2012年06月
2012年06月30日
八日目の蝉
先日BSで放映されていた『八日目の蝉』を録画してみる。小豆島を主なロケ地としたこの映画。
原作者の角田光代は、たった3日間の小豆島訪問でこの小説を書いた。なのに、「小豆島出身の自分が読んでも、『あ、これはここ、あれはあそこだ』と、場所が書いてなくてもどこか分かる」と言ったのは、今週、授業のゲスト講師として東京から来てくれた同島出身の友人。小説家の描写力は流石なのだ。
映画の中で、逮捕されることを覚悟した誘拐犯が、写真館で誘拐した子供と写真を取るシーンが印象的だった。「こんな古色然とした写真館が小豆島にあるのか」と思ったが、これは、栃木県足利市の写真館だった。
2012年06月29日
Demeny Voting
Googleの脳みそ―変革者たちの思考回路
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この方、よく見たら、香川生まれで、私と同じ年(1986)に早大政経卒ということで、この点は全く同じですね。大学で話してくれないかな？（お知り合いの方、ご紹介、お願いします）
「 子を持つ親に追加の投票権」というのは、私も独自に考え付いたのですが、1986年にDemenyさんが考案し、Demeny Voting という名前が付いていたんですね。知りませんでした。
現在の政治構造の最大の問題点は、「世代間対立が解決できない」点にあると思います。年金生活者が1/4と数が多いうえ、投票率が高いので、政治家は高齢者の意見を最重要視せざるを得ません。今後、「身勝手」とも言われる団塊の世代が続々と年金生活者になると、この傾向はますます強まり、将来の世代を犠牲にして「自分らの世代だけ持てばいい」ということになりかねません。
これを緩和するのに、いい方法だと思うんですが。
11:既得権維持のための口実
・弱者のため
・安全のため
・文化交流
281：成長の階段を下がってでも、「皆で、平等に貧乏」
「中国より社会主義に見える」宋文洲
317：ドメイン投票方式（一橋大 青木玲子）
1986 Demeny Voting
子を持つ親に追加の投票権
「全ての現象は新基軸をやろうとする者と既得権保持者の戦い」冨山和彦2012年06月28日
増税の前にやるべきことがある？
消費増税法案が衆院を通った。民衆党内から出た57人の反対票。この無責任さに呆れた。「増税の前にやるべきことがある」というのは、国民感情上は仕方ない。しかし、国会議員が同じレベルの感情論しか出来ないなら、何千万円もの議員報酬を貰っている意味がない。
まず、日本の財政が危機的状況なのは疑う余地がない。10年前から既にその状態だったが、何もできないまま状況は悪化した。「それでも大丈夫だったから、もっと借金してもいいじゃないか」という人がいるが、これまで何も起こらなかったのは、一つには「不景気だった」という幸運が、二つ目には、世界有数の民間資産（負債を相殺し約1000兆円）があるからで、「いざとなったらこれを原資に、増税あるいはインフレにして国債を返せる」と市場がみなしていたからだ。
不景気だったから、企業は借入需要がなく、銀行は会計上「無リスクの資産」と見なされる国債を買うことができた。増税反対論者は、「景気が上向いてから」というが、景気が上向いたら金利は上がり、国債価格は下がり、銀行は大きな評価損を計上する必要に見舞われる。
国の信用危機（ソブリン・クライシス）に陥っている南欧諸国銀行の国債保有割合は、それぞれ資産のイタリア8%、スペイン7%、ポルトガル6%だ。（三井住友信託銀行 調査月報 ｐ２） これが国債の価格下落で銀行の自己資本毀損になっており、金融システムを揺るがせている。
一方、日本の民間金融機関の国債保有割合は20%を超えている。例えば、三井住友銀行では、28兆円にも上っており、総資産に占める割合は20%となっている。郵貯などの政府系金融機関ではもっと多い。現在の国債バブルが弾けたら、どういう事態に陥るか？
二つ目によくある意見が、「歳出の削減が先」という意見。細かいところではイロイロあるにしても、本blogで既に指摘している通り、日本のGDPに対する国の歳出水準は、社会保障費を除けば、OECD諸国中最低水準である。どれだけの商用利用が見込めるか非常に疑わしいスーパーコンピューターも、「2番じゃダメなんですか」で火が付き、結局予算削減できなかった。（米国、中国のスーパーコンピューターの主な利用は核兵器シュミレーション） なでしこジャパンが優勝すれば、「女子サッカーにもっと予算をつけろ」となる。ハヤブサが帰還すれば、それまで無関心だった国民が「宇宙開発にもっと予算を」と言い出す。
多数から見れば「そんなもの要らない」と思われる予算でも、関係者から見ればとても必要というのが予算の常で、結局は、震災理由に国家公務員の給与削減のような手段しか取れない。「10兆円くらいすぐ削減できる」と豪語していた民主党は、政権を取って、そのことを痛感したはずだ。
今週は、シンガポールからの友人が研究室を訪ねてくれた。事業で成功した資金を持って2年前に家族と移住。シンガポールは彼と同じように、日本の国家破綻の影響を避けるため、避難した日本人資産家で溢れている、という。
財政破綻すれば、社会保障費を急激に、大幅に、削らざるを得なくなる。どちらかと言えば、現在の社会保障システムを支えている側の私の世代や、完全に「持ち出し」となる大きな資産を持たない若い世代からすれば、「それでもいいや」となるが、不可解なのは、一番悪影響を受けると思われる熟年世代の増税反対が根強いことだ。
そりゃ、消費税が上がった分納税額が増えるが、貰っている年金や、たった1割の自己負担で使っている医療サービスに比べればタダみたいなものだ。もっとも、現在の社会保障水準を維持するには、消費税10%ではとても足らない。欧州の社会保障制度にあこがれるなら、負担も欧州並みの消費税20%レベルにするしかない。
個人的意見は、消費税10%で賄える水準に、社会保障水準を落とすことだ。消費税20%水準になるなら、資産家の海外流出は加速し、国全体が貧しくなってしまう。
2012年06月27日
「既得権益」はあなたの心の中にある
週末、高松で「脳科学者」茂木健一郎の講演が行われ、前日の結婚式で東京にいた私は7時台の新幹線で高松に戻った。予約していた新幹線に乗り遅れて、20分遅れ。
日曜日の朝、さすがの山手線も5-6分に一本しか来ないことを考えに入れてなかった。3000円の入場料がとられた高松で一番いいホテル（クレメント）の会場は既に満員。数えたところ、1000人くらいか。「讃岐のオレンジ娘」と私が名づけた参議院議員「植松恵美子」さん主催であったので、動員もかけたのだろう。
講演自体には間に合ったので、会場でメモしたこと。
１．「既得権益」はあなたの心の中にある
「やったことないからやめておこう」は自分の中の「既得権益」
２．自分の欠点をユーモアをもって語れる男がモテる
心の余裕があるからね
３．「初体験」でドーパミンが出る
「根拠のない自信」が必要
４．挑戦するには「安全基地」が必要
失敗しても、帰れる場所があるから、挑戦できる
など、ドーパミンという言葉以外は、特に脳科学者との関連を見いだせなかったが（笑）、壇上で大げさな身振り、手振りで調子よく語る姿はなかなかのエンタテイナーであった。
会場が一番沸いたのが、「直島の60代の漁師が、東京から来た20代の女性と結婚した」という話。「アートの島」として今や世界的に有名になった直島。昨年行われた「瀬戸内芸術祭」でも一番人気が直島で、直島行の船は人で溢れた。
そこで、若い女性を目当てに高松の桟橋に「肉食男子」が集まっていたらしい。こうなると船を持っている漁師は有利である。「俺の船で送るよ」と声をかけ、直島へ。それがきっかけで結婚したというから、めでたい話だ。
会場では、そんな茂木さんの話に（彼も、来たばかりで地元で聞いた話）、「本当か!?」という声が。これについては、植松さんも気になったらしく、関係者を通じて確認したところ、「本当でした」という報告が翌日あった。
2012年06月26日
うどん県の泣き所
香川県内で日経新聞と朝日新聞に折り込まれる「ビジネス香川」の記事から。
香川県民の野菜摂取量は、「女性が全国ワースト1位、男性が2位」ということ。糖尿病受診率は長年一位を誇った？お隣の徳島県を抜いて、ついにワースト1位となった。野菜を取らずにうどんばかり食べ（炭水化物）、運動もしなければ、この結果は当然だろう。
そこで、香川県栄養士会が「おひたし・煮物・サラダなど、野菜をうどんに添えよう」という運動をしている。
私も、せめて、うどんのトッピングは竹輪でなくて野菜の天ぷらにしよう。
2012年06月25日
Hotel New Grand
週末、ホテルニューグランド（横浜）で結婚式。結婚式に出席するのも久しぶりなら、ニューグランドでの結婚式も初めて。
このホテル、1927年に関東大震災(1923)からの復興の象徴として建設された。山下公園は、甚大な被害を受けた横浜市内の瓦礫を埋め立てて造られた。その前に立つのがこのホテル。
1945年8月30日、厚木飛行場に降り立ったマッカーサー元帥は、「どこへ」と聞かれると、「ホテルニューグランドへ」と答えたらしい。元帥は新婚旅行でここに泊まってお気に入りだったらしい。
ところで、このホテルが上場企業だったとは知らなかった。 売上50億円、経常利益1億円（過去5年間)で、時価総額20億円。売上の減少傾向が続いている。
2012年06月24日
Patch Adams
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週末、東京で、Survival Guideと結婚式の合間に見たのがこれ。Based on a Ture Storyなんですね。
「人はいずれ死ぬのだから、死ぬこと自体は問題ではない。死に至るまでのQuality of Life（生活の質）が大事なんだ。」という台詞が印象的でした。
映画の主な舞台は、1967-1971年のバージニア医科大学。 Patchは「お笑い」で患者を楽しませようとする。それを教授に見咎められ、説明するPatch。
「笑うことで、免疫力が上がります」
既に、その頃、「笑い」の効能が医学的に証明されていたのか? 日本でもイロイロ実験されているようです。
2012年06月23日
「天才経営者」の危うさ
私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
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新卒採用支援で一世を風靡したY Cube。2011年3月に民事再生を申請し、負債総額は40億円を超えた。
創業社長の安田佳生氏の、『 千円札は拾うな』はビジネス書としては異例の33万部を記録。「天才経営者｣としてもてはやされた。
一体、どこで誤ったのか?
本を読んでみると、安田氏は、やはり、ある種「天才」 であったと思う。「新卒採用支援」という新業種を生み出し、弱小企業にも関らず、プライシングは「業界で一番高い値段」（142）とした。業界最大手のリクルートの倍の値段を取った。値段の根拠はなく、最も高い値段を取ることによる「ブランディング」だ。
本社地下には本格的なバーとワインセラーを備え付け、社員に無料で開放するとうド派手な経営。社員に手作りスイーツを提供するためにパティシェまで雇った。それは、マスコミに「ユニークな企業」として取り上げられ、宣伝効果で十分に元を取ったようだ。
しかし、こんな経営をしていたら、社員が勘違いするのは目に見えている。
「天才」は、しばしば危うい。本書で、安田氏自らが語るところによれば、「子供の頃からリーダーと呼ばれる立場になったことがなかった」らしい。（199） 劣等生で、大学は米国留学し生物学専攻。留学したにも関らず、人に関るのが嫌で友達は居なかったという。
読んでいて、ヒトラーを思い出した。ヒトラーも内向的な性格で、当初、画家を目指していた。それが、あるきっかけで演説に目覚める。それまで誰も振り向いてくれなかったのに、過激な演説に人々が熱狂する。それに酔いしれた彼は、何としてでもそれを失いたくなくなる。
本書でも、こんな言葉が出てくる。
・子供のように夢を見てつくった会社（まえがき）
・私利私欲の塊（まえがき）
・20年間を本当に楽しんだ（あとがき）
・大好きな人たちに囲まれながら、大好きなオフィスで仕事をする（あとがき）
その社長と社員の「楽しみ」の迷惑を最終的に被ったのは取引先と金融機関だ。借入はピーク時40億を超えた。金融機関は、当社を類稀な成長企業と見なし、ナント無担保で、かつ2%という大企業並みの低利で貸し付けた。
これ背景には、2004-2007の拡大期に粉飾決算がある。増収増益として報告されていたが、実際は10億円の赤字だったという。「CFOに任せていて自分は知らなかった」というが、それが事実でも、社長に任命責任と、100%の結果責任があるのは言うまでもない。
金融機関も、プロとしては「粉飾決算を見破れなかった」という意味で自業自得。これなど、余りに常識から外れる経営者が、非常識な成績を上げているように見えると、人は「何か新しいことが起こっている」と錯覚して、正常な判断が出来なくなる、ということなのだろう。あれだけ派手な経営をしていたのだから、決算が正しいのか疑ってみるべきだった。
本書では、「利益が一億円」としか書かれてないのでどの段階の「利益」なのか分からないが、仮に償却後の利益であっても、40億円の借入ということは、償却前利益で2億円あったとしても返済に20年掛かるということになり、「利益拡大が続く」と仮定しなければ、明らかに過剰だ。
さて、その安田氏、今は「境目研究家」を名乗っているという。先日お会いしたアースダイバーの中沢先生も「境目」に目が無いようで、境目とは余程魅力があるようだ
2012年06月22日
Survival Guide 2012
LBS日本同窓会恒例のSurvival Guide Sessionを今年も実施。9月入学でこれから渡英する新入生のため、「ロンドンでの生活と、厳しい学校生活をどう生き延びるか」を同窓生が丁寧に説明する。
10年以上前から代々の現役学生が書き加えたSurvival Guideは、既に一冊の立派な本の分量になっており、毎年更新されるため、情報も新しい。
今年は、欧州系戦略コンサル大手に昨年就職した同窓生の縁で、同社のスポンサーが付き、Hills Clubで開催。同社からは、これから入学する新入生に向け、サマーインターンとMBA終了後の就職の案内があった。世界トップランクの学校は、とりあえず、就職難とは無縁だ。
「どんな人がコンサルタントに向くか」のプレゼンで、冒頭に示されたのは、
・考えることが好きで、常に考え続けられる人
であった。
前途に目を輝かせた新入生と、同窓生の懐かしい顔を見れて、楽しいひと時を過ごした。
2012年06月21日
香川の長寿企業
昨晩の「四国経済事情」ゲスト講師は、かがわ産業支援財団の中山理事長。理事長は、本研究科の1期生で同窓会長でもある。
話の中に、「香川の長寿企業」という話題が合った。創業１００年超の企業は２９７で全体の２・３％を占め、全国の１・７％より多いのだという。創業時期が３００年超の企業は１１社、江戸時代は２７社である。
割合自体は、「経済が停滞して分母が増えてない」という分析も出来るので、良し悪しだが、現在の事業が創業事業と異なる企業も多い。
県内で3番目に古い「西野金陵」の創業事業は「阿波藍（染料）」の取り扱い。江戸時代後半からは、金刀比羅宮のご神酒として知られる。
藍産業は、明治になってBaeyerがインディゴの合成に成功したことで、大正期になって急速に廃れる。金陵も、藍の取り扱いだけでは、長寿企業番付に載らなかったかもしれない。
そして、日本酒が廃れつつある今、次の経営革新を迫られているのだろう。企業経営とは、環境対応でもある。
2012年06月20日
第三の敗戦
第三の敗戦
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東日本大震災＝第三の敗戦
�）詼�の薩英戦争
��太平洋戦争
その都度、大胆に新しい「国の倫理と構造」を創ることで復活
戦後日本の社会体質と発想の硬直化による不備が明白に
再生の方向性
� 峺鼎て�本」に戻そうとしない
官僚主導の工業社会を復活させない
��国のかたちを変える
「東北復興庁」→道州制
�７从冑�興は「好き好き国」で
TPPに進んで参加し、外国人労働力の活用を進める
�ぁ峇盈戎畔�」を廃止する
今の官僚は、入省年次や所属で生涯の出世や賃金が保証される「身分」
規制強化のキャッチフレーズになっている、「安心安全」と「弱者保護」これを錦の御旗にされると、表立った反対ができないため、守旧派の思うつぼ。
生きている限りリスクはあるのだから、生活の一部だけに「絶対安全」を実現してもしょうがない。
目指すべきは、全体的な「リスクのコントロール」である。
2012年06月19日
神山町
上勝町の隣にあって、さらに山深いのが神山町。こちらはNPOが中心となって、様々な工夫で町おこしをしている。
例えば、Artist-in-residence program。今では、日本中が真似て、芸術家を募っているが、1999年に神山はスタートしている。当初は運営費に困ったり、どうやって世界に知らしめ応募してもらうかに苦労したようだが、10年経って、神山で無名時代を過ごした芸術家がその後有名になったりで、「若手芸術家の登竜門」として世界から応募が引きも切らない。
アーティストでなく、『ワーク・イン・レジデンス』というのもあって、この物件にはパン屋さん、また別の物件ではウェブ関係の人を入れようとか、自分たちのイメージで「この職種や職業が、これから将来、町には必要だね」という人を呼んできている。私も、石釜で、それも薪で焼いているパン屋さんでチーズ・フランス買ってきました。
行ったのは昼過ぎだったんですが、棚はほとんど空っぽ。評判になって、今では徳島市内から買いに来るそうです。そして、最近では東京のIT企業がサテライトオフィスを開設しており、そのことも話題に。しっかり、海外向けにも報道されてます。
施策の一つの共通点は、「外の力の利用」だと思ったんですが、仕掛け人であるNPO法人グリーンバレー理事長大南信也さんの経歴を見て納得しました。スタンフォード大学院卒です。
そんな人が地元に戻って頑張っている、というのがスゴイ。地域活性のカギは、外の世界も見て、客観的に地元の良さの再評価ができる「Uターン」組ですね。その人が、「Iターン」を取り入れる仕組みを作ることができれば変わります。
2012年06月18日
上勝町
「Social Finance for 上勝」と題した講演には、12名の参加をいただきました。参加者と話して驚いたのが、その殆どの方が、「Iターン」組であること。つまり、上勝町の出身でない人たちなのです。出身地は、北海道、静岡、東京、徳島市など全国に散らばっています。しかも、若くて、かなり高学歴な方も。
実際のところ、今、町の一番の問題点は、「転入したい人向けの住居が足らない」ことなんだとか。凄いことです。（それでも、人口減少にストップがかかるところまではいってないようです）
いくら「葉っぱの町」で有名でも、いくらインターシップをやっていても、それだけで、縁もゆかりもない人が移住してくるとは思えません。
上勝の秘密は何なのか？東京で30年間働いた後、4年前に上勝に移住した方に聞いてみたところ、こんな話でした。
・きっかけは、上勝が葉っぱビジネスで有名になり、仕事で来るようになったこと
・仕事で通ううち、地元のおばちゃんたちの暖かさが身にしみた
・東京での仕事が転機を迎えたのをきっかけに移住を決断
しかし、「田舎なら親切なのは普通ではないか。干渉されるのが嫌だ、という人も多い。」とさらに聞いたところ、
・上勝には程よい距離感がある
というんですね。
・ある程度距離を置いて、そっと見てくれている感じ
だそうです。
こういったことは、一朝一夕にはできないことなので、地元の伝統なのか？昨日書いた「阿波ラテン説」にも通じると思うんですが、であれば、徳島全体に言えることなのか、上勝だけのことなのか？
今後通って、確かめようと思います。
2012年06月17日
阿波ラテン説
講演の依頼があり、「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町にやってきました。高松で同僚を拾い、高速で徳島に向かいましたが、この区間、大半は対面交通になっています。
いつものことなのですが、「徳島ナンバー」の車に煽られます。今回はエスティマ。一車線なので抜けないし、私も制限速度を上回る速度で走っているのですが、でかいエスティマが車両間隔をあけず後ろにピタリと付いてくる。 イヤーな感じです。
時々ある、追い越し区間で追い抜いていきましたが、その先もすぐに対面交通なので、到着は1分と変わらないでしょう。
香川県人が、
・ここで飛ばしてどれだけ早く着けるか
・ 早く着くことに意味があるか
・それに伴うリスク（事故・スピード違反）は
・コストは（燃費・環境）
等考えて、「合理的」と判断してスピードを出すのに対し、
徳島県人は、
・その道で、その車で、飛ばせるだけ飛ばす
です。（笑）
そこに理由なんてなく、強いていえば、
・気持ちいいから
この話を、今回呼んでいただいた「いろどり」の方に話をしたら、 激しく同意いただけました。Oさんは、徳島出身で、香川でも長らく働かれていますので、意味があります。阿波踊りのノリを見ても、「これは香川ではありえない」と思います。
四国内では、歴史的に、それほど他国との行き来がなく、「四国人」というアイデンティティはありません。 大抵、四国を出て都会に行ってから、香川、徳島、高知、愛媛、とは区別してもらえず、「四国の出身なんですね」と一括りにされることを繰り返すうちに、「四国人」というアイデンティティが芽生えます。「海外に行って、日本人としてのアイデンティティに芽生えた」というのと似ています。
そんなわけで、25年前から私が言っているのが、「徳島・高知ラテン説」です。阿波踊りとよさこい。祭りを見れば分かります。
2012年06月16日
町民一人あたりの歳出916千円 同町税196千円
今でこそ現代アートで有名な直島だが、永らく島の経済を支えてきたのは製錬所だ。かって程の規模ではないが、今でも三菱マテリアル直島製錬所があり、金の生産高は月産5tでなんと日本一である。
観光客数は、（単位：千人）
H19 285
H20 342
H21 360
H22 637 （瀬戸内芸術祭開催）
H23 404
と順調に増えている。人口3千人の島だから、人口の100倍以上が訪れていることになる。
それだけ観光が盛んなら、人口減にも歯止めがかかり、町財政も潤っているのではないか、と思ったらそうでもないようだ。
「若い人は便利じゃないとダメ」なんだそうで、若い世帯を中心に、船で20分の岡山県玉野市などに移住してしまう人が多いのだという。「24時間船を走らせて便利にしたい」という計画があるそうだ。
そんな町の財政は、一般会計2952百万円の自主財源比率が49%。51%は国や県からの支出金。これ以外に、特別会計が13億円と、簡易水道会計が10億円ある。水は、玉野市から買っている。
それらを合わせると、
町民一人あたりに使われるお金 916千円 （歳出総額/人口）
町民一人あたりが負担するお金 196千円 （町税/人口）
で、ナント、歳出は税収の4倍以上。
これだけの観光客を町税に結び付けられないのか？こんな島が全国にいったいいくらあるのだろう？
2012年06月15日
選挙は人を悪くする
今週の「四国経済事情」ゲスト講師は、直島町の濱田町長。直島と言えば、ベネッセハウス。当初、国内より海外で有名になり、海外から美術館を見に来る人が押し寄せた。2012年7月でオープン20年になるというから、オープンしたのはバブル崩壊と軌を一にしている。日本経済も政治も「右下がり」の中、直島はアートの力で比較的堅調。
濱田町長は、現在4期目。元町役場職員で、最後は助役を務めていた。役場職員としての経験から、すぐウソをつくから「政治家は嫌い」ということで、政治家になる気は全くなかったらしい。ところが、助役時代に使えた前職の町長が余りにひどく、周りからの懇願で出馬したという。
そんな経緯から、楽勝と思われていた選挙はまさかの接戦。現職の有利を思い知らされ、また、初の選挙戦の中で痛感したのが、「選挙は人を悪くする」ということ。昨晩の主題ではなかったので、これ以上語ってくれなかったが、とても気になった。
古今東西、「紳士的な選挙」というのは余り聞いたことがないので、これは「選挙」というシステムが根本的にもつ性格なのだろう。
チャーチルは、「これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」と言っている。（下院演説 November 11, 1947）
「他に何かやり方がないものか」とも町長は言っていたので、次回、直島を訪れるときにはお話ししてみたい。
2012年06月14日
日銀初の女性支店長
先月の話だが、毎週恒例の「四国経済事情」に、日銀高松支店の清水支店長が登場。清水支店長は2年前に支店長に抜擢されたとき、「日銀初の女性支店長」として話題になった。結局、2年間の在任となり、5月9日の講演直後、異動が発表になり本店へ転出。最後に話が聞けて良かった。
講演の内容としては、
・経済見通し
・インフレ・ターゲット（当面1%）
・金融政策運営（日銀はリスク資産を買ってまで成長支援している）
・財政政策
・欧州危機
が前半で、後半は香川経済について。
・今後成長が見込めるのは農業、介護、観光の３分野
・ショックに強い構造（業種のバランスがよく中小企業が存在する）
・中小企業比率が高く、かつ生産性が高い稀な地域（通常は、大企業の方が生産性が高いので、中小企業比率と生産性は反比例）
・常に全国トップクラスの有効求人倍率
・香川の公立高校は普通科の比率が少なく（全国平均60%に対して35%）、結果として高卒就職内定率が高い（98.6%）
・女性の正社員比率も全ての年齢層において全国平均より高い（40-50代で全国平均25%に対し30%+）
など、なかなか優秀な香川経済である。
香川は「世帯当たりの預貯金額」が高いことでも知られ、ここでも堅実な県民性が発揮されている。うどんが好まれるのも、「うまい・早い・安い」を好む県民性が背景にありそう。ちなみに、エンゲル係数は全国一低い。
2012年06月13日
不正受給返還３割
日本の社会システムは、「性善説」に立っているところがあって、罰則規定が甘いところに特徴があります。欧米を訪問して戸惑うことの一つが、電車の不正乗車による罰金。市電など改札が無いので、乗り降り自由なわけですが、時々検札があって、切符を持ってないと何万円も取られたりします。元の数百円の切符に比べれば100倍くらい取られます。
経済犯罪でも、罰金の額が数百億円とか数千億円など、認定された犯罪で不正に蓄財したとみなされる額の10倍以上になることがあります。これに対して、日本の場合、経済犯罪でも基本的には損害の回復さえすればいいわけで（刑事罰は別ですが）、これでは、100%発見されない限り、「やったもの勝ち」ということになります。法律が作られた昔には、「最低限の社会ルールである法律を犯してまで不正をする者はないだろう」ということだったのかもしれません。
最近話題の、「生活保護」 今年２月時点で過去最多の約２１０万人が受給し、 国家予算の３・６％をも占めます。
・生活保護の平成２２年度の不正受給が過去最多の約２万５千件、１２８億円
・不正発覚後に返還された額は約３７億円と３割弱にとどまる
・刑事罰に必要な告発手続きも同年度５２件とわずか０・２％程度
・自治体には強制徴収の権限はない
不正受給に対する罰則も「３年以下の懲役または３０万円以下の罰金」ですから、それも、まず執行猶予となることを考えると、実質「30万円以下の罰金」だけ。その可能性も、 無いに等しい「0.2％」ですから、「そんなものに頼るのは恥ずかしい」という羞恥心がなくなった今、問題が拡大するのは目に見えてます。
2012年06月12日
2012年06月11日
アースダイバー中沢新一
アースダイバー
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「地域デザイン学会」なる新学会が創設され、第一回の研究会が明治大学で催された。この学会の趣旨は、「わが国の各地域を世界に通用する地域として再構築し、県境や国境を越えてグローバルなレベルで自立できるシステムや制度の設計を行う」ということで、私の所属する「地域マネジメント研究科」にはピッタリの学会であるので入ることにした。ちなみに、新設学会ということで、自費である。
記念すべき第1回研究会の講演は、中沢新一氏による「地域のアースダイバー」。アースダイバーとは、海のダイビングのように、「土地に潜り込む」という意味らしい。
中沢氏自身は、特定の学会に所属することなく、横断的、総合的に文化人類学を研究してきた方。話は「原ユーラシア語」（40-50万年前にあり、「火」「塩」「母」などの言葉は西洋も東洋も語源が同じだという）から、東京スカイツリーまで縦横無尽。
東京の魅力は、「無意識と意識の混沌にあり、その根源は、洪積台地と沖積低地が入り組んだ地形にある」というのは面白かった。縄文時代からある古い神社の殆どは、この洪積台地と沖積低地の「境目」にあるという。確かに地図で確認すると、根津に湯島、神楽坂に九段下などに当てはまる。そして、神社という「生と死」「意識と無意識」の境には、歓楽街が出来、赤線の廃止された今でも飲み屋街やホテル街として風景の記憶を残している、ということ。
『ブラタモリ』で有名になった、「タモリの坂好き」も、東京の坂の多くは、こうした台地と低地の境に出来ているので、同じことでの様な気がした。
2012年06月10日
東京丸高会
昨日は、東京丸高会の総会。卒業30周年を迎える卒業生が毎年幹事を担当することになっており、昨年秋から同期と一緒に準備を進めてきた。4月から単身赴任中の私だが、そんな経緯もあり、またこれだけの同期が集まる機会もそうはないので、東京で出席。
総会の前に、「特別講演」として、幹事代の一人が講演するのが恒例となっている。我々の代を代表して講演したのは明樹由佳さん。彼女とは一年生のとき同じクラスだったが、会うのは卒業以来30年ぶり。
演劇部で熱心に活動していた彼女。大学在学中に、先に照明係として入団していた演劇部の同級生に勧められ劇団四季の研究生として入団。学業との両立が不安だったが、その年だけ試験的に、夜間の研究生コースがあったらしい。卒業後は日中の通常のコースに移り、一日中、踊りと発声、声楽の練習を繰り返す日々を7年間続ける。幼少の頃からバレエやダンス、音楽を習ってきた都会育ちの同期に囲まれて、田舎でただ演劇の好きな普通の子供として育った彼女は劣等感に苛まされる日々だったという。
それでも、「CATS」や「コーラスライン」「ウエストサイドストーリー」「エビータ」に出演した後、退団。在籍中に一番好きだったのが、全国を回って上演する子供向けのミュージカル。小さな箱で、子供たちとのやり取りを楽しみながらの演劇が大好きだったという。なので、普通は、小劇場から始まって、段々とメジャーを目指すが、彼女は逆に、劇団四季から始まり、独立して、段々と小さな箱になっているらしい。
当時、彼女を含め5人の同級生が熱心に活動していた演劇部。その伝統が引き継がれたのかどうか知らないが、2003年度に「どよ雨びは晴れ」で全国高等学校演劇大会（全国大会）優勝を果たす。
2012年06月09日
「不良」社員が会社を伸ばす
「不良」社員が会社を伸ばす
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「サラリーマン金太郎」じゃないけど、私も、元「不良」達が活躍する会社を何社か知っているので、納得です。私が知っているところ3社のうち2社は、社長自身が元「不良」(笑)。もう一社も、「不良」まではいかないかもしれませんが、麻雀ばかりやっていて大学卒業に8年掛かっているので、それに近い？
ただし、全ての「不良」が優良社員になるわけでなく、下記のような特徴を持っている「不良」には、有能な社員になる「可能性」がある、と言っているだけなので注意。
・優良社員になる可能性の高い特徴
�“森�精神が強い
��苦手なものがたくさんある
�Ｃ脇�が良い
�げ燭�一つでも驚くような実績がある
・元不良を活躍させるための戦略
�’塾呂魄�き出す
「自分の頭でとことん考えろ！」と、知恵で勝負させる
各自の得意な分野の仕事を、全面的に任せる
�△笋覽い魄�き出す
元不良は、周りに認められたい、誰かの役に立ちたいという欲求が強い
後輩の面倒を見させる
認められたいという欲求はその深層で、誰かの役に立ちたいという気持ちとセットになっている。2012年06月08日
ドケチ道
ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方
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以前「カンブリア宮殿」に登場した創業者の未来工業・山田相談役の印象が強烈だった。電気の点いていない薄暗い廊下。点灯スイッチには、「さわるな、バカ！」の張り紙。ゴミ箱は、取引先から新築祝いにもらった壺。
それでいて、勤務時間は短く、休みは多く、給与は高い。1965年の創業以来、一度も赤字になったことが無いという。
・会社の無駄をなくすためのポイント
�ー卞發鬚海泙瓩吠發い堂鵑蝓�何かを見たら必ず「あれは本当に効率的なのか？」と考える
�⊆勸�の動きを注意深く観察し、無駄がないか探す
�７弍勅圓箚管�自身が、自らの無駄遣いを率先して改める
・経営者には、ドケチと「反ドケチ」のバランス感覚が求められる。社員をやる気にさせるには、人件費をケチらない、休日を増やすなどの反ドケチが欠かせない
・社長があらゆる業務に口出しすれば、自主性と自覚を持った「プロ社員」は育たない。プロ社員を育てたいなら、まずは社長が自分を全知全能だと勘違いしないことである。
・プロ社員を育成するために
�ゞ軌蕕靴覆�
��管理しない
�６�制しない
経営の本質は「戦略」と「戦術」。経営者が担うのが戦略で、社員が担うのが戦術。両者の役割分担ができて初めて、企業に活力が生まれる。2012年06月07日
アメリカのスーパーエリート教育
［改訂版］アメリカのスーパーエリート教育
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地元の話題が続いたので、この辺で本の紹介を。
イギリスでいうパブリック・スクール。この伝統を引き継いだのが、アメリカのボーディング・スクール。双方とも、「財政の独立」が前提となっている。従って、授業料はバカ高い。「良い教育にはお金が掛る。その恩恵を受ける者が費用を負担する」という、「受益者負担」の原則が貫かれているのが英米。国から補助金をもらってないので、自らの信ずるところに従って教育しており、それに共感する人が入学する。
ボーディング・スクールの様子は、あるパチーノが主演した映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』によく描写されているので、見てみるとよい。
米国のボーディングスクール
・中学・高校教育
「ボトムアップ方式」子供全体を一定レベルに押し上げる→日本は全てこれ
「プルアップ方式」一部の子供だけを対象に、将来、社会の指導的立場に立てるよう特別な教育を施す
・子供を親から離れた厳しい環境に置き、一日24時間の密着教育
教職員も大半が住み込み教師
・厳格なルール
・1クラス10名前後の少人数制で、生徒にプレゼンテーションやスピーチを行わせる
経営が授業料と卒業生や各方面からの寄付及び基金の運用収益だけで成り立っている独立の教育機関で、いかなる束縛も受けない
2012年06月06日
丸亀藩が高松藩を征伐？
丸亀の病院による用事が出来、帰りに、先日訪れた「快天山古墳」出土品の展示があると聞いた丸亀市立資料館に寄って見る。
この古墳の特徴をおさらいすると、以下の通り。（資料館解説より）
・ 一般的な前方後円墳の全長が40m前後であるのに対し、快天山古墳は98.8mと圧倒的に大きく、前期古墳としては、四国最大の規模を誇り、瀬戸内地域全体でも7番目の大きさ
・ 棺には国内最古の、石を刳り抜いて作った石棺が採用
・ 銅鏡や鉄製品など多くの副葬品
せっかくなので、２階の常設展へ。ここには、丸亀藩の歴史が展示してあるが、今回新たに発見したのが、
・1867年（慶応３年） 高松藩に出兵
の記述。丸亀藩が高松藩に出兵?
それ以上の解説が無かったので、帰って調べてみたところ、 明治天皇の書状が土佐藩に出ていて、１８６８年（慶応４年）１月１１日付で、「徳川慶喜の反逆に味方する高松藩（香川）、松山藩（愛媛）のほか、幕府直轄領を征伐して、没収せよ」と指示している。（上記写真）
高松藩は、水戸藩が宗家であったが、幕末の最後の藩主頼聰の正室が井伊直弼の娘であったため、鳥羽伏見の戦いで幕府方につき、朝敵となった。丸亀藩は、高松藩討伐に向かう土佐藩に従い、高松に進駐したらしい。
実際のところは、高松藩は、戦わずに家老を処分し（切腹）、頼聰も謹慎して恭順の意を示したことにより赦免されたので、戦にはならなかった。（Wikipedia) もし、戦になっていたら、相当の遺恨を残すことになり、ひょっとすると、香川県にならない可能性もあるのではないか。実際、明治期には、徳島県に編入されたり、愛媛県に編入され、2度「香川県」が無くなった時期がある。
2012年06月04日
詫間海軍航空隊
日曜日の昨日、先週の「粟島探検」で知り合ったアイルランド人と庄内半島一周のサイクリングへ。詫間マリンウェーブに集合し、そこから仁尾峠を越える。半島の南側を走り、半島先端の三崎を目指す。途中、花ばたけで昼食。眺めは最高！量は、サイクリングで食欲倍増した私にはチョット物足りない。
先端まで、最後は自転車を置いて歩いて行っての帰り道、今度は半島の北側を走る。香川高専詫間キャンパス（元、詫間電波高専）横には、 詫間海軍航空隊の碑がある。戦時中、この狭い入り江に1万人もの兵士が集められ、猛特訓を連日繰り返していたという。この地から、沖縄戦に302名が神風特別攻撃隊として飛び立っている。
本日の走行距離：約60km 半島でup/downがかなりあったので結構全力
2012年06月03日
Blood Diamond
舞台は、1990年代末期の、内戦が続くアフリカ・シエラレオネ。冒頭から、反政府勢力であるRUFが平和な村にトラックで押し寄せ、銃を無差別に乱射して殺戮を行う。「手があるから投票なんてするんだ。だから投票できないように切り落としてやる。」と斧で手を切り落としてしまう。
上記のリンクの作者の方も書いているが、私も印象に残ったのが、映画の節目節目でつぶやかれる、"TIA"という言葉。"This is Africa" 「これがアフリカ（なんだからなんでもありなんだ）」といった意味。
少年兵もその一つ。RUFが村を襲い子供狩りをする。親から引き離し、恐怖と薬物で洗脳する。恐れを知らない兵士になった少年は、今度は自分が村を襲う側に回る。
これらは全て実話。実際と違うところがあるとすれば、RUFだけでなく、政府側も少年兵を使っていたようだ。
そんな無政府状態もここ10年で改善されていると聞く。新たな「新興国」として注目されている国々もある。私はアフリカに行ってないので、こうしたよい変化が根付くのか、はたまたTIA状態になるのか、判断できない。
上記のリンクの作者の方も書いているが、私も印象に残ったのが、映画の節目節目でつぶやかれる、"TIA"という言葉。"This is Africa" 「これがアフリカ（なんだからなんでもありなんだ）」といった意味。
少年兵もその一つ。RUFが村を襲い子供狩りをする。親から引き離し、恐怖と薬物で洗脳する。恐れを知らない兵士になった少年は、今度は自分が村を襲う側に回る。
これらは全て実話。実際と違うところがあるとすれば、RUFだけでなく、政府側も少年兵を使っていたようだ。
そんな無政府状態もここ10年で改善されていると聞く。新たな「新興国」として注目されている国々もある。私はアフリカに行ってないので、こうしたよい変化が根付くのか、はたまたTIA状態になるのか、判断できない。
2012年06月02日
定住人口１人＝外国人旅行者９人
今週の「四国経済事情」ゲストスピーカーは国土交通省四国運輸局の丸山局長。運輸局というと、車検をしたり、国道の管理をしたり、といったイメージですが、話の大半は観光についてでした。観光産業の経済効果は大きく、政府でも、２００８年に観光庁を作って「訪日外国人３０００万人計画」推進中です。
ご存じのとおり、日本は「人口減少社会」に突入しているわけですが、定住人口１人当たりの年間消費額は122万円だそうです。少ないようにも思いますが、子供もお年寄りも含めた全人口一人当たりなので、４人家族でx4=488万円ですから、こんなものでしょう。
一方、旅行者の消費額は、1人一回当たり、
国内旅行者（日帰り） 16千円
国内旅行者（宿泊） 52千円
外国人旅行者 136千円
なので、「定住人口１人＝外国人旅行者９人」という計算が成り立ちます。
2010年で861万人の外国人旅行者が倍増すれば、900万人/9＝100万人。3倍増になれば、200万人の人口減少に伴う消費減を相殺できる、ということです。100万人と言えば、香川県の人口に相当します。
よく言われるように、現状の外国人旅行者受入数は世界的に見ても低く、アジアの中で見ても、日本よりはるかに人口の小さな香港（20M）、タイ（16M）、マカオ（12M）、シンガポール（9M）、韓国（9M）に負けていますので、伸びる余地は大いにあります。（M=Million=百万人）
2012年06月01日
エリートだから変なことはしない?
中国書記官スパイ疑惑が報道されていますが、今回の件自体がどうなるかはさてておいて、このコメントには笑っちゃっいました。
ある政経塾ＯＢは「書記官の件は知らなかった。ただ、彼だけでなく、中国からの留学生は毎年いた。日本語はペラペラで、日本の文化や文学にも詳しく、塾生に溶け込んでいた。『エリートだから変なことはしない』と思っていたが、注意しなければ」と語る。（同上リンク）
中国でエリートということは、ほぼ＝共産党員です。中国で成績優秀だと、「共産党に入りませんか」と誘われる。入党申請をだし、試験と面接を受けて、その後1-2年間の思想教育を受け、党に忠誠を誓って晴れて入党となります。
上海の名門大学・復旦で成績優秀だった私の知人も、そうやって勧誘を受け、共産党員になったのち、日本政府の国費留学生として東大に留学していました。彼女がスパイだったとは思わないですが、「エリート」だからこそスパイの確率は高いと言わざるを得ません。優秀でない人をスパイとして送り込んでも意味がないでしょう。（笑）
国費留学生は、奨学金を学部生で月額12万5000円給付、授業料は免除、加えて往復航空運賃が支給されます。日本人への奨学金は、返済義務がある貸与型だけですが、国費留学生は、返済義務のない給付型です。「留学生全体の1割がこれに当たり、中国の留学生は18％を占めてトップになっている」ということです。
私自身留学していたこともあって、これまでもほぼ毎年、留学生のホームステイを自宅で受け入れてきましたので、留学生を増やすことには賛成です。しかし、それはそれ、これはこれ。「税金を使ってお金で留学生を引っ張ってこよう」というのは違うと思います。しかも、能天気なことに、基準は学業成績だけで、バックグランドチェックなどしてないのです。
国費でスパイを招待して、どうするんでしょうか。
