がそういう意識なら、社員の意識は推して知るべし。
そういう会社では、「社長の能力＝会社の成長の限界」になってしまうので、この体制でこれ以上会社が伸びることはないだろう。
新興市場上場企業のオーナー社長持ち株比率は、低すぎるのもよくないが（低ければオーナー社長といわないが）、高すぎるのも他の役員が育たず、業績が伸び悩む原因になる気がする。そういった研究があるのかどうか、調べてみたい。
2012年08月30日
21世紀のキャリア論
21世紀のキャリア論―想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア (BEST SOLUTION)
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厳しいけど、その通り。一方、「極めれば」、市場が世界に広がっている分、巨額報酬が得やすい、というメリットもある。二極化しているよね。
・21世紀のキャリア環境
�〜枋螻以儔�
�∪賁臉�の細分化深化
・会社任せではなく、自分で人生を切り開く「キャリア自律」
�〔槁犬茲蟒�慣
大体の方向性のみで、正しいと思うことをその都度やり遂げる
��普遍性の高い学び
一つの分野の専門性を深堀して学ぶ際も、原理原則、基礎理論、歴史的背景にまで戻って、腹落ちするまで学ぶ
�Ｌ棲里併纏�観
・仕事はやりがいなどの心理的な報酬が得られるものという「内因的仕事観」
・金銭や地位のために仕事をするという「功利的仕事観」
・仕事は他人のためにするものという「規範的仕事観」
昔と今では求められる専門性のレベルが違うので、昔のように頻繁なローテーションをすれば、何の専門性もないジェネラリスト集団になってしまう2012年08月29日
年輪経営
先週の「カンブリア宮殿」は「かんてんぱぱ」で有名な伊那食品の塚越会長。
年輪経営とは、「急成長を目指すことなく、地道に少しずつ成長を続けるやり方」ということ。
�’笋蠅垢�ない（直営店のみでの販売）
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昨年の売上高は173億円。寒天の国内シェアは実に80％を誇る業界No.1企業であることを背景に、終身雇用と年功序列を維持。様々な手当てがあり、福利厚生も充実しているよう。
番組に出てきた社員は異口同音に、「会社のおかげ」だという。
社員がこれだけ会社に感謝の念を持っていれば、当然、会社の業績にも結び付きそうだ。実際、48期連続の増収。
実際、塚越会長は、
「自分達が恵まれているとか、ありがたいと思ってもらわなくてはダメ」
だという。
「社員のため」と頑張っても、「社員が理解してくれない」という経営者は多いだろう。福利厚生も、最初はありがたいと思われても、間もなく「当たり前」に思ってしまうのが人の常。今話題の年金だって、導入されたときは、「ありがたい」と大歓迎だったが、今では「貰えるのが当たり前」。
ここをどう意識づけているのか、もっと聞きたかった。
2012年08月28日
リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる
リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる はじめて部下を持った君に贈る62の言葉
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なるほど、これは実践的。昔、読んでおけばよかった。
・仕事をするうえで一番大事なことは、「気を付けるべきことと、その優先順位」を間違えないこと
まず何より大事なのは、自分自身を成長させること
次いで、自分の上司、部下、同僚・他部署、外部の取引先の順で大切にする
・自分の一つ先のポジションにいる人を基準にして、自分を鍛える
・上司として新しい部署に行くときには、まず目標を作る
部下のやる気に火をつけるような夢があってかつシンプルで具体的なもの
・部下一人一人と対話することを通じ、個々の人間性や能力を見極める
・部下に指示を出したら、一番下まで伝わったか確認する
・部下に指示するときは、その内容を復唱させた後、要点を質問する
・効率よく部下を育てるには、部下のうち成績が上位50%の人材を伸ばすことに注力する
下位50%の人は上位50%の人の仕事をサポートする
・部下に毎週、「今週の成果と反省点」と「それらを踏まえた来週の課題と目標」を書かせ、それを回覧する
・上司や部下の「観察ノート」をつける
漫然とやっていて成果が上がるわけがない2012年08月27日
老舗の凋落
昨晩は名古屋から友人一家が来高。先日、名古屋で少し時間があったので何年振りかで連絡したところ、運よく会えた。「うどん食べにおいでよ」といつも通り言ったら、本人よりご家族が反応して、早期の実現となった。
夜来て困るのは、うどん屋の選択。うどんを食べさせたいが、大半のうどん屋は昼しかやってない。県外の人は、うどん県人は朝昼晩とうどんを食べていると思っているらしく（そんなことしたら確実に糖尿病だ!）、 「いくらでもあるんでしょ」と期待される。
それで、結局、ホテル近くの老舗へ。 ここはフルサービス店で、来客があるとき時々昼に行くところ。
「看板のざる」の艶はいいのだが、サービスが滅茶苦茶。昼行くときは混んでいてそれほど感じないのだが、お店のサービスレベルは空いている時にこそ顕著になると思う。昔、中国に行くと、店員が顧客そっちのけでおしゃべりをしていた。
・最初の飲み物が出てこない（飲み物だけ先に出せばいいのに、セットのつまみと一緒に出すために待たせる）
・次の皿が出たとき、その皿で、前の皿を押して置いた（おかげで、更にその皿に押されたグラスが倒れるところだった）
・帰りの電車の時間があり、それに合わせて〆のうどんを出すように頼んだのに、出てこない（店員間で意思疎通が出来ていない）
という体たらく。これでは、昔、ここをよく利用したという大平総理も嘆くというものだ。
老舗も気が緩めば坂道を転げ落ちるのは早い。経営者は、「ライバルに客を取られて『悔しい』と思わなくなったら引退するべきだ」と言われるが、ここもその状態かもしれない。店員はベテラン風の方ばかりであった。
2012年08月26日
南草津
1994年に開業した東海道本線の新しい駅。昨年からは「新快速」も停車するようになった。
「開業時はまだ周囲は休耕田が広がっていただけ」らしいが、今では一日の平均乗車人員が23,000人。駅周辺には高層住宅が立ち並び、風景が一変。
立命館に行くバス便が一番便利な駅だが、これまでホテルが無かった。しかたなく、普通しか止まらない瀬田駅の古びたビジネスホテルに泊まることが多かったのだが、この春、ついに南草津駅前にビジネスホテルが開業。今回泊まってみた。シンプル&モダンでいい感じでした。
これから、高松に戻ります。
2012年08月25日
日本資本主義の父
渋沢栄一〈1〉算盤篇
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500もの企業の創立に関わり、「日本資本主義の父」とされる渋沢栄一。ドラッカーも、「渋沢は、ヨーロッパのシステムを、既に存在していた日本のシステムに、うまく適合させた。実にユニークなことだし、そのようなことを成し遂げた国や人々はほかに存在しない」 と言っている。
本書は、「なぜ、渋沢だけが資本主義のシステムを理解できたのか? 」を渋沢の生涯を振り返りながら考える大著。読んでみると、この体力、半端じゃない。それを世のため人のために使うかどうかなんだけど、やはり体力要るな（反省）。
��24:サンシモン主義の成果のお披露目が1867年パリ万博
��357:妻妾同居＋愛人
家長のより良き子孫を残すための「合理的システム」
二人の正妻との間に29年の開きを以って子を成す
四男＝52歳の時の子
��146:ワシントン軍縮会議＝外圧こそ、日本を武士（軍人）の支配する国から町人（民間人）が主導権を持つ民主国家に転換するチャンス
中国問題の解決→日米関係正常化
��396:渋沢家法制定
・家法→渋沢家の境界の設定＝非摘出系の排除
・家訓
2012年08月24日
韓国は日本人がつくった
韓国は日本人がつくった―朝鮮総督府の隠された真実
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韓国との外交、スゴイ状況になってますね。今まで、「大人の対応」ということで、韓国に言われるたびに少しずつ譲歩してきた歴史がありますから、両国の将来のためには一度徹底的にやった方がいいのかもしれません。これまでの誤魔化しの先に、真の理解はないでしょう。
こういう報道がされると、いつも思い出すのが延世大学国際問題大学院交換留学時代のことです。ここは英語で授業をやっていて、そのため来ている学生も、1/3が親が財閥重役だったり外交官の韓国人帰国子女、1/3が自分のルーツ探しに来ている韓国系アメリカ人、残りが私も含め韓国に何らかの興味を持った世界各国から来た外国人でした。
なので、「反日」以外口にすることのできない韓国の一般社会とは少し違った雰囲気でした。日本から客員教授で来ていた女性教授が居て、朝鮮併合中の経済の研究をされていました。その研究の結果を授業でも教えていたのですが、上記リンクにもある通り、平均寿命が24歳から45歳にまで伸び人口が増えたという事実や、それまでに存在しなかった鉄道や水道などのインフラ整備の事実を教えていただいた。
まえがき： 日帝36年「七奪」 主権・国王・人命・国語・姓氏・土地・資源
反日を叫んでいるのは日本統治時代を知る世代より、若いハングル世代
中国「高句麗史と渤海史は中国の地方史」・・・韓国から反論なし
朝鮮戦争における中国人民義勇軍の朝鮮半島蹂躙・・・中国「謝罪の必要はない」
379:朝鮮総督府と総督府時代から戦後を通じて現在までの100年来、日本から半島へ移転した資本と技術、そのなかで残してきたインフラ建設や最先端技術など
167:近代医療制度の普及で死亡率が激減
44:朝鮮は両班を中心とする階級社会
1000年以上にわたって宗主国への貢女と宦官の献上
「李朝朝鮮は毎年、宮廷慰安婦として美女3000人を供出」シャルル・ダレ『朝鮮事情』
16:朝鮮は中華帝国の属国であった
下関条約（1895)第一条 清国からの朝鮮の独立
日清戦争 福沢諭吉・内村鑑三 「義戦」＝朝鮮の清からの独立
中国朝鮮商民水陸貿易章程(1882)
「古代から属国であるので、清国政府との全ての問題における交通の規範は固定されており」
149:新羅朝以来の朝廷の内訌を止揚
2012年08月23日
近代中国は日本がつくった
近代中国は日本がつくった―日清戦争以降、日本が中国に残した莫大な遺産
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魯迅がらみで、こんな本も読んでみました。歴史の「if」は難しいですが、仮に日本が大陸進出をしなければ、当時の情勢からいって、中国は欧米諸国が分割統治する植民地になっていた可能性が高いのでは。そして、欧米植民地経営の特徴は資源の供給源とすることなので、産業に投資したかは疑問。とすると、近代化は少なくとも遅れ、下手をすると未だに植民地であった可能性もある。
私の知る限り、英国が植民地支配を謝罪したことはないと思うし、経済的結びつきが薄れた今も社会的・文化的ネットワークとして英連邦を形成する。その違いは何なのか？植民地経営の経験と巧妙さ？
日清戦争以降、日本が中国に残した膨大な遺産
中国の反日プロパガンダを拡散する「反日日本人」=進歩的学者
虐殺・三光＝中国の伝統的戦争文化
18c以降の中国の近代史＝内戦、内乱、内訌
「日本なしでは中国の近代化はあり得なかった」
84:中華民国は日本留学経験者がつくった
明治維新という大改革に成功し、富国強兵で清国まで打ち破った日本の近代化成功の秘訣を学ぶ
共産党 1921/7創立大会 正式代表6/12 が日本留学生
国民党一中全会のため選出された大会主席団員5名全員が日本留学生
379:重慶軍と共産軍による戦後日本の「遺産」争奪戦
最大＝満州の近代産業→戦後中国の重工業を支える（9割）
2012年08月22日
たねや
先週の「カンブリア宮殿」はたねや。私がたねやを初めて訪問したのは6年前。近江商人発祥の地を見ようと訪れた近江八幡で偶然お店を見つけ（神社の参道にある）、たねやでお茶をして、向かいの洋菓子屋CLUB HARIEでバームクーヘンを食べた。当時から、既に「行列のできる店」
番組を見て納得。これほどの後継者を得た（育てた）会社は凄い。4代目の現社長は幼少のころから店の手伝いをし（当時はまだ「家業」レベル）、中学を出るとすぐに和菓子の修行に入る。24歳の時、全国和菓子大博覧会にて最高賞を歴代最年少で受賞という、筋金入りの和菓子職人である。
山本社長が本当にスゴイのはそこから。良い職人が良い経営者になるとは限らず、むしろ、職人としての頑固さが経営に悪影響を及ぼす場合も多い。しかし、山本社長は、職人としての頑固さと、経営者としての柔軟さを合わせもっているように見える。本人曰く、新しい物好きで、「流行っているものは全て見に行く」という。勿論、ただ見に行っているだけでなく、「どうしてこれが流行っているのか」を考えることが大事なのだ。
こうして、和菓子職人として頂点を極めてからの15年間で売上は4倍近くになり、200億円に迫っている。 従業員1550人までになっているが、工場は本社だけ。店に飾る草花まで本社から全国配送。「近江が大好きで、近江にこだわりたい」という。
「老舗とは継続すること」
「伝統と革新の微妙なバランス」
この夏も仕事で草津に行くので、久しぶりに訪れてみたい。
2012年08月21日
魯迅と日本
魯迅と仙台―東北大学留学百周年
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東北大学で魯迅像と会い、懐かしくなったので、小説を読み直してみた。読んだのは、高校の教科書で初めて読んだ『故郷』と、仙台医科専門学校が舞台の『藤野先生』
『故郷』（1921)では、幼馴染と30年ぶりに再会した主人公が、こちらは分け隔てなく昔話をしたかったのに、「旦那様!」と呼ばれてしまう。
「母と僕は彼の暮らしぶりに溜め息をついた − 子だくさん、 飢饉、重税、兵隊、盗賊、役人、地主、そのすべてが彼を苦しめ木偶人にしてしまったのだ。」
そして、有名なエンディング。
「僕は考えた − 希望とは本来あるともいえないし、ないとも言えない。これはちょうど地上の道のようなもの、実は地上に本来道はないが、歩く人が多くなると、道が出来るのだ。」
当時の中国の旧制度、旧道徳の病根を描いた魯迅の面目躍如といったところ。
一方、『藤野先生』で驚くのは、清国留学生の厚遇ぶり。仙台に「中国の学生はまだいなかった」せいもあるのだろうが、「学校は学費と取ろうとせず、二、三人の職員が僕の食事や下宿の世話までしてくれた」という。
そこで解剖学を藤野厳九郎先生に教わり、先生に大変目をかけてもらうことになる。1.5年後、中国文化の改革の必要性を痛感して、医学校を辞めることにした魯迅を藤野先生は大変残念がり、「惜別」と書いた自分の肖像写真を魯迅に渡す。
この写真は、魯迅の書斎の机の真向かいに生涯掲げられていたという。
2012年08月20日
交渉術
交渉術
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面白い。これが本当だとすると、佐藤氏が当時有力政治家であった鈴木宗男氏と画策した「北方四島返還」はかなり現実味を帯びていたことになる。もう一歩、というところで、橋本龍太郎の自民党が選挙で惨敗し、相手側のエリツィン大統領も健康を害して政治力が弱くなってしまった。
英雄と国賊は紙一重だ。大きな仕事をやろうとすれば、一筋縄ではいかない。それを許すのかどうか、国民の度量と、知恵が試される。 後ろ盾の政治力が弱くなったため、結局、「外務省の内部抗争で敗北した」ということなのか。
19:交渉術はユダヤ・キリスト教文化圏の思考様式と表裏一体
ヤーウェと呼ばれるユダヤ教・キリスト教共通の神
嫉妬深く、怒り狂うのが趣味→皆殺し・破壊
「自分で創ったものだから自分で壊しても構わない」
預言者が出てきて神と交渉
36:（終戦交渉）
東京の外務省では、東郷茂徳外務大臣を中心にソ連を仲介者とする和平工作
⇔宮川船夫ハルビン総領事「近日中にソ連は参戦」→抑留され死亡（外交官・国際法無視）
1945/4 在留邦人の帰国に協力し、信用させる
37:動物行動学
・群れを作る習性
・sex partnerを獲得するための技法や闘争
392:外交官としてやりたかったこと
・北方四島を日本に取り戻す
・外務省に国際水準の対外インテリジェンス機関を作る
→欲望研究の専門家
393:日本人は政治家の底力を軽視する→交渉能力を弱めている
腹の底で政治家をバカにしていた学校秀才型のキャリア官僚が総理や閣僚級の政治家のカリスマに触れ、政治家に心酔する。
396:グレナジー・ブルブリス元ロシア国務長官
�［鮖砲鬚茲�勉強しろ。現在起こっていること、また、近未来に起こることは、必ず過去によく似た歴史のひな型がある。それを押えておけば、情報分析を誤ることはない。
�⊃祐峺Φ罎鯊佞襪福�その人間の心理をよく観察せよ。特に、嫉妬、私怨についての調査を怠るな。
2012年08月19日
日本最初の水力発電所
仙台には「日本水力発電発祥の地」がある。それが、三居沢発電所で今も現役で活躍中。仙台市が運営している乗り降り自由な観光バスるーぷる仙台のルートにも入っているし、隣が市バスの車庫でもあるので車が無くても簡単に行ける。（以下、リンクを張った「産業技術遺産」サイトより）
１８８８（明治２１）年７月１日、三居沢にあった宮城紡績会社が、紡績機用の水車を利用して、日本で最初の水力発電による電灯のあかりを点しました。のち「三居沢発電所」は、「仙台市電気部」、「東北配電株式会社」などを経て、１９５１（昭和２６）年、東北電力株式会社に継承され、現在もなお最大出力１０００ｋＷで運転を続けています。 現在の「三居沢発電所」は１９０８（明治４１）年竣工、１９０９（明治４２）年５月に運転を開始しました。（第３号）
今もシーメンスの1000kw発電機が現役で動いてる。FITの対象となる水力発電は、3万キロワット以下の「中小水力」であるが、買取側の東北電力が運営しているので関係ない。1000キロワット以上3万キロワット未満で24円（税抜き、以下同様）、200キロワット以上1000キロワット未満で29円、200キロワット未満で34円と規模により3段階あり、期間は20年である。
稼働率が低く当てにならない風力や太陽光よりも、安定している水力発電は多雨の日本に向いている。開発余地はありそうだ。
2012年08月18日
終戦 なぜ早く決められなかったのか
帰京。旅行中、本も読もうと思って何冊か持って行ったが、会食やらスパに入ってビールを飲んだりで、夜はついTVに。丁度終戦記念日であり、恒例のNスぺを見る。毎年のことでマンネリになりつつある印象だったが、今年のは面白かった。
「日本はソ連の対日参戦を早い時期から察知しながらソ連に接近していた」 というのである。これまでの通説は、「日本は、ソ連が対日参戦を決断していたにもかかわらず、愚かにもソ連に接近しようとした」であった。
ところが、最近発見された英国公文書館の資料で明らかになったのは、昭和20年2月のヤルタ会談の内容（ソ連の対日参戦）を知ったストックホルムの陸軍武官が大本営に報告していた、というのである。日本側の資料には残ってないようだが（終戦時に資料焼却命令が出ている）、この報告は英国諜報部に傍受され、暗号解読されて英国側の資料には残っていた、というわけだ。
英米と戦って追い込まれている日本が講和の仲介役を頼もうとしたソ連。そのソ連が既に対日参戦を決めているとなれば、万事休す。この時期には軍幹部も戦争継続が無理なことを承知していた。となれば、「国体護持」だけを条件に降伏するしかない。
そんな重大情報だったのに、ナント、大本営作戦部が握りつぶしてしまったらしい。それは、大本営の作戦では、「米に一撃を与えたのち（一撃論）、ソ連を仲介になるべく有利な講和条約を結ぶ」であった。ところが、「ソ連が対日参戦を決めた」となれば、そのシナリオが崩れてしまい、「軍部が言ってきたことは間違いだった」となる。それを避けるために、不利な情報を内閣に上げなかった。
また同時期、後にCIA長官となるダレスが、ソ連の動きに不信感を持ち、「和平交渉に応じてもいい」と手を差し伸べてきた。この情報はやはりスイス駐在武官からもたらされたが、外務省は「こんなの謀略だ」と一蹴している。当時の外務官僚の証言によれば、「外交の専門である我々以外のところから重大情報がもたらされたとなれば、メンツに関わるから」という理由で、一考だにされなかったようだ。
「国家存亡の危機を前にしながらも、自己の権限の中に逃避し、決定責任を回避しあっていた指導者の実態」（NHK)ということだ。太平洋戦争での犠牲者310万人のうち9割は最後の一年で死んでいる。降伏の決断があと半年早かったなら、東京大空襲も、原爆も、満州での蹂躙も無かった。
「戦後の教育はダメだ。リーダーが育たない。」という声は根強いが、戦前の教育もどうだったのか? という気がしてくる。教育だけの問題でなく、民族性の問題なのだろうか。
2012年08月17日
仙台での魯迅
FBを見ている皆さんにはバレバレの通り、一昨日から仙台に来ている。宿泊で来るのは初めて。初日は東北大学に転職した旧友を訪問。この旧友、中国の農村部の出身。幼少のころから、「とにかく勉強しかしたことが無かった」という。それだけ勉強しなければ農村出身者が都会の「重点大学」に入ることは不可能なのだそうだ。努力の甲斐あって、日本のロータリー奨学金を得て京大で博士号を取得し、以後、日本の大学で教えている。
東北大学で真っ先に案内されたのが、魯迅像。この日は大学の一斉休暇の日で見学できなかったが、魯迅記念展示室が昨年開設されている。
魯迅は、1904年（明治37）秋、医学の道を志し、東北大学の前身である「仙台医学専門学校」に入学。（本名：周樹人）。在学中に「文学」の道を進むことを決心し、1.5年後にはこの地を去るのだが、彼がのちに作家「魯迅」として執筆した短編小説「藤野先生」には、異郷の地仙台での学生生活、文学への転向を決意する彼の心の動きが、ひとりの教師との交流を素材として綴られている。
「私の講義は、筆記できますか」と彼は尋ねた。
「少しできます」
「持ってきて見せなさい」
私は筆記したノートを差出した。彼は、受け取って、一、二日してから返してくれた。そして、今後毎週持ってきてみせるように、と言った。持ち帰って開いてみたとき、私はびっくりした。そして同時に、ある種の不安と感激とに襲われた。私のノートは、はじめから終わりまで、全部朱筆で添削してあった。（「藤野先生」より）
魯迅をはじめ、 「中国革命の父」孫文も、蒋介石も、汪兆銘も、周恩来も、皆、日本留学組だ。日本留学が無ければ、辛亥革命は無かったかもしれない。『近代中国は日本がつくった』ともいえるのに、その後の対立は残念だ。
2012年08月16日
だから損する日本人
ユダヤ人国際弁護士が斬る！ だから損する日本人
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京都生まれで、京大を首席卒業。通産省を経て、弁護士になったという著者。2007年にユダヤ教に改宗して、ユダヤ人になっている。スウェーデン在住。
私の同級生のイギリス人も、Oxford同級生のユダヤ人と結婚したのを機に、ユダヤ教に改宗した。そう簡単なことでなく、2年間くらいかけてユダヤ教の歴史や『ヘブライ聖書』を司祭について勉強し、難関の試験を通らないとユダヤ人になれないらしい。
その著者が書いたこの本。結構手軽に書かれていて、「そりゃ違うだろ」という個所も多いが、以下の指摘などは興味深い。
・ユダヤ人は『ヘブライ聖書』の基本精神に従い、ハウツーに頼らない。欧米やイスラムでも、聖書、コーランを基本に据える。だから、大事なところでブレない。これに対し、日本人にはこの基本精神に当たるものが無く、事にあたるときはハウツー本に頼りがちである。そのため、想定外の事態に弱い。
・日本人は、物事の二面性を見る習慣に欠けている。善の裏側には必ず悪の側面もある、という観念が無いため、裏表二面の駆け引きをする国際社会では騙されやすい。
・日本人は、政府に頼りすぎている。ユダヤでは、暮らしの向上などは自分で何とかするのが基本。日本人も「自分達の力で自分たちを向上させる」という強さを持つべき。
・領土問題において、日本が法的に正しいことを主張しても、世界の常識からすると、それは力を持たない。軍事力が全てを決める国際社会においては、国の領土は、その場所を政府が実効支配しているか否かで決まる。
新渡戸稲造が明治時代に悩んで出した答えは、「日本人の精神的支柱は武士道」これを戦後否定したものの、それに代わる基本精神は出てない。
2012年08月15日
「朝鮮日報」で読む日韓逆転
ソニーはなぜサムスンに抜かれたのか (文春新書)
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手に取ってみて驚いたが、韓国最大の日刊紙「朝鮮日報」の社説を翻訳しただけの本。幾ら元社員でも（著者は「週刊文春」の元記者で後に韓国人と結婚し韓国在住）、これで出版していいのか?
と、お気軽さは気になったが、こんな本でもなければ、 「朝鮮日報」の社説を読む機会もなさそうなので、読んでみる。
おりしもロンドン・オリンピック。2年前のバンクーバー冬季オリンピックの時の韓国人から見ての指摘は、今回も当てはまってますね。競技人口は多く、それなりに強化費もつぎ込んでいる。世界の頂点での技能の差はほんの少しだろう。結果が「金」になるかどうかは、やはり「執着心」の差が大きいかと。
130: 張勲を自身の英雄にした日本 2009/4/22
実力のある異邦人に日本は高い包容力
野球（張勲、王貞治、ダルビッシュ）
相撲
124: 草食国家日本 肉食国家韓国 2010/2/25
平和で成熟
競争よりも共存
拡張よりも現状維持
「フリーターは日本が原産地」
「仕事を求めようという意欲自体が無い」
149:2010バンクーバー冬季オリンピック
韓国 金14 日本0
「日本人は本当に悔しくないのか? 見ていると、一番でないことにどこか安心しているようにも見えた」
2012年08月14日
野村證券→「野菜ホールディングス」への商号変更
先週、名古屋に寄った際、旧友と再会。彼とは、新入社員時代、野村グループとして一緒に研修を受けた仲。その後退職して、地元に戻り3代目として会社を継いでいた。
そんな経緯なので、話題になったのが、 野村證券の凋落。野村は時価増資を日本で最初にやったり、日本で初めての民間シンクタンクを創ったり、VCを日本に定着させたりと、直接金融の節目節目で業界の新境地を開いてきた。営業のエグさを揶揄される一方、業界の雄として「畏怖」の目で見られてきた。
その野村ホールディングスの今年の株主総会に寄せられた唖然とする「株主提案」の数々。完全に株主からおちょくられている!
・第12号議案
「貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記するものとする」
提案理由：「和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、かならず破綻は回避できる」
・第13号議案
「取締役の社内での呼称は『クリスタル役』とし、代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める」
提案理由：「取締役という言葉の響きは堅苦しい」上に、「取締役会では支配下の子会社の業績に関して全く取り締まっている様子がない」ので、「呼び方はいい加減なもので済ませることとする」
一体誰が?と思ったら、インタビューに答えてくれていました。当然個人株主で、7万株保有。野村の単位株数は100株なので、議決権700個。「総会の6カ月前から継続して保有し、総株主の議決権の100分の1以上、または300個以上の議決権を保有」し、株主提案権を満たすことになる。
どうやら、この方お一人で全て提案されたようです。
2012年08月13日
This time is different
国家は破綻する――金融危機の800年
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「銃の脅しによって奪われるより多くのカネが、たった4語のせいで失われる。
『今回は違う（This time is different）』という言葉だ」
世界数十か国を、過去最大800年に渡って、金融危機に絞って研究した力作。歴史を見れば、 「日本の失われた10年（20年?）」も、金融危機の「典型的症状」（民間の借り入れ大幅増＋資産価格急上昇→マクロ経済の破綻＋政府債務の急拡大）に過ぎず、従って、その結末も正しい対処法を取らなければ、悲惨なものになるだろうと予測する。
ＧＤＰ比で100%を超える多額の負債を抱えた国で、経済成長で借金を返した国はただ一つしかないという事実。それも、1985年のスワジランドただ１国というのだから、経済規模の余りの違いから参考にならない。スワジランドには国民医療制度も年金制度もない。
選挙民が負担を次世代に押し付けようとすることに対し、民主主義は積極的な防止策を持たない。この圧力に対抗するためには、未成年者分の選挙権を親権者に与えてもいいと思うんだけどな。
「これはいつか来た道」
日本は戦後インフレ最大568%を記録したが、忘れてしまっている
例外:ドイツ 1920年代のハイパーインフレの苦しみを忘れない
銀行危機は所得水準も政治体制も異なる国々で広く頻発する
→人間の性質（傲慢と無知）に起因
115:国は世代間の借り入れをすることができる
→そのため、過剰な借り入れをしがち
2012年08月12日
HONMURA AN
四国に単身赴任していると、｢好きなときに会えない」と思われるせいだろう、「次に帰るときは会いましょう」と誘われ、東京では以前より外食の機会が多くなった。
今回は、早稲田の先輩の紹介で、もう一方ワセジョの先輩と会食。この方、1970年代に早稲田を卒業し一旦は都内で就職したが、「当時は女性向けのまともな職場がなかった」ということで、退職して留学。さらに、金融機関がよさそうだと、1980年代にKelloggでMBA取得。 NY、London、東京で外資系金融機関を渡り歩いてきたらしい。
その先輩がNY時代から贔屓にしているというのが、こちらのHONMURA AN 。なぜ蕎麦屋がローマ字？と訝しがったが、荻窪の老舗「本むら庵」の息子さんがNYで開店し、長年「NYで一番蕎麦のうまい店」として知られていたらしい。その息子さんが店を継ぐべく帰国して、六本木で開いたのがこちらの店。
｢うどん県」に住んでいる私が、東京に来てまでうどんを食べる必要はないので、｢東京では蕎麦」と決めている。
それにしても、蕎麦屋は夜の単価が高い。高級路線のHONMURA ANでは客単価5000円は越えているだろう。HONMURA ANは充実したワインリストを持っており、日本酒には500円しか払わない日本人が、ワインにはグラスで1000円払う。
蕎麦屋が昼だけでなく夜居酒屋として稼動するのに対し、うどん屋は昼のもの、と相場が決まっている。これは、東京のような家賃の高い場所では経営に決定的な影響を及ぼすので、香川から進出したうどん屋の名店も夜の売上が上がらずに撤退した店は多い。増えているのは効率の高いチェーンオペレーションシステムを持つ丸亀製麺（神戸）。
そのため、うどんブームでこれだけ県外から車が押し寄せ、「うどん渋滞」と呼ばれる現象が起きても、「それでどれだけ経済効果があるのか?｣ということが地元では言われてきた。ビジネスモデルとしては蕎麦屋の圧勝である。
本来、貧しい山間地で食べられてきた蕎麦。それが、どうして江戸の都市市民に愛され、さらに居酒屋として発展したのか、うどんはどうしてそうならなかったのか。研究テーマとして面白かもしれない。
2012年08月11日
風の出ない扇風機
今回家に帰ったら台所に扇風機が出ていた。
朝食のとき、朝から暑いのでスイッチオン。ところが、羽根は回っているのに、風が殆ど来ない。
明らかにおかしい。
羽根をチェックしたところ、逆についている!
どうやら、先月羽根の掃除をした後、逆に取り付けたらしい。しかし、羽根には、逆に装着出来ないように溝が刻んである。それを無視して、無理やり取り付けたので、羽根の根元が割れてしまっている。
羽根をつけるとき、可能性としては表か裏のどちらかしかないので、「どちらがあっているか？」と確かめるのが普通だと思うのだが、何も考えずに強引に取り付ける。機械オンチを自認する家人の面目躍如というところ。
一旦製品として外に出てしまえばコントロールできずに、奇想天外の使い方をする消費者に悩まされ、下手をすると賠償金まで支払う羽目になるメーカーの苦労に思いをはせた。こんな数千円の扇風機を売って、いくら儲かるのだろうかと。
それにしても、風の出ない扇風機を一月間回して、何も思わないうちの家族って一体？ 文系一家で済ませていいものか。
朝食のとき、朝から暑いのでスイッチオン。ところが、羽根は回っているのに、風が殆ど来ない。
明らかにおかしい。
羽根をチェックしたところ、逆についている!
どうやら、先月羽根の掃除をした後、逆に取り付けたらしい。しかし、羽根には、逆に装着出来ないように溝が刻んである。それを無視して、無理やり取り付けたので、羽根の根元が割れてしまっている。
羽根をつけるとき、可能性としては表か裏のどちらかしかないので、「どちらがあっているか？」と確かめるのが普通だと思うのだが、何も考えずに強引に取り付ける。機械オンチを自認する家人の面目躍如というところ。
一旦製品として外に出てしまえばコントロールできずに、奇想天外の使い方をする消費者に悩まされ、下手をすると賠償金まで支払う羽目になるメーカーの苦労に思いをはせた。こんな数千円の扇風機を売って、いくら儲かるのだろうかと。
それにしても、風の出ない扇風機を一月間回して、何も思わないうちの家族って一体？ 文系一家で済ませていいものか。
2012年08月10日
製造業が日本を滅ぼす
製造業が日本を滅ぼす
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モノづくり大国日本でこういうことを主張すると叩かれるのだけど、著者の主張は一貫している。「モノづくりでは今後日本は食っていけない」
前作『モノづくり幻想が日本経済をダメにする』は、「円安バブル」真っ只中の2007年に出版され反発を買ったが、当時絶好調だったシャープはその後も国内大規模投資を継続した末、会社存続の危機に立たされている。経常利益2兆円を超えていたトヨタも国内生産の確保に躍起になっている。
前著で主張されたのは、
・円安を｢心地よい」と考えるのは危険
・古い産業が復活しただけで末来を担う産業は登場していない
ということで、これは5年経った今も殆ど変わっていない。
昨年の貿易収支は、原発停止で燃料輸入が増えたことで31年ぶりの赤字になった。きっかけは大震災だったが、著者は変化が加速しただけで、「構造的な問題だから元には戻らない」という。
その理由は、
１．米消費ブームの終焉
２．円高
３．電力制約
４．生産拠点海外移転
だ。
そこで、「末来を担う産業」を育成しなければならないのだが、それは、「金融を中心とする高度サービス産業しかない」とする。例に挙げているのは、米Apple。Appleは一応メーカーと位置づけされるのだろうが、ご存知の通り、自社では企画設計とマーケティングを行い、製造は鴻海（ホンハイ）精密工業に委託されている。所謂｢スマイルカーブ」の最も儲かる部分だけを自社で手がけ、付加価値の少ない部分は他社に任せる。これが、Appleを50兆円という時価総額世界一に導いた。
果たして、敏捷性・勝負勘・独自の考え方がKFSである金融業が、実直さが良さの日本人に向くのか?という懸念はある。Appleのようなファブレス･メーカーになるにしても、ハードの優秀さではなく、ユーザー体験を変えるようなシステムのグランドデザインが求められ、これも職人気質の日本人には不得意だ。
著者のこれに対する答えは、「人材開国」し、不得意な部分は、得意な人を海外から入れよう、ということ。
これには大賛成。しかし、これも長年議論されるだけで、コンセンサスを取るのが難しい問題。だから、私は道州制が必要だと思う。全国レベルでの同意は取れなくても、四国400万人だけならコンセンサスを得る可能性は飛躍的に高まる。何しろ、20年前から四国では人口減少が始まっている。
地方交付金の段階的廃止が決まれば、危機感は一気に高まる。変化にまず必要なのは｢危機意識」だ。
2012年08月09日
退職慰労金贈呈議案
東京で企業統治関係の勉強会に参加。そこで話題になったのが、役員退職金。株主総会でよく出る議案の一つが、「退職慰労金贈呈議案」 その殆どは、以下のように記される。
本総会終結の時をもって退任される取締役○○○○、○○○○および監査役○○○○の氏に対し、在任中の労に報いるため、当社所定の役員退職慰労金算定基準に従い、退職慰労金を贈呈いたしたいと存じます。なお、その具体的金額、贈呈の時期、方法等は、取締役につきましては取締役会に、また監査役につきましては監査役の協議にご一任願いたいと存じます。
要するに、役員への退職金の支払いである。上場している会社には必ず｢役員退職金規定」があるので、それに従って支払われる。この計算式については公表する義務はないが、大抵は、「退職時の月額報酬 ｘ 役員在任年数 ｘ 役職乗数（社長、専務、常務等々） ｘ 貢献度合 」で決まる。例えば、退職時の月額報酬200万円 ｘ 取締役在任年数10年 ｘ 最終役職専務３ ＝ 6000万円といった具合。創業者などで役員在任期間が長いと、数億円になる。
この議案が問題になることはこれまで殆どなかったのだが、最近、有名企業でも問題視されるケースが出てきている。以下2社は、株主の反対票が多かったことから、株主総会での否決を避けるため、総会直前に議案事態を取り下げてしまった。
ヤマダ電機： http://www.yamada-denki.jp/information/pdf/120628.pdf
セコム： http://www.secom.co.jp/corporate/ir/lib/2012_teisei.pdf
何れも、退任監査役の退職金が問題になったケースなのだが、実は2社で議案提示方法により差が出た。ヤマダ電機では退任取締役と退任監査役への退職慰労金贈呈議案を二つに分けていたため、退任取締役については議案どおり議決され退職金が支払われた。これに対し、セコムは議案を「退任取締役および退任監査役
本総会終結の時をもって退任される取締役○○○○、○○○○および監査役○○○○の氏に対し、在任中の労に報いるため、当社所定の役員退職慰労金算定基準に従い、退職慰労金を贈呈いたしたいと存じます。なお、その具体的金額、贈呈の時期、方法等は、取締役につきましては取締役会に、また監査役につきましては監査役の協議にご一任願いたいと存じます。
要するに、役員への退職金の支払いである。上場している会社には必ず｢役員退職金規定」があるので、それに従って支払われる。この計算式については公表する義務はないが、大抵は、「退職時の月額報酬 ｘ 役員在任年数 ｘ 役職乗数（社長、専務、常務等々） ｘ 貢献度合 」で決まる。例えば、退職時の月額報酬200万円 ｘ 取締役在任年数10年 ｘ 最終役職専務３ ＝ 6000万円といった具合。創業者などで役員在任期間が長いと、数億円になる。
この議案が問題になることはこれまで殆どなかったのだが、最近、有名企業でも問題視されるケースが出てきている。以下2社は、株主の反対票が多かったことから、株主総会での否決を避けるため、総会直前に議案事態を取り下げてしまった。
ヤマダ電機： http://www.yamada-denki.jp/information/pdf/120628.pdf
セコム： http://www.secom.co.jp/corporate/ir/lib/2012_teisei.pdf
何れも、退任監査役の退職金が問題になったケースなのだが、実は2社で議案提示方法により差が出た。ヤマダ電機では退任取締役と退任監査役への退職慰労金贈呈議案を二つに分けていたため、退任取締役については議案どおり議決され退職金が支払われた。これに対し、セコムは議案を「退任取締役および退任監査役
に対し退職慰労金贈呈の件」と一本にしていたため、株主が問題視した監査役だけでなく、本来関係のない取締役の分まで退職金が支払われない羽目になった。（おそらく、次の総会に再提案されるのだろうが、退職と退職金の支払いタイミングがずれても、税務上大丈夫なのだろうか?)
機関投資家は、
・役員はその時々、業績への貢献に応じて報酬を取ればよく、｢後払い」の退職金などあるから貢献できなくなっても居座ろうとする
と考え、今後益々厳しく対応しそう。
一方、会社側からすると、
・役員は長期的視点で会社に貢献すべきで、目先の業績で報酬が上下するようになれば短期的視点での経営しか出来なくなる
という反発がある。
また、貰う役員からすると、「退職所得」となる税制上の優遇措置が大きいので、同じ1億円を貰うのでも、役員報酬で貰うのと退職金で貰うのとでは、税引後の収入が大きく異なる。
報酬体系を含めた人事制度は会社にとって永遠のテーマですね。
機関投資家は、
・役員はその時々、業績への貢献に応じて報酬を取ればよく、｢後払い」の退職金などあるから貢献できなくなっても居座ろうとする
と考え、今後益々厳しく対応しそう。
一方、会社側からすると、
・役員は長期的視点で会社に貢献すべきで、目先の業績で報酬が上下するようになれば短期的視点での経営しか出来なくなる
という反発がある。
また、貰う役員からすると、「退職所得」となる税制上の優遇措置が大きいので、同じ1億円を貰うのでも、役員報酬で貰うのと退職金で貰うのとでは、税引後の収入が大きく異なる。
報酬体系を含めた人事制度は会社にとって永遠のテーマですね。
2012年08月08日
デンソーギャラリー
所謂、｢近代産業遺産」系博物館の好きな私。メーカーの実力はこの辺で分かる。ある程度社歴が出来たら、歴史を大切にしない会社に未来はない。
今回は、愛知県刈谷市にあるデンソー本社へ。ここには一般公開されているデンソーギャラリーがある。云わずと知れた、トヨタ系の自動車電装関連製造の世界的大手。戦後、トヨタの電装部門が独立して出来た。
私が注目したのは三つの展示。
１．デンソー号
創業間もない1950年に発売された電気自動車。最高時速45km/hで、充電走行距離195km。これが本当なら、充電走行距離200kmのリーフと遜色ない。しかし、実用走行距離はリーフでも6掛けの120km程度。（レンタカーで借りて自分で実験した) 朝鮮戦争特需で石油不足事情が解消されると同時に、製造中止。
２．ドラム式洗濯機
なんと、デンソーは1950年代に一番売れた電気洗濯機メーカーだった。欧州で人気の横ドラム式。その後、自動車に集中して製造を止めてしまうが、事業は家電メーカーに売却したのだろうか?
３．ボッシュとの技術提携契約書
デンソーは1953年ドイツ・ロバートボッシュ社と電装品に関する技術提携契約を締結し、その後の発展に繋がる。契約書が展示してあるのだが、これがたったの2枚。別途詳細な契約があるのか、これだけなのか、聞きそびれた。
今回は1時間でざっと一回りして終わり。次回は、事前予約してガイド付きで工場見学もしたい。
2012年08月07日
なぜ、自動車廃止デモは無いのか？
原発事故の当日から常に正確な情報発信をしていたのは大前研一氏。事故報告書についても各種出た中で最も論理的であると思う。
・ 福島第一原発と同じように津波に襲われた、福島第二原発も東海第二原発も生き残っている
・ 生き残れなかった福島第一原発との違いはどこにあったのか？と言うと、「外部電源」が残っていたかどうか
・ 政府と国会のどちらのレポートも、結局のところ原発再稼働問題に対して何ら役に立つ内容にはなっていない
・ 活断層があっても原発建設を中止する理由にはならない
・ 活断層が原因で大地震が起きて「外部電源」が破壊されたとしても、「原子炉そのもの」は緊急停止している
・ 原子力を削ると温室効果ガスの排出量が削減できないため、無理やり再生可能エネルギーの割合を高く見積もっている
・ 東芝・米ウエスチングハウス連合の新型炉である「AP1000」は、仮に福島第一原発と同じ状況になっても最後まで自力で冷却できる
・ 20年後には再び原子炉の安全性が確保される可能性
・ 再生可能エネルギーの割合を20％〜35％にするということは、現実的に運用不可能
・ 風力発電、太陽光発電の平均稼働率は約20％しかない
原子力発電も｢技術」なので、｢絶対安全」などないのは当然。人類は、犠牲を積み重ねながら技術を向上させてきた。
例えば、 自動車。かって日本では年間に1万人以上が交通事故で死亡。安全対策が積み重ねられた現在でも年間5000人近くが亡くなっている。全国規模での信号の設置、歩道の設置、自動車へのエアバッグの搭載等等、何十年にも渡りその対策に費やされた費用は膨大で、原子力安全対策費を上回るのではないか？それでも車を走らせている限り、｢確実に」年間数千人が死亡する。
不思議なのは、年間数千人を死亡させ、数万人を傷つけている自動車を廃止しよう、というデモをまだ見たことがないこと。損害の規模から言えば、 何十年に一度起こるかどうかの原発事故より桁違いに大きい。何しろ、毎年、｢確実に｣起こる。
おそらく、自動車廃止運動が起こらないのは、車の便利さを享受しているのが個々であり、それに伴うリスクを許容しているからだろう。いや、原子力発電だって、発電に伴う安定した電力供給の恩恵を長年受けていたのは国民だった。ならば、違いは、｢自分で運転しているか、第三者から買っているか」の違いか。自分で運転していれば諦めるが、人が運転を誤れば激しく非難する。
とすれば、将来、仮に｢家庭用超小型原子力発電」が売り出されて、それで安価に発電できるとすれば、リスクを許容して一気に普及する?(笑)
2012年08月06日
いろどり農家で研修
研修最終日の日曜日は、いろどり農家の高尾さん宅で実習。朝8:30に宿舎を出発し（昨日より1時間遅くて助かる…）車で5分ほどの近所でした。
今日出荷予定の葉っぱの収穫は、既に昨夕と今朝大方済ましてあるのだとか。9時にその日の注文がJAから公開され、それに合わせてPCとにらめっこ。その眼差しは完全にトレーダーです。
今日の発注は日曜日なので4件と少なく、あっという間に入札&落札される。高尾さんは見事に1件ゲット。1件落札した農家は10:30までシステム上はもう落札できないのだそうだ。日によっては、これ以外にFAXでも注文が流される。
これ以外に、市場でのセリに掛けられる商品も含め、
・青もみじ
・やまブドウ
・ハス葉
・南天
・朴葉
など、30ケースを出荷。
67歳にして頭脳明晰な高尾さんでした。軽トラックのギアを1stで目一杯回して、2ndをとばして3rdに入れる理由は聞き忘れた。（笑）
2012年08月05日
阿波番茶
金曜日の午後に学生と車で移動し、徳島県上勝町へ。
土曜日は阿波番茶の農家「山田さん｣の農園で、茶摘体験。朝8時から3.5時間、慣れない作業はシンドイ。
阿波番茶は、乳酸菌で発酵させた発酵茶。世界的に見れば、プーアル茶の仲間らしい。国内には4箇所しか生産地は無く、そのうち3箇所は四国にあるとか。
2012年08月03日
人と組織を動かす能力
リーダーシップ論―いま何をすべきか (ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス経営論集)
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学生は夏休み期間に入り、授業がなくなったので、昨日今日と自転車通勤。二日連続で、この暑さは流石にキツイ！昨日は9時に寝てしまいました。
さて、変革を成功させるための第一歩は「危機意識」の共有。地方国立大学は客観的に見て、厳しい状況にあると思うのだが、余り危機意識があるように見えないのはなぜだろう？
･企業が変革を成功させるためのプロセス
�（儚廚�「緊急課題」であることを周知し、社員に危機意識を持たせる
�∧儚廚鮨觜圓垢覿�力なチームを作る
�Ｊ儚廛廛蹈哀薀爐諒�向性を示すビジョンを策定
�ぅ咼献腑鵑鯀反チ澗里房�知する
�ナ儚廚卜�ちはだかる障害物を除き、社員がビジョンに向けて行動するようにエンパワーメントを実施する
�γ惨�的成果を上げるための計画を策定し、実行する
�Ь〕�宣言を急がず、さらに難しい課題に取り組む下地を作る
�┸靴靴す堝依夕阿鯀反ナ顕修箸靴萄�付かせる
・有能なマネージャーの権力強化方法
�ヾ脅佞箍元舛魎兇犬気擦�
�∨�富な経験や知識の持ち主として信頼される
��｢このマネージャーとは波長が合う」と思わせる
��｢このマネージャーに依存している」と自覚させる
2012年08月02日
世界の先進企業に学ぶリーダー育成法
なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか―世界の先進企業に学ぶリーダー育成法
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一昨日一橋ICSの教授による本を紹介したが、こちらはフランスを代表するINSEAD教授によるグローバル化の本。最後はしっかり「海外BSの活用」を謳っています。INSEADのMBAは600万円の授業料を取るとはいえ、1年間みっちりフルタイムのプログラム。これに対し、各種Executive Programは一月でも数百万円取りますから、BSにとっても収益源なのです。
・日本企業がグローバル化につまずいた要因
� 峭睇兵繊廚帽瓦蠡海韻�
�◆屮皀痢廚靴�見てこなかった
�Ｃ狼綉�模の長期戦略が曖昧だった
�だ源左従谿奮阿離泪優献瓮鵐箸�うまくできなかった
・要因が示唆する課題
�ゞチ茣超�の変化に対し、戦略的な取り組みが出来ていない
�▲哀蹇璽丱襪淵泪ぅ鵐疋札奪箸鮖�つリーダーが育っていない
・グローバル人材育成のポイント
�．蹇璽�ルとグローバル間の人材異動を継続的に行う
�⊆禺蟠軌蕕世韻任覆�、幹部教育を手厚くする
��人材育成は、日本人も外国人も対象にする
�け儻譴乃掴世垢詢呂鰺椶�
�ゥ潺疋襦▲轡縫∩悗鮹惨�間のExecutive Programに派遣するなど、海外BSを有効活用する
「英語は出来るけど交渉はできない」というのが一番危ない。 それなら、交渉が出来る人が通訳を雇うほうが100倍いい。2012年08月01日
Mr Project Management
パーソナルプロジェクトマネジメント
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昨晩の「地域ICTマネジメント」の外部講師は、Mr Project Managementの異名をとる冨永章先生。
ICTの授業なので、ソフトウェア開発に絞ったプロジェクトマネジメントかと思っていたら、大間違い。日本IBMから1980年に米国に派遣され、アポロ計画を担った専門家からプロマネを直接学んだ冨永氏のお話は、プロマネが何かから、それを仕事だけでなく自分の人生に応用して如何によく生きるかまで大変興味深い話であった。
個人PMを実施するときのコツとしては、
・期限、見積時間、進捗、残り時間、実績時間を盛り込んだ「TODOリストの執拗な保守」
であるようだ。
大学では、ルーチン仕事が少ない代わり、研究活動なのでプロジェクト管理がとても大事。勉強して習慣化したい。
